株式会社みらいワークス 代表取締役社長 岡本祥治

日本のみらいをプロフェッショナル人材と共に創る

株式会社みらいワークス 代表取締役社長 岡本祥治(おかもと ながはる)

■プロフィール

2000年に慶應義塾大学理工学部を卒業後、アクセンチュア株式会社、ベンチャー企業を経て、47都道府県を旅する中で「日本を元気にしたい」という想いが強くなり起業。2012年にみらいワークスを設立後、働き方改革やフリーランス需要の拡大とともに急成長し、2017年12月に東証マザーズへ上場。

プロフェッショナルに特化した人材サービス、ソリューションサービスの提供、地方創生活動などを展開している株式会社みらいワークス。今回はみらいワークスの岡本社長に起業のきっかけ、日本のみらいに対する熱い思い、大学生へのメッセージを伺った。

■やりたいことを探した20代

 大学生時代は慶應義塾大学理工学部で過ごしました。大半の理系の大学生は大学院に進学し、メーカーや研究機関などに就職します。しかし、自分は研究職でずっと机に向かい一人黙々と作業するというものが性に合わなかったため、周りの同級生のほとんどが院進学を選ぶ中、就職活動をすることを決意しました。
 
 とはいっても大学生の頃の自分は特に将来やりたいことが思いついていませんでした。とりあえずやりたいことを見つけようと思い、沢山の業界や仕事を見ることのできる外資系コンサルティング会社に進むことにしました。また、当時はIT業界が伸びていたのでITコンサルに強いアクセンチュア株式会社(旧アンダーセンコンサルティング)を就職先に選びました。
 
 入社後はITコンサルタントとして基幹システム導入や、ITアーキテクチャーの構築の仕事をしました。その後、戦略グループに転籍し、事業戦略策定や新規事業立ち上げなど多くのプロジェクトを推進しました。5年ほどアクセンチュアで仕事をしてIT戦略など一通り経験することができました。途中コンサルが楽しすぎて、やりたいことがコンサルになっていた時期もありました。コンサルを通して様々な業界と関わりを持ったことで、自分の視野がぐっと広がったのを感じます。本当に色々な経験を積ませていただきました。

■根底にあったのは日本をもっと元気にしたいという想い

 その後2005年、新興市場に憧れた私はベンチャー企業に転職しました。しかし、ライブドアショックなどの影響もありベンチャー企業を辞めることを決意します。もう一回転職をするのも、アクセンチュアに戻るのもなにか違うなと感じ、海外を旅して自分探しをすることにしました。その旅を通して海外の魅力を感じる一方、自分は日本のことを知らないと痛感しました。帰国後は「日本人として改めて日本のことを知るべきだ」という思いから47都道府県を周りました。食、町並み、人、祭り、歴史、景観。本当に素晴らしい文化を日本各地で目にしました。しかし、地方では県庁所在地にある商店街がシャッター通りだったり、経済的に廃れているところもたくさんあるという現状も目にしました。そんな日本をもっと元気にしたい! という想いを強く持つようになり、私は起業します。企業当初は事業内容を明確には決めておらず、自身の経験を生かし、フリーコンサルタントとして活動をはじめました。

 フリーランスとして活動し始めた当初は仕事をもらうのにも苦労しましたが、徐々にコンサルティングの仕事が取れるようになっていきました。ただ一人でフリーランスとして活動していたので、こなせる仕事の数にも限度がありました。次第に自分が依頼を受けた仕事を周りの人に紹介することが増えていきました。これが今のビジネスの原点です。私は仕事を依頼する際、「どうして起業したのですか? 」と毎回聞いています。すると起業する人たちの三大テーマが見えてきたのです。1つ目は「中小ベンチャーへの支援」。2つ目は「地方の活性化」。3つ目は「海外とのつながり」です。これらは総じて私の「日本をもっと元気にしたい」という想いに通じていました。そんな日本をより良くしようと考えている起業家たちが仕事をもらえず、食べていけない現状を変えたい、彼らを応援したいと強く思った私は本格的にフリーランスのマッチングサービスの立ち上げに動き出しました。これが株式会社みらいワークス創設のきっかけです。

■日本のみらいを創る

 終身雇用・年功序列の時代はもう終わりです。これからは自らの責任で自らの働き方と生き方を選ぶ時代に変化していっています。そんな中、我々みらいワークスのVisionは「プロフェッショナル人材が挑戦するエコシステムを創造すること」です。「プロフェッショナル人材がライフステージに応じて、独立・起業・副業・転職を自由に選択して最適な場所で働ける社会創り」をし、人生100年時代を実践する未来の働き方を支えるプラットフォームとなることを目指しています。

 地方では未だに一つの会社で一つのメールアドレスを使っているところがあるほど、デジタル化が進んでいません。東京で働いていたら考えられないことですよね。逆に言うと、地方のデジタル化による伸びしろは計り知れません。たった一人のプロフェッショナル人材を投入するだけで劇的な成長が見込めます。まさにプロフェッショナル人材は日本が成長するための希望の星です。
 
 我々みらいワークスは個人での挑戦の場を求めるプロフェッショナル人材が活躍する場を増やすことで元気な日本を作っていきたいと考えています。

■大学生へのメッセージ

 人生の幅について考えてほしいです。大学生の皆さんの中にはまだやりたいことが決まっていない人も多いと思います。だったら今やりたいことを明確に見つけるのではなく、人生の幅を広げる選択をしてほしいです。一生働き続けるわけではないですし、就活だけで人生が決まるわけではありません。皆さんもっと気楽に考えてみてほしいと思います。

学生新聞オンライン2021年7月2日取材  法政大学2年 鈴木悠介

早稲田大学3年 原田紘志 / 立教大学3年  須藤覚斗 / 法政大学2年 鈴木悠介

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