オリンパスマーケティング株式会社 首都圏営業部 清野剛

医療機器の使い手と作り手、営業を通じて架け橋に

オリンパスマーケティング株式会社 首都圏営業部 清野剛(せいのごう)

■プロフィール
学習院大学法学部卒業後、2010年に国産インプラントメーカーへ入社。新規開拓営業を担当し、海外メーカーのブランド力に対し国産の技術力を武器に顧客獲得に注力。2013年にオリンパスへ入社後も一貫して営業を担当。神奈川東海地区における販売促進策の立案・推進を経験。現在は都内にて国内中核病院を軸にイベントを展開するなど、売上拡販に従事。

1950年、世界初の実用的な胃カメラを開発したオリンパス。消化器内視鏡分野においては、世界トップシェアを誇る。医療従事者の立場ではなく、医療機器を提供する立場として重要な視点や役割とは何か。オリンパスグループの販売会社で営業職を務める清野剛さんに、現場での心得を伺った。

「医療機器×国内メーカー」が、就職の決め手だった

私が現職に就いている理由は、「医療機器×国内メーカー」という軸にあります。
まず、医療機器に関してですが、学生時代は法律を専攻していたので元々興味があったわけではありませんでした。ただ、高齢化が社会問題となる中でニーズの高まりは常に感じていました。そして、就職活動を通してあらゆる業界の方と接する中で、一際惹かれたのが医療業界の方々でした。人の命に関わるという責任重大な仕事に対し、自信と誇りを持って働く姿に魅力を感じたのです。この頃から、医療業界における営業マンとして、現場に密に関わりながら働きたいという想いが強くなりました。 
次に、国内メーカーに関しては、完全に父の影響です。私の父は時計ブランドの『SEIKO』に勤めており、子どもの頃から日本が誇るものづくり技術「メイドインジャパン」に対するリスペクトがありました。
こうした理由から「医療機器×国内メーカー」という軸が最も当てはまった弊社に入社を決め、現在は営業職として販売業務を担当しています。

一人一人のニーズや想いを繋ぐ架け橋に

我々営業の役割は、医療機器の使い手である「医療従事者」と作り手である「技術者」の架け橋となることです。技術が優れていても、現場のニーズと紐付けなければ製品を販売する事は出来ません。こうした役割において私が大事にしている心得が主に三つあります。
一つ目は、「相手を知ること」です。現場で製品を扱う医療従事者はどのようなものを使いたいのか、それはいつ使うのか、どこで使うのかなど、徹底的にヒアリングを重ねます。このように、まず相手を知ることで、そのニーズに対して自社製品で対応できるのか、あるいは新しく開発する必要があるのかなど、最適な提案に向けその後の方向性を決めていくことができるのです。
二つ目は、「自分の考えをシンプルに伝えること」です。医療従事者の方は時間がありません。手術の合間に手を洗うその一瞬で、製品説明をすることもあります。時間的には1分もないかもしれません。自分が伝えたいことを、いかにシンプルに伝えられるかが重要です。私は常に全身メイドインジャパンで揃えるようにこだわっています。これも、自分が伝えたい想いをお客様へシンプルに伝えるためです。つまり、「提供する製品は全て安心安全な国産製品です」という弊社の強みを口だけではなく、姿形からも伝えています。限られた時間の中で医療従事者の方々に安心感や納得感を得ていただくためには、自ら想いを体現し視覚的にメッセージを届けることも重要だと考えています。
三つ目は、「共感すること」です。一口に医療従事者と言っても、ニーズは千差万別です。医師の方は診断における分析技術に魅力を感じ、看護師の方は施術における動作環境に魅力を感じるというように、同じ製品であっても感じる魅力は全く違うことがあるのです。こうした一人ひとりの声を聞き、思いや悩みに共感することが最適な提案に繋がると考えています。
もちろん、これら3つの心得は初めから実践できたわけではありません。入社当初は、先輩に同行してひたすら見て学ぶことを繰り返しました。最近は、自分が上の立場になることも多く、後輩からも学ぶ姿勢を大切にしています。経験が浅いからこその視点や考え方からは、自分では気付かなかったような新しい気づきを得られることが多くあります。日々、立場や役職関係なくコミュニケーションを取りながら、先ほど挙げた3つの心得を意識して仕事することを心掛けています。

更なる営業力強化と組織マネジメントへ

今後は、これまでの経験や営業スキルを活かしたチャレンジをしていきたいと思っています。オリンパスの世界全体売上において、弊社が販売活動を行う国内市場は約15%です。世界ではどのような製品技術に需要があり、どういった販売活動が最適なのか、海外市場における営業経験を通してグローバルな視点を養いたいと考えます。
また、次世代に繋げるため、マネジメントにも力を入れていきたいと思っています。マネジメントと聞くと、上司が部下を管理指導するというイメージで捉えられることも多いですが、「成果を上げるために仕事を管理・経営する」という意味では、セルフマネジメントが最も重要だと感じています。自分のスタイルで成果を上げる事は容易ではなく、私自身も苦労してきました。こうした中で得た知見や経験を後輩に伝えながら、一人一人がマネジメントできる強い組織を作る事で、企業の成長に貢献していきたいです。

大学生へのメッセージ

社会人となった今、大学生時代を振り返ると、こうしてよかったという満足感もあれば、こうしておけばよかったという後悔もあります。ただ、これら全てに関わることは「人との出会い」です。今まさにお読み下さっている皆さんと私も、WEB媒体を通して出会いました。そのお陰で、私や弊社のことを知って頂くことができました。これも一つの出会いです。私は、こうした一つ一つが積み重なって今があると思っています。ぜひ皆さんも人との出会いを大切に日々過ごしてみてください。

学生新聞オンライン2023年1月13日取材 専修大学3年 竹村結

上智大学4年 八木彩花/専修大学 3年 竹村結/ 日本大学 3 年 和田真帆/立教大学4年 須藤覚

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