株式会社セクションエイト 専務取締役 太田光則

クリエイティブによって“出会い”の質と量を向上させる

株式会社セクションエイト 専務取締役 太田光則(おおたみつのり)

■プロフィール
1975年3月生まれ、千葉県千葉市出身。
大学卒業後、1997年:専門商社に入社。2002年:株式会社レインズインターナショナル(牛角・温野菜等運営)に入社。同社で店長やマネージャー・部長と経験を積み「かまどか」の業態長を経て、2011年3月:株式会社セクションエイトに入社。2014年6月に同社取締役就任、2016年6月に同社専務締役就任。

「相席屋」をはじめとした出会いの場を提供している株式会社セクションエイト。“出会い”を元に多くのユニークな取り組みを行っているのも業態にこだわらず挑戦的であるからこそ。同社の太田光則専務のキャリアとともに会社の強みや経営戦略などについて伺った。

大学の時はアルバイトで飲食店と公園の管理、販売業など3つくらい掛け持ちしていて、アルバイト中心の学校生活でした。仕送りなしの奨学金のみでやりくりしていたので稼がなきゃという気持ちもありましたね。アルバイトではリーダーを任せてもらい、シフトを組んだり、食材の発注をしたりといろいろな仕事をしましたが、この経験が今に生きている部分もあると思います。
大学4年生の時に就活を終えて、内定者研修も受けていたのですが、留年をすることに。卒業がずれたことを契機にもう1度就職活動をして、地元千葉の測量機やコピー機を売る代理店の営業職として就職し、5年ほど勤めました。今までのアルバイトではチームの活動が多かったのですが、営業は個人競技がメイン。あまり達成感を感じられなかったため、転職を決意しました。
そのとき、学生時代の経験を思い出し、「飲食店が面白かったな」という理由から、牛角や温野菜やかまどかの会社である株式会社レインズインターナショナルに一般社員として入社しました。店長やマネージャーや部長などを経て、本部長の地位にまでたどり着くことができました。
その後、会社がファンドにバイアウトされて方向性が変わったタイミングで、株式会社セクションエイトへ紹介という形で入社しました。当時は「居酒屋はなこ」のブランド力が強すぎて業績は良いけれど、運営力が追いついていないという状態だったので、マネージャーの教育や会社のガバナンスを作るなど、段階を踏んで立て直しに力を入れました。
その後、色々な業態を作り上げてきて現在に至ります。
ここまで来れたのも仕事が好きだからなのではないかと思います。出世はサラリーマンのダイナミズムだと思いますが、私は「趣味が仕事」という想いで働いていました。仕事の質も大事ですが、量をこなさないと生産性や効率などの質が上がらないと思っています。

■出会いをピラミッドとして捉える

弊社のメイン業態は3つで、自由なスタイルで楽しめる「The Public stand」、従業員がマッチングをしてくれて、合わなければ席替えができるというシステムがある「相席屋」、アプリ等も連携し、真剣交際を行いたい方向けの一対一の会員制相席屋である「THE SINGLE」などがあります。
「THE SINGLE」の強みは、最近はマッチングアプリでの出会いがあるかと思いますが、いろんな人と出会えるからこそ誰がいいのか分からなくなったり、連絡を取ってから会うまでにすごく時間がかかり、疲れてしまうことが多いです。私たちのサービスでは、お店に来ると自動的に出会えて、1回でだいたい4、5人と相席ができるところが強みだと思います。しかも「THE SINGLE」のアプリでは、相席をした後にお互いに点数をつけて評価をする点が、普通のマッチングアプリとは違う点です。点数が低い方には入店をお断りしております。

■敷居を低くして出会いの数を増やす

他社の店舗との違いは、銀だこさんやゴーゴーカレーさん・焼肉ライクさんなどとコラボをするなどして、お客様がイベント感覚で来られるようにと敷居を低くすることを心がけています。また、客層が幅広いところも特徴かもしれません。マッチングアプリや結婚相談所との違いは、出会いの多さです。私たちは「出会いの数を多くすれば必ずいい出会いがあるのではないか」という考え方で、出会いのクオリティはもちろんの事、出会いの量にもこだわっているところが圧倒的に他社さんとの違いかと思います。

弊社はヒット業態を当てているイメージがあるかもしれませんが、過去38個のブランドをスクラップ&ビルドしてきました。最近ではカラオケで100点を取れたら店舗で使える10万円分の商品券をプレゼントするKARAOKE HUNDREDや、水煙草のシーシャを扱うTHE SHISHA HOUSEなどが新規業態としてあります。
常に何かに疑問を持って「これがいいのでは?」と新しい提案ができる、挑戦的でクリエイティブな人と一緒に働きたいですね。
今後の目標は、人々の出会いの数を増やすこと。業態にはこだわっていないので、出会いを元に面白いことをどんどんやっていって、セクションエイトを大きくしていきたいです。

■Message

学生時代はモータースポーツのF1の予選と似ているように感じます。F1は予選の順位で決勝のスタート順が変わるため、予選のタイムが遅い人は決勝で優勝するのは難しいと思います。その反面、予選でポールポジションを取れば決勝で優勝する確率が上がりますよね。同様に、今の学生時代は社会人になる前の準備期間、すなわちF1では予選であり、社会人になる時が決勝だと思ってみてください。そして勝負はもう始まっていると捉えて、一つ一つ真面目に取り組むことが大切だと思います。中途半端だと何も生まれないので、「これは絶対将来に繋がる」と確信を持って、何事も一生懸命にやってみるといいと思います。

学生新聞オンライン2023年8月1日取材 上智大学短期大学部2年 大野詩織

立教大学2年 亀井義和喜/国際基督教大学1年 渡邊和花 /國學院大學1年 寺西詩音 / 上智大学短期大学部2年 大野詩織 / 国際基督教大学1年 若生真衣/ 立教大学4年 須藤覚斗

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