株式会社ロッテ 代表取締役社長執行役員 中島英樹
挑み続けた先に、ロッテの「おいしい」は生まれる

株式会社ロッテ 代表取締役社長執行役員 中島英樹(なかしまひでき)
■プロフィール
広島県出身。1987年、広島修道大学商学部卒業後、株式会社ロッテ入社。2006年、ロッテ冷菓株式会社執行役員。2008年、株式会社銀座コージーコーナー代表取締役(出向)。2015年、株式会社ロッテアイス代表取締役。2018年、ロッテ常務取締役。2022年、同社取締役専務執行役員。2024年、同社代表取締役社長執行役員に就任。
入社以来ロッテグループ一筋で歩んでこられた中島英樹社長。社会人として長くロッテで過ごす中で、自身を成長させた大きな転機が2度あったという。そんな会社への想いとともに、社風である「挑戦を続ける」というDNAを体現している中島社長に、成長する上で大切な「素直さ」や「学びの心」についてお話を伺った。
学生時代は勉強もそこそこにアルバイトに夢中になっていました。40年以上も前の話になりますが、車が好きだったこともあり、趣味と実益を兼ねて中古車販売店で長く働いていました。途中からは営業も任せてもらい、社会人になる前に商売の面白さを少し知ることができました。
就職活動時期になると、アルバイト先の社長から「このまま就職してくれ」と温かい声をかけてくださり、そこで就職することも考えたのですが、他の業界にも興味がありました。
私はもともと食べることが好きでジャンクフードや甘いものには目がありませんでした。そのようなことで食関係の企業に特に興味があり、就職するなら食品関係の会社にしようと決めました。お菓子の会社はロッテしか受けていないのですが、理由は広島駅あたりを歩いているときに、たまたまロッテの広島支店を見つけて、新卒採用の有無について聞こうと思い、公衆電話から電話をかけたのです。
しかし、残念なことに広島支店では採用はしていないと言われました。それでも話だけでもということで聞かせてもらい、それがきっかけで東京での選考試験を受けることになりました。
ロッテを受けるに際し、企業研究をしっかりしたわけでも将来性を深く考えていたわけでもありません。ただ、お菓子というものが私たちの生活にとても身近な存在であり、誰にでも笑顔を届けられる点に強く惹かれました。それがロッテを選ぶ決め手となったのです。
■人生に起こった2つの転機
ロッテに入社してからの大きな転機は2つあります。一つは全国各地への転勤です。名古屋、大阪、京都、そして東京とさまざまな地域で多くの人と出会い、商売のやり方を学びました。転勤はそれぞれの地域で学びがあり、自分自身が成長するいい機会になったと感じています。もう一つはロッテではない会社、つまり2008年にロッテが買収した株式会社銀座コージーコーナーに出向したときです。
そこで初めて社長を経験したのですが、私にとって最大の転機だったと思います。同じ文化の中にいると考え方も似てくるものですが、全く違う環境に飛び込むことで、今までとは違う視点を持つことができました。2024年にロッテの社長に就任する前までは、正直、社長になるという強い思いがあったわけではありません。この会社で果たすべき役割やミッションは理解していましたが、それは役職で変わるものではないという考えがあったからです。このときは周囲からの推薦を受け、就任を決意しました。社員の雇用や多くのステークホルダーとの関係性など、多くの責任が伴い身の引き締まる思いですが、その責任を全うしたいという強い覚悟を持っています。
■後発メーカーとして常に挑み続ける
ロッテは大手と比較して後発となる1948年の創業以来、常にトップを目指してきました。だからこそ当社の強みは「挑戦を続ける」というDNAにあると考えています。先輩方が「お客様に喜んでいただきたい」という強い意志を持って、他にはない独自の商品を生み出してきました。
だからこそ今、多くのロングセラー商品という貴重な財産が私たちの会社に残っているのです。これは単なる製品ではなく、挑戦の歴史そのものだと言えるでしょう。今もなお、お客様のニーズに応えるだけでなく、まだ世の中にはないトレンドを自分たちで創っていくという強い思いで商品開発を続けています。
■企業の果たすべき社会的な役割
現代の企業においては、経済活動だけでなく、社会的な活動も求められています。ロッテでも単なる経済活動に留まらず、社会的な責任を果たすべく、CO2削減や人権問題といった幅広い分野で長期的な目標を掲げています。その具体的な取り組みをまとめたサステナビリティレポートを作成し、社会に貢献する存在となることを目指しています。お菓子は誰もが喜んでくれる身近な存在であり、それが当社のビジネスの大きな強みだと感じています。
社員には、人間として成長し続けることを期待しています。そのためにはやはり「素直さ」が一番大事だと考えています。素直に人の話を聞き、人のいいところや、世の中のいいものを取り入れようと周りを見て学ぶことができる人は、驚くほど成長します。
■message
将来の目標をしっかり決めている人も素晴らしいですが、まだ見つけられていない人もいると思います。もしそうなら、いろいろなことに興味を持ち、見て、聞いて、自分で経験することがすごく大事です。そうやってさまざまなことに触れていく中で、本当に自分がやりたいことが見つかってくるはずです。そして、まず何か小さなことでもいいので1年単位で目標を立ててみてください。それをやり遂げることで、きっと自分の成長を肌で感じることができるはずです。そして人の話を聞き、世の中の動向を学び、それを受け入れて自分のものにしようとする姿勢を持つことが将来の大きな力になるでしょう。
学生新聞2025年10月号 東洋大学4年 太田楓華

武蔵野大学3年 吉松明優奈/東洋大学4年 太田楓華/昭和女子大学2年 阿部瑠璃香/東京家政大学2年 篠田陽菜乃


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