駒井蓮 やるからには、諦めたくないし負けたくない!

女優 駒井蓮(こまいれん)

■プロフィール

株式会社ボックスコーポレーション所属
2000年12月2日生まれ。青森県出身。
趣味:絵を描くこと、ピアノ、読書、映画鑑賞
特技:歌、習字

女優を夢見る小学生だったという、駒井蓮さん。青森に住んでいる少女にとって、それは途方もない夢でしたが、チャンスをしっかりつかみました! しかし、そこからがさらに大変だったといいます。何が彼女を、前へと突き動かしているのか。現役大学生でもあり、同世代の彼女の信念をうかがってきました。

■青森に住んでいて、女優への手がかりなんてひとつもなかった

「どうやったら女優さんになれるんだろう…」
小学生のころから、ずっと思ってました。当時、私は青森県に住んでいたんです。芸能界は本当に遠い世界で、女優になる手がかりさえイメージできませんでした。でも、「お芝居がしてみたい!」っていう強い思いだけはあって。

小学生のころ、主人公が地元のアイドルになっていくストーリーの『あまちゃん』に夢中になっていたんです。学校の劇でセリフをしゃべりながら人前に立ったら、「あ、なんか楽しい!」って感じました。そこから自然に「私もドラマに出てみたい」と考えるようになったんです。でも、青森の小学生には、なにしろ情報が入ってこないから、どうしようもできなかった。
そんな私に、チャンスがおとずれたんです! 中学1年の春休みに東京に旅行で行ったときに、たまたま竹下通りでスカウトされました。どうしていいか迷っているなか、芸能界への道へ手を引っ張ってもらえたという感じがして、嬉しかったですね。

■スカウトされたのはよかったけれど…

でも、後日談があるんです。スカウトされたときに自宅の電話番号を聞かれ、飛び上がるほど嬉しかった私は、勢いで番号を教えてしまいました。帰宅後、スカウトされたことを両親に伝えると、「見知らぬ人に簡単に電話番号を教えるな!」と。厳しく怒られたのをよく覚えています。そりゃそうですよね…(笑)。

でも「やりたいことは進んでやっていこう」というのが駒井家のモットーなので、芸能界に入ることに関して反対されることはありませんでした。両親は「やると決めたなら覚悟を決めて頑張りなさい」と背中を押してくれました。

■片道4時間、ひとりで東京に通う日々

中学生のときは、仕事があるたびに、青森から東京にまで新幹線で片道4時間かけて通っていました。ある日曜日、終電の新幹線で帰ったときに、地元の電車が雪で止まってしまって、家に着いたのが朝の3時(!)なんてことがあったんです。それがトラウマになってしまって、とても怖い思いをしながら東京に通っていたのを覚えています。当時は、携帯電話をもっていなかったんですよね。乗り換えもよくわからないし、電車の時刻表も調べられない状況で、たったひとりで不安しかありませんでした。
そんな私に母は、新幹線の中で食べるためのお弁当を作ってくれました。心配しながらも、笑顔で送り出してくれて、本当に心強かった。帰る場所がある、待っていてくれる人がいることが私の心の支えでした。家族に応援されながら何度も自宅と東京へ往復するうちに、ひとりで遠くに行くことにも慣れ、だんだんと自分で何事もできるようになっていきました。

高校生になるタイミングで上京したんですけど、そのときも怖くて不安でしたね。両親に相談したら、「一度、覚悟を決めたことだろ!」と喝を入れられました。芸能界に進むときも、ひとりで東京に通うときも、上京するときも、いつも両親が私の背中を押してくれています。だから、両親への恩返しの思いもあって、勉強も手は抜きませんでした。第一志望の大学に合格できたときは、みんなが喜んでくれて「頑張ってよかったな」って思いました。いまも大学のテスト期間中は、睡眠時間を削って勉強時間を確保していますよ。仕事も勉強も、どっちも妥協したくないです。負けず嫌いかもしれませんね。

■2021年の、私の漢字一文字は「即」

女優の仕事をしていて、悩みはもちろんあります。あの演技でよかったのかな、どうしたら皆さんに知ってもらえるのかなとか…。
でもね、決めたんです。うじうじ悩んでいないで、すぐやる、いまやる!って。以前だったら、1時間悩んで決めていたようなことがでてきたとしたら、まずやっちゃう、やると決めちゃう。すると考える時間は5分で終わるんですよ(笑)。そしたら55分残るでしょ? 時間と心に余裕ができるんです。やっちゃえばラクになるんですよね。だから、今年の私の目標は「即」です。いまの私にとって、悩む時間のほうがもったいない。進化する時間がほしいです。

■message

小さいときは、将来やりたいことがいっぱいあったのに、大学生になるとそれがわからなくなることってありますよね…。それって、きっと学歴とか世間体みたいなしがらみが出てきたからだと思うんです。でも、思い切って、幼いころの夢にチャレンジしてもいいんじゃないかなって思います。やってみた結果、落ち込むこともあるけど、そんなときは私は思いっきり泣きます。泣いていると疲れてきて、笑うしかなくなってきます。そしてお腹がすく(笑)。たいていのことは美味しいものを食べることで気持ちは晴れます! 失敗からどう立ち上がるかが大事だと思っています。私たちの未来のために!

学生新聞WEB2021年1月14日取材 日本大学 3年 辻内海成


 

大ベストセラー『陽だまりの彼女』の作者である越谷オサムによる同名の青春小説を原作とし、駒井蓮と豊川悦司が父娘役で出演する『いとみち』(6月18日(金)青森先行上映&6月25日(金)全国公開)。

主人公の相馬いとは、津軽三味線が得意な青森・弘前市の高校生で16歳。三味線を弾く時に爪にできる糸道に名前の由来を持つ。
強い津軽訛りにコンプレックスを持ち話すことが苦手で友人も少ないが、芯はじょっぱり(意地っ張り)。 
一大決心をして津軽メイド珈琲店でのアルバイトをはじめたことをきっかけに、祖母、父、バイト仲間たちに励まされ、成長していく。
思春期の葛藤を核に、津軽三味線が紡ぐ三世代家族の珠玉の人間ドラマ、そしてオール青森ロケの心癒やされる雄大な風景が注目を集めている。

(C)2021『いとみち』製作委員

6月18日(金)青森先行上映、6月25日(金)全国公開
監督・脚本:横浜聡子
原作:越谷オサム『いとみち』(新潮文庫刊)
駒井蓮 豊川悦司 
黒川芽以 横田真悠 中島歩 古坂大魔王 ジョナゴールド(りんご娘) 宇野祥平  西川洋子
製作:『いとみち』製作委員会(アークエンタテインメント 晶和ホールディング 日誠不動産 RAB青森放送 東奥日報社 ドラゴンロケット) 
配給:アークエンタテインメント  
協力:青森県弘前市 青森県北津軽郡板柳町 青森県平川市
www.itomichi.com

文教大学 2年 早乙女太一 / 津田塾大学 3年 松本麗奈 / 日本大学 3年 辻内海成

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