株式会社BRISK STAND 代表取締役社長 添田有吾 

考える前に動いた量と経験が、今の経営をつくった

株式会社BRISK STAND 代表取締役社長 添田有吾 (そえだ ゆうご)

■プロフィール
幼少期から高校卒業まで野球に打ち込む。明治大学卒業後、高級車販売事業を手がける株式会社インプロブに入社し、ポルシェの正規ディーラーとして約2年半、営業職に従事。
その後、2016年に株式会社CureNextを設立し、飲食事業で独立。2019年には地方創生をテーマに、マーケティングに特化したプロモーション会社「株式会社バズくる」を沖縄県那覇市に設立。
さらに2023年、ハンバーガーショップを展開する株式会社BRISK STANDを設立し、2026年1月時点で全国24店舗を展開している。

「和食にかぶりつけ!」というキャッチコピーのもと、和食を活かしたハンバーガーを提供しているグルメバーガーショップBRISK STAND。使う食材や調理方法のこだわりが多く、2024年には食べログ百名点にも選出された。現在はお店を全国、世界へ成長させている添田社長が、自身が積み上げた行動量と経験値を語る。

■BRISK STANDについて

現在経営しているBRISK STANDは、グルメバーガーショップとして全国に店舗を展開しています。本店は兵庫県神戸市にあり、2024年から本格的に店舗展開を始めました。2024年2月には浅草に2号店をオープンし、現在は24店舗まで広がっています。年内には国内50店舗、そして大型商業施設、海外進出も視野に入れています。
しかし、ここまで来るまでに、最初から明確な正解や計画があったわけではありません。振り返ってみると、学生時代から積み重ねてきた行動の量と様々な経験の幅が、今の経営につながっていると感じています。経営は現場での経験と判断の連続だと、日々実感しています。

■とにかく経験を増やすことを優先した学生時代

高校までは野球一筋で、中学時代には全国大会で準優勝という経験もしました。大学に入ってからは、将来は独立したいという思いが強く、できるだけ多くのことを知りたいと考えていました。
そこで選んだのが、アルバイトを通じて経験を積むことです。飲食店を中心に、レストラン、コンビニ、トラックの運転手など、30〜40種類の仕事を経験しました。効率だけを考えれば、ひとつの仕事を長く続けるほうが良かったかもしれませんが、私は頭で考えるより、体で覚えるタイプだったので、実際に現場に立ってみないと分からないことが多く、引き出しは多いほうがいいと思っていました。このように、学生時代に意識していたことは、行動量と経験の幅でした。
この経験は、社会に出てからの判断スピードや、環境への適応力につながっています。現場で人がどう動き、どこでつまずくのかを知っていることは、経営判断をする上でも大きな武器になっています。
就職活動でも考え方は変わりませんでした。周りが20社、30社と受ける中で、私は1社しか受けていません。選んだのはポルシェのディーラーです。身なりや言葉遣い、成功しているお客様との接点、営業力を学べる環境だと感じたからです。
説明会には20回以上参加し、約2年半在籍しました。その中でお客様の個性が強い分、対応力や人を見る目が自然と鍛えられました。この経験は、今でもスタッフや取引先と向き合う際の基礎になっています。

■店舗展開ではスピードと再現性がキーワード

店舗を増やすうえで意識しているのは、勢いだけで拡大しないことです。飲食店は一気に広げることも可能ですが、品質やブランド体験が崩れれば意味がありません。
BRISK STANDでは、1店舗ごとの売上構造やオペレーションを丁寧に検証し、再現性が取れた段階で次の出店を判断しています。フランチャイズ展開においても、誰が運営しても同じ価値を届けられるかを最優先にしています。
立地によって売り方を変えることも重要です。観光地ではテイクアウト比率が高く、都市部ではデリバリーが強い。そうした違いを前提に、メニュー構成や導線を設計しています。経営とは、数字と現場の両方を見続ける仕事で、常に意識するようにしています。
また、「撤退も選択肢に入れる」という考え方も意識しています。飲食店経営では、成功事例ばかりが語られがちですが、実際には合わない立地や想定と違う結果になることもあります。その際に感情で判断せず、数字と将来性を見て冷静に決断することが重要です。

■価値をお客様にどう届けるかを意識し続ける事業作り

独立した当初から、ハンバーガーをやろうと決めていたわけではありません。父が料理人だった影響もあり飲食への興味はありましたが、まずは飲食店のサポート会社や、沖縄での観光プロモーション事業など、複数の事業を経験しました。
BRISK STANDは3社目の事業です。神戸のハンバーガー店を引き継ぐ話をいただき、「この味はなくしたくない」と思ったことが、事業として本格的に取り組むきっかけでした。
既存の価値をどう守り、どう広げるか。その視点が今の経営判断にも生きています。
商品の特徴は、テイクアウトでも美味しさが続くことです。一般的なハンバーガーはレタスやトマトの水分で時間が経つと味が落ちてしまいますが、うちはフレッシュ野菜を使わないので水分によって味が落ちることもなく、無添加の全粒粉入りバンズ、男爵芋を使ったポテト、肉と塩だけのパティにこだわっています。
店舗展開において意識しているのは、「どの店舗でも同じ価値と味を提供すること」です。和・自然・コンクリートというコンセプトを軸に、立地ごとに内装やメニューを調整しながら、ブランド体験を揃えています。現在は国内だけでなく、海外進出にも挑戦しています。

■大学生へのメッセージ

今は、個人がやりたいことに挑戦しやすい時代だと思います。周りの目や世間の評価を気にしすぎる必要はありません。成功するかどうかを考える前に、まず行動してみてください。
私自身、学生時代の選択がすぐに正解だったとは思っていません。ただ、動いた分だけ経験が増え、その積み重ねが今の自分をつくっています。遠回りに見える経験も、後から必ず意味を持ちます。学生のうちにしかできない挑戦を、ぜひ大切にしてほしいです。

学生新聞オンライン2025年10月6日取材 京都芸術大学1年 猪本玲菜

京都芸術大学1年 猪本玲菜

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