学校法人ミスパリ学園 理事長 下村朱美

グローバルに活躍するビューティのプロフェッショナルを育てる

学校法人ミスパリ学園 理事長 下村朱美(しもむらあけみ)

■プロフィール

1957年鹿児島県出身。池坊短期大学卒。82年「やせる専門店 シェイプアップハウス(現:ミス・パリ)」86年「男のエステダンディハウス」をオープン。90年ミスパリインターナショナルスクールを開校。2008年学校法人ミスパリ学園を設立し、専門学校を開校。23年4月、日本で初の美と健康を学び人々のQOLの向上を目指す大学「ビューティ&ウェルネス専門職大学」を開学。
大阪難波に資金600万円から始めたサロンは、全国に95店舗、美容室15店舗。上海店、台湾店と海外進出も果たす。業界では「教育のミス・パリ」と呼ばれるほどエステティシャンの養成に力をいれているミスパリ学園の下村朱美理事長。若干25歳の女性が、エステティックサロンを起業し、2023年4月には、日本初のビューティ&ウェルネス専門職大学を開学。美容と健康のプロフェッショナルを育成し続ける下村理事長に、これまでの経緯や現在の想いを伺った。

■茶道や華道など、日本文化を学んだ大学時代

 大学は京都にある池坊短期大学の家政科を卒業しました。短大は63単位取れば卒業できるのですが、77単位取得して卒業しました。学校では一般教養の他に格式高い日本文化を学び、茶道や華道は京都の一流の先生から学ぶ事ができました。当時は短大を卒業したら地元に帰ってお見合いをして結婚するというのが一般的でした。しかし、私は一人っ子でしたので、両親のためにも自立したいと考え、短大卒業後、文化学院、中央研修科と2年を経て、華道の看板をいただいた後、半年間カルフォルニア大学へ留学しました。いよいよ日本に帰国する時、飛行機の中で「これで私の学生生活は終わった。これからは、必死に働いて親やお国に恩返しをしよう」と覚悟を決めました。

■理論に基づいたサロンを作りたいと、独立起業を決意

仕事をしようと思っても10月に帰国した私にどんな仕事があるのかも分からず、知り合いに、ある化粧品会社を紹介されました。その会社のビジネスモデルは、美容室にあるシャンプー台を使い美容師に美顔を教えて、お客様に提供できるサービスメニューを増やし、化粧品の販売などでお客様一人当たりの単価を上げるというものでした。私は美容材料屋さんの車に同乗し、美容室を回り、講習会への案内や、講習会が始まると、美容室を周り、営業終了後の研修を受け持っていました。
23歳の頃でしたが美容室の先生から「お客様に対して美容カウンセリングをしてほしい」といわれ、美容室で美容相談会を開催し、お客様の美容に関する悩みを解決・相談する仕事も始めるようになりました。すると美容室の化粧品売り上げが向上し、お客様からの感謝の声も多くなりました。そんな時期、エステティックサロンだともっと専門的な指導ができているのかと思い、私自身がサロンの客として通う事にしました。しかし、サロンでは体や肌の構造も学んでいない人達が汗をかきながら技術をしている状況でした。

そのとき、私が痛感したのは、お客様はご自身の悩みに対して、適切な知識を求めているのだということ。お客様に向けて、その商品や技術がどのようにお客様の体や肌に作用するのかを知らせるためには、技術者たちがもっと体や肌や商品のことをきちんと勉強して、その知識をお客様に伝えることが大事だと感じました。当時のエステティック業界では、その知識が足りないと感じ、「ならば自分が理論に基づいた技術を提供できるサロンを作ろう!」と思いました。そこで、貯金600万円でサロンを開業したのです。

■技術や知識だけでなく、礼儀や作法も忘れない

以前から、弊社は美容業界で「教育のミス・パリ」と言われてきました。実際に、弊社の新入社員は入社後850時間もの研修を受けます。これは元々エステティックサロンを立ち上げる時から決めていた「教育を受け資格を持ったエステティシャンを育成したい」という想いがあったからこそ。化粧品代理店時代、お客様は基礎医学や商品、美容法に関してきちんと知識を持ったエステティシャンを求めていると強く感じたからです。また、より質の高いサービスを提供するためには、お客様の期待を上回る知識や技術を常にアップデートする必要があります。
そのためにも社内のエステティシャンの育成に力を入れ、現在はサロンスタッフの90%が認定エステティシャンの資格を持っています。しかし、技術や知識だけではなく、礼儀や作法なども大切にしています。
最近、メンズ美容エステ3ブランド114店舗の口コミ分析レポートと言うものが、ネットに出ていたと友人から知らされました。口コミ評価平均でダンディハウスが★4.53と業界TOPの高評価。
他ブランドと比較すると高価格設定であるが、サービスの質が価格の期待値を 超えているためお客様の満足度が高い。とありました。
客層が素晴らしいと言うのが、ダンディハウスとミス・パリの特長でもありますが、私達は私達のサービスを好いてくださるお客様達を大切にしながら、20年も30年も通ってくださるお客様を作っています。

■エステティックの最前線を学べるミスパリ学園

「教育を受け資格を持った人たちが働くサロンを作りたい」という思いは、サロン開業を決断した当時からありました。そこで、1990年には大阪の23坪ほどの狭い土地に、地下1階地上5階のビルを建て、エステティックスクールを開校しました。現在ではミス・パリエステティック専門学校が大阪と名古屋に、ミス・パリ・ビューティ専門学校が池袋と大宮にあり、毎年500人以上の卒業生を美容業界に輩出しています。卒業後の就職率は100%。ミス・パリ・グループにも25%程が入社して来ます。専門学校では即戦力人材の養成をしていますが、大学は演習や実習、研究を行いながら基礎医学、美学、一般教養、経営学等を学び、サロンマネジャーや商品・技術の開発者、教育者や指導者、コンサルタント等を養成していきます。

■大学生へのメッセージ

「将来自分は何がしたいのか」をよく考えなければならないと思います。近年アメリカでは大学を出ただけの新卒学生を入社させない企業が増えてきています。そうした企業では、応募者の学歴や学習した内容などではなく、「何ができるのか」を面接時に聞くそうです。つまり、何もできない経験のない新卒社員は戦力にならないということ。
以前の日本は終身雇用が主だったため、スキルがない新卒の学生が入社しても、長いスパンで人材育成を考え企業内で教育して来ました。大学受験にしても今の自分の学力で受かる大学を受験し、学部の選択も深く考えず、入れる偏差値の学部に入学する傾向にあったのではないでしょうか。
しかし、現代の日本では、入社後4〜5年で転職することが普通になり、入社後の人材育成は企業にとって負担になりつつあります。つまり、日本も近年のアメリカのように、「今できること」に注目した採用へと変化しているのだと思います。そんな日本社会で大切なのは、自分が今後どのような生活をしたいのか、どのような仕事がしたいのかをよく考え、それに合わせて自分でスキルや経験を身につけることです。ぜひ学生のみなさんにも、いまから「何がしたいのか」をしっかり考えてもらえればと思います。

学生新聞オンライン2022年12月27日取材 立教大学4年 須藤覚斗

立教大学 4年 須藤覚斗 / 東海大学 4年 大塚美咲

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