株式会社Big Belly 代表取締役 大林芳彰

新しい飲食業の形、地域と共に歩む未来

株式会社Big Belly 代表取締役 大林芳彰(おおばやしよしあき)

■プロフィール

1973年4月2日成田生まれ。父親がエアラインで勤務していた関係で、幼い頃から海外に行く機会に恵まれる。大学卒業後は住宅メーカーに入社し日本各地で営業活動をした後、26歳で退職。当時行列が絶えなかった人気店「代官山モンスーンカフェ」に食事に行き感動して運営元の株式会社グローバルダイニングで勤務。料理長として渋谷店・お台場店・ららぽーと店・舞浜店を経験し、2011年3月に独立して株式会社BigBellyを創業。現在「アガリコオリエンタルビストロ」「アガリコ餃子楼」「アガリコ食堂」等、運営中。一般社団法人日本居酒屋協会 会長にも就任。

池袋を中心に数々の飲食店を展開する株式会社Big Bellyの代表取締役である大林芳彰さん。地域に根ざした経営スタイルを貫き続けています。そんな大林さんの過去、現在、未来を伺いました。

僕は東京都練馬区で生まれ、千葉県成田市で育ちました。祖父と父が拓殖大学に通っており、僕も自然に同じ道を選びました。学生時代は両親の仕事の影響で頻繁に海外旅行をする機会があったことが、国際的な視野を広げる大きなきっかけとなりました。また、大学時代にはサーフィンに熱中し、週末は成田から海へ通う日々を送り、春休みには毎年ハワイに行っていました。

■住宅メーカー勤務から飲食業界への転身

大学卒業後は住宅メーカーに就職し、全国各地で営業活動を行いました。4年間営業に携わったのですが、この経験は、ただ商品を売るだけでなく、長期にわたる信頼関係を築く重要性を学ぶ貴重な期間だったと思います。地方での営業活動を通じて、お客様との会話力や一般常識を養い、メンタル面でも成長したと感じます。また、地方に赴任して感じたのは、東京とは異なる豊かな食文化の魅力です。特に九州で味わった新鮮なサバは、当時の東京では食べられないような味わいでした。
住宅メーカーを退職後、祖父の経営していたサンドイッチ店を引き継ぎました。その店は、地域の皆さんに愛されており、当時はコンビニがまだ普及していなかったこともあり大変繁盛していました。しかし、飲食業の営業時間の厳しさを痛感し、さらに成長したいと考え、モンスーンカフェでの修業を決意しました。

■池袋に根ざし、飲食業を拡大する

モンスーンカフェで経験を積んだ後、その経験を活かし、池袋西口方面に自分の店を持ちました。お店の場所として池袋の西口方面を選んだのは、僕自身が住んでいる地域だったので、住民のニーズをよく理解していたからです。池袋の西口には親子代々で長年住み続けている地元住民が多く、東口のように人の入れ替わりが激しいエリアよりも商売を営むには適していると感じたのです。
僕の店舗は、タイ料理など様々な業態を展開していますが、その根底には常に地域の声を反映する姿勢があります。例えば、池袋西口には他にない新しい業態を導入し、「ちょっと遠くてもあの店に行きたい」と思わせる店作りを心がけています。さらに、自分が本当に食べたいものを提供することも大切にしています。
もうひとつ、力を入れているのが、従業員の働き方改革です。業界では珍しく週休3日制を導入し、社員が休みの日に自己成長や趣味に没頭できる環境を整えています。これは、従業員が充実したプライベートを送ることで、仕事のパフォーマンスが向上することを期待しての取り組みです。加えて、フランチャイズ展開にも注力しており、飲食業未経験者でも簡単に始められる業態を開発しています。例えば、タイの焼き鳥にしても、自動化されたシステムを取り入れたおかげで、調理経験が少なくても高品質な状態で提供できるようになりました。

■未来への展望

今後の目標としては、社員の独立を支援することです。これまでにも多くのスタッフが僕のもとを巣立ち、店を作り、成功を収めています。今後、特に力を入れたいのは、女性社員一人ひとりが自分の力で成長し、ビジネスを展開できるような環境を提供することです。彼女たちが独立することで、その地域に新しい価値を生み出し、僕たちが築いてきた信頼関係をさらに広げていくことができると思います。

■大学生へのメッセージ

大学生に伝えたいのは、積極的に外の世界に出て経験を積むことの重要性です。僕自身、学生時代に様々な国を訪れ、そこで得た経験が現在の仕事に大きな影響を与えました。特に予定を立てずに旅をすることで、予想もしなかった出会いや体験が得られることがあります。その経験が、後々のキャリアや人生において貴重な財産になると思います。
僕がタイで得た経験が、今の飲食店経営に繋がっているように、皆さんも未知の世界に飛び込むことで、思いもよらないアイデアやチャンスに出会えるかもしれません。まずは一歩踏み出し、自分自身の可能性を広げていってください。

学生新聞オンライン2024年9月20日取材 城西国際大学 1年 渡部優理絵

城西国際大学 1年 渡部優理絵/慶應義塾大学 3年 山本彩央里/京都芸術大学 1年 猪本玲菜

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