アース製薬株式会社代表取締役社長CEO兼グループ各社取締役会長 川端克宜

コミュニケーションと人間力でコミュニケーションと人間力で

アース製薬株式会社代表取締役社長CEO兼グループ各社取締役会長 川端 克宜(かわばた かつのり)

プロフィール

1971年兵庫県生まれ。1994年近畿大学商経学部(現・経営学部)卒業後、アース製薬株式会社入社。流通営業を担当後、2006年広島支店長、2009年大阪支店長を務める。2012年に役員待遇ガーデニング戦略本部本部長、翌年に取締役ガーデニング戦略本部長に就任。2014年、同社代表取締役社長に就任。2021年、同社代表取締役社長CEO兼グループ各社取締役会長に就任。

社員の幸せを第一に、良い会社であり続けることを目標に会社運営を行うアース製薬株式会社の川端社長。社長は人の御縁によって導かれ、アース製薬に就職したのだという。そんな就職活動の体験やアース製薬の強み、今後も魅力のある会社であり続けるための経営努力についてお話を伺った。

 私は漠然と昔から医者になりたいと思っていたのですが、大学は文系の商経学部(現・経営学部)に入学しました。医者のように手に職をつけることはできず、「自分は何ができるのだろう」と考えるようになり、あるときふと「歳を取ったときに格好いい大人になりたい」と思いました。いつまでも格好いい大人でいることができる業界はアパレルだと自分の中で結論付け、最初はアパレル業界で就職活動をして、内定をいくつかもらうことができました。就活がいち段落し、当時お付き合いをしていた彼女とデートに行く約束をしていたのですが、待ち合わせ時間が時だったのか、午後6時だったのか判然としなくて困ったときがありました。当時は携帯電話がなかったため、連絡して時間を聞き直すことができず、16時に彼女の家に行くことにしました。しかし、どうやら待ち合わせ時間は午後6時だったようで、彼女は不在で、お父さんと遭遇してしまいました。お父さんは私を家にあげてくれて、2人で彼女を待つことになりました。そのとき、会話の中で就職の話になり、アパレル企業から内定をもらった話をしました。そのこと自体、全く問題ないと思っていましたが、後日、彼女からお父さんは私がアパレル業界に進むことを快く思っていなかったことを聞き、一から就職活動をし直すことに決めました。求人雑誌のア行から会社を探したところ最初に「アース製薬」の名前があり、面接を受けました。私の就職活動は全て御縁だったのです。もし彼女との約束の時間があいまいでなければ、お父さんに遭遇していなければ、求人雑誌でア行から会社を探していなければ今の私はいなかったです。全て良い御縁に巡り合えた結果です。

コミュニケーションによる人間力が魅力

 私はとても負けず嫌いで、アース製薬に勤めてからは同期の中で常に1番を目指していました。初めは営業を担当し、売上目標金額を落としたことはなかったと思います。「物理的に無理なこと以外は何でもやろう」という心意気で仕事に励んでいました。そうやって仕事と向き合っている中で周りから評価いただき、今は社長としてアース製薬を支えています。さまざまな立場を経て社長になった私ですから、各部署や人について身近な場所から観察をしてきました。だからこそいらない部署や人はなく、どれが欠けても成り立たないということを深く理解しています。私は日々、社員とのコミュニケーションを大切にしています。
 また、わが社の最終面接に参加される学生とは一対一で話をし、御縁があるなと思った学生を採用します。私たちから質問をしているだけではフィフティーフィフティーの関係にはならないので、最後は質問を受ける側に回ります。わが社を受けに来られた学生たちと本音で語り合いたいのです。アース製薬はそうやってコミュニケーションを取り合う仲間で構成された会社ですから、本当にいい人たちで溢れています。人と人の触れ合いによる人間力がわが社の魅力であり、強みです。

■お客様にとって良い会社であり続ける

 アース製薬は、未来永劫良い会社と思ってもらえる企業であり続けたいと思っています。アースグループには約4000人の社員がいます。会社を存続させないと、この社員を守ることができません。そのために、主力事業の進むべき方向が間違っていないかを常にチェックすることが最も大切です。目まぐるしく変化する時代においていかれることなく、適応していくことも重要だと思っています。極端な話、年後にアース製薬が殺虫剤や消臭剤などを売っていなくて、八百屋になって野菜を売っていてもいいと思っています。今と全く違う姿に変化したとしても、時代の変化とともに適応し、お客様に求められる良い会社であることが一番大切なのです。

■message

 就職面接で「残りの大学生活でやっておくべきことはありますか?」と大学生から質問を受けることがよくあります。私はその質問に対し、「学生時代はとにかく遊んでください」と答えています。学生の強みは時間があることです。人間は後悔する生き物なので、「あのときやっておけばよかった」と後悔しないような毎日を送ってほしいです。入社してからも勉強することはありますから、今はとにかく遊ぶことが大切です。人生は思っているよりも長いので、学生生活でしかできないことを思いっきり楽しんでくださいね。たくさん遊んで、元気な体で卒業してさえくれれば十分だと私は思っています。

学生新聞2022年4月号 津田塾大学2年 佐藤心咲

法政大学2年 鈴木悠介 / 津田塾大学2年 佐藤心咲 / 慶應義塾大学2年 伊東美優

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。