株式会社テレビ東京ダイレクト 代表取締役社長 兼 テレビ東京ホールディングス 専務執行役員 遠藤孝一

人との出会いは新たな挑戦を生む人生の財産に!

株式会社テレビ東京ダイレクト 代表取締役社長 兼 テレビ東京ホールディングス 専務執行役員 遠藤孝一 (えんどうこういち)

■プロフィール

1959年生まれ東京都出身。82年に大学を卒業後テレビ東京に入社、08年同営業局長、15年取締役アニメ局・営業局担当。17年テレビ東京ダイレクト代表取締役社長に就任。同社はテレビ東京グループの中核会社としてコマース事業全般を担っている。22年にゴルフEC会社の株式会社リアルマックスを傘下に収める。

食品事業、旅行事業、ゴルフ事業など、様々な分野でビジネスを広げていくテレビ東京ダイレクト。代表取締役社長である遠藤氏のテレビ東京営業職時代からのモットーや、生産者の想いを伝えることへの拘り、新たなビジネスへの挑戦を取材しました。

■人との出会いはアイデアの宝庫

僕は、上智大学の外国語学部ドイツ語学科という少し特殊な学部で勉強していました。周りの人はみんなまじめでしたが、あまり大学生が社会貢献について考える時代ではありませんでした。だから今の学生さんを見ていると、社会貢献に対する意識が高くてすごく感心しますね。僕の場合は、サークル活動をするか勉強をするという大学生活でした。やっと就職について考えるようになったのは、大学4年の頃です。どこを受けようか考え、マスコミに興味があったためテレビ東京に勤めていたサークルの先輩を訪ねて選考を受けようと決めました。当時から社会に情報を伝達していくことに関して非常に面白いと感じていたためです。
テレビ東京に入社後は、初めからずっと営業を担当していました。いわゆるテレビ局の華やかな仕事ではありませんでしたが、営業職は様々な人と出会うことができるためとても楽しかったです。人との繋がりができたのが営業職で、それが今の僕の財産になっています。
「遠藤は何か新しいことをやってくれそうだ」と思ってもらえたから、テレビ東京ダイレクトの代表取締役社長の機会をいただけたのだと思います。テレビ東京の営業職時代から僕は様々なジャンルの人との出会いを大切にし、人と会って色々な話をしていくことで、新たな価値観やアイデアを生み出してきました。それがここでも活かされてアイデアマンとして評価され、抜擢していただけたのだと思います。

■生産者の熱意と拘りが消費者の心を動かす

いわゆるテレビの通販は、衝動買いのビジネスです。一方で我々は、「この商品がいいですよ、安いですよ」という売り方ではなく、商品の拘りのポイントや作った人の熱意を取材し、テレビを通じて訴求していくことをモットーにしています。なるべく他社と差別化するためにも、生産者の熱意が伝わる商品を取り扱うことに拘っています。テレビショッピングは、視聴者に購買意欲を喚起させて買わせるビジネスですが、今はコロナ禍により巣ごもり消費が高まり、テレビにたくさんの情報が出ても、視聴者は自分で調べてから買うようになりました。その時に我々は生産者の拘りや熱意を示して販売していますので、多くのお客様に納得して購入していただけているのだと思います。

■地域に眠る魅力を発掘し、新たなビジネスを生み出す

僕は今一つ目指していることは、オリジナル商品を開発していくことです。その開発の原点は地方にあると考えています。今BSテレビ東京で地域の情報を発信する番組を制作運用しています。地域とのコミュニケーションから、その地域に眠っている魅力ある商品を発掘し、こだわりを持った生産者と一緒になって物販の商品開発をしていくことがその目的です。地域の伝統技術にデザインや機能などに我々のノウハウを加え、新たな商品を生み出すことができれば最高ですね。
また、我々にはずっと積み上げてきた膨大なシニア層を中心とした顧客リストがあるため、これを活用してシニアをターゲットとした新たなビジネスに力を入れようと思っています。一方若い人達向けには、番組関連グッズを販売するテレ東本舗の事業にも力を入れていくつもりです。僕自身アニメを以前担当していたのでその可能性や面白さを見出していきたいと思っています。

■「人と人は必ず繋がる」

僕のモットーは、「人と人は必ず繋がる」ということ。出会った人とは、必ずどこかで巡り巡って繋がっていき、新たな商談やビジネスが生まれます。この人と人をマッチングさせるビジネスもありますが、出会った人とお酒を飲みに行き、そこで人を紹介し合ってまた新たな出会いが生まれるといったようにどんどんと輪が広がっていきました。ですので僕はかなり様々な分野の人との繋がりを持っていますし、これは自分の最高の財産だと思っています。その上でも誠実であること、必ずお礼を忘れないことは常に大切にしています。「この人、胡散臭いな」と思われたらおしまいなんです。
そして採用する際には、「モノを売る」ということにものすごく敏感に面白いと感じてくれる人を採用していきたいです。例えば、野球のスタジアムでビールを売る売り子さんは本当に優秀だと思いますね。何度も売るうちに馴染みのお客様を掴み、必ず一言声をかけていく。お客様の心を掴む能力が素晴らしいと思います。このように、とにかく外に出て人と会うことを大切にしてほしいです。だからこそ社員には飲みや食事の機会も大切にし、人との出会いの場を増やしてほしいですし、積極的に外に出てコミュニケーションをとる能力が高い人一緒に仕事がしたいと思っています。

■大学生へメッセージ

弊社の採用では公募をせずに少人数をピックアップして面接を行っているため、もし我が社に興味を持ってくださっている学生がいたらとにかく積極的にアプローチしてほしいです。合わせて、学生時代の様々な人との出会いは必ずかけがえのない財産になります。学生時代から色々な人と出会い、自分の中に蓄積して人と人をマッチングさせてください。

学生新聞オンライン2023年2月10日取材 東海大学4年 大塚美咲

東洋大学4年 伊佐茜音 / 東海大学4年 大塚美咲 / 立教大学4年 須藤覚斗 /中央学院大学4年 田根颯人 / 津田塾大学4年 宮田紋子

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。