倖田來未 人生に無駄はなく、やってきたことは間違いではなかった

歌手 倖田 來未(こうだ くみ)

■プロフィール

1982年、京都府に生まれる。デビュー20周年を迎えるが、デビュー当時のスタイルとパフォーマンス力を現在でも維持し続けている。常に新しいことに挑戦し、多くのファンに愛され支持されている。2020年9月、徹底したコロナ感染予防対策の上、アリーナツアーを開催し、ファンを魅了。

 小学校4年生のときから「歌手になりたい」という夢を持ってオーディションを受け始め、高校年生の夏にエイベックスに合格しました。しかし、デビューが確約されていなかった中で一年間レッスンを受け、やっとデビューできたのですが、“倖田來未”という人間をなかなか見てもらえず、会社の期待にも応えられませんでした。自分はデビューを目標に頑張ってきたのですが、デビューしてからがスタートだと気づかされ、そこからはもっと努力しないと周りのアーティストさんと並べない、勝てないのだと痛感しました。

■自分には何があるだろう?自分の正解を見つける難しさ

 デビューしてからは“倖田來未”という人間の正解を探す旅となります。人の背中を押せるような曲を届けたいと思って楽曲作りをしていたのですが、なかなかヒットに恵まれませんでした。そこで、まずは気づいてもらうことが大事だと思い、「人がやっていないことをやろう!」と、当時、周りにはいなかったセクシーなファッションをしたところ、多くの人に知ってもらえるようになりました。しかし、次はファッションで注目される“キューティーハニー”のような存在から歌手の“倖田來未”にならないといけません。歌を聴いてもらいたいのにファッションアイコンが一人歩きするのです。そこで次はメッセージ性のある曲を歌って歌手だということに気づいてもらうことにしました。音楽業界には正解というものがありません。自分自身で正解を見つけるのが大変でした。
 私は大人も子どもも楽しめるエンターテイメントを作りたいと思っています。エンターテイメントは夢を与えられる仕事であるだけに自分自身が夢を忘れず、お金では買えない価値を届けたいと思っています。これをやったらお金がかかるな、などと現実的なことばかり考えていると夢はなかなか語れません。いくつになっても子ども心に戻って楽しんでもらえるものをと思っています。

■message

 いろいろ経験することが大切だと思います、恋も仕事も。そうすることで「自分ってこれが好きなんだ」という発見につながります。でもそれは一歩踏み出さないと始まらないです。いつもと同じルーティンでいると何も変わりません。やったことのないことをやってみる。そして自分の勘を大切に、自分を信じて進んでほしいと思います。

学生新聞2021年4月号 大阪教育大学4年 清水悦子

大阪教育大学4年 清水悦子 / 京都府立大学2年 鵜川紗和子

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