パナソニック ホールディングス株式会社 テクノロジー本部 デジタル・AI 技術センター AI ソリューション部 2課 阪田 隆司

知っているようで知らない仕事 データサイエンティストとは

パナソニック ホールディングス株式会社 テクノロジー本部 デジタル・AI 技術センター AI ソリューション部 2課 阪田 隆司(さかた りゅうじ)

■プロフィール
航空宇宙工学専攻を修了後、2012年にパナソニック株式会社(当時)に入社。未経験からデータサイエンスに携わり、Kaggleという世界的機械学習プラットフォームで実力を付ける。現在では全社のAI人材育成や大学での講義なども。

■データサイエンティストとはどのようなお仕事なのでしょうか

データを解析して意味のある情報を抽出し、企業や組織の意思決定に役立てるのがデータサイエンティストの仕事です。多種多様なデータに対し、プログラミングや統計学を駆使して分析し、傾向やパターンを見つけ出す。その結果を可視化し、時には予測モデルを構築することで、事業の効率化や向上につなげていきます。
パナソニックでは商品や事業、会社の経営に関するさまざまなデータの分析を幅広く担当します。たとえば、製品の製造工程のデータを分析して不良の原因を特定し、製造プロセスの改善や設備の調整につなげる。ここで、分析の結果は必ずしも正しいわけではないので、現場の人との連携をしっかり取ることが大事です。また、SNSの意見や顧客データを活用し、リアルの声も考慮しつつ、キャンペーンなどの施策の立案にも携わります。

■やりがいや将来展望をお聞かせください

データサイエンティストとしてのやりがいは、データから新たな気づきを得られ、問題解決に貢献できることです。自分の分析結果が実際に現場で活かされるとモチベーションのアップにもつながります。また、データの探索や発見に対して探究心を持つことで成長し、自身のスキルを磨いていくことができる点も魅力的です。
一方では、データサイエンティストの仕事には難しさもあります。データ解析は確実に結果を得られるわけではなく、宝探しのような試行錯誤が必要とされます。予測したい結果を得るためには、手元のデータをどう分析するのが適切なのかを判断し、分析方法を見極めることが求められます。
今後は、新規技術が開花したときにキャッチできるように、技術に対する知識の幅を広げていき、プロフェッショナルの高みを目指します。

■学生へのメッセージ

今後もますます技術は進歩していくでしょう。そんな中にあって、たくさんの情報を吸収していく必要がありますが、フラットな目で見て、どんなことに最も興味が持てそうか、自分の中で決めるといいと思います。新しいものだけに触れて流行を追っていくのではなく、新旧の両方に触れて判断することです。今の世の中の流れに負けないように、絶えず変容することが求められていますが、やりたいことをやっているときが、一番成長できます。

学生新聞2023年10月1日発刊号 明治大学大学院1年 酒井躍

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