株式会社リアルゲイト 代表取締役 岩本裕

古い不動産に新しい価値を

株式会社リアルゲイト 代表取締役 岩本 裕(いわもと ゆたか)

■プロフィール

一級建築士、東京都市大学(旧武蔵工業大学)工学部建築学科卒業後、大手ゼネコンで、現場監督とアメフト選手として活動、その後デベロッパーにて土地の仕入れから企画販売を一貫して経験。2009年8月、「the SOHO」の運営を機に当社設立。代表取締役就任、2021年7月サイバーエージェントグループに参画、現在に至る。趣味はバスフィッシングと筋トレ(ベンチプレスは150㎏)

小さなシェアオフィスから始まった、遊休不動産の再生事業を行う株式会社リアルゲイト。ゼネコンやデベロッパーなどの経験を経てスタートした岩本裕代表に、ご自身が起業して上場するまでに至った経緯と仕事への思いを伺いました。

高校生の頃から大学は建築の道へ進もうと考えていました。当時は理系の勉強が好きで、同時に画家である母の影響を受けて絵を描くことも好きでした。次第に「理系分野が好きで、絵を描くことも好きならば、将来は建築が合っているのではないか」と思うようになります。さらに、せっかく大学に行くなら大学らしいスポーツがしたいと思い、小さい頃よく見ていたプロレスや格闘技を思い出して、体を張って競技するアメフトをやりたいと思うようになりました。そこで、建築学科があり、なおかつアメフトができる大学はどこかと考え、東京都市大学(旧武蔵工業大学)に進みました。ただ、大学時代はスポーツに夢中になってしまって、ほとんど勉強しませんでした(笑)。その影響もあり、建築学科で一番人気がなかった材料系の分野に進みました

■ビジネスマンとして負けたくない

当時はアメフトやラグビーのチームを作っているゼネコンがいくつかあり、その中の1つである大手ゼネコンに就職しました。建設現場の現場監督をしていましたが、土日出勤は当たり前でした。朝8時から職人さんたちをまとめてラジオ体操をし、夜の5時からは製図などを行います。水曜の夜や、週末にアメフトの練習もしていたので、本当に過酷な日々でした。
でも、現場において、鉄筋や型枠、内装工など様々な職種の職人さんをまとめて1つのものを作っていく経験は本当に役に立ちました。当時は、仕事とアメフトを両立できていたので、「自分は仕事ができる人間だ」と勘違いしていました。入社から3,4年経って、アメフトの有名な選手が入ってくると、試合の出番も次第に無くなっていきました。仕事だけになると、できる方でもなかったので、「もう一度社会人として、ビジネスマンとして負けないようにレベルアップしよう」と思って転職を決意しました。

■自分で作った物を売りたい

転職活動をしたのは、余っていた有給期間を消化していたときです。並行して宅建士や一級建築士の資格も取り、大手マンションデベロッパーに就職しました。資格を取ったからといって、図面を書けるわけでも、実務ができるわけでもないですが、資格を取ったことでなんとなく自信が持てるようになりました。転職先では施主としての工事監理もやりましたが、評価されやすいのは営業部門です。自分自身も評価される仕事がしたいと思っていたので、入社2年目に自ら志願して営業部門に移りました。すると、これまで技術的な部分の仕事をしていたこともあって、人よりも説明が明確にでき、営業で結果を出すことができたのです。人よりも圧倒的に売れて評価されることが面白くて、夢中になって営業をしていました。しかし、だんだんと仕事がつまらなくなっていってしまったのです。一級建築士の資格を持った上で、技術面や営業面もある程度理解できるようになってきたことで、いつしか「自分で土地を仕入れて、販売したい」と思うようになりました。そこで2度目の転職をすることになります。

■迫り来る世界恐慌とリアルゲイトの創設

次の転職先は少し規模が小さい会社だったので、自分のやりたいことをやりやすい環境でした。自分の描いた通り自分で土地を仕入れて、それを販売して、利益を得る、正に自分が主体となってできる会社でした。しかし、2008年のリーマンショックによって、当時勤めていた会社が民事再生の対象になってしまいました。その時に再転職も考えましたが、独立するチャンスだと思い、リアルゲイトを創設しました。
最初の事業はスモールシェアオフィスビジネスでした。いまから約15年前で、不動産の法人登記も1円からできるようになっていました。そのこともあってマンション内で法人登記をしたいという人が急増し、分譲マンションでは法的に法人登記ができないので、気軽に法人登記ができる小さなシェアオフィスを作ればニーズがあると思い、起業にいたりました。今では「古いものに価値を 不動産にクリエイティブを 働き方に自由を」という理念のもとに、古い不動産を収益性の高い不動産に再生する事業を展開しています。

■ワンチームで作り上げる楽しさ

リアルゲイトの強みは、不動産再生の企画から設計・建設、その後の運営までを一気通貫で行う点が挙げられます。これは各分野の専門家が1つのチームとなって、ほぼ社内完結で再生事業ができるからこそのものだと思っています。さらに、作りたいものをお互いに提案しあって、一つのものを作り上げることは、本当に楽しい作業だと思います。新卒で入社した社員もチームの一員として自分なりの意見をぶつけて、主体性を持って取り組んでいける環境になっているのではないでしょうか。

■大学生へのメッセージ

将来の仕事に対して、「安定していて、自分に向いている仕事をしたい」と思う人も多いかもしれません。でも、恐らく自分に向いている仕事はないと思います。「向いている仕事はないかな」と探すことは、「どこかにお金が落ちてないかな」と探すことと同じで、なかなか見つかりません。ただ、どこかの企業に就職して、自分にできることが増えていくと、自分の向き・不向きがわかってきます。なので、とにかくチャレンジをして、トライしてから考えて、また実行するということが大切だと感じます。その繰り返しで本当の実力をつけることが、世の中でいう「安定」につながるのではないでしょうか。

学生新聞オンライン2023年9月20日取材 立教大学4年 須藤覚斗

 武蔵大学4年 西山流生 / 明治大学大学院1年 酒井躍 / 上智大学短期大学部2年 大野詩織 / 立教大学4年 須藤覚斗 / 慶應義塾大学4年 伊東美優

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