三人芝居「クリエイターズハイ!!!」 ~三人が描く“ものづくり”の物語~

2025年10月12日シアターサンモールにて三人芝居「クリエイターズハイ!!!」が開幕しました。
東映プロデュースでおくる“本田礼生×赤澤燈”の新たな演劇企画が始動。
舞台は東京・シアターサンモール、大阪・扇町ミュージアムキューブです。
今回の新作は、加藤良輔さんを迎えたオリジナル三人芝居「クリエイターズハイ!!!」。
熱と衝突に満ちた“制作会議”の物語を、情熱とユーモアを込めて描き出します。
これまでにも、本田礼生さんと赤澤燈さんは二人芝居・三人芝居に挑戦してきました。2022年9月には、大内厚雄(演劇集団キャラメルボックス)と共に、三人芝居「オブセッション」(脚本:おかざきさとこ/演出:粟島瑞丸)をCBGKシブゲキ!!にて上演。三者の不思議なやりとりを描くドタバタコメディで話題を呼びました。さらに2024年2月には、二人芝居「追想曲【カノン】」(脚本:ほさかよう/演出:松崎史也)を上演。三つの会話劇からなる濃密な会話劇を、毎公演役を入れ替えて演じきり、観客に鮮烈な印象を残しました。
そして、2025年10月、新たに挑む三人芝居は、「未完の原作をアニメ化せよ」という一大プロジェクトに翻弄されながらも、創ることの意味を問い直していく、熱き創作の物語です。原作を“守りたい”編集者、原作を“超えたい”脚本家、そして板挟みになるプロデューサー。三人だけで創る、たった一つの“物語”。
初日に先立ち10月11日に公開された公開ゲネプロを取材しました。



三人の信念が交差する会議室 ~学生の観劇レポート~
会議室という限られた空間の中で、セットはほとんど変わらないのに、3人の言葉や動きによって、情景がどんどんと広がっていきました。その想像力を掻き立てられる感覚がとても面白かったです。
未完の漫画をアニメ化するという目標のもと、それぞれの立場と信念を貫き、情熱をぶつけ合う姿に引き込まれました。原作を守るべきか、商業的成功を優先するべきか。三者三様の情熱の形が描かれており、「自分ならどうするだろう」と考えながら見られるのも魅力でした。
また、3人が心から演じることを楽しんでいるのが伝わり、呼吸のあった掛け合いがとても印象的でした。ものづくりの難しさ、創ることに向き合う人間の繊細さ、そして衝突を経て1つになっていく過程が美しく、胸に残る物語でした。
(武蔵野大学3年 吉松明優奈)
三人の息の合った掛け合いとテンポの良さに、冒頭から惹き込まれました。
お互いの呼吸を感じながら、言葉を交わしていく姿がとても自然で、普段の三人の関係性がそのまま舞台上に溶け込んでいるようでした。
特に印象的だったのは、目線だけで「水が落ちてくる」ことを表現する場面です。照明や音の助けがなくても、みなさんのお芝居だけで本当にそこに水があるように感じることができて驚きました。
原作マンガキャラクターに対する原作愛を持ち、自分の信じるものを大切にしている三人。三人の信念がぶつかり合う瞬間がありながらも、“アニメ化”という共通の目標に向かって一丸となっていく過程が、役者さん同士の普段からの信頼や絆が垣間見える、とても温かいお芝居でした。
原作マンガを再現するシーンでは、部屋にある身近なものを使ってキャラクターや風の動きまで表現する創意工夫に思わず笑ってしまいました。現実のどこかで本当にクリエイターたちがこうして作品づくりをしているのでは…!?と思ってしまうほど、リアルでおもしろかったです!
「対話劇」と聞くと少し堅い印象を持つ方もいるかもしれませんが、この作品はセリフが続く場面でも不思議と息苦しさがなく、観ていて全く飽きることがありませんでした!最後の瞬間まで楽しめる舞台です!
誰一人欠けることなく千秋楽を迎えられるよう、心から願っています!
(城西国際大学2年 渡部優理絵)
【公演概要】

三人芝居「クリエイターズハイ!!!」
脚本:吉﨑崇二
演出:川本成
出演:本田礼生 赤澤燈 加藤良輔
会場・会場
2025年10月12日(日)〜19日(日) シアターサンモール
2025年10月23日(木)〜25日(土) 扇町ミュージアムキューブ CUBE01
公演特設HP:https://toei-stage.jp/creators-high/
公式X:@Toei_stages( https://x.com/Toei_stages )
企画・プロデュース:東映

学生新聞オンライン2025年10月11日取材 武蔵野大学3年 吉松明優奈/城西国際大学2年 渡部優理絵
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