レゴ認定プロビルダー 三井淳平

世界で21人しかいない、日本で唯一のレゴ認定プロビルダー

レゴ認定プロビルダー 三井淳平(みついじゅんぺい)

■プロフィール

1987年生まれ。東京大学在学中、「東大レゴ部」を創部。2011年、レゴ認定プロビルダーに最年少で選出される。2015年、レゴ作品制作を事業とする三井ブリックスタジオを創業。2023年にはボストン美術館で現代アートとして作品が展示される。

神奈川沖浪裏

レゴ社に正式に認定される「レゴ認定プロビルダー」。世界に21人しかいないプロビルダーのうち、日本人は三井淳平さんただ一人だ。幼少期からレゴブロックに触れ、会社員を経て現在はレゴブロックを使った作品制作一本で生活している三井さん。好きなことを継続し、仕事にするための心構えを伺った。

■レゴビルダーを目指した経緯は

レゴブロックとの出会いは1歳のときです。3歳上の兄と一緒にレゴブロックで遊んでいました。他の組み立てるおもちゃも好きでしたが、レゴブロックは選択肢が広く、難しいものを作ることができるということでその魅力にはまっていきました。しかし、大きい作品を作るとパーツが多くなりその分お金もかかります。そこで少しでも安く上げようと中学生のときから個人輸入でパーツを取り寄せたりして作り、自分の作品をホームページにアップし始めました。なかでも等身大のドラえもんを作り、その過程をアップした際の反響は大きく、やりがいがありました。そのときにホームページを見てくださったテレビ番組の関係者から連絡をもらい、高校生のときに初めて「TVチャンピオン」レゴブロック王選手権に出演。限られた時間で作品を作ったのは初めてで、レゴブロックを使った仕事を意識する機会になりました。大学生になるとレゴブロック作品の制作依頼を受けて作品を作り、販売し始めました。東大レゴ部を立ち上げてチームとしては安田講堂を作りました。レゴ部やTVチャンピオンの影響で注目され、製作依頼が増えて実績を積んでいくうちに、レゴ社との接点ができました。大学院卒業のときはレゴビルダーの資格を持っていましたが、鉄鋼メーカーへの就職を選びました。スケールの大きな鉄鋼メーカーの仕事が魅力に感じ、やってみたいと思ったのです。しかし、就職後も作品制作の依頼が徐々に増えてきて独立を決断しました。

■作品を作り続けるモチベーションとは

これまで作品制作を続けてこられたのは、趣味ではなく仕事として取り組んでいるからです。仕事では依頼を通じて常に新しい課題を与えられたり、自分でも提案をしたりする必要があります。だからこそ一つの作品に満足することなく走り続けてくることができました。依頼されたものは自分にとって新しく、面白いことが多いです。依頼を受け入れ、自分の中のリミットを外していくことはチャレンジであり、自分にとってプラスになります。また、新しいことをやろうという気持ちを大事にすることで、飽きることなくモチベーションを継続できていると感じます。

■将来の展望を教えてください

今後は、自分の作品づくりにシフトしていきたいです。昨年、アメリカのボストン美術館に作品が展示され、アートとしての作品の価値を認めてもらえる機会がありました。依頼を受けて作るのと自分の表現したいものを作るのとでは方向性が違いますが、オリジナル作品の割合を少しずつ増やしていけたらと思っています。レゴブロックは何といっても自分で作れるところが魅力です。そして、世界中の人が知っているというコミュニケーションツールとしての良さもあります。子どものころにレゴブロックで遊んだという共通の原体験があり、それを共有し作品を見てもらえるのが良いところだと思っています。

学生新聞2024年4月1日発刊号 津田塾大学4年 大川知

日本大学1年 大森雨音/津田塾大学4年 大川知/駒澤大学4年 三上山明里

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