IG証券株式会社 代表取締役 古市知元

型にはまらない、世界基準の投資機会を日本に届ける

IG証券株式会社 代表取締役 古市知元(ふるいちともはる)

■プロフィール

札幌市出身。東京大学法学部卒業、シカゴ大学経営学修士。58歳。学生時代はドラムを叩いていた。長男と長女は今年、それぞれ大学と高校を卒業。日本企業2社、外資系企業2社の経営で過去最高の業績。採用面接は、する側でもされる側でも数知れず。休日は身体のメンテや散歩、読書、家族とまったり過ごすなど。

今年で創業50年を迎えるIGグループ。15カ国以上で使用されており、通貨の種類は100をも超える。圧倒的な銘柄数で世界標準の取引できることが強みであり、多様なユーザーへ海外資産を含む投資機会の提供を目指す。古市社長のこれまでのキャリアを伺いながら、IG証券としての展望についてお話しいただいた。

■経営コンサルティングから企業経営者に移行した時代

 東京大学を卒業しましたが、当時はいかに低い点数で単位を取るかなんてことばかりを考えて、就活もあまり意識していませんでした。特にやりたいことが決まっていたわけではなく、リクルートのパンフレットの最後のページに掲載されていた外資系コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニー・ジャパンを受けることにしたんです。
1つだけ言うなれば、金融業界にだけは就職したくないと思っていました。当時金融業界はとても人気で、周りと同じようなことはしたくないと思っていたからです。まだ明確な道が見えていなかった私にとって、コンサルティングはやりたいことを決めなくてもいいと思い、入社を決めました。マッキンゼーには足掛け12年間勤めましたが、そのうち一年間はディズニーの日本子会社に出向し、売上予測2万本のビデオ作品を10万本売りました。もともと映画等に興味があったこともあり、とても楽しかったです。その後2年間はマッキンゼーを休職してシカゴ大学のMBAに留学しました。マイケル・ジョーダンを生で見たかったからというのも留学した理由の1つでしたが、ちょうど留学の直前に引退してしまいました(笑)。その後2年間はマッキンゼーに戻りましたが、会社経営を実際にやってみたくなり、人材紹介や派遣などの人材サービスで上場していたインテリジェンスという企業に執行役員として転職し、会社の急成長に立ち会いました。その後はサマンサタバサで取締役、GILTでは代表取締役として企業経営のキャリアを積みました。

■IG証券との出会い

色々な会社を経験してきましたが、IG証券に入社したのは、声をかけてもらったことがきっかけです。ロンドンで最終面接を終えた後、空港へ向かうタクシーの領収書の裏にIG証券の広告があったことに縁を感じ、入社しました。学生時代から金融業界に特段興味があったわけではなかったのですが、人との巡り合わせの末、金融業界に入ったわけです。初めは絶対に行かないと思っていた金融業界でしたが、良い人との巡り合わせで出会うことができました。IGグループはアメリカやオーストラリアなど、15カ国以上に展開し、外国為替や株価指数、原油などのコモディティ、債券などの店頭デリバティブ商品を提供しています。2018年にIGグループのグローバルCEOが交代したことを受けて、日本を戦略市場として成長させようという動きとなって入社しました。私はこれまで経営コンサルティングや企業経営に携わってきたので、成長戦略全般にアプローチするよう求められました。当時はごく一部の限られた方がお客様でしたが、より幅広いトレーダーにも使ってもらえるようにマーケティングやサービスの改善などに取り組みました。

■これからの投資・資産運用

日本は証券市場が独特で、特に本社のあるイギリスとは規制が全く違います。資産クラスごとに細分化されていたり、暗号資産の規制が異なっていたり。ただ、共通するのは、目まぐるしく変わる時代を生きる上でも、これからもっと多くの人にとって投資や資産運用が必要になることです。その中で大切なのが、型にはまったお仕着せの投資ではなく、自分で考えて投資方法を見つけることでしょう。もちろん、投資では失敗することもありますが、多くの人に機会を提供したいと思っています。世界に目を向けた資産運用や投資が当たり前になるように、日頃からチャンスを逃さない姿勢も大事ですね。
今後の弊社の課題として挙げられるのが、SBI証券や楽天証券、DMM証券など業界トップを走る金融企業に対して、どのように戦っていくかです。日本以外の海外市場や、他社にはない金融商品にも力を入れているので、多様なお客さまのニーズに応えられるようにしたいです。あと、いまだ他社が気づけていないことに目を向けていくことが必要ですね。資金力に任せた、ただの力勝負ではなく、新しい商品やサービスなどに柔軟にチャレンジしていくことが弊社の強みだと思っています。

■大学生へのメッセージ

成功する秘訣には私は主に2つあると思っています。1つは運です。運というのは、他力本願ではなく、伸びる分野を予測したり、良い人と出会ったりすること、努力を続けることで自然と引き寄せることができます。もう1つは、見通しです。これは社員にも聞いていることですが、今何をしているのか、それがどういうふうにつながるのか、先を考えて動くことです。
学生のうちにやりたいことが決まっていなくても全然構いません。それが当然だと思います。でも、上手くいかなくても、他人や環境のせいにしないことが何より大事で、損得で動くのではなく、人のいいところを見つけるようにするだけで、見方が大きく変わります。偉そうに言える立場ではありませんが、大学生の皆さんにも、ぜひこれらのことを大切に頑張ってほしいですね。

学生新聞オンライン2024年1月23日取材 上智大学2年 白坂日葵

 中央大学2年 前田蓮峰 / 上智大学2年 白坂日葵

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