東京美容外科 院長 麻生 泰

お客様の喜ぶ顔が仕事への大きなモチベーション

東京美容外科 院長 麻生 泰(あそう とおる)

■プロフィール

慶應義塾大学医学部大学院卒業。医学博士。2004年5月に東京美容外科を開設。同グループ14院の統括院長。現在はAGAスキンクリニック等を含め、日本全国に100院以上のクリニックを運営する。主な著書に『チェンジの法則』、『美容外科医の本音』、『麻生泰物語』等がある。座右の銘は「過去は変えられない。でも未来は変えられる」。

お客様の喜ぶ顔を見るのが嬉しくて、よりよい美容医療を提供し続けることを使命とする麻生院長。今では900人ものスタッフをまとめる院長だが、医学部に入るために3浪し、医療業界に対しても不安でいっぱいだったという。そんな苦労人である院長の美容医療を志したきっかけや業界への想いを伺った。

医学部を志望したのは高校2年生のときでした。志望理由は母が片目を失明しており、4人兄弟の誰かに医者になってほしいという母親の願いを叶えたかったことと、父の経営者としての姿を見てお金の重要さを身に染みて感じていたことが主な理由でした。当初は、医療の中でも形成外科に進もうとしていました。理由は幼少期に『ブラック・ジャック』を愛読していたことと、学生時代に顔面骨折の治療を見て治せることに衝撃を受けたのがきっかけです。

しかし、医学部を受験するものの現役時代はどこにも受かりませんでした。もう1年勉強すれば受かると思い、浪人しましたが2年目も受からず、ようやく3年目にして合格するという状態でした。友達はと言えば、もう就職の話をしている時期であり、焦燥感でいっぱいだったのを今でもよく覚えています。周りに医者になっている人もいませんでしたし、医療業界に対しても不安しかありませんでした。たとえ国家試験に受かったとしても、果たして自分が本当に医者になれるのだろうかという思いでした。

◾️努力は必ず報われる

そのような不安な気持ちを乗り越えるために、在学中は朝から晩まで治療の助手として働き、医大卒業後も研修などを通してたくさんの知識と経験を身に付けました。先輩や後輩、看護師さんなどの仲間にも恵まれ、大変ながらも充実した生活を送っておりましたが、ある日、状況が一変する出来事がおこります。父の会社が倒産したのです。家計を支えるためにはお金が必要となり、やむなく形成外科医から実入りのいい美容外科医へと変わらざるをえなくなったのです。

そして美容外科の知識を身に付けるために、日本だけでなくビバリーヒルズや韓国、オーストラリアに行ってたくさんの手技を学びました。あるときはお金のために美容業界に足を踏み入れた自分を責めたこともありましたが、施術後のお客様の喜ぶ顔を見ると次第に心情は変わっていきました。その大きな要因として、美容外科は医療知識や技術面に加え、美的センスが問われます。これが私に向いていたんですね。これからも「この人を綺麗にしてあげたい」の一心で、お客様が希望する美しさを提供し、施術後の笑顔を見るために、よりよい技術を提供したいと思います。

◾️お客様の喜ぶ顔が見たい

私はお客様に満足していただくために、大きく分けて2つのことに力を入れております。1つ目は、やはり日々技術の向上に向けて研鑽することです。お客様一人ひとりの希望する美しさを実現するのはもちろんのこと、痛みの軽減や施術回数を減らすことにより、より一層お客様にご満足いただけるサービスを提供したいという思いがあります。そのためには、東京美容外科の一番の強みである専門性の高に、さらに磨きをかけることです。医療スタッフは、習得に7年かかる形成外科認定を取得している医師しか雇わないこともその表れです。

また、美容医療の業界だけでなく、医療業界全体でカルテの一括管理を可能にするシステムも作りたいと考えています。このように、お客様の立場に立った医療サービスを提供していきたいと考えており、そのための手段としてYouTube を使って発信力を高めようと頑張っています。有名になった先を恐れるのではなく、まず発信してみると何かが変わっていくかも知れないと思っています。

2つ目は、院長という立場ですのでやはり経営面ですね。ここでも大きな責任を背負わなければなりません。私についてきてくれる約900人のスタッフとその家族の生活がかかっています。お客様に満足していただくためにはスタッフが気持ちよく働ける職場環境を作らなければなりません。仕事場は人間関係がとても重要です。私たちの医院では良い人間関係が築ける職場を目指しています。

たとえば、いじめや差別をゼロにするために、万が一そのようなことがあったときにはすぐに発見し、報告できる体制を作ったり、私自身が現場に出続けることを意識しています。また、技術面だけではなく、人間としても優れた人を採用するようにしています。そのために、就職希望者のSNSは必ずチェックします。実際にSNSが原因で不採用になった方もおります。大学生のみなさん、気を付けてくださいね(笑)。

それと同時に、推薦状のある人は積極的に採用します。推薦をもらえる人間であるということは、一つの大きな判断材料になりますからね。そして美容外科が好きな人がいいですね。受け身ではなく、自分から行動を起こせる人と一緒に働きたいですね。

◾️message

学生時代、私はずっと不安でいっぱいでした。今でも大学受験の夢を見ます。それくらい思いつめていましたが、その不安や焦燥感は、将来必ず役に立ちます。私自身、あのときの大きな不安をかき消すための努力が今の私につながっていると思います。もし今、不安や焦燥感でいっぱいなら、そんなに自分を追い詰めないでください、やっていくうちに得意になりますよ、と言いたいですね。

学生新聞別冊2022年7月1日発刊号 日本大学1年 大森雨音

日本大学1年 大森雨音/日本女子大学4年 神田理苑

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