武田真治 失敗は挑戦した人にしか味わえない。諦めない。ずっとやる。

<プロフィール>

俳優 武田真治 (たけだしんじ)

俳優・サックスプレイヤーとして活躍。9月9日には24年ぶりのソロアルバム
「BREATH OF LIFE」(ワーナーミュージック)をリリース。

やりたいことを見据えて、出来ることをする
 高校2年生の頃にジュノンスーパーボーイに受かり、地元札幌から都立の定時制の夜間学校に転入しました。大学に行くための受験勉強をするより、自分の若い体に何を覚えさせるか、やりたいことをやることのほうが大事だと判断して決めたことでした。当時はバンドブームで、個性的なバンドがたくさんホコ天で演奏していたのを見て本当に憧れていました。音楽で自由に自己表現してみたかったんでしょうね。人生には紆余曲折・浮き沈みがあることを覚悟できるなら、自分の核にしたいものには、ある時期熱中してみることをオススメします。そういうものや時期があるほうが、新しいことにも思い切ってチャレンジできると思うからです。
 音楽を志して始めた活動でしたが出会いに恵まれ、俳優業やバラエティー界にも進出することができました。この3つの異なるフィールドを30年間挑戦し続けてグルグル回っていると、点と点が繋がって線になって、線と線が広がって「面」になり、自分の「ツラ」が出来る。もしかしたら、それを人は「ブランド」と呼ぶのかなと。
 だから、なにか始める時に「自分とは何者か」を自問自答しすぎない方が精神的に健康でいられるのかなと思います。これからの時代は特に。自分をブランディングしてから何かを始めるのではなく、歩んだ道を人がブランドと呼ぶんですから。あいつ何やりたいんだって言われるぐらいなんでもチャレンジすればいいと思います。

必要なのは個性よりも特性
 ベストを望んでベターを得る。時に逃げたり、無駄に攻めたり、いろいろやってみて初めて自分のバランスが見つかるんだと思います。これはやはり時間のかかることです。
 個性的であることばかりにこだわっても、現場で使えないと意味がありません。それはどんなジャンルでも。社会において絶対必要なのは個性より“特性”だと思います。不器用でも実直に生きてきた人は、それが評価される日が来るし、プレゼンが上手い人でも実行する段階でつまずくことはある。個性って趣向でしかないので流行がありますが、特性は時代に流されません。
 人生を長い目で見て目標を達成したいと考えているなら、少しずつでも筋トレをオススメします。嫌なことでもプラスに変えられる精神が育つからです。
 知っていて欲しいのは「我慢には限界があるけど、努力は習慣になる」ということ。ダイエットは我慢ですが、筋トレは努力ですよね? 自分がしていることが我慢なのか努力なのかがわかると、心や体が壊れるのを予防できます。これはなにをするにしても必要な判断力だと思っています。

大学生へのメッセージ
 君たちには、しくじる権利があります! なにをやっても取り返しはつきます。反省したり、怒られたり、いっぱい失敗してください。失敗は挑戦した人だけが味わえる人生の旨味です(笑)何年か経てば、仲間が集まるたびに何度でも笑いあえるいい思い出に変わっているはずです。

学生新聞2020年10月号より(中京大学4年 梶間直人)

駒澤大学4年 如意太一 / 中京大学4年 梶間直人

写真撮影:プロカメラマン 広田成太

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