アンファー株式会社 代表取締役社長 叶屋宏一

お客様を第一に考え、悩みに応じたソリューションを提供する

アンファー株式会社 代表取締役社長 叶屋宏一(かなやこういち)

■プロフィール

1989年上智大学経済学部卒業後、株式会社三和銀行(現・株式会社三菱UFJ銀行)へ入行。その後外資系証券会社を経て、2004年にヴィッセル神戸株式会社へ入社。9年間スポーツビジネスに関わり、その後、ヴィッセル神戸のスポンサーであったアンファー株式会社の外部コンサルティングに携わり、2016年に常務として同社入社、2020年に同社の代表取締役社長に就任。

男性用シャンプー「スカルプD」などで有名なアンファー株式会社。化粧品のみならず、睡眠事業や女性健診事業など医師との距離が近いからこそ実現できる“お客様の悩みに合わせた事業展開”を行っている。事業を推進する理由や仕事で大事にしていることなど、代表取締役社長 叶屋宏一氏に伺った。

学生時代はアルバイトやサークル活動に熱中しており、普通の学生生活を過ごしていました。当時の私は安定志向の傾向が強く、ゼミでも金融の勉強をしていたため、当時勢いのあった三和銀行(現三菱UFJ銀行)に入社をしました。当時の日本は間接金融で成り立っているため、経済の中心で働くことで沢山の学びが得られるのではないかと思ったことも入社を決めた一つの理由です。

実際に銀行に入行したことで様々な学びや恩恵を得ることができました。金融を通じて数字に強くなり、多くの人からの信用や信頼を得やすく、現在に至るまでいろいろな場面で活きてきたと思います。

今は自分自身で“選択できる時代”だからこそ、早めに帰って自分の時間を過ごすことが一般的だと思いますが、当時は夜遅くまで会社で残業したり勉強することが当たり前でした。ただ、そのおかげで様々な知見や経験を得られたと感じています。銀行で働いている間に様々なチャレンジも経験しましたが、10年間働いたのち、(当時周りに転職する人はほとんどいなかったのですが)日本企業の雇用システムに疑問を感じたのと、世界というフィールドで戦いたいという決意のもと外資系証券会社へ転職しました。最初の5年間は非常に順調でしたが、その後もう1社転職した外資系企業では事業の縮小の影響で会社を退職することになり、金融の世界から離れることを決断しました。

もう一度企業に就職するべきか悩みましたが、自分の力がどこまで通用するのか挑戦するべく、個人会社を設立し企業コンサルティングなど様々な仕事に携わりました。その後、縁あってヴィッセル神戸に職をいただき、専務・社長としてスポーツビジネスにかかわることができました。9年間在籍したのち、ヴィッセル神戸のスポンサーであったアンファーの外部コンサルタントとして関わることになり、2016年に常務として入社。2020年に社長に就任しました。安定志向の傾向が強かった私が外資系金融、サッカークラブを経て、いま社長をしているとは、学生時代からは想像もつきませんでした。ただ、たくさんの選択肢の中から自分自身で選択をして、目の前のことを一貫して誠実に愚直に頑張り続けてきたからこそ今があると思います。

アンファーグループは人々がいつまでも健康で、愉しく美しく豊かな人生を送るためにお客様の悩みの深度に応じて、医療と結びづいた最適なソリューション(商品やサービス)を提供するグループです。

そのため、一人ひとりに寄り添いながら、最新の医学的知見に基づくサービスやプロダクトをヘアケア・スキンケア事業、睡眠事業、オンライン診療事業、ファストクリニック事業、女性健診事業の5つの事業を通じて、生活のすみずみまで届けています。

医師との距離が近いからこそ、患者様のニーズを把握でき、要望に合わせた商品開発やサービス展開を進めることができます。今までの悩みは男性特有のもの・女性特有のもの・若者特有のもの・高齢者特有のものと分けられてきましたが、女性の社会進出などに伴い、年齢性別に関係なく色々な悩みを持つようになってきました。その悩みに対してソリューションを提供するのが社会課題の解決や問題解決につながると考えています。

そのため、我々はこれまでスカルプDシャンプーやまつ毛美容液で有名でしたが、現在は女性健診事業に力を入れ始めました。女性健診事業は女性が抱える不安や悩みに対して、健やかに美しく年齢を重ねていくためのからだのライフプランニングを一緒に考えていく事業です。まだ世間の関心はそれほど多くはありませんが、認知を広げるためには地道な活動が大事だと感じているので、女性の疾患に対するセミナーを社内外で定期的に開催をしています。こうした地道な啓蒙活動や医師の協力のもと、女性健診を社会に浸透させられたらと思っています。

■誰と仕事をするかを大事に

アンファーは「誰と仕事をするか」を大切にしている会社です。些細な仕事や作業でも、自分事として捉えて責任感をもち、かつ成長意欲・チャレンジ精神のある人を評価しています。

仕事を一緒に続けていくうえでは、アンファーの理念や哲学に共感しているかどうかも一つの指標になります。アンファーは「自分をより“美しく”“健やかに”することを通じ、人生をより“愉しく”したい人を増やすこと」を企業理念にしており、理念を理解しているからこそ同じ目標に向かって仕事をしていけると思います。

そして、これからAIが発展していく世の中では、好奇心や質問力、気遣いといったコミュニケーション能力が、さらに社会で求められると思っています。私自身も、これらの事柄は、どんな職場でも共通して意識していました。勉学には限界があっても、コミュニケーション能力は唯一訓練することができます。素直にお礼を言えるか。自分からチャレンジができるか。そして、誠実に物事に取り組めるかがこれから仕事をしていくうえで非常に大事な要素だと思います。

■大学生へのメッセージ

以前よりも、自分のキャリアを真剣に考えている若い人が増えたように感じています。それはいいことだと思いますが、自分の求めているキャリアと今やっていることがリンクしないと「今のままやっていいのか?」と考える時間が増えると思います。また、SNSが一般的になり他人のプライベートが見えるようになりました。隣の芝は青く見えがちなので、人によっては、「これでいいのか」と悶々と悩み続け、変化を求めてすぐに会社を退職したりするのだと思います。ただ、私は、仮に他人が羨ましく見えたとしても、人の可能性や選択肢はいくらでもあるし、仕事人生は本当に長いのだから、ある程度、自分の目標を決めたらひとつのことを覚悟して続けるべきだと思います。いろいろなことに興味をもって常に全力で行動の質と量を増やしていけば、偶然の幸運な出会いに巡り合えるはずです。

学生新聞オンライン取材2023年5月8日取材 國學院大學3年 島田大輝 / 日本大学4年 和田真帆

國學院大学3年 島田大輝 / 法政大学2年 佐伯桜優 / 日本大学4年 和田真帆 / 立教大学4年 須藤覚斗 / 武蔵野大学4年 西山流生

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