レンゴー株式会社 代表取締役社長兼COO 川本洋祐
段ボールから広がる、社会を支える挑戦

レンゴー株式会社 代表取締役社長兼COO 川本洋祐(かわもとようすけ)
■プロフィール
1955年5月28日生、大阪府出身。78年神戸大学経済学部卒。同年レンゴー入社、2007年執行役員、11年取締役兼執行役員、14年取締役兼常務執行役員、19年取締役兼専務執行役員。2020年代表取締役社長兼COOに就任。
1909年の創業以来、日本の段ボール産業を切り拓いてきたレンゴー株式会社。売上高1兆円を誇るゼネラル・パッケージング・インダストリーとして社会経済のインフラを支える同社の川本社長に、営業現場で芽生えた仕事への誇りや大学時代の応援団精神、そして未来を担う若者への熱い想いをお聞きしました。
レンゴーは1909年創業。創業者の井上貞治郎は日本で初めて段ボールを事業化し、「段ボール」と命名した人物でもあります。現在では売上高1兆円規模を誇り、段ボール分野だけでなく、製紙、紙器、コンビニのサンドイッチやおにぎりを包む軟包装、重包装に至るまで、紙からフィルムまでを一貫して手がける独自の事業基盤を確立しています。
私たちはこの強みを「ヘキサゴン経営」と呼んでいます。「段ボール」「板紙」「紙器」「軟包装」「重包装」の5つの事業に、グローバルに展開する「海外事業」を加えた6つの柱で構成されています。日本国内はもちろん、世界的に見ても紙からフィルムまでの幅広いパッケージをご提供できる企業は他に類を見ません。世界には3兆円規模の巨大なグローバル企業が競合として存在しますが、私たちは単に規模の大きさを競うのではなく、「Not the biggest, but the finest」という姿勢を大切にし、お客様のあらゆるニーズにお応えする世界最高の「ゼネラル・パッケージング・インダストリー」を目指しています。
■営業現場から芽生えた誇りと、大学時代の応援団精神
就職のきっかけは、大学の事務の方からの勧めでした。会社を訪問してみると「なんだか面白そうだ」と感じ、そのまま一日で入社が決まりました。当時は特定の業界に強いこだわりがあったわけではなく、早く社会に出たいという思いと、巨大な組織に埋もれず自分らしく働きたいという、素朴な感覚を持っていた程度です。入社後は東京工場での段ボール営業からキャリアがスタートしました。営業時代に学んだ大きな気づきは、私たちが手がけるパッケージという産業が「社会経済のインフラ」であるということです。お客様が心を込めて作った製品も、それを守り運ぶパッケージがなければ消費者のもとへ届きません。多様なお客様と関わる中で、自らの仕事に対する強い誇りと使命感が芽生えました。そして、この仕事への情熱や組織に向き合う姿勢の原点となっているのが、大学時代の応援団での体験です。当時は副団長として学園祭の運営や街頭での情宣活動、野球の応援などを通じて、神戸大学の学生たちの気持ちをひとつにまとめることに青春を注ぎました。仲間を巻き込み、情熱を持って組織を束ねたこの体験は、現在の経営においてレンゴーで働く仲間たち(れんじん)の意識をひとつにするために、今も私の軸となり活きています。
■持続可能な社会を支える環境対応と、多様性を活かす組織づくり
現在、私たちが重視しているテーマのひとつが環境対応です。レンゴーグループの板紙生産における原料の古紙利用率は98%以上に達しており、使用済みの古紙を回収して段ボールへと再生するサーキュラーエコノミーがすでに完成しています。一方で、多様な素材が混在するフィルム分野においては、化学的に分解して再生するケミカルリサイクルの技術研究などを推し進め、パッケージメーカーとしての責任を果たそうとしています。また、二酸化炭素排出量を可視化する「カーボンフットプリント(CFP)」の低減に向けて、工場における燃料のバイオマス転換や再生可能エネルギーの導入を積極的に進めています。こうしたサステナビリティへの真摯な取り組みは、地球環境への貢献だけでなく、レンゴーの確かな競合優位性となっています。また、組織づくりにおいてはダイバーシティの尊重を大切にしています。人前で話すのが得意なタイプもいれば、目立たなくともコツコツと堅実に仕事をこなすタイプもいます。性別や国籍、年齢、障がいの有無にかかわらず、多様な個性が集まり、それぞれの強みを引き出し合いながらひとつの目標に向かって進むことこそが、組織の真の強さにつながります。私自身、30代の時に自ら「海外研修制度」を提案して一期生としてニューヨークへ渡り、その後は海外事業や工場長などを経験して2020年に社長に就任いたしました。どんな部署であっても誠実に真心を込めて取り組めば、必ず自分に返ってきます。社員一人ひとりがロイヤルティと働きがいを感じ、生き生きと挑戦し続けられる環境を整えることが私の使命です。
■大学生へのメッセージ
みなさんには「青年よ、大志を抱け」という言葉を贈りたいと思います。自分自身の可能性を決して限定することなく、高い志と大きな夢を持って、精一杯前を向いて歩んでいってください。人生において一番大切にしてほしいのは「誠実さ」です。「至誠通天」という言葉があるように、ひたむきに誠意を持って取り組む姿勢は、どのような時代や社会であっても必ず周囲の心を動かします。そして、この日本という国を、より素晴らしい社会にしていくのはみなさん若い世代の力です。失敗を恐れず、自分の可能性を信じて挑戦し続けてください。元応援団として、みなさんの未来を応援しています。
学生新聞オンライン2026年7月29日取材 慶應義塾大学1年 古賀夏音

武蔵野大学4年 吉松明優奈/城西国際大学3年 渡部優理絵/獨協大学2年 中津亜結梨/東京女子大学3年 浮田梨沙/日本大学2年 原田達司/京都産業大学1年 猪本玲菜/慶應義塾大学1年 古賀夏音


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