SHOWROOM株式会社 代表取締役社長 前田裕二
ライブ配信サービスで世界中の人々に幸せを届けたい
SHOWROOM株式会社 代表取締役社長 前田裕二(まえだゆうじ)
東京都出身。 早稲田大学政治経済 学部を卒業後、外資系投資銀行に入社。その後、起 業を検討し、南場智子氏に相談したことをきっかけに 2013年DeNAに入社。同年 月に「SHOWROOM」 を立ち上げる。2015年に会社分割により SHOWROOM株式会社設立し、現在に至る。
夢を叶えたい人とそれを応援したい人が集まるライブ配信プ ラットフォーム、SHOWROOM。自分が生きる証を刻みたい、 代替不可能な価値の0→1を実現したいという想いから起業を決 意したという前田社長。そんな社長が残した大学生へのメッセー ジは、「やりたいことがなくてもいい」という意外な一言だった。
■人一倍本気で取り組んだ大学時代
大学時代、自分で学費を稼ぐ必要があったので、高額な学費を払って得る対価、つまり学びの質について少しずつ考えるようになりました。これだけ必死になって学費を稼いで払っているのだから、それに相当する対価を得なければと、とにかく授業時間あたりの学びの質を向上させたい一心でいろいろなことをしていました。授業も人一倍本気で受けていたと思いますし、ゼミのプレゼンや論文執筆も自ら進んで英語で取り組むなどしていました。当時は周りから変わっているなと思われていたかもしれませんが、ありがたいことに自分に似た感性を持った仲間との出会いもありました。そんな大学時代から付き合いのあるメンバーが活躍している様子を見るとすごく嬉しいですし、あの頃みんなそれぞれに語り合っていた青い志は幻ではなかったんだと実感します。
■SHOWROOMを起業した理由
就職活動も外資系投資銀行を中心にさまざまな企業を受けましたが、結果的にご縁のあったUBSに入社することになりました。そして入社2年目でニューヨーク支社へ移り、20代で個人的な目標も達成することができました。
一見、理想通りのように見えますが、 給料や肩書が上がっても幸福度は大きく増幅することはありませんでした。そんな折、ごく身近な人が突然亡くなったこともあって、死生観と向き合うことにもなりました。そこで気付いたことは、パラレル世界がもしあるとして、この世界と、パラレル世界で、たいして何も変わらないじゃないか、 ということです。この世界に自分が生きた爪痕が何も残っていないという感覚です。青臭いことではありますが、自分の手によって誰かの人生を大きく変えて、更にそれが多くの人の幸せにつながる、 そんな温かい引っ掻き傷を世界に残したいと思い、SHOWROOMを起業しました。
■世界にもっと幸せの数を増やしたい
ライブ配信サービスを立ち上げてから、今までに数多くの幸せな瞬間がありました。特に配信側として活躍した方から直接言われて嬉しかったのが、「人生でこんなに必要とされたことはない」という言葉です。人間 にとって誰かに必要とされたいという 欲求は最も重要な欲だと思います。日本に住んでいる人の多くは健康的で豊かな生活を送れていて、物質的には満たされているかと思います。そのような状態を前提としたときに、給料などの物理報酬で得られる幸せは、一定ラインを超えるとその先へ広がりにくいと考えます。
つまり、物理報酬には限界がありま す。しかし、感情報酬から得られる幸せには際限がない。配信者の方から言われた一言で明確に、無限に広がる感情的幸福の端緒を世に提供できていることを実感したのです。立ち上げた身としてこんなに嬉しいことはありません。
■massage
僕がいつも思うことは、やりたいことが見つからない人もいて、そんな人たちが否定されない世の中になればいいな、ということです。もし、will(やりたいこと)が見つからない人は、まずがむしゃらにcan(できること)を増やして、必要とされる機会を増やすことをお勧めします。やりたいことが見つかる人生はもちろん素敵ですが、誰かに必要とされる人生もまた、すごく素敵だと思います。
学生新聞2022年4月号 慶應義塾大学2年 伊東美優
慶應義塾大学2年 伊東美優/津田塾大学 3 年 宮田紋子/早稲田大学 3 年 Nang Honey Aung /国立音楽大学 1 年 岡部満里阿/立教大学 3 年 須藤覚斗/明治学院大学 4 年 小嶋櫻子/関東鍼 灸専門学校 2 年 竹原孔龍/東洋大学 3 年 伊佐 茜音/日本大学 2 年 石田耕司
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