株式会社REAL JAPAN 代表取締役 高崎圭悟
自分の特性・価値に気づいて、人生を切り拓く
株式会社REAL JAPAN 代表取締役 高崎圭悟 (たかさきけいご)
■プロフィール
1985年群馬県生まれ。
株式会社REAL JAPAN代表取締役/NPO法人 地方創生機構 代表理事。
研修講師・YouTuber・イスラエル観光親善大使。
・研修事業:通算800回以上開催、のべ8万人以上が受講。
・YouTube総再生数250万回・インスタグラム総再生数1800万回
・保守派の世界最大カンファレンス『CPAC JAPAN』に登壇。
独自の研修プログラムを通じて、自分らしい生き方を提案する株式会社REAL JAPAN。代表取締役の高崎圭悟さんは自身の経験を通じた研修・講演会事業の展開に加えて、日本最大級の国際政治カンファレンスであるCPAC JAPAN 2023のパネラーや、イスラエル親善大使などマルチな活躍をされている。そんな高崎さんに過去の経験や事業内容、また、これからを生きる人々に伝えたい思いをお伺いした。
■「お金」に対するコンプレックスを感じていた
信州大学に在学していた頃は、中学生からはじめたスノーボードに力を入れていました。骨折をしたままでもなお滑ったり、長野県内の大会で優勝したりと本当に夢中でした。一時期はプロになろうとも考えていましたが、スノーボードの先輩方からプロ生活の厳しさ・先のなさを教えられて断念しました。当時、僕の家庭はあまり裕福とは言えず、なんとか大学に進むことができたという状況でした。「お金で困りたくない!」という思いや貧乏に対するコンプレックスを抱えていたため、就職活動は給与が高い大企業を中心にエントリーをしていました。大学卒業後はインターンシップにも参加をしていた富士通長野システムエンジニアリングに、SEとして入社することができました。
■お金を稼ぐが心が満たされず、すべてを投げ捨てた
入社後は、1年目からソフトウェア特許を6件出願したり、営業部と開発部の先輩を集めてプロジェクト立ち上げて21件の特許を出願したりと、全力で業務に取り組んでいました。自分で言うのもなんですが、そのお陰で「最年少課長になれるぞ!」と太鼓判を押されるほど、出世コースに進んでいましたね。
しかし、最年少課長になるには、「最速でも30歳以降。それに加えて課長の枠が空く必要がある。」と言われ、どちらも自分の力ではどうにもできないため、「このまま頑張ってもなぁ」とモチベーションが下がるように。そんな中、東京出張の際に出会った人から、いわゆるネットワークビジネスに勧誘されました。当時はその実力主義の世界が、自分には魅力的に感じ、富士通を退職して参画しました。
そのビジネスでは、月収250万円以上、年収3000万円近く稼ぐことができ、金銭的にはかなり結果を残すことができました。小さい頃からのコンプレックスだった「貧乏」を解消できた、と感じていました。しかし、その一方で、どこか空虚で仕事に対する満足感を得ることができませんでした。
どのビジネスもそうですが、特にネットワークビジネスでは、結果を残せる人もいる一方で、結果が出せずに借金を抱えてしまう人も多くいました。彼らを見て、「自分のせいで悲しむ人や不幸になる人が生まれている。本当にこれでいいのか?」と考えるようになり、引退し、それまで得ていた収入も手放すことを決めました。
■お金や成績などの結果主義ではなく、「使命」を追求する。
自身のしていることが悪いことなのではないかと葛藤している時にちょうど出会ったのが、キリスト教の牧師の方でした。そのことを通して自分のこれまでやってきたことを悔い改め、お金を目指すことをやめ、人がもともと生まれ持った使命に進もうと考えるようになりました。
一般社会では、お金や成績など(最近ではフォロワー数・再生数など)の「結果・数字」を出さないと認められない、いわゆる成果主義が蔓延しているように感じます。そのど真ん中にどっぷりいた人間だからこそ、その違和感や問題点がイヤと言うほどわかるのです。そして、これは学生さんにも伝えたいことですが、この成果主義というものは、学校の中にも深く浸透しているイデオロギーです。数字の結果を出せない者は、落第者のレッテルを貼られてしまいますよね。でも、人間というのはそういう一つの指標で図れるものではなく、それぞれに生まれ持った特性があり、天から与えられた使命がある生き物だと思うのです。80億人の人間は、それぞれに違った特性があり、本来は優劣で図れるものではありません。
そのような、一人ひとりの人間は神が創った最高傑作であるという前提に基づいて、ある牧師によって開発された研修メソッドを教わる機会がありました。一人ひとり違う人間の脳の特性を大きく4種類に分類し、生まれたままの特性を理解し、その強みを活かすことで、アイデンティティを回復し、人を助けていこうというアプローチ。それが、現在の研修事業であるRevivalシリーズの研修にもつながります。
■人と人とを一致させる研修「Revival Union」。人間の脳の特性を4つの属性で捉え、個人の強みに着目
「Revival Union」では、脳の使い方に合わせて人を「勇」「誠」「義」「礼」の4つのタイプに分類します。「勇」は失敗を恐れず行動する人、「誠」はロジカルに計画を立てて達成する人、「義」は目的やビジョンで生きる一貫性を求める人、「礼」は人間関係や感情を大事にする人です。この4つのタイプには得意・不得意があり、それぞれのタイプが互いの弱点を補っています。日本では弱点や苦手分野を克服させ、完璧な人間を求める傾向が強いと思います。そのため、何か1つできないことがあると存在を否定され、アイデンティティが低くなってしまいがちです。
この研修ではまず自分自身のタイプと得意・不得意を理解して、「自分らしさ」を再確認する一方で、他者のタイプ、つまり「違い」も理解していきます。「違い」を認識することで、互いにできること・できないことを明確にして、支え合う気持ちを育んでいきます。人々が喧嘩をしたり、争いをしたりしてしまうのは、「違い」を認めず同質化を試みた結果です。だからこそ、他者の「違い」を理解するこの研修は、人間関係において非常に有効です。
また、自分の強みを発揮して生きることが、喜びをもって仕事をすることに直結します。それが、それぞれの使命を生きることに繋がってくるので、この研修はとても有用だと感じています。
■学生たちへ。時代は急激に変化している。古い体制の評価は気にしなくていい。
最近の若い世代は特にそうですが、昔と違って家や車など、個人で何かを「所有したい」という欲求や誰かと「競争する」という発想が少なくなり、先に説明した「成果主義の呪縛」から自然と逃れている人が増えているように感じます。何よりも、生成AIやドローンといった新しい技術が次々に生み出されていて、既存の業界や考え方がどんどん破壊されています。これからはもっと加速度的に変化していきます。
こういった時代や技術による社会の変化の流れは、抗おうとしてもムダで、必ず来る大きな波のようなものです。古い考えや概念の会社や組織はあっという間に消えさっていくので、いま現在の社会に求められているものではなく、技術革新の先を見据えた人生戦略を立てることを、学生さんたちには強くおすすめします。具体例を挙げると、今のホワイトカラーの仕事もブルーカラーの仕事も、軒並みAIにとって替わられることは誰でも想像がつくと思いますが、それらの消えていく仕事のスキルなどを今から勉強することは致命的な戦略ミスです。そうではなく、「AIを使いこなす」「AIで何ができるかを考える」など、思考の視座を上げて、メタ認知力を鍛えることを推奨します。
そして、自分の個性を大事にしてほしいです。これからは、ChatGPTのようなことしか言えない人間は社会的な価値がゼロになっていきます。つまり、AIっぽくない人間・尖っている変わった人間の価値が上がり、当たり障りのない意見しか言えない人間は無価値になっていくということです。なので、資格やスキルがあるとかないとか、テストの点数などに一喜一憂するのではなく、そもそも自分自身の存在自体に価値があり、それを表現すればするほど社会的な価値も上がっていくのだと思って、高いアイデンティティをもって生きていっていただけたらと思います。
学生新聞オンライン2024年5月27日取材 武蔵野大学4年 西山流生
武蔵野大学4年 西山流生 / 京都芸術大学1年 猪本玲奈
この記事へのコメントはありません。