株式会社KADOKAWA 取締役 代表執行役社長 CEO 夏野剛

クリエイティビティとテクノロジーの2本の柱を徹底的に追求

株式会社KADOKAWA 取締役 代表執行役社長 CEO 夏野剛(なつのたけし)

■プロフィール
1962年生まれ。早大政経学部卒業。日本電信電話株式会社入社。1990年米国ボストン大学コミュニケーション学部大学院に留学し、企業広報論で修士号を取得。1998年、参院選に出馬し初当選。現在、学校法人近畿大学理事長、参議院自由民主党幹事長。早稲田大学政治経済学部卒、東京ガス入社。ペンシルバニア大学経営大学院(ウォートンスクール)卒。ベンチャー企業副社長を経て、NTTドコモへ。現在は株式会社KADOKAWA代表執行役社長、株式会社ドワンゴ代表取締役社長などを務める。

株式会社KADOKAWAは出版事業のみならず、多種多様な事業を通していまや日本のエンターテインメントの発信基地になっている。そんなKADOKAWAの事業内容や仕事への取り組みについて、代表執行役社長である夏野剛氏にお話を伺った。

■どのような学生時代を過ごしてこられましたか

大学時代を振り返ると、将来就職のためにプラスになるアルバイトをと思い、化粧品会社の開発プロジェクトやリクルートなどで働きましたが、もっと真剣に勉強しておけばよかったと思っています。
新卒入社した会社は東京ガスですが、そこで社会人としてのアイデンティティを確立できたと考えています。その後、ビジネスマンとして成功するためにはアメリカの大学院に行く必要があると考えて留学しました。帰国後、日本初のインターネットのベンチャー企業を立ち上げ、これを機にさまざまなキャリアを重ね、2021年にKADOKAWAの社長に就任しました。

■経営者としてなすべきことを教えてください

KADOKAWAは出版だけではなくさまざまなエンターテインメント関連の事業を行っている点で特異です。インターネットを利用した新たな付加価値を作ることを目指していますが、大切にしているのは、クリエイティビティとテクノロジーの2本の柱を徹底的に追及することです。この2つは密接に関係しており、テクノロジーを使えば使うほど時間の余裕が生まれ、クリエイティブなことに割く時間が増えます。テクノロジーの導入で解決できる問題は多数あり、ところざわサクラタウンに導入されたデジタル印刷設備もその一つで、利益率の向上に大きく寄与しています。
また、社員のモチベーションを上げるのも大事なことです。たとえばFA型異動制度。これは他の部署に魅力を感じた社員が異動できるという制度で、2年間で200人が異動しています。さらに当社ではA B W(Activity BasedWorking = 働く場所を自由に選択できる働き方)も推進しています。現在、全社員のうちの75パーセントの人がリモートを選択しています。ABWは特に女性社員からの支持が多いです。こうしてテクノロジーによって場所の障害がなくなり、世界中から才能を発掘することができます。

■学生へメッセージをお願いします

この期間に自分のやりたいことを極めてください。大学4年間を無駄に過ごしてしまうと、みっちり勉強をしてきた他国の学生との差が開いてしまいます。自由な時間がある貴重な今を有意義に使ってください。

学生新聞2023年10月号 上智大学2年 池濱百花

埼玉大学3年 岩田彩奈/上智大学2年 池濱百花/国際基督教大学1年 渡邊和花/上智大学2年 吉川みなみ/日本大学1年 大森雨音/津田塾大学4年 大川知/専修大学4年 竹村結/上智大学短期大学部2年 大野詩織/慶應義塾大学2年 山本彩央里/國學院大學1年 寺西詩音/武蔵野大学4年 西山流生/法政大学3年 鈴木悠介/國學院大學3年 島田大輝

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