青木柚 自分とは正反対の役柄にぶつかるたびに、無知を痛感する

青木 柚(あおき ゆず)

■プロフィール

神奈川県出⾝、2001 年⽣まれの20 歳。中学⽣の時に『14 の夜』(2016年公開)のオーディションを受けメインキャストで出演。2018 年公開の主演映画『暁闇』が韓国・全州映画祭にて招待上映される。ドラマ『死にたい夜にかぎって』『あのコの夢を見たんです。』『相棒season19 元日スペシャル』『夢中さ、君に』『アノニマス』と出演作が続く。4 ⽉スタートのドラマにも出演が決まっている。

■小さいころから、まねっこが好きだった。

なんでアイドルじゃなくて、俳優になったんだろう(笑)。というのも、小さい頃は100均で売っているマイク片手に兄が通う学校の校庭まで行って、歌ったり踊ったり。テレビに出ているアイドルや歌手の真似っこをするのが大好きでした。

小学生の頃は指人形を集めて一つひとつにキャラクターを設定して、ストーリーを作って遊んでいました。キャラを戦わせて、必ず「闇オチ」で終わる(笑)。この遊びは一時的な熱量であまり続かなかったけど、思い返すといまの仕事につながっているのかな、と思いますね。

■役者をはじめるきっかけは、加藤清史郎くん

小学校から帰ってきて、当時再放送されていた『ヤマトナデシコ七変化』というドラマを見ていたら、同じ年齢の加藤清史郎くんが出演していたんです。立派な俳優さんと肩を並べながら一人で演技している姿を見て「すごい!」って思いました。母に「僕もこのお仕事をしてみたい」と伝えると承諾してくれた。どうやって母を説得したのかは覚えてないんです。でも、「やってみたい!」っていう強い気持ちだけは覚えてる。あのときの自分に、いまは感謝しています。よく辞めずに続けてきたな、って。

■俳優をやめるタイミングはいくらでもあった

芸能コースの高校に進学したので、まわりもさまざまな活動をしている友人ばかりでした。学校の理解もあって過ごしやすかったんですけど、強いていうなら、行事に参加できないことは残念でした。

俳優をやめるタイミングはいくらでもあったし、これまでもツラいことのほうが多かった。でも、そんなときに支えてくれたのが家族でした。家族にだったらいいかなと思い、愚痴をこぼしたら、「この仕事をやりたくてもできない人もいるんだぞ」と普段あまりそんなことをいわない兄が諭してくれたんですよね。正しい道に導いてくれる家族にはとても感謝しています。

■不安なとき、観客の生の声に支えられた

舞台挨拶で直接観客のみなさんと会えることは、僕のなかでとくに大きなこと。俳優っていう仕事は、だれも正解を教えてくれないし、この演技で大丈夫なのかと不安になることもあります。

昨年、⻑野での舞台挨拶に行った時、会場にお客さんが何十人もきてくれていて。僕の出演作品を観に足を運んできてくれた人、話を聞いて頷いてくれる人、拍手を送ってくれる人、そんな方々を目の当たりにしたんです。一人ひとりに作品が届いている、遠いところでも観てくれている人がいるっていうことを実感しました。いま、さまざまなことがオンラインに なっていくなかで、とても意味のあるものでした。

■コロナ禍で見えてきた、自分自身の変化

いろいろな俳優さんのインタビュー記事を読むのですが、最前線で活躍している方たちって、エンタメの重要性、文化の継続意識を本気で考えているんだなと感じます。自分は、目先のことでいっぱいいっぱい。演劇界全体を盛り上げていくんだ、っていう気持ちが足りなかったと気づかされました。

おうち時間が増えて、改めてエンタメの重要性を感じました。コロナ禍で大変な状況のときに、映画やドラマのようなエンタメは必要ないっていう意見もありますよね。でも、ツラいからこそエンタメが必要な人は絶対にいて、その人のためにも続けなくちゃダメだって思います。演じる側の人間だけど、自分自身が映画やドラマを見て助けられることもある。僕も自分の作品を見てもらい、少しでも助けられるようになりたいです。

■壁にぶつかったときは、役に活かせるチャンス!

自分が共感できるような役柄は演じやすいんですが、自分とはまったく違った状況やバックグラウンドの役は、難しい。そういった役柄にぶつかるたびに、自分はまだ考えが浅はかで何も知らないのだなって痛感します。

最近は、「大変だな」「わからないな」と思うようなことが日常で起こったら、客観的視点をもって見られるようになりました。“あ、これ演じるときに使えるかも”って思うんですよね。役柄を演じるためには、もっと日常を豊かにしていないといけないと思います。まだまだです。

■どんな役であれ、いつでも集大成でありたい

環境が変わり、いままで以上に責任が増えたと思います。高校も卒業したし、ゼロからのスタートという気持ちです。
これからは、作品の真ん中にいても、どの立場にいても、しなやかに演じられる俳優さんになりたい。毎回、出演する作品が集大成と思えるように全力で取り組んでいるし、それが将来、全体で見たときに大きな集大成になるようにしたい。

■message

同じ時代を生きているのは、自分たちだけです。だから一緒に頑張っていきたいと思っています。若い世代が一人ひとり、小さな日常の意識を考えることをあきらめずにいれば、いまよりも楽しく過ごせると思います。友人への気配りとか、小さなことからでいいと思うんです。
みんなが行き詰まったときに、僕の演技を見たら救われるような作品に、たくさん携わっていきたいです。僕も頑張ります!

学生新聞オンライン2021年1月22日取材 共立女子大学 3年 北之原真奈

慶應義塾大学 1年 伊東美優 / 共立女子大学 3年 北之原真奈

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。