ワーナー ブラザース ジャパン合同会社 社長兼日本代表 高橋 雅美

新しい価値で日本を世界のクリエイティブセンターに

ワーナー ブラザース ジャパン 合同会社 社長兼日本代表
ワーナーブラザース・ディスカバリー・ジャパン カントリーマネージャー
高橋 雅美(たかはし まさみ)

■プロフィール

広告会社、コカ・コーラを経て、2000年よりエンタテインメントビジネスに従事。ディズニー時代は『アナと雪の女王』『ベイマックス』等のディズニーアニメーションビジネスの再構築をリード。
2015年ワーナーブラザースジャパンに参加。2016年社長兼日本代表に就任。
360度ビジネスを標榜し、ハリー・ポッタースタジオツアーやゲーム等、エクスペリエンスビジネスを含む『ハリー・ポッター/魔法ワールド』フランチャイズビジネスの構築及び邦画、アニメ等ローカルコンテンツ制作の強化、世界に向けての発信等に取り組んでいる。1959年東京生まれ。

数多くのヒット作を手掛けるワーナー ブラザース ジャパン合同会社(以下、ワーナー)。近年は、日本発の映像作品を世界に出していきたいという思いから邦画の製作にも力を入れている。また今年オープンしたハリー・ポッター スタジオツアー東京等フランチャイズビジネスの構築を進めている。様々なキャリアを経験されてきた高橋社長 兼 日本代表に、多くの人に映画を楽しんでもらうための工夫やこれからの展望について伺った。

大学では海外に興味があったことから国際政治を学びました。ポリティックスから精神分析学が好きになり、自分で本を読んで勉強もしました。また、時間がたくさんあったことや、好きなようにしなさいという親の考えもあったので、いろいろなアルバイトや雑誌を読む、好きな映画・音楽鑑賞、スポーツ観戦などをしていました。これらは、結果的に将来に役立っていると思います。

■映画会社で働けるとは思っていなかった

大学卒業後は、好きなアートの世界で活躍したいと思っていました。
海外が好きだったこともあり、外資系の広告会社に入社しました。仕事内容がとても面白く、13年の間に海外のマーケティングや広告的目線を意識したものづくり、英語など必要なことをすべて教えてもらったと思います。ずっと広告会社で働くつもりだったのですが、30代後半に日本コカ・コーラに誘われ、クリエイティブディレクターとして広告制作の責任者になり、CM撮影や新商品の広告制作を行いました。アメリカにCM撮影に行った時に、隣のスタジオではものすごい規模の映画を撮っていました。見学をさせてもらった時に「すごいな、自分もこういうところで働けたらいいな」と思ったのを覚えています。ただ、映画はずっと好きでしたが、映画会社で働けるとは正直思っていませんでした。
その次に、今でいうeスポーツがやりたくてEAというFIFAサッカーなどのスポーツゲームを製作している会社に入りました。時期尚早という感じで思ったほど普及はしませんでしたが、個人的にはとても良い経験になりました。その後、ディズニーで11年働き、映画やホームエンターテインメントなど色々な仕事を学びました。そして映画製作をしたいと思いワーナーに入り、今年で8年になります。撮影時などにスタジオに行くと自分の好きなことをやらせてもらっている幸運を感じます。映画の製作に関わる大きな決定をいくつもする立場なので、素晴らしい映画を多くのお客様に良い形でお届けできるよう全体で考えた経営を心掛けています。

■映画のメッセージでお客様を包み込む

今一番大きなビジネスなのは、ビックスクリーン&デジタルと言う、映画館とSVODと呼ばれる配信サービスです。そして、他社との違いは邦画と洋画の両方を取り扱っている点や、テレビドラマやアニメもしている点です。そのほかにも、商品やカフェなどのタッチポイントを増やすことで、映画のメッセージで多角的に消費者を包み込みフランチャイズを構築する360度ビジネスを展開しています。ハリー・ポッターのスタジオツアーや赤坂のハリー・ポッターカフェやショップなどの街づくりがその一例です。
昔は洋画が7割ほどだったのですが、今では弊社で取り扱う作品は邦画が半分以上になっています。これは邦画を観る方が増えたことを受けて、ポートフォリオのバランスを考える必要があると思ったことと、日本の作品を世界に出していきたいということが理由として挙げられます。映画を製作する際は、いろいろな観点から考えています。過去にどのような作品がヒットしたのか、世の中がどのように動いているのかなどを参考にしつつ、エンターテインメントならではのユニークさも必要です。ヒットする作品を作るのは、総合的な視点は欠かせないなと思います。
ワーナーの素晴らしいところは、会社全体に「良い映画を作りたい」というDNAがあることと、ピンチをチャンスに変えることです。会社として何がしたいかがはっきりしていて、うまくいかないかもしれないけどみんなで頑張ってみようという共通認識があります。ワーナーの100年の歴史を見ていくと、ヒット作に恵まれないなど厳しい時代は何度かありましたが、『マトリックス』など今までとは違う映画を製作するなど、新しいことに挑戦して、そのたびに道を切り開いてきたように思います。

■ユニークな視点が必要

弊社で働く方には、ユニークな人に来てほしいと思います。優秀な方には、人と同じことが人よりもできる人と、人とは違うことができる人の両方がいると思います。しかし、今までと同じことはせず、新しい価値を作っていく必要があるので、事務能力の高さというよりは、新たな企画や戦略、ビジネスモデルの考案など新しい価値を作ってくれる人が必要です。外資系の会社で働いてきたこともあり、やはりユニークな視点が必要ですね。
私の目指している新しい価値は、日本を世界のクリエイティブセンターにすることです。
アメリカの素晴らしい映画を日本で紹介するというコアのビジネスを大きくするのはもちろん、事業を発展させるにはコアのビジネスと新しいことの組み合わせが大切だと思っているので、新しいビジネスにもいろいろと取り組んでいけたらと思っています。
コアのビジネスに関しては、私どもはバラエティの会社と呼んでいます。一つのジャンルだけを追求するのではなく、これからもいろいろなジャンルに挑戦していきたいですね。

■学生へのメッセージ

好きなことにチャレンジされる方が力を出せると思うので、ご自身の好きなことをやってほしいと思っています。今からご自分が情熱を傾けられるもの、得意だなと思うことを探してほしいと思います。それは必ずしも大学生のうちに見つかるとは限りません。20代でも30代でもいいと思います。パッションを持てることを見つけられたら、それに一生懸命に取り組んでみてください。

学生新聞オンライン2023年9月4日取材 上智大学短期大学部2年 大野詩織

成城大学3 年 小笠原萌 / 国立音楽大学3年 岡部満里阿 / 上智大学短期大学部2年 大野詩織 / 上智大学2 年 吉川みなみ / 武蔵野大学4年 西山流生 / 上智大学2 年 山崎佑奈 / 国際基督教大学1年 若生真衣 / 慶應義塾大学4年 伊東美優 / 慶應義塾大学2 年 山本彩央里 / 立教大学3年 緒方成菜 / 日本大学4年 石田耕司 / 成蹊大学3年 角田迅斗 / 立教大学4年 須藤覚斗
 

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