琉球アスティーダスポーツクラブ株式会社 代表取締役会長 早川周作

「想い・情熱・志」で結果をみせる!

琉球アスティーダスポーツクラブ株式会社 代表取締役会長 早川周作(はやかわしゅうさく)

■プロフィール
大学在学中に起業。
元首相の秘書として勉強し28歳で衆議院選挙に出馬。
その後約90社の顧問の立場でベンチャー企業を指揮する。
2018年琉球アスティーダスポーツクラブ株式会社代表取締役に就任。
明治大学MBAビジネススクール講師、国立大学法人琉球大学客員教授に就任。
2021年12月Forbes JAPAN「今年の顔100人」に選出された。

「未来を照らす太陽のような存在」を目指す琉球アスティーダ。プロスポーツチーム初の上場を果たし、3年で日本一のチームにするという偉業を成し遂げた早川周作氏。壮絶な学生時代、選手達を熱く奮い立たせる情熱、人生を通じて揺るがない信念とは。驚くほどポジティブな早川氏の人生談、会社の魅力、想いを伺った。

■新聞配達、学生起業家、国政選挙出馬。がむしゃらに挑戦した熱い学生時代

19歳の時に父親の会社が潰れて蒸発し、学生時代に起業をして国政選挙に出馬するという変わった学生時代を過ごしてきました。
元々父親が会社を潰して蒸発し、行政に相談した際、「世の中はなぜ強い者ばかりに光が当たって弱い者には当たらないのだろう」と強く感じたことが国政選挙に出馬しようと思ったきっかけでした。その社会的な構造、仕組み自体を変えていかければと19歳ながらに感じていたんです。挑戦したことが評価される社会でなければいけない。いわば、結果だけで評価する社会はおかしいのだと。みんながチャレンジしやすい、夢を持って前に進める社会を作ることが僕の使命かもしれないと思いました。そこで、20代で選挙に出ると心に決めたのです。
家業が潰れた後は、新聞配達の仕事でお金を貯め、一番学費が安くて法律の勉強ができる夜間の明治大学法学部に進学しました。そして大学1年の時から法律事務に勤め、昼間は働いて夜に勉強をするという生活を送っていました。
当時働いていた法律事務所が不動産競売を扱っていて、ボスの弁護士から不動産の知識を詰め込まれる日々。そんな中で法律事務所の投資家の方が「お前はサラリーマンをやる人間じゃないから会社をやれ」といって5千万円ほど僕に投資してくれました。母親が地元の秋田に残されていたので、母親と呼んで一緒に暮らすためにも将来は起業することを決めました。

■「強い人だけでなく弱い人に光を当ていきたい。」自分の信念と重なった、卓球チームとの突然の出会い

大学卒業後、当時稼いだお金は、選挙に出てほとんどなくなってしまいました。そこで企業からお声掛けをいただいて、80社近くのアドバイザーや顧問を行い、「もう十分稼いだな」と思ったタイミングで沖縄に移住しました。
その時、沖縄にTリーグという卓球のリーグができたのです。卓球というスポーツは800万人ほど日本にいるにも関わらす、当時はプロリーグがありませんでした。そこで「卓球を国技にしよう」と両国の国技館で立ち上げられたのがTリーグでした。そしてリーグを立ち上げた方が、突然僕に「卓球は5歳で始めても、15歳でメダルが取れる可能性がある。沖縄の貧富の格差がこれだけ拡大する中で、お金をかけずしてチャンスが与えられる球技は卓球しかない」と話してきました。その想いは、僕が常に政治やベンチャー支援でも常に大切にしていた「強い人だけでなく弱い人に光を当てていくんだ」という考え方にどんとハマったんですね。卓球経験は全くなかった僕ですが、たった30分でチームを引き受けることを決意しました。

■人を突き動かすのは「想い・情熱・志」

しかし、実際に飛び込んでみると、スポーツ業界にすごく違和感を覚えました。なぜかというと、スポーツにお金を出そうとしてくれる企業はとても少なく、スポーツチームで上場している会社は当時一社もなかったからです。夢と感動を与えるスポーツにもっと良い循環モデルを作らなくては日本のスポーツは終わってしまうと思いました。だから自分はチームを引き受けてすぐに、日本で初めてのプロスポーツ上場会社を作ろうと決意したのです。しかし、初めは誰からも相手にされない状況でした。だからこそ結果で見せるしかなかった。
僕は最初から人に賛成されるビジネスは絶対にうまく行かないと思っています。競合が入りやすく、誰でもマネできるからです。明らかに周りとの差別化があり、反対されるようなビジネスでないと跳ねることはできない。中でも、強い選手を獲得することは特に大変でした。ファーストシーズンはダントツの最下位で全く勝てませんでした。そこで色々なチームの選手を片っ端から食事に連れていき、「3年以内に日本一のチームを作りたい」「絶対強いチームを作りたいから、そのためにはどうしたらいいんだ」というヒアリングを繰り返しました。張本智和選手にもうちのチームに来てもらうために会う度に話をし、4年越しでやっと入団してもらうことができました。彼が「琉球に移籍した理由は社長の情熱だ」と言ってくれた時はうれしくて涙が出ましたね。やはり、想いや情熱、志というものは人を突き動かす原動力になるのだと痛感し、「プロスポーツをやってよかった」と心の底から思った瞬間でした。

■仕事は本来楽しいもの。おもしろ楽しく、ご機嫌に働く人間が欲しい!

本社のホームページに「おもしろ楽しく、いつもご機嫌に。諦めずに、やりきり超MAX!」と書いてあります。要は、バカでもいいんです。仕事は本来楽しいものだし、それに対して社会を変えていくことや自分の生きざまを示していくことが本当のやりがいだと思います。だから僕は会社で一回も怒ったことがありません。いつもご機嫌に、面白楽しくできる人間を採用したいです。そのために大切な能力は、忘却力。事業をやっていると良いことも悪いこともあり、常に強運に恵まれることはありません。その波の中で多くの人は悪い方を引きずってしまいますが、反対に僕はプラスの部分だけを引っ張って生きているのでここまでやってこれたと思っています。皆さんも、良いことだけを持ち歩いて楽しく働ける人間になってみてください!

■吸収力は今のうち。時間を味方に、最高の大学生活を!

吸収力がある若い時期をとにかく大切にしてください。今10分勉強すればできるようになることも、10年後には3時間かかってしまうということがあるんです。だからこそ時間を味方につけることはとても重要で、今の頑張りは将来の時間を買うことになります。今の時間を大切に、1日1日を大切に生きて時間にレバレッジをかけて充実した大学生を楽しんでください。

学生新聞オンライン取材2022年11月17日 東海大学4年 大塚美咲

成城大学2年 角田迅斗 / 東海大学4年 大塚美咲 / 関東鍼灸専門学校3年 竹原孔龍
 

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