タリーズコーヒージャパン株式会社 執行役員営業本部 副本部長 山越直哉

「接客は愛」一杯のコーヒーから心で繋がる体験を。

タリーズコーヒージャパン株式会社 執行役員営業本部 副本部長 山越直哉(やまこしなおや)

■プロフィール
2000年、タリーズコーヒージャパン株式会社に入社。レストランで培った接客スキルを活かし、店舗責任者として複数店舗経験。その後、直営店およびフランチャイズ店のエリアマネージャーを歴任し、店舗運営全体の管理・指導に従事した。 2024年に営業本部副本部長に就任。2025年より執行役員となる。現在は直営店の統括責任者としてブランド運営の基盤強化を推進している。

全国に店舗を展開し、多くの人に愛されるタリーズコーヒー。一杯のコーヒーからお客様に特別な体験を提供し続ける裏側には、創業期から変わらぬ「接客へのこだわり」があった。今回は、現場の最前線で走り続け、現在執行役員を務める山越直哉さんに、仕事への想いや大切にしてきた価値観について伺った。

学生時代は経済学部に所属していましたが、学業以上に情熱を注いでいたのがサークル活動と飲食業でのアルバイトでした。大学で一番規模の大きなオールラウンドスポーツサークルで部長を務め、多くの仲間と充実した日々を過ごしました。また、飲食店でのアルバイトでは、最初はお客様と話すことに恥ずかしさや緊張もありましたが、数をこなし経験を積む中で少しずつ会話を楽しめるようになりました。今振り返ると、その経験が現在の仕事にもつながっていると感じています。

■出会いは「こんばんは」の挨拶から

実家が飲食業を営んでいたこともあり、将来は自分のお店を持ちたいという漠然とした夢を抱いていました。そして、大学卒業後は飲食の道へ進み、レストランで接客の経験を積んでいました。そんなある日、一緒に働いていた仲間から「シアトルから来た面白いカフェチェーンがある」と紹介されたのです。当時はまだセルフ式のカフェが珍しい時代でした。夜にお店を訪れると、入り口で「こんばんは」と声をかけられました。「いらっしゃいませ」という一方通行の挨拶しか知らなかった私は、思わず「こんばんは」と返し、衝撃を受け、「このお店だ」と直感しました。そしてその1ヶ月後にはタリーズに入社をしていました。
セルフ式のカフェはお客様との接点がレジと提供時くらいしかありませんが、接客には自信があった私は、商品だけではなく自分の接客でどれだけお客様を呼べるのか試したかったのです。

■苦労を乗り越える原動力となった「接客の力」

入社後は大手町の店舗に見習いから配属され、スペシャルティコーヒーの魅力をお客様に伝えるべく、自主的にフロアに出て積極的にお声がけを行いました。当時はまだタリーズの知名度も低かったため、店名を間違えられるなどの悔しい思いをすることもありましたが、とにかく目の前の仕事や与えられた仕事に関して全力で奔走し、会話をすることを心がけていました。
もちろん仕事ですから大変なことも多くありました。当時は店舗運営を任されており、苦労した時期もありました。
しかし、そんな辛い時期を乗り越える力になったのは、接客でした。お客様と全力で向き合うことで嬉しい言葉や笑顔をいただくことが最大のモチベーションでした。よく「接客は愛だ」と表現しています。接客から生まれる喜びや楽しい部分を自分の力で作り出すことができれば、長く続けていくことができます。だからこそ、一緒に働く仲間には、「壁にぶつかった時こそ全力で接客をしてみてほしい」と伝えています。そうすれば、自分のモチベーションを上げることができると考えているからです。

■「5つの最高」と「フェロー」が支えるブランド価値

タリーズコーヒーでは、「5つの最高」という経営理念を掲げています。「最高の豆」を担当者が産地に足を運んで調達し、国内での「最高の焙煎」にこだわること。そして半手動のマシンで一杯ずつ丁寧に淹れる「最高のバリスタ」と、特別な体験を提供する「最高のサービス」です。残るひとつの「最高」は、働くフェロー(従業員)自身が日々目標を掲げて体現していくものです。
また、共に働く従業員を「フェロー」、つまり仲間と呼び、ファーストネームで呼び合う文化も大きな魅力のひとつです。「ハローフェロー」というタリーズコーヒーの挨拶を定義した言葉には、「まずは人に関心を持つ」という対人関係の基本となる意味が込められています。オーダーを通す際に「コン・アモーレ」などといった音楽用語を使った独自の掛け声も、バリスタが一杯一杯お客様へ気持ちをこめてドリンクを作るという姿勢の表れです。
こうしたホスピタリティは病院内への出店などでも活かされており、現在病院店舗は100店舗を達成し、生活の中のひとときの憩いの場として多くの方々から支持されています。
こうした店舗展開に加え、地域社会との繋がりも大切にしています。昨年は全国で5400回以上のコーヒースクールを開催したほか、絵本の読み聞かせなど、各店舗のマネージャーが主体となって地域の特性を活かしたコミュニティー活動を行っています。また、お客様の声を瞬時に店舗運営に活かすため、レシートのQRコードからアンケートに答えていただく「カスタマーボイス」を導入し、満足度の向上にも努めています。
今後の展望としては、現在の850店舗から1000店舗への拡大を目指しています。
「&TEA」という新しい業態も47都道府県へ出店、そして空港・サービスエリアなど今まであまり出店のできていなかった立地への出展も進めていきたいと考えています。さらに、社内のバリスタコンテストを通して、フェローの技術を磨き、世界的な大会へ挑戦する人材を輩出にもチャレンジしていきたいです。

■大学生へのメッセージ

大変なことも多いと思いますが、ぜひ色んな企業を見て楽しみながら取り組んでみてください。様々なことに興味を持ってトレンドに触れることが必ず皆さんの糧になります。
就職活動で最も大切にしてほしいのは、その企業の「経営理念」に共感できるかどうかです。そこに少しでも違和感がある場合は、自分には合わない会社なのかもしれません。
そして、第一志望にご縁がなかったとしても落ち込まず、自分を採用してくれた企業とのご縁に感謝することが大切です。自分の働き方次第で、入社した会社を第一志望にしていく気概を持って、自分の道を切り開いていってください!

学生新聞オンライン2026年6月18日取材 武蔵野大学4年 吉松明優奈

情報経営イノベーション専門職大学2年 山田千遥/津田塾大学4年 石松果林/法政大学1年 山田賢彦/上智大学2年 石川仁菜/京都芸術大学1年 猪本玲菜/武蔵野大学4年 吉松明優奈/日本大学2年 原田達司

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