湯快リゾート株式会社 代表取締役社長 西谷浩司
旅館の常識を破る取捨選択により、日本の温泉を身近にする
■プロフィール
東京工業大学大学院システム科学専攻を修了後、マッキンゼー入社。ロンドン・ビジネス・スクール(LBS)への留学後、GEキャピタル、GEエクイティーへ。その後、ミスミグループ取締役就任を経て、2010年、本間ゴルフ代表取締役社長に就任。同社再建後、2019年6月湯快リゾート株式会社代表取締役に就任。
学生時代はいろいろなサークルに顔を出したり、さまざまなアルバイトもしました。就職活動では「会社ってどうなっているのかな」という興味から、必ずしも志望しているわけではない会社もたくさん訪問しました。結果的に学生だからこその視点で社会や会社の実態を見ることができたのではないかと思っています。
私は新卒で入社してから今日まで、実は7回転職しています。経緯はさまざまですが、自分のやりたいと思うことに加えて、「お役に立てるならぜひ」という、求められるところでベストを尽くすということも大切にしてきた結果だと思っています。
■旅館の常識を破り、日本の温泉を身近にする
今、湯快リゾートでは、「日本の温泉を身近にする」というビジョンに向かって仕事をしています。日本の旅館は平日でも1泊3万円くらいはします。それはそれでおもてなしとしてすごく素晴らしいですが、特別な日にしか行けず、行ける人や頻度も限られてきます。
そこで湯快リゾートでは、皆様に温泉をもっと身近に感じてもらいたくて、当たり前だと思われているサービスを廃止しました。たとえば、従業員がお客様のお部屋に行き、布団を敷くこと。湯快リゾートでは始めから敷いてあります。このように、無くても良いのではないかと思うサービスや旅館業界のしきたりを見直し、より付加価値のあるものを追求していくことを、グイグイ推し進めていきたいと思っています。
私が大切にしている言葉があります。「人事を尽くして天命を待つ」です。やるべきことをしっかりやっていれば、後悔することは少なくなります。プレッシャーという言葉を突き詰めていくと、もっとやらなければいけないことがあるんじゃないかとか、出来なかったらどうしようとか、そういう不安な気持ちが根本にあるんです。やるべきことをしっかりやっておけば、プレッシャーとは無縁なはずです。
■message
今、世の中は大変革期です。変革期はピンチであると同時にチャンスでもあるのです。世の中の趨勢をある程度視野に置きつつ、自分は何を良いと思うか、何をしたときに嬉しいと感じたかなど、心の動きに敏感になってください。そして自分を理解し、興味や関心があることには積極的にチャレンジしてほしいです。行動は人生の満足感や納得感を高めてくれます。
学生新聞2021年4月号 大阪教育大学4年 清水悦子
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