オープンワーク株式会社 代表取締役社長 大澤陽樹

社員クチコミで意思決定のヒントを届ける。ミスマッチがない就職を。

オープンワーク株式会社 代表取締役社長 大澤陽樹(おおさわはるき)

■プロフィール

東京大学大学院卒業後、リンクアンドモチベーション入社。中小ベンチャー企業向けの組織人事コンサルティング事業のマネジャーを経て、企画室室長、新規事業の立ち上げや経営管理、人事を担当。2019年11月にオープンワーク取締役副社長に就任。2020年4月、代表取締役社長に就任。2022年12月 東証グロース市場に上場。

働き方が多様化し、自身のキャリアに責任を持つことが重要となるこの時代。そんな今、就活生の半数以上が利用しているクチコミサイト「OpenWork」を運営するオープンワーク株式会社には、クチコミの質への拘りと、とことんユーザーを大切にする想いが詰まっていた。飛躍し続けるオープンワークの裏側、就活生への想いを同社の大澤陽樹社長に伺った。

■人や組織を変えなければ世の中は変わらない

大学生のころは、イギリスに留学をして砂漠の緑化について研究していました。そんな中、法律や倫理観の問題で実現することの難しさを感じたと同時に、世の中を変えるためには人を巻き込むことが大事だと痛感しました。そして、社会や国と連携できる手触り感のある研究がしたいと思うようになったんです。
その後、東京大学の大学院に進み、研究の傍ら都市計画のコンサルティング業を受託する会社でアルバイトをしました。この仕事を通じて、机上の空論を創ることは誰にでもできるけれど、人や組織を変えなければ世の中は変わらないなとより一層強く感じました。
オープンワークとの出会いは、前職のベンチャーキャピタル事業で新規事業の立ち上げに携わったこときっかけです。携われば携わるほどオープンワークの可能性をひしひしと感じ、中途半端にやるのではなくオープンワークにフルコミットしたいと考え、転職を決めました。最初は営業のマネージャーとして入り、その後人事と広報、経営企画のマネジメントをし、「OpenWorkリクルーティング」という新規事業立ち上げの功績を認めて頂いて、副社長に就任し、今に至ります。

■自分のキャリアは自分で責任を持つ時代。この時代に必要なのがオープンワークだ。

転職を決めるに至ったオープンワークの魅力を一言でいうならば、ユーザーファーストなサービスを追求し、運営しているという点です。今でもそうですが、ユーザーから毎日感謝の声が届き、「本当にユーザーが欲しているものをつくっているんだ」ということを実感したことが大きいです。多くのサービスが自社利益を追及したようなサービスモデルになっている中、オープンワークは「ユーザーにとっての情報価値があるかどうか」という点を一番に考え、クチコミ情報や評価スコアを審査の上掲載・提供するサイトとして確立しており、これからの時代間違いなく必要なものだと感じるようになりました。
今の時代は年功序列を廃止する企業も増えていますし、我慢して同じ会社にいても給料が上がる保障はありません。自分のキャリアを会社に預けるのではなく、自分のキャリアは自分で選んでいかなければならない時代です。こうした状況において、企業にとって優位な情報だけを掲載したサイトではなく、個人が主体的に行きたい会社を自分で選べるような状態をつくるためにも企業の実態をオープンにしていくことは重要だと僕は感じています。

■誠実な経営をする企業に人が集まる状態を

事業を運営するにあたって最も大事にしているのは、クチコミ情報の「健全性」です。具体的に何をやっているかというと、クチコミの投稿にあたっては、500文字以上を必須としたりコピーアンドペーストを制限するなど投稿のハードルを上げています。また、投稿後はすべての投稿内容に対してAIを活用した機械審査の上、トレーニングを受けた専門スタッフがすべての投稿を目視審査しています。この目視審査時に活用する独自ガイドラインは弁護士も交えた審査専門チームで定期的に改訂を重ねています。もちろんコストはかかりますが、オープンワークにとって、クチコミの健全性は生命線でもあるので、クチコミの健全性に対しては徹底して取り組んでいます。
「OpenWorkリクルーティング」という採用サービスも運営しているので、求人を掲載する企業は私たちにとってお客様ではあります。ただ、たとえお客様である企業の方から、その企業にとって都合が悪いクチコミの取り下げや評価スコアの向上依頼などが入ったとしても、対応するようなことはしません。企業優位ではなく、ユーザーのみなさまにとって価値ある情報を届けることを第一としています。
こうした取り組みにより、ユーザー数とともにクチコミ件数は年々増え続けています。昔は自社の社員評価が漏れてしまうので企業人事や経営者の方から半ば「煩わしいサービス」とされることもありましたが、取り組みを続けた結果、企業の皆様からも「自社の実情をユーザーに知ってもらえる」とOpenWorkリクルーティングを活用し、求人掲載をいただけるようになりました。自社のクチコミや評価スコアに対して真摯に向き合う企業様が増えてきた実感があります。「クチコミを採用力に」というテーマを掲げて、知名度ではなく社員に評価される誠実な経営をする企業にこそ人が集まる状態を目指したいです。

■オープンワークで活躍するのは、自学自走の原動力を持つ人材

弊社は、社員数80人ほどの少数精鋭の組織です。上場企業だからといって育成が整っているわけではなく、自学自走できる人が活躍しています。
例えば我々のデータサイエンティストのトップは、今でも外部の研究機関や講演に参加しながら研究を続けています。そういう人は誰かから教わらなくとも、自分の作りたい世界観を持っていて自ら学んでいくんですよね。そういったように「楽しい、こうなりたい」という原動力を持っている人と働いていきたいです。

■他人を知り、納得した就職・キャリア形成を

まず、ぜひオープンワークを使ってください!!自分で意思決定をした、納得をした就職活動をしていただきたいからです。就職活動を進めていくと、内定を獲得するためのテクニック論に関する情報がたくさん出てくると思います。もちろんそうした情報も大事ではありますが、そこに囚われすぎると内定獲得がゴールとした就職活動となり、誰かが決めた軸で会社を選び、自分軸ではない就活になってしまいます。ただ、オープンワークに答えがあるわけではなく、そのヒントしか書いてありません。ヒントを元に、自分で意思決定をし、納得した就職活動を送っていただきたいなと思っています。
自分を知ることと同じくらい他人を知ることは、就活生にとって大切なことだと考えます。今はコロナ禍で他人との接点が薄くなっていると思いますが、自分の狭い世界に閉じこもっていては、あるはずの選択肢に気づけなくなってしまいます。社員クチコミをひとつの参考に、色々な人の価値観に触れ、「その中で自分はこの選択をしたのだ」という納得した就職活動をしていただけることを願っています。

学生新聞オンライン2023年1月16日取材 東海大学4年 大塚美咲

國學院大學3 年 島田大輝 / 国立音楽大学 2 年 岡部満里 / 東海大学4年 大塚美咲 / 立教大学4 年 須藤覚斗

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