株式会社光文社 総務局総務部主任 北岡直美
■プロフィール
就活は苦戦し、新卒で小売業に入社するも早期に退職。その後、仕事で光文社に携わるなかで、コンテンツの魅力と社員の個性の面白さに惹かれ、光文社に転職。2016年より採用を担当。
採用HPに「才能×才能=奇跡」という言葉がある。本や雑誌はさまざまな才能をディレクションすることで形になる。ゼロから奇跡的なコンテンツを生み出す出版の仕事について話を伺った。
■出版業界の特徴について教えてください
出版社の仕事の特徴を一言でいえば「人の心を揺さぶる仕事」ではないでしょうか。たとえば、我々が出版した本や雑誌を通して、読者の知的好奇心がくすぐられたり、ワクワクしたり、あるときは感動したりなど、誰かの心にアプローチできる仕事だと思っています。
また、光文社では創業当時から「読者調査」に注力しています。これは単にアンケートを取るだけでなく、実際にターゲット層の方に直接お会いして話を聞き、雑談の中で読者の悩みや興味を聞いていきます。この「読者調査」から読者にフックのかかる企画が生まれることも多いため、読者との距離が近い出版社であると言えます。
■どのような人材を求めていますか
いろいろな学生を見ている中で、留学経験があるなど海外の知識も豊富な学生が多く、凄いなと思います。しかし、その学生自身の人物像が今一つ浮かんでこないことがあります。逆に、些細な経験でも他の人より深くそのことについて考えていて、自分の意見をきちんと言える学生には、また会いたくなります。出版社って世の中に絶対的に必要かと聞かれたら、そうではないです。でも、ないと人々の心が少しカサついてしまう気がします。誰かの心に響かせて、寄り添っていくためには常にアンテナを張りながら考えることを止めないで、自分で気づくことがとても大切なんです。もう一つ大切なのは、何に対しても興味が持てること。やはり出版社は人と会うことが仕事なので、どんなことにも面白がって興味を持てる学生は、光文社で活躍できると思います。
■大学生へのメッセージをお願いします
自分が何に向いているのかは、学生の段階では分からないと思います。だからこそ本当に自分がやりたいこと、好きなこと、伝えたいことは何だろうと、まずは自分の中で噛み砕いてみてください。その上で、いろいろな会社に行ってみて、自分の目で、耳で、その仕事の面白さを感じてみてはいかがでしょう。自分の言葉で飾らずに伝えることはとても大切です。ぜひ学生のうちにたくさんの人との出会いを重ね、失敗や経験を通じて自分の可能性を広げてください。
学生新聞2020年10月号 慶應義塾大学1年 伊東美優
この記事へのコメントはありません。