大塚製薬株式会社 ニュートラシューティカルズ事業部 eコマース部 金澤慎太郎
苦もなく続けられることを仕事にして会社と健康に貢献する
大塚製薬株式会社 ニュートラシューティカルズ事業部 eコマース部 金澤慎太郎(かなざわしんたろう)
■プロフィール
1987年生まれ。新潟県出身。米国ネバダ州立大学ラスベガス校教育学部卒業。2010年4月、大塚製薬株式会社入社。ニュートラシューティカルズ事業部福岡支店、MBA留学(米国ワシントン大学)、事業戦略室を経て、2017年3月から現職。
ポカリスエットやカロリーメイトなどの誰もが知る人気商品のほか、医療用医薬品を展開し、世界の人々の健康に貢献する大塚製薬。なかでもeコマース部はデジタルマーケティングを行い、仮説を基に大塚製薬の売り上げを支えている。そんなeコマース部の金澤係長に、同部署の具体的な取り組みや、仕事の魅力・やりがいなどを伺った。
私は、アメリカの大学に進学したのですが、現地の医療費はとても高い印象があり、高額請求が怖くて病院には一度も行きませんでした。とはいえ、当然具合が悪くなることもあり、そんなときはいつも、日本から持参したポカリスエットの粉末に助けられていました。
アメリカでの就職も考えましたが、現地で知り合った日本人のビジネスマンの方に「日本企業はビジネスの基礎を新卒社員に丁寧に教えてくれるから、まずは日本の企業に入ったほうが良い。」とアドバイスをいただきました。
就職活動の時期になり、ボストンキャリアフォーラムという留学生向けの就職イベントに参加したところ、大塚製薬がブースを出していました。いつもポカリスエットの粉末に助けられているお礼を言いたいという思いでブースに行ったところ、まだ面接の募集をしており、運良くその場で面接をすることになりました。ポカリスエットに何度も助けられたエピソードを熱く語ったのが良かったのか、縁あって内定することができました。
入社して4年間は、佐賀県で営業を担当しました。ドラックストアやスーパーに赴き、自社商品の陳列場所やスペースの拡大、新商品の提案などをおこなっていました。通常の営業活動に加えて、様々な経験をすることができました。たとえば、高齢者の割合が高い佐賀県では老人会や高齢者大学などの組織が活発に活動しており、健康に関する勉強会を実施する機会を頻繁にいただきました。目の前にお客様がいて、正直なフィードバックを日々いただいたこの経験は今の仕事にも生きています。その後、幸いなことに社内のMBA留学の選抜に選ばれました。シアトルのワシントン大学で学んだ後、日本に戻ってきてからは品川の事業戦略室で市場調査の仕事を約1年行いました。その後、今のeコマース部に異動しました。佐賀、シアトル、品川と様々な場所で幅広い仕事の機会をいただけたことは、本当に良い経験になったと思っています。
■結びついた新たな習慣と仕事
もともとデータを元にした根拠づくりが好きなので、今のeコマース部の仕事はとても楽しいです。根拠づくりが好きになったきっかけは、MBA留学で学んだ「人の行動の背景には全て理由があり、それをデータとして分析する」という統計学的なマーケティングの考え方に面白さを感じたからです。それ以降、日々の自身の行動を振り返り、「なぜ商品Aではなく、商品Bを選んだのか…」など、自分の行動を振り返る習慣がつきました。例えば、社内のメンバーと行くランチの場所や天候、メンバー構成などを日々Excelに入力し、自分たちのランチの選択にどの様な傾向があるのかをデータを基に分析したりしてみました。この習慣は、今の仕事に結びついていると感じます。
eコマース部では、自社通販サイト「オオツカ・プラスワン」の管理運営を行なっています。サイトへの集客のためのweb広告や新聞の折り込み広告などのプロモーションや、メールやDMを送って商品を購入して頂いた方との関係を構築するCRM(顧客管理システム)なども、仕事の一部です。それ以外に各ブランドのデジタルマーケティングのサポートも行っています。
■返ってくる仕事に感じるやりがい
Webのマーケティングを組み立てるときに、まず初めに仮説を立てます。データを分析した上で「こういう人にこういうことを訴求したら買ってもらえるのでは」と仮説を立てるのですが、デジタルの場合、全て結果が数字で返ってきます。仮説通りに商品が売れて、会社の売り上げに貢献できた時は本当に嬉しいですし、やりがいになります。また、アンケートやメールでお客様から喜びの声を頂くと、自分の仕事が誰かのためになり良かったと感じます。
仮説を立てることに加えて、社外の様々なパートナーから最新のテクノロジーや潮流の話を伺い、新たな施策を試しています。日々テクノロジーが進化していますし、お客様へのメッセージのより良い伝え方は変わっているからです。
成長を感じるのは、仕事をしていて、関わる人がどんどん増えているときです。あとは、責任の範囲が広がると、自然と「成長しなきゃ」と感じますね。
■大学生へのメッセージ
自分が「何が好きなのか?」を見つけることです。私の場合は、たまたまMBA留学で見つけることができましたが、もっと早い時期に見つけていたら、キャリアが違っていたかもしれません。苦もなく楽しんで続けられることは、キャリアを考えていく上で基準になっていくのではないでしょうか。色々なことに挑戦できる大学生時代に、好きなことを見つけられたら素敵だと思います。他の人から見たら変わっていたり苦痛なことだとしても、自分なら夢中になってできることを探して、それが仕事に結びつけられれば、きっと人生はもっと楽しくなるはずです。
学生新聞オンライン2024年1月11日取材 津田塾大学4年 大川知
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