レバレジーズ株式会社 代表取締役 岩槻知秀
一度しかない人生だから、世の中にプラスのインパクトを。
レバレジーズ株式会社 代表取締役 岩槻知秀(いわつき ともひで)
■プロフィール
1980年生まれ。大阪府和泉市出身。
早稲田大学社会科学部入学後、1年時からエンジニアとしてIT企業にてビジネス経験を積む。
大学卒業と同時に、2005年にレバレジーズ株式会社を設立し、現在に至る。
グループ会社の取締役も兼務。
創業当初から「顧客の創造を通じて、関係者全員の幸福を追求し、各個人の成長を促す」という企業理念を掲げ、これまで40以上の事業を展開してきたレバレジーズ。 創業19年で年商1000億円規模に導いた岩槻代表は、学生時代の原体験をもとに、強い意志を持って事業づくりに取り組んできたという。会社が急成長する秘訣とは一体何か、自身のキャリアや事業・組織にある成功の裏側について、詳しくお話を伺った。
■「お金」と「仕事」で苦労した大学生活
私は大阪府出身で、大学入学と同時に上京しました。もともと起業したいという想いはあったものの、明確な目的やプランは持っていませんでした。ただ大学在学中に、父親の事業が失敗し、一気に生活に困窮するという事態を経験したんです。両親からの仕送りも減っていき、当時は借金を抱えながら日雇いバイトに明け暮れる日々でした。そんななか、「もっと稼ぐにはどうすればよいか」と考えたときに、自分自身でスキルを磨き仕事として将来に繋がることをすべきだと考えました。それからプログラミングを独学で学び始め、大学在学中に複数の企業でインターンを経験しました。また当時はインターネットバブルの時代で、IT関連企業の景気が良くなると同時にさまざまな経営者がフォーカスされる時期でもあり、私も大学在学中多くの起業家の本を読みました。そのなかで「鉄鋼王」と称されるアンドリュー・カーネギーという起業家の生き方に大変刺激を受け、私自身も一度しかない人生ならとんでもなく大きい事業をつくり「社会にプラスのインパクトを与えたい」と強く思いました。そして大学卒業後にレバレジーズを創業し、今に至ります。
■ビジョンを実現できた瞬間
当社は元々、システム開発の会社でした。大学最後の年に始めた個人事業があり、そのときに稼いだ1500万円の資金の一部で立ち上げた会社です。現在主軸となっている人材事業を始めたのは、その後のことでした。私自身、大学時代は「お金」と「仕事」でとにかく苦労してきたので、お金と仕事に関する問題解決をミッションとして何かできないかと、ずっと考えていたんです。その中で、人材事業ならばtoBだけでなく、toCも含めて関わる人全員が幸せになれる仕組みづくりができるのではないかと思い立ち、スタートしたのが当社の「レバテック」という事業の前身となるIT領域における人材サービスでした。私自身の強みであるITスキルと、インターンなどで培った営業スキルを活かせる点でも、この事業を成功させる自信があったんです。結果、現在に至るまで増収増益が続いており、関わったたくさんのお客様から感謝される事業となりました。やはりお客さまから喜ばれると嬉しいですし、改めて「関係者全員の幸福」という理想が現実化できているなと実感できます。
■大きな仕事を任せていくことが若手が成長する近道
当社は、基本的にメディアを中心として色んな事業を展開している会社です。人材事業の売上が最も大きくはあるのですが、最近はSaaSやHRテック、オンライン診療などにも参入し、事業は多角化しています。メディア運営を中心とする理由は、経営の安定性を高めることと、利益率を高める為です。創業当時から事業成長は見込めていたんですが、左記の目的達成の為に、フェーズや規模の異なる多数のメディアを運営し、日々改善を続けています。組織としては、企業成長に合わせて採用人数を大幅に増やしています。事業数が急激に増えているので、採用を強化しないとポジションに穴が空いてしまうんです。もちろん採用後の育成にも力を入れていますが、基準に合わない人を採用しても社内育成で変えることは難しいので、採用にはより力を入れています。育成においては、7割が実務経験(どれだけの仕事を任せられるか)、2割が上司や先輩からの指導、最後の1割が座学で決まると言われています。だからこそ、優秀な人を採用して早期から思い切って裁量権を与えていくことが、本人だけでなく会社の成長にも繋がると言えます。過去には入社前のインターン生に、数十億円の予算を渡すなどの事例があります。とにかく裁量権を与えることが、その人が成長していく過程で1番重要なことだと感じているので、年次関係なくどんどん裁量は与えています。
■会社が急成長する最大の秘訣
これまで当社は、オペレーション改善とマーケティングの2つで急成長してきました。営業のオペレーションを細分化して改善していくことで、次はマーケティングに予算が割けるようになる。このサイクルを回し続けることで売上を伸ばしていきました。例えば、ウェブ登録から面談までの率が5%上がると利益がその分増えます。増えた分を広告などのマーケティング予算に割くことによってより多くのお客さまに知ってもらい、利用してもらうことができるようになるということを繰り返していくというイメージです。話はそれますが、営業の仕事は比較的簡単な仕事と勘違いされていますが、弊社においては細かいプロセスで成り立っている複雑性の高いものです。だからこそ、各プロセスの係数の把握などは創業の頃から細かくやってきました。
■大学生へのメッセージ
とにかく勉強や仕事に対して、時間の投下をしましょう。学生のうちは時間にも余裕があると思うので、たくさん勉強するといいと思います。よく長時間働くと「ブラックだ」なんて言われるんですが、成功している起業家や社会人は世界共通で例外なく全員揃って当たり前のようにハードワークしているんですよね。少しでも社会で活躍したい、社会に対して大きな影響を与えたいなどと考えている人は、まず多くの時間を費やすことを大切にしてほしいと思います。
学生新聞オンライン2024年2月1日取材 慶應義塾大学4年 伊東美優
法政大学3年 鈴木悠介 / 津田塾大学1年 石松果林 / 慶應義塾大学4年 伊東美優 / 武蔵野大学4年 西山流生
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