ジュネーブ大学大学院 河野ゆかり

元東大王のやる気に頼らない学びの「仕組み化」を伝授

ジュネーブ大学大学院 河野ゆかり(こうのゆかり)

■プロフィール
2000年、兵庫県生まれ。2025年東京大学医学部医学科卒業。医師国家試験合
格。ジュネーブ大学大学院に在籍中。2021年~2024年放送のTBS系「東大王」に出演。「東大王」出演や医師国家試験の傍ら、J.S.A.ワインエキスパートも取得。現在はスイスでGlobal Healthやデータサイエンスを学びながら国際的なプロジェクトにも関わる。徹底的な自己管理力が話題となっている。

東大王で活躍していた河野ゆかりさん。東大合格に向け、独自に構築した仕組み化の方法や考え方について、4月15日発売の著書「東大医学部卒河野ゆかりの『仕組み化』勉強法 意志力に頼らない学習自走化メソッド」で詳しく綴る。出版の経緯やジュネーブ大学大学院進学後の生活、大学生へのメッセージを伺った。

■東京大学医学部を目指された理由と、東大時代に力を入れていたことを教えてください

大学を選ぶよりもまず先に、医学部の道を志しました。きっかけは中学3年生の時に観た「明日の記憶」というドキュメンタリー映画です。この作品を契機に、難病研究や医学に興味を持ち、当時の成績や、研究費が比較的潤沢である点などから東京大学医学部進学を考え始めました。学生時代に力を入れていたこととして、東大王の存在は大きかったですね。元々友人が出演していたことや、出演者の方々の知識の幅や量に憧れを持っていたことなどがきっかけで、メンバー募集に応募することにしました。大学生活を通して、自分の視野の狭さや一般常識の欠如などを感じていた中で、幅広く様々なジャンルを学ぶ良い機会となりました。当初はクイズ初心者でしたし、医学部の勉強と両立する必要もあったため、受験期と同じように勉強の計画を立て、日々タスクを実行していました。さらに同時並行で、東大王出演中に趣味のワインエキスパートの資格取得も進めていました。

■ジュネーブ大学大学院へ進学した理由は何ですか

卒業後すぐ日本で研修医として働こうと考えていた去年の秋頃に、当時結婚を考えていた現在の夫から、「仕事の関係で来年からスイスに行かなければならない」と伝えられました。かなり悩みましたが、自分の知らない世界を見る良いチャンスだと思い、スイスへの移住を決めました。経験豊富な医師の先輩とお話しする機会があり、相談させていただいた末、大学院で自分の興味のあることを勉強することにしました。当初ジュネーブ大学を選んだ理由は、大学院進学の始動が遅すぎて、他大学の出願が終わっていたからです。結果的に、いま振り返ると最高の選択だったと思います。大学関連の学会では、世界中から集まった政府関係者、国際機関、研究機関の方々と頻繁に話すことができ、公衆衛生への貢献には様々な形があるということを日々学んでいます。今後のキャリアに関しても今までよりもずっと広い視野から考えることができるようになりました。また、ジュネーブにはWHOの本部があり、世界における日本の医療の立ち位置をマクロな視点で見ることができる点にも魅力を感じています。現在は特に、大学院での勉強・研究に加えて、AIに関するオンライン授業を受けるなど、AIやデータサイエンスといった技術を公衆衛生の研究に活かしたいと考えています。

■今回、出版した著書についてお聞かせください

東大王時代から、SNSを通じて、視聴者の方から勉強のモチベーションや計画性についてお悩みをよくいただいていました。できない自分や、やる気の出ない自分を責めている方が多く見受けられましたが、原因は自分自身ではなく、これまでの間違った仕組みやマインドの持ちようにあります。私自身がかつて同様の悩みを抱えていたからこそ、私が10年ほどかけて積み上げてきたこの「仕組み化」の考え方を皆さんに伝えられないかと思い、書籍化を決意しました。私自身、塾に通い始めた小学生時代を振り返ると、気分のムラが大きく、勉強はその時の自分のやる気に左右されてしまっていました。そのように、パフォーマンスにばらつきのある状態では目標達成には近づきません。しかし、自分の気持ちをコントロールすることは難しいため、毎日歯磨きをするくらいの気軽さで勉強を始められるような「日々の仕組みづくり』が必要だと思い立ちました。長期計画、中期計画、短期計画という多段階の計画を立て、さらに一日単位の毎日のタスクにまで落とし込み、淡々と目の前の日々のタスクをこなす、そして日々の自身のパフォーマンスのデータを今後の改善に繋げる、という仕組みです。私はこの力で、たとえやる気が出ない日でも、東京大学合格という長期目標から逆算した一直線上に自分の今の努力が乗っているという確信を持って勉強が進めることができました。

このような仕組み化の手段としては、自分の中に「目の前のタスクを消化する自分」と、それをサポートする「マネージャー的な自分」という二つの視点を持つことが大切です。トライアンドエラーを繰り返し、自分に合ったスタイルや仕組みを見つけていく中で、このエラーはネガティブな要素ではありません。むしろ、より自分にあった仕組みにつながる良いデータが取れたと捉えてエラーを生かすチャンスです。そんな方法論についても、本書では詳しく取り上げています。大学院生である現在の計画の立て方や、AIなどの技術を活用する方法にも触れています。達成したい目標はあるのに上手くいかない人、計画が立てられず悩んでいる人など、受験生や学生に限らず、資格取得を目指す社会人の方にもぜひ読んでいただきたいです。

■今後の展望について教えてください

健康の観点から人の役に立ちたいという思いは、中学生時代から今も一貫していますが、大学や大学院で将来の選択が一気に広がった中で、自分に最適な医療への貢献方法について考えています。来年に国際機関などでのインターンも控えていますし、これからより具体的に決めていこうと思っています。

■学生へのメッセージをお願いします

生きていると、思いもよらないようなチャンスが突然舞い降りてくることがあります。私の場合、スイスへの移住・大学院進学はかなり予想外でした。もしも、達成したい目標に向けた目の前のタスクで頭がいっぱいになっていたら、そのチャンスをつかむことは難しいでしょう。計画的に日々を過ごすことで、常に目の前のことだけにとらわれない余白をつくり、チャンスを掴める柔軟性を生み出す「仕組み化」をぜひ目指してみてください。

学生新聞オンライン2026年2月7日取材 城西国際大学2年 渡部優理絵/獨協大学1年 中津亜結梨

東大医学部卒河野ゆかりの「仕組み化」勉強法 意志力に頼らない学習自走化メソッド

著者:河野ゆかり
発行:KADOKAWA
定価: 2,090円 (本体1,900円+税)
発売日:2026年04月15日
判型:四六判
ページ数:224

やる気がなくても「自動勉強システム」でタスク消化!東大理三の自己管理術

●目標を達成するために必要なのは、『強い意志』ではなく『正しい仕組み』
●「自動勉強システム」とは?
●AI時代の最新学習マネジメント法も紹介!

「東大医学部卒河野ゆかりの 「仕組み化」勉強法 意志力に頼らない学習自走化メソッド」河野ゆかり [生活・実用書] – KADOKAWA

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。