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学生新聞インターン

東京海上ホールディングス株式会社 専務執行役員グループCDO 生田目雅史

金融×テクノロジーで未来を拓く、異色の挑戦者。 東京海上ホールディングス株式会社 専務執行役員グループCDO 生田目雅史(なまため まさし) ■プロフィール 37年以上にわたり、金融とテクノロジーの最前線で活躍してきた東京海上ホールディングスのCDO(Chief Digital Officer/最高デジタル責任者)である生田目雅史氏。日本長期信用銀行、金融庁、外資系投資銀行、VISA、ブラックロックという華々しい経歴を経て、現在東京海上グループで新たな挑戦に挑む生田目さんが語る、学生時代に学んだ「信頼の大切さ」とは。また、「デジタル技術×保険」の舞台裏も探ります。 学生時代に力を入れていたのはマジック 大学時代は東京大学法学部に在籍し、司法試験に挑戦しましたが、失敗。ここから早く社会に出て、自分の力で稼ぎたいという思いが生まれ、就職活動をすることになりました。勉強以外で特に熱中していたのはマジックです。ステージマジックを披露するサークルで会長を務めましたが、メンバーが少なかったので、募集や宣伝に力を入れて、30人だったメンバーを150人規模まで増やしました。規模が大きくなると皆からの会費などをもとに大きなスケールのステージができるようになり、成長することの大切さに気づきました。また、人体切断のマジックやイリュージョンを成功させるには、3分のステージに対して、300時間もの練習量が必要です。途中でめげてしまわないように、お互いを励ましあうことが大事ですし、信頼は助け合いから生まれることを学びました。そして、仲間は自身の発言や行動を見ているので、信頼を失わないためにも「嘘をつかないこと」が大切だなと痛感しました。支え合い、舞台も成功させる中で、今の仕事にも通じるリーダーシップと責任感が育まれていったように思います。 ■数多の金融機関で、多様な経験を積む 大学を卒業した1988年に、日本長期信用銀行に就職しました。主に金融工学やデリバティブを担当し、留学の機会にも恵まれました。しかし、経営悪化を機に「このままでは世の中の役に立てない」と感じ、入社10年で退職を決断しました。転職後は、金融庁の外部職員として2年間勤務し、日本の金融行政の一端を担いました。その後は、ドイツ銀行やモルガンスタンレー証券などで13年間、金融機関チームと民営化チームの責任者として投資銀行業務に携わります。東京海上グループは当時の顧客の一つで、海外M&Aをサポートした経験もあります。さらに、VISAでは日本の経営陣として決済の分野に関わり、資産運用世界最大手ブラックロックでは日本法人の取締役を歴任しました。東京海上への転職を意識したのは、外資系金融機関で働くうちに東京海上グループが主に海外での成長のために積極的な投資を行うのを見て、今までの外資系投資銀行での仕事の経験を活かしてより大きな仕事に携わることができるのではないかと思ったからです。また、銀行の経営危機があった若手時代には果たせなかった、日本の金融機関の一員として、世界の多くのお客様の役に立つ仕事がしたいという気持ちもありました。 ■保険とは、社会の発展や挑戦を後押しする仕事 東京海上グループは、保険を中心とした事業を国内外で展開しています。保険とは、万一の事故や災害から人々の生活を守るだけでなく、社会の発展や挑戦を後押しする仕組みです。保険は事故や災害の「補償」だけではなく、その保険の枠組みがあることによって社会全体の安全と安心を支えるインフラとしての役割を果たしています。たとえば、いまでは当たり前となったクレジットカードや自動車にしても、保険による補償がなかったら、ここまで普及しなかったかもしれません。保険があるからこそ、新しい技術や文化を社会が受け入れることができるのだと感じます。 ■災害リスクの予測などにも使われる保険業界のデジタル技術 保険業とは、様々なデータを活用する、デジタル技術との親和性が極めて高い産業です。保険料の算出の際も、どれほどの確率で該当する事故が起こり得るのか、という統計的なデータが必要です。一例ですが人工衛星やドライブレコーダーなどから収集される膨大なデータを活用・分析し、災害リスクの予測や事故原因の分析を行っています。人工衛星からミリ波レーダーで撮る画像は、雲を突き抜けて地上も撮影することができます。写真の解像度も極めて高く、台風時でも港や道路、工場の様子をリアルタイムで把握できます。2024年の能登半島大震災の際には、車の通行量が極端に減っていた道路の情報をもとに、どこで土砂崩れが起きているかを迅速に分析・察知し、自治体と連携して対応を進めました。また、保険契約に付帯する当社独自のドライブレコーダー搭載の車は全国で100万台を超え、加速度データと映像をもとに事故の状況を正確に再現できるようになっています。最近では台風や水害で土砂崩れが起きそうな地形をセンサーとレーダーで把握する会社を買収、提携し、災害への備えも踏まえたデータ収集も行っています。このように先進的なデジタル技術は、保険制度だけでなく人々の安全を守る社会基盤の構築体制にも貢献しています。 ■大学生へのメッセージ 就職活動では、期待と不安が入り混じると思います。私自身、業界を金融のみに絞らず一業種一社受けるようにしましたし、一時はアナウンサーすら考えていました。その中で、ある銀行の方から「金融は未来の社会を創る存在だ」と聞いた時、働く意味が一気に広がったのを覚えています。仕事にはそれぞれやりがいがあります。特に、「苦手なものに挑戦する」「無理かもと思った仕事に立ち向かう」その一歩こそが、本当のやりがいや成長を生みます。私は転職などで様々な仕事を経験しましたし、苦労もしましたが、やりがいのある仕事を見つけることができました。皆さんも社会の中で皆さんそれぞれの人生の目標が見つかるはずです。ぜひ、みなさんのエネルギーを積極性と挑戦する力に向けていただきたいです。そして、不安な時にこそ、自分を信じ、自分の可能性に制限をかけてしまうことなく、どんなことでも行動して良い結果を出そうと努力し、結果を積み重ねていけば、視野はどんどん広がりますよ。 学生新聞オンライン2025年6月30日取材 東京理科大学1年 金丸颯人 情報経営イノベーション専門職大学​1年 ​徳原拳聖 / 東京理科大学​1年 ​金丸颯人津田塾大学3年 ​石松果林 / 駒澤大学​2年 ​前田康介

イベント・企業紹介

「Multi-Unit Apartment」ゲネプロレポート ~『自分を見失う。それが恋...

「Multi-Unit Apartment」(マルチユニットアパートメント)」が2025年8月1日に品川プリンスホテル クラブeXにて開幕しました。本作は、ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズンや“Pretty Guardian Sailor Moon” The Super Liveなど大人気タイトルの舞台化で脚本や演出を担当し、独自の世界観でファンを魅了し続けてきた三浦香さんが、3年の構想を経て企画し、満を持して上演される舞台です。三浦さんご自身が脚本・作詞・演出を務め、ガールズ、レディたちの奮闘物語を、自身が愛してやまないショーステージでお届けします。作品を彩る音楽を手掛けるのは、ミュージカル「東京リベンジャーズ」など数多くの作品を担当しているTAKAさんと、自身も俳優として活動しながら、舞台『ハンドレッドノート〜暗闇に消えた月〜』などの作品の楽曲を担当している⻘海伶さんが務めます。振付は、Experimental Theater「結合男子」や数々のアーティストの振り付けを手掛けるREX(福澤侑さん、Daikiさん、皇希さん)が務め、圧倒的な表現力で作品の世界に引き込みます。 本作は、誰もが夢見るセレブな街の少し外れ・リトルラブリータウンにある「Multi-Unit Apartment」を舞台に、8人の女たちが繰り広げる“恋あり秘密あり復讐あり!? ”の奮闘物語です。彼女たちは失恋した時に本当の力を発揮し、恋した男よりも美しい男へ変装を遂げ魅惑の復讐ショーを繰り広げる!主人公のココを演じるのは、舞台「東京リベンジャーズ」シリーズで主演を務め、人気作に多数出演し活躍している木津つばささん。そして、ココのルームメイトたちには、2.5次元作品をはじめ数々の舞台で活躍中の持田悠生さん、SHINさん、前田隆太朗さん、皇希さん、原貴和さん、福島海太さん、加藤良輔さんが出演。さらに彼女たちを虜にするオスカーを井阪郁⺒さんが演じます。※木津さんとSHINさんは、本作で三浦さんと初共演。 今回は開幕に先駆けて2025年7月31日に行われたゲネプロを取材させていただきました。 撮影:小境勝巳©「Multi-Unit Apartment」製作委員会 ■“自分の価値は自分で決める!” 〜学生の観劇レポート〜 三浦さんが3年かけて構想を練ったという今作は、思わず「これぞ三浦さん演出!」と言いたくなってしまう要素がたっぷり詰まっていて、三浦さんの世界観が溢れています!木津さんは今回が三浦さん作品に初参加とのことだそうですが、作品の空気に溶け込み、強い存在感を放っていたのが印象的でした。そして、誰一人として被っていない、キャラクターの個性豊かさが魅力です!観たらきっと好きなキャラクターが見つかるはずです!楽曲は、ガールズの個性が感じられるものばかり!もちろん、ストーリーは、テンポよく展開していき、観客をぐいぐい引き込んでいきます!舞台上でヘアメイクをしながらガールズトークをするシーンも注目です!「私もこのキャラクターたちのように、ひとつのことに全力に生きていきたい!」と思わせてくれる、パワー溢れる舞台でした。彼女たちは一体どんな秘密を隠しているのか…観劇後も「もっとガールズを観たい!」と思わずにはいられません!誰一人欠けることなく千秋楽を迎えられるよう、心から願っています! 学生新聞オンライン2025年7月31日 城西国際大学2年 渡部優理絵 撮影:小境勝巳©「Multi-Unit Apartment」製作委員会 「Multi-Unit Apartment 」 【公演⽇程】2025年8⽉1⽇(⾦)〜8⽉11⽇(⽉・祝)【劇場】品川プリンスホテル クラブeX【企画・脚本・作詞・演出】三浦⾹【⾳楽】TAKA ⻘海伶【振付】REX【出演】ココ:⽊津つばさ ビビ:持⽥悠⽣ エンジェル:SHIN アヴァ:前⽥隆太朗 ハンナ:皇希 リリアン:原貴和 ゾーイ:福島海太 イザベラ:加藤良輔 オスカー:井阪郁⺒<Cupidʼs>三瓶賢⼈(DIAMOND☆DOGS Team Novel) Shunta Tanase Daicho ToLa 内藤将⼤ 橋本有⼀郎 藤村リュウト Ryoma【チケット料金】<全席指定>S席:13,500円(税込)※最前2列確約A席:9,800円(税込)※1~2階席※未就学児入場不可※当日の座席の変更・返金対応などー切行えません。予めご了承いただいたお客様のみご購入ください。【チケット一般発売(先着)】・ローソンチケット ※PC/スマートフォン共通https://l-tike.com/multi-unit-apartment/ Lコード: 34011【公演・チケットに関するお問い合わせ】Mitt:03-6265-3201(平日12:00~17:00)【Official Web Site】https://multi-unit-apartment.com【Official X】 @MU_Apartment (https://x.com/MU_Apartment)【ビビのInstagram】 @vivi_multi_ua (https://www.instagram.com/vivi_multi_ua/)【Hashtag】 #マルアパ【主催】「Multi-Unit Apartment」製作委員会

イベント・企業紹介

舞台『怪人21面相』ゲネプロレポート ~一瞬たりとも目が離せない、息を...

2025年7月31日(木)より新宿シアターモリエールにて、舞台『怪人21面相』が開幕しました。 舞台『怪人21面相』は昭和の犯罪史に残る「グリコ・森永事件」を題材に、劇作家・野木萌葱さんが書き下ろしたオリジナル作品です。初演は2006年、同氏主宰の劇団「パラドックス定数」版です。その後 2017年に和田憲明氏演出によるウォーキング・スタッフプロデュース版にて第25回読売演劇大賞優秀作品賞を受賞し、多くの注目を集めた作品。 今回、この骨太な演劇の力に向き合うべく集まったのは、演出:古谷大和と河合龍之介、章平、定本楓馬、輝馬の5人です。古谷大和さんは今作にて初めて本格的なストレートプレイの演出に挑戦、俳優陣は、2.5次元作品からグランドミュージカルまで幅広い作品で活躍し続ける実力派ばかりです。 今回は開幕に先駆けて2025年7月31日に行われたゲネプロを取材させていただきました。 撮影:大塚浩史(ダブルスクイーズ)©Nelke Planning co.,ltd. ■小劇場で触れた、生の緊張感 〜学生の観劇レポート〜 様々な舞台でご活躍されている実力派の役者さんたちのマイクなしのお芝居かつ小劇場だからこその距離感で、観劇していて緊張感がありました。舞台転換なしで劇場全体を持て余すことなく使う演出もとても素晴らしく、足音一つひとつがお芝居の一部となっていて、その音からも登場人物の感情が伝わってきました。大きな劇場では中々意識することのない足音すらも表現の一つとなっていたところがとても印象的でした。そして、新宿の街中に位置するシアターモリエールから見える景色さえもセットの一部となっており、「新宿シアターモリエール」という場所で上演したからこそ実現した舞台だったと思います。私が観劇した日は晴れていましたが、曇りの日、雨の日はまた違った表情を見せてくれるのではないかと、何度も通いたいと思いました。今作は実際に起きた事件を題材にしていますが、現代に蘇っているかのように感じられて、観ていて何度も苦しい瞬間がありました。4人の”人”としての思いをぶつけ続けられているような、目まぐるしい2時間でした。誰一人欠けることなく千秋楽を迎えられるよう、心から願っています。 学生新聞オンライン2025年7月31日取材 城西国際大学2年 渡部優理絵 舞台『怪人21 面相』 【期間】2025年7月31日(木)~8月10日(日) 【劇場】新宿シアターモリエール【脚本】野木萌葱【演出】古谷大和【出演者】白砂駿嗣役:河合龍之介幸村統夷役:章平鳥羽山基役:定本楓馬蓮見雅尚役:輝馬【主催・制作】ネルケプランニング【チケット取り扱い】ローソンチケット【チケット料金】通常席:7,800円(全席指定/税込)ベンチシート:6,800円(全席指定/税込)※ベンチシートは、最後列に位置する背もたれのない席です。【公演に関するお問い合わせ】ネルケプランニング https://www.nelke.co.jp/contact/【公式サイト】https://21mensou-stage.com【公式X】@butai_K_21 (https://x.com/butai_K_21)

学生新聞インターン

株式会社インターネットイニシアティブ 取締役 副社長執行役員 村林聡

日本初の商用インターネットを支えた技術と志で、「データ駆動社会」の実現に挑む 株式会社インターネットイニシアティブ 取締役 副社長執行役員 村林聡(むらばやし さとし) プロフィール1958年生まれ。81年名古屋大学経済学部卒業、株式会社三和銀行(現 株式会社三菱UFJ銀行)に入行。国内支店やシステム部門の業務に従事し、株式会社三菱東京UFJ銀行 執行役員 システム部長や同専務取締役コーポレートサービス長兼CIO等を歴任。2017年三菱UFJリサーチ&コンサルティング代表取締役社長。21年にIIJに入社し、取締役 副社長執行役員として現在、管理本部、リスクマネジメント本部を所管する。趣味は読書、ゴルフ。 1992年に日本で最初の国内インターネット接続事業者として創業して以来、30年以上インターネット業界をリードし続けてきた株式会社インターネットイニシアティブ(以下IIJ)。現在も、インターネットインフラの構築・運用から、クラウドサービス、セキュリティ対策、システム構築など企業のITニーズに幅広く対応し、新たな技術革新を追求し続けている。変化の激しいインターネット業界で、第一線を走り続けるIIJの副社長・村林聡さんに、銀行時代のシステム部での経験、IIJの強みについて伺った。 学生時代は、体育会のゴルフ部に入り、部活動に力を注いでいました。大学がゴルフ場と提携していたため、ゴルフ場で平日は練習し、土日はキャディとして働いていました。他にも、家庭教師や個別指導の塾講師のアルバイトもしていましたね。勉学の面では、経済学部だったので、金融論のゼミに入り、単位習得が難しい授業には必死に取り組んで勉強していました。 就職活動では、当時「体育会採用」という慣行があり、部活やゼミの先輩方が金融機関で多く働いていたため、自分も誘われていました。また、高校は理数科だったので、数学は得意でしたが、物理が苦手で文転しました。数学受験が可能な経済学部を志望していたこともあり、就職先としても理系が中心に就職する企業よりも、文系的な仕事ができる会社に就職したいと考えていました。そこで、銀行を選び、実際に働く人たちと話していくうちに、自由があって官僚的ではない社風が自分の性に合っていると感じ、旧三和銀行(現 三菱UFJ銀行)に入社しました。 ■プロジェクトマネジメントの基礎が作られた、銀行のシステム部での経験  入社後は、支店勤務で窓口業務などを担当していましたが、1974年に銀行業務の第二次オンライン化がスタートし、次の第3次に向け全国から人を集めていました。その最中、ある日突然私もシステム部への転勤を命じられました。最初は、文系的な仕事がしたくて銀行に入ったので、理系的な仕事を任されてしまい、正直あまり乗り気ではありませんでした。しかし、若いころは銀行業務に携わってもあまり大きな融資はできず、企業の育成など責任が重い業務は任されることがありません。その一方で、システム部の仕事は、一人一人、自分の任された役割に責任感があり、非常にやりがいを感じることができました。転勤後は、元居た部署に戻る人が多い中、自分は一生この部署にいてもよいと思えるほど、システム部が性に合っていると感じていました。さらに、この転勤を機に仕事への熱も一層高まったおかげで、さまざまなプロジェクトを任されるようになりました。なかでも印象に残っているのが、30歳のころに担当した副元帳システムのプロジェクトリーダーとしての経験です。これは、災害や地震によるシステムダウン時に、瞬時に別の場所でシステムを稼働させるという、当時としては画期的な仕組みでした。チームのみんなの協力もあり、このシステムは国際特許を取得し、その後、このシステムは他の金融機関でも採用されるほど広く普及しました。その後、旧三和銀行と旧東海銀行が合併してUFJ銀行となる段階で、システム統合を経験し、統合後システム企画部長に就任しました。この経験を通じて、プロジェクトマネジメントやリスク管理の基礎が築かれたと感じています。 ■銀行時代に培った経験を活かし、IIJの副社長へ 銀行時代にはネットワーク分野における専門知識とスキルを有しており、「ネットワークスペシャリスト」の資格も保有していました。ITに関する素養に加え、プロジェクトマネジメントの実務経験もあったことから、専務CIOを経て、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの代表取締役社長に就任しました。ちょうどその頃、取引先であったIIJから、仮想通貨交換業を行う株式会社ディーカレットを立ち上げるにあたり、「一緒にやらないか」と誘いを受けましたが、そのときは一度お断りしました。しかし、四年後にその職を退任する際、再びお声がけをいただき、現職を引き受けました。IIJはテクノロジーカンパニーであり、技術者たちがソフトウェアを組み合わせてサービスを開発しています。私自身はその技術力の部分に直接貢献することはできませんが、どのような対象物であっても、リスクを管理し、マネジメントすることには自信がありました。実際にIIJに入社した直後、トラブルが発生し、監督官庁である総務省から行政指導を受ける事態となりました。その際、銀行時代に培ったリスク管理や内部統制のノウハウを活かし、データガバナンス会議の議長として再発防止にあたりました。 ■他社にはないIIJの強み IIJの強みは、高い技術力と、それを支える優れた社員たちにあります。新しい技術を積極的に取り入れ、次々とサービスを展開できる背景には、フラットな組織体制が存在します。技術者が自ら開発した技術を、そのままサービスづくりに反映できる環境が整っており、個人の力量を発揮しやすい自由な風土が根付いています。IIJは、インターネットの歴史において世界で2番目に古い企業であり、皆さんが日常的に利用するインターネットサービスの裏側にある、複雑なネットワークやシステムの設計・運用管理を得意としています。まだインターネットがほとんど知られていなかった時代から、この分野を切り開き、数多くの技術を創出してきました。その豊富な経験と知見が、技術力の研鑽や新技術の開発・普及に活かされています。だからこそ、自ら課題を見つけ、解決策を考え、社会に貢献できるサービスやプロダクトを生み出す、そんなチャレンジ精神あふれる学生の皆さんに、ぜひIIJの仲間として参加してほしいですね。 ■学生へのメッセージ 私は、三つの「し」を大切にしています。一つは、“志”で「志本主義」とも呼んでいます。そう思わせてくれたきっかけが、司馬遼太郎の『世に棲む日日』という本です。幕末の時代に倒幕に挑んだ志士・高杉晋作の姿から、志を持って行動することの大切さを学びました。50年後の未来ではなく、数年後の近い将来に向けた短期的な目標でよいので、常に志を持っていてほしいです。付け加えると、私の今の志は、「ITで日本を豊かにする」ことです。IIJが様々なデータを安全に流通させ、組織や産業の領域横断的な活用により、より高度で広範な社会課題を解決できる、「データ駆動社会」の実現を目指していきます。二つ目は、“師”です。先生や先輩などの目上の方を大切にすることは、成長するうえで欠かせません。私にとっての「師」は高杉晋作です。彼の行動力と信念から、多くのことを学びました。三つ目は、“詩”です。本を読むことが私の人生を大きく変えてくれたきっかけでもあります。そのため、皆さんもたくさんの本に出会い、自身の感性を磨き続けてください。 学生新聞オンライン2025年7月8日取材 法政大学1年 渡辺碧羽

学生新聞インターン

女優 浅川梨奈

カメレオンのように色を変え、役を生きる 女優 浅川梨奈 (あさかわなな) プロフィール1999年4月3日生まれ、埼玉県出身。代表作に映画「人狼ゲーム マッドランド」(長編映画初主演)、映画「かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~」、CX「親愛なる僕へ殺意をこめて」、NTV「大病院占拠」、映画「おとななじみ」、ytv「帰ってきたらいっぱいして。」など。24年7月期NTV「どうか私より不幸でいて下さい」ではW主演を務め、本年3月に公演された舞台『きたやじ オン・ザ・ロード〜いざ、出立!!篇〜』ではヒロインを務める。また、6月に公開となった映画「フェイクアウト!」ではヒロインを務め、主演映画「49日の真実」が本年7月に公開された。 中学時代に芸能界に入り、ドラマ、映画など幅広く活躍してきた浅川梨奈さん。主演作『49日の真実』では、長回しの演技やワンシチュエーションでの表現に挑んだ。「応援される仕事だからこそ頑張れる」と語る浅川さんに、仕事への向き合い方や今後の展望、大学生へのメッセージを伺った。 中学生の頃、私はAKB48が大好きで、何度かオーディションに応募していたのですが、すべて書類で落ちていました。そんな時にSUPER☆GiRLSに夢中になり、今の事務所のオーディションに応募したのが、芸能界入りのきっかけです。まさか本当に受かるとは思っていなかったので、二次審査の際も、母と原宿でクレープを食べたりアクセサリーを見たり、幼かったこともあり完全に旅行気分のままで臨みました。いざ合格したときは、「どうしよう」という戸惑いの方が大きかったです。もともと芸能界に強い憧れがあったわけではありませんし、明確にやりたいことも決まっていませんでした。合格発表の後に母へ「受かっちゃった」とメールした時も、親子そろって「これからどうする?」という雰囲気でした。本格的に「仕事」として意識し始めたのは、初めてドラマのヒロインとして出演させていただいた現場からです。それまではグループ活動やグラビアなど、知っているスタッフの方が多い環境での仕事が中心でしたが、初めて会う人ばかりの現場にひとりで入ったとき、右も左もわからない感覚に陥りました。特に男性の多い現場に緊張してしまって、「これが社会に出るということなのか」と強く感じました。主演映画の現場では、同世代の俳優たちが真剣に芝居に向き合う姿に衝撃を受けました。「このままの気持ちで現場にいては失礼だ」と感じ、自分の意識も大きく変わったのを覚えています。 ■「応援」の力に支えられて 私にとって、この仕事の一番のやりがいは「応援されること」だと感じています。普通に生活していたら、誰かから応援されることなんて、なかなかないですよね。でも、イベントに出ると、「初めて来ました」「ずっと応援しています」と涙ながらに伝えてくださる方がいて、そのたびに「この仕事をしていて良かった」と心から思います。長年応援してくださっている方が結婚してお子さんを連れてきてくれたり、コロナ禍でのオンラインイベントではペットや自宅の様子を見せてくださったり。ファンの方と一緒に、人生の時間を共有できることが本当に嬉しいです。つらいことや大変なことももちろんありますが、私は寝たら忘れてしまう性格なので、基本的には前向きにいられます。マネージャーさんや業界で出会ったスタッフの方々、友人たちにもたくさん支えられてきました。私の仕事をよく理解してくれている存在に話を聞いてもらえることが、大きな支えになっています。 ■映画『49日の真実』がくれた緊張と一体感 主演を務めた映画『49日の真実』は、ワンシチュエーションで展開されるヒューマンサスペンスで、長回しのシーンに挑戦しました。27ページにもおよぶ台本を通しで演じる場面では、セリフだけでなく、動きや物音、タイミング、照明の変化まで全員が完璧に合わせなければなりません。現場は少人数でしたが、その分、キャストもスタッフも一丸となっていて、本当に“奇跡を作っている”ような感覚でした。カメラマンさんが腕を回しながら30分以上撮影に集中している姿を見て、「自分も甘えていられない、次で決めよう」と思い直しました。全員の集中力と熱量が詰まった作品になったと思います。今回の役は、冷静でリーダーシップのある人物。私は普段、誰かの後ろをついていく“ふわふわタイプ”なので、まったくの真逆でした。ただ、小学生の頃はもう少しリーダー気質だったので、そういった昔の自分と重なる部分もあったのかもしれません。今回のようにオリジナル脚本でキャラクターが濃い人たちに囲まれている場合、自分は“普通”でいることが求められます。だからこそ、自然体で、ナチュラルな演技を心がけました。 ■変幻自在な女優に これまで、比較的“王道ではない”役どころを演じてきたので、今後は真っ直ぐな恋愛ものにも挑戦してみたいという気持ちがあります。10代の頃は“人を殺す役”を多くいただいていて(笑)、最近は“殺される側”や“どこか影のある人物”の役にも興味があります。特に不倫ものは以前“する側”を経験しましたが、年齢を重ねた今、“される側”としての感情にも向き合ってみたいです。その立場だからこそ見える世界や、湧いてくる感情を深く掘り下げてみたいと思っています。私は「どんな役を演じても顔が変わる」と言ってもらえることが多いのですが、それがすごく嬉しくて。特徴が強い顔立ちではないからこそ、メイクや表情、声の出し方ひとつで役に染まっていける。そんな「変幻自在」な女優を目指して、これからも幅広い役に挑戦していきたいです。 ■大学生へのメッセージ 私は大学に通っていないので、大学生の皆さんのことを本当に尊敬しています。中学生の頃から芸能活動をしていたこともあり、学業と向き合う時間はほとんどありませんでした。だからこそ、受験を経て、大学でしっかり学んでいる皆さんは、本当に努力できる人たちだと感じています。努力って、私は才能だと思うんです。大学生活は、自由で楽しい時間でもありますよね。ちょうどお酒が飲めるようになったり、自分でいろんな選択をできるようになったり。だからこそ、羽目を外しすぎない程度に、好きなことを思いっきり楽しんで、たくさんの経験をして、自分の人生を豊かにしてほしいです。きっとそれぞれに目標があって、日々を頑張っていると思います。その目標がいつか実を結ぶよう、心から応援しています。 学生新聞オンライン2025年7月11日取材 津田塾大学 3年 石松果林 映画『49日の真実』出演:浅川梨奈 田辺桃子星野奈緒 冨手麻妙 君島光輝 高田里穂佐野岳 高橋健介鈴木秀人 青羽里奈 小野春花 本多正憲 河本準一船ヶ山哲 原田龍二監督・脚本:中前勇児配給:エムエフピクチャーズ https://49nichinoshinjitsu.com/ © ケイアンドエヌ 津田塾大学 3 年 石松果林 / 城西国際大学 2 年 渡部優理絵

丸山実友

株式会社メガスポーツ 代表取締役社長 三浦隆司

全ての原点は、人を大切にするという文化 株式会社メガスポーツ 代表取締役社長 三浦隆司(みうらたかし) ■プロフィール1985年ジャスコ㈱(現イオン㈱)入社、タルボットジャパン㈱専務取締役、広東ジャスコ社長、イオンリテール㈱執行役員商品本部長、トップバリュコレクション㈱社長を経て。2023年イオン㈱専門店事業の責任者に就任、2024年からは㈱メガスポーツの代表取締役社長も兼ねる。 イオングループのスポーツ専門小売企業として誕生したメガスポーツ。多くの店舗がショッピングモール内に出店し、商品を通してお客さまにスポーツの魅力を届けています。今回はメガスポーツの代表取締役社長である三浦氏に社長に就任するまでのご経験、メガスポーツの魅力、学生へのメッセージについてお話を伺いました。 就活を始めた当時はホテル業界に興味がありました。私が就活を始めた80年代中頃は、世間では「余暇」という言葉が使われ始め、これからは働くだけの生活から家庭や趣味など自分の時間を大切にする時代へ変化すると考え、レジャーや旅行に関連する業界に将来性を感じていました。就職活動を進めていくなか、大学に企業のリクルーターが集まるイベントがあり、そこで出会ったのが小売業界でした。今まで小売業界に接する機会はありませんでしたが、その仕事内容がとても面白く感じました。特に魅力を感じたのが衣食住を取り扱う総合小売業です、お客さまのニーズを汲み取って商品を仕入れ、自分が要望した商品が売り場にならび、お客さまに喜んでもらえるという小売業ならではのプロセスに魅力を感じました。そこで、数ある小売業のなかでも人事制度や教育制度が充実しており、人を大事にしている印象をもったジャスコ(当時)に入社を決めました。 ■一つ一つの経験が今に繋がっている 入社後は様々な会社で多くの経験を積ませていただきました。最初の10年間は、ジャスコ(当時)でアパレルの売場を担当しました。初めての仕事だったため、わからないことがあれば自ら上司に質問をし、自ら学んでいく姿勢を大切にしました。その後アメリカに本社をかまえるアパレル専門店に10年間所属、その後自ら志願し中国へも赴任しGMSを運営する現地法人の社長となる、その後はイオンリテール(株)の衣料品責任者、2019年アパレル専門店社長、2023年イオン(株)専門店事業責任者、2024年春にはメガスポーツ社長を兼務。これまで様々な業務や役職を経験してきましたが、それぞれの経験から得た学びは大きなものであり、特に中国で社長を務めた際は、文化や価値観、言語の壁に直面し、コミュニケーションの重要性を実感しました。この経験は帰国後も役立っていると思います。やはり会社の場所や規模、自身の立場が変われば求められる視点や学びも変わってきます。そうした一つ一つの経験が今の自分を支えていると感じます。現在メガスポーツの社長として特に意識していることは従業員との会話です。日頃から実際に店舗に足を運び、現場の従業員と直接話をするように心掛けています。積極的なコミュニケーションを通して、現場で起こっている課題を把握しよりよい店舗作りに繋げています。 ■接客による差別化 メガスポーツの大きな特徴は、イオンモールを中心に出店している点です。つまり私たちのお客さまはスポーツ関連目的だけではなく、ファッションやウェルネスに興味をお持ちのお客さまなど、モール全体を楽しみに来館されるお客さまを対象にしています。そのためアパレルやスニーカーなどを目につきやすい場所に配置し、幅広い層のお客さまに手に取っていただけるような工夫をしています。しかし、スポーツ業界はナショナルブランドの商品を扱うことが多く、商品による差別化が難しいです。そこで私たちはお客さまのニーズに合わせた接客で差別化をはかっています。これはイオンに受け継がれるDNAの一つだと言えます。入社後のお客さまに対する接客マナー教育は、圧倒的に他社と比べて時間をかけていると思います。特に大事にしていることは、お客さまの声に真摯に耳を傾け的確なアドバイスをすること。もちろん商品知識は大切です。しかし現在はお客さま自身がインターネットで商品情報を知ることもできます。だからこそメガスポーツではお客さまとの対話する姿勢を大事にしています。 ■地域にとけ込んだ存在でありたい 人気のスポーツ種目は、地域によって大きく異なります。私自身も九州の店舗に行った際に、バレーボール用品の売上が最も高いと知り驚きました。他にも、卓球が人気のエリアもあります。メガスポーツは、こうした地域ごとの特性を大事にし、各エリアで人気のスポーツに合わせた売場構成を行っています。特定の競技に強いニーズがあれば、該当売場面積を拡大するなど、地域のお客さまの声に答える形で店舗運営を行っています。また、地域との繋がりを深めるために学校や地域のクラブと連携し、講習会を開催するなど地域に根ざした活動も積極的に行っています。こうした取り組みを通して、地域に溶け込んだ存在になれたらという思いがあります。メガスポーツは、スポーツを扱う企業であるため、やはりスポーツ好きな方と働きたいです。競技としてのスポーツに限らず、スポーツファッションが好きな方やスポーツに熱意を持つ方にもぜひ仲間に加わっていただきたいです。そうした方々の力が、これからのメガスポーツを盛り上げてくれると信じています。今後は、ショッピングモール内の店舗展開に加え、新たな専門店業態を立ち上げる計画も進んでいます。私たちはすでにスポーツを軸にしたライフスタイルショップを展開しているため、それらを進化させた形で、専門店業態を展開し、店舗数と売上の拡大を目指していきます。 ■学生へのメッセージ 学生の皆さんには、アクティブに世界を見て欲しいです。日々の勉強に加え世界を知ることも一つのチャレンジであり、かけがえのない経験になるはずです。これからの日本を支え、明るい未来を作っていくのは学生の皆さんです。ぜひ積極的に世界に飛び出し沢山のことを学び、未来の日本をより一層輝かせてください。 2025年5月29日取材 国際基督教大学3年 丸山実友 法政大学4年 島田大輝 / 法政大学4年 佐伯桜優 / 国際基督教大学3年 丸山実友

佐伯桜優

イオンペット株式会社 代表取締役社長 米津一郎

挫折と挑戦の先に「社長」があった イオンペット株式会社 代表取締役社長 米津一郎(よねづ いちろう) ■プロフィールペットのトータルケアをサポートする多角的な事業を展開するイオンペット株式会社の代表取締役社長。1968年11月生まれ。東京都出身。2015年、イオンペットに執行役員として就任。トリミング・ホテル事業チーム責任者 兼 トリミング・ホテル事業グループリーダー、営業最高責任者などを経て、2020年より現職。 学生時代から明確な夢があったわけではなく、趣味やアルバイトに費やしていたという米津一郎社長。バブル期真っ只中に社会へ足を踏み出していったが、仕事との出会い、そして退職・転職と、さまざまな経験を通して成長を重ねてきた。現在はイオンペットの社長として、動物医療、小売、ペットサロン、保護活動の現場を率い、「ペットは家族」という理念のもと動物と人間の共生社会の実現に本気で向き合っている。そんな米津社長の話を伺った。 ■学生時代は悶々とした日々。社会に出て初めて気づいたこと 正直に言うと、学生時代は遊んでいることも多かったです。バブルの空気に乗っていましたね。学生時代から明確な目標があったわけではなく、アルバイトをしながら、日々を過ごしていました。私の就職活動期は、売り手市場で、最初に内定をいただいた製菓メーカーに就職を決めました。東京出身の私が配属されたのは神戸支店。最初は正直、戸惑いました。でも実際に働いてみると、いろんな人との出会いがあって、仕事って案外面白いなって思えるようになりました。この時期に「自分で会社の経営をしたい」という夢を持ち始めました。ずっと営業をしていたのですが、企画職を希望して、本社のブランドマネージャーとして働くようになりました。ですが、マーケティングの知識も損益計算書の読み方も何もわかりませんでした。それを見た会社が、私をビジネススクールに通わせてくれました。夜はメールでケーススタディを議論して、昼間は仕事。本当にあの時期が人生で一番勉強をしましたし、成長を感じられました。 ■ベンチャーに飛び込んで社長へ。退職・転職を経てたどり着いた今 製菓メーカーを辞めたあと、1年間だけコンサルの経験を積みました。経営者になるなら、新たな視点で企業を見ることも必要だと思ったからです。その後、エンターテインメント企業に転職して、5年間勤めました。さらに新たな世界で挑戦をしたいと思い、今度はベンチャーの世界に飛び込みました。その後はベンチャー企業2社で、社長を経験しました。でも、そのうちの一社では、1年半で退職することに。その後、4か月間は転職活動。49歳での転職活動は正直きつかったです。あまりにきつくて、その時は長年の夢だった社長業を諦めかけたほどです。そんなときに声をかけてくれたのが、今のイオンペットでした。最初は執行役員で入社させていただきました。以前社長業で思うような成果を発揮できなかったこともあり、社長になるつもりは全くありませんでした。私の前任の社長が本当に尊敬できる方で、この社長の元で勉強したいと思うようになりました。その方の行動一つ一つが勉強になり、以前、私が社長で思うようにできなかった理由もわかってきました。その数か月後、「次はあなたが社長をやってくれ」と言われたときは、本当に驚きました。でも、腹をくくって引き受けました。 ■ペットと人間が共生できる社会へ。イオンペットが大切にする“優しさと本気” イオンペットの強みは、何より「ペットが好きな人」が集まっていることです。これは本当に大きな要素だと思います。社員の専門性も高く、獣医師は200名以上在籍していますし、看護師やグルーマーなどの専門職も数多くいます。単に仕事としてではなく、「この子の命を守りたい」「幸せにしたい」という思いを持った人たちが集まっているのです。例えば、動物病院の事業では、予防から診療まで広く対応しています。さらに夜間救急や高度医療まで対応している動物病院チェーンは非常に少ないと思います。最近では相模原に大型の動物医療センターも開設しました。グルーミング事業でも「ワンちゃんにやさしい施術」を徹底しています。ワンちゃんに負担のかかる施術をせず、その子が一番快適に過ごせるように、短時間で丁寧に仕上げるスタイルです。社内教育制度も充実しており、イオンペットでは新入社員も早い人では2か月ほどでカットデビューできる仕組みも整えています。また、保護動物の譲渡活動にも力を入れていて、行政や地域のステークホルダーの皆さまと連携しながら活動しています。将来的には、お迎えするご家族の方も安心してペットを迎え入れられるような仕組みを作りたいと思っています。さらに、小売部門ではイオングループのスケールメリットを活かし、多彩な商品ラインナップとともに店舗を運営しています。アパレルやフード、ケア用品に至るまで、すべて“ペットの暮らし目線”で展開されているのが特徴です。動物医療から日用品、サロン、譲渡活動まで、一気通貫でカバーできる企業は、国内でも非常に限られています。「ペットは家族」。これは当社がずっと大切にしている価値観です。売上や数字だけではなく、その命にどれだけ本気で向き合えるか。それが私たちの差別化の核心だと感じています。 ■学生へのメッセージ 私は採用面接のときにいつも見ているポイントがあります。それは、「人の力を引き出せる人かどうか」です。自分ばかりが目立ちたいタイプではなく、人に敬意を払い、相手の能力を活かせる人が、これからの時代に求められるリーダーだと思っています。学生のみなさんに伝えたいのは、「やりたいことはどんどんやってください」ということです。今は年功序列も終身雇用も崩れて、人材が流動化しています。そのため、失敗しても、やり直しは何度でもできます。もし今、何をしていいかわからず悶々としているなら、まずは目の前のことに全力で取り組んでみてください。それを突き詰める中で、きっと何かが見えてくると思います。本を読むことも、人と語ることも、全部が次の自分をつくる材料になります。 私自身、学生時代は明確な将来のビジョンはありませんでした。でも、だからこそ言えます。人生はいつからでも変えられますし、どんな道にも可能性があります。今この瞬間から、何かを始めても遅くはありません。 学生新聞オンライン2025年5月29日取材 法政大学4年 佐伯桜優 法政大学4年 佐伯桜優 / 法政大学4年 島田大輝

コラム

テリー伊藤 コラムVol.59 プロ野球から隠し玉が消えた

元読売ジャイアンツのヘッドコーチだった元木大介さんが自分のYouTubeで「最近のプロ野球は”隠し玉”が減った」と語っている。隠し玉とは、例えばランナーがセカンドに居て、今まさにピッチャーが投げようとしている時、セカンドランナーがサードベースを狙うべくベースを離れリードをした瞬間、走者の背後から二塁手が隠し玉でタッチするプレー。言われてみると、最近のプロ野球では殆ど見た事がない。プロ野球ニュースの珍プレー好プレーでもお目にかかれない。 元木さんは隠し玉が減った訳を解説している。近年は選手が防具をいっぱい付けていて、その防具をボールボーイが取りに来るためにタイムがかかる。今まではタイムがかからなかったので隠し玉がやりやすかったが、タイムがかかった時点でボールデットになり、ボールはピッチャーに戻されてしまう。更には、ボールがチョットでも地面につくと直ぐに交換しニューボールになる。一度グランドに着いたボールをピッチャーに戻すことはまずない。今のピッチャーは、投げたボールがフライになってアウトになると、審判にニューボールを貰う事になり、ここでも隠し玉はますます難しくなる。プレーがかかって野手がボールを貰いに行くのは、あの大観衆の中では相当難しい。そんな訳もあって隠し玉が減ったのではと。納得。 確かに隠し玉プレーはカッコイイものでは無いかも知れないが、見てみたい。以前こんなプレーを見た覚えが。二塁ランナーが塁から離れ、ピッチャーが牽制球を投げ、ヘッドスライディングで戻りセーフ。ランナーが土の着いたユニフォームを払っている時、ピッチャーが返球したように見せかけ、プレーは再開。しかしランナーが再び塁から離れた所をタッチしてアウト。このプレーに場内騒然となった。情けない表情でベンチに戻る選手が印象的だった。これはベンチにも責任はある。しっかり野手の動きを見てアドバイス出来たはず。 それにしても今の時代、姑息なプレーと思われる隠し玉は、成功してもネットで叩かれ、相手チームのファンからも文句を言われる。5万人もの大観衆を騙すプレーになるわけだから覚悟もいる。実は元木さん1999年4月3日の対阪神タイガース戦で隠し玉を試みたが、桑田真澄投手がボークをとられた苦い経験がある。桑田投手は左足が投手板をまたいでいるように見えたと審判員から通告されたと語っている。草野球では時々見ることが出来る珍プレー、今こそプロ野球で見てみたい。ジャイアンツ吉川、門脇辺りがやってくれると、面白いのだが。失敗しても阿部監督怒らないでください。 テリー伊藤(演出家) 1949年、東京築地出身。早稲田実業中等部、高等部を経て日本大学経済学部を卒業。2023年3月、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。テレビ番組制作会社IVSテレビに入社し、「天才たけしの元気が出るテレビ」「ねるとん紅鯨団」などのバラエティ番組を手がける。その後独立し、テレビ東京「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。著書「お笑い北朝鮮」がベストセラーとなり、その後、テリー伊藤としてメディアに多数出演。演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。YouTubeチャンネル「テリー伊藤のお笑いバックドロップ」LALALA USAでコラム連載中https://lalalausa.com/archives/category/column/terry

イベント・企業紹介

舞台『日本三國』ゲネプロレポート “さあ幕が上がる 新しいこれからの話...

2025年7月25日(金)から東京・シアターHにて舞台『日本三國』が開幕しました。『日本三國』は、マンガアプリ「マンガワン」&WEBコミックサイト「裏サンデー」(ともに小学館)で2021年より連載されている、松木いっかさんによる漫画作品です。文明が崩壊した近未来、三つの国に分裂した日本を舞台に日本再統一を目指す青年・三角青輝の活躍を描いた架空戦記。その独特の設定とリアリティある描写が話題を呼び、歴史や架空戦記好きからも高い評価を受け支持されています。脚本・演出は、歴史ものや群像劇を巧みに描き、重厚な人間ドラマとスタイリッシュな演出でも高く評価される西田大輔さん。主演・三角青輝役は橋本祥平さんが務めるほか、実力派俳優たちが集結。今回は、2025年7月25日にシアターHで行われたゲネプロを取材させていただきました。 ■圧巻の世界観!〜学生の観劇レポート〜 歴史のすべてが凝縮されたような、圧巻の舞台でした。想像を絶するような出来事が次々と目の前で展開されていき、まるでその時代の渦中に放り込まれたかのような衝撃の連続でした。善と悪の境界線が曖昧になる中で、登場人物たちがそれぞれの正義を掲げぶつかり合う姿に、何が本当の正義なのかという重い問いを考えさせられる作品でした。さらに印象的だったのは、激動の時代を生きる登場人物たちが、個性や強みを最大限に活かして、必死に生き抜こうとする姿でした。己の信念を貫き、持ちうるすべてをかけて時代を駆け抜けていました。人間味あふれる葛藤と、それでも未来へと進もうとする強い意志が、この壮大な物語に深い奥行きと感動を与えていたのだと思います。東京都立大学3年 坂倉彩月 舞台『日本三國』の、スタッフ・キャストが解禁された3月から大きな期待を寄せていました。開演直後から、西田さんならではの演出によって描かれる舞台『日本三國』の世界観に強く惹き込まれました。特に印象的だったのは、西田さん作品の特色で、何度観ても圧巻の現在と過去が交錯する構成を、照明演出によって描き分けている点です。そして、西田さんの作品に登場する女性たちは、どの作品でも共通して、強さの中に気品と美しさをあわせ持っているのが魅力ですが、輪島桜虎という女性キャラクターとの在り方にも自然と重なって見える点にぜひ注目していただきたいです。今作の中でも特筆したいのは、橋本祥平さん演じる三角青輝の弁論シーンです。冷静さの中にも熱い信念が垣間見える台詞が、観客である私たちにも語りかけているようで、緊張感と没入感がありました。“世を、変えるために。” 立ち上がる主人公の三角青輝は、武力ではなく「言葉の力」で戦います。その姿に胸を打たれると同時に、私自身も”この一歩から始めよう”という気持ちになりました。舞台が好きな方、出演キャストを応援している方はもちろんのこと、原作が好きな方にもぜひ観劇してほしいです!誰一人欠けることなく千秋楽を迎えられるよう、心から願っています!城西国際大学2年 渡部優理絵 ■公演概要 舞台『日本三國』【原作】松木いっか『日本三國』(小学館「マンガワン」連載)【脚本・演出】西田大輔【出演】三角青輝 役:橋本祥平、阿佐馬芳経 役:赤澤 燈賀来泰明 役:平野 良、菅生 強 役:山本一慶、長嶺士遼 役:宇野結也、平 殿継 役(Wキャスト):松原 大/田中暖真、東町小紀 役:田野優花 輪島桜虎 役:佐藤日向閉伊弥々吉 役:吉満寛人、長尾武兎惇 役:安藤夢叶、九羅亜輝威 役:青柳塁斗龍門光英 役:松田賢二平 殿器 役:宮下雄也書川勇輝、本間健大、田上健太、白崎誠也、田中 廉、若林佑太、宮﨑聡美、宮原理子 <公演日程>2025年7月25日(金)- 8月3日(日) 東京・シアターH <チケット料金(税込/全席指定)>S席:12,000円/A席:9,500円https://l-tike.com/nsangoku-stage/ 公式HP https://www.marv.jp/special/nsangoku-stage/公式X  @nsangoku_stage ©松本いっか/小学館 ©舞台『日本三國』製作委員会

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女優 菊池日菜子

役者の仕事は”天職”。これからも、素敵な役と出逢い続けたい 女優  菊池日菜子(きくちひなこ) ■プロフィール菊池日菜子(きくちひなこ)2002年2月3日生まれ。福岡県出身。2021年は映画「私はいったい、何と闘っているのか」(監督:李闘士男)、舞台「醉いどれ天使」(演出:三池崇史)に出演し、2022年には『月の満ち欠け』(監督:廣木隆一)で第46回 日本アカデミー賞新人賞を受賞。2025年は映画『か「」く「」し「」ご「」と「』(5月30日公開)、主演映画『長崎ー閃光の影でー』(8月1日全国公開)など、公開待機作も多数控えている。 CM、ドラマ、映画、舞台など、様々なメディアに出演。第46回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞するなど、今注目の女優・菊池日菜子さんが映画『長崎―閃光の影で―』の主演に大抜擢。戦争を経験していない世代だからこその本作への向き合い方、考え方、覚悟を伺いました。 ■役者としての覚悟 この仕事に対して、受け身になったことは一度もありません。役に対して悩みすぎてしまい、苦しむこともありますが、それ自体も「やりたかったことができている」という喜びの上にある感覚だと思っています。基本的に仕事と向き合っているときは、自分が一番生き生きしていると感じますね。かっこよすぎる言い方かもしれませんが、私にとって役者の仕事は天職だと思っています。仮に普段の生活でとても落ち込むことがあっても、「きっといつか役に活かせる」と考えて、受け入れられる。なぜなら、落ち込めば落ち込むほど、どん底まで行ったときの気持ちを知ることができるので、いざ自分がそうした役柄を演じるときに、大きな支えになるはずだと思えるからです。 ■映画『長崎―閃光の影で―』への思い 以前から、戦争を題材にした映画をよく観ていたので、戦争映画が人に与える影響力の大きさは知っていました。だからこそ、映画『長崎―閃光の影で―』のお話をいただいたときに、これまでの私が受けた影響をすべて乗せた映画にしたいと強く思いました。さらに、初めて主演を務めることへの不安もあったので、台本をいただいてから、何度も何度も読み込みました。台本の他にも、映画の元になった実際の看護婦の方々の手記も読ませていただいたりして、撮影の準備期間を過ごしました。この作品では、初めて「役にのまれる」という経験をしました。ですが、「役にのまれる」というのは、それだけ役と真剣に向き合っている証拠だとも思います。最初から最後まで、苦労しても、この役とは向き合い続ける覚悟がありました。もちろん「自分がイメージしている通りの芝居ができるだろうか」という不安もありましたが、その思いをそのまま受け止め、自分が感じたままに田中スミという役と向き合えたと思います。私は、戦争を経験した方々が感じていたことを、実際には知らないまま役を演じています。そのため、心がけたのは、一瞬でも「自分が田中スミになりきれている」と思い込まないこと。田中スミと自分に共通点があるとは思わず、撮影が終わるその瞬間まで、田中スミという人物について考え続け、追いかけ、演じようと決めていました。また、戦争を全く経験していない分、戦争経験者の方や、原爆による影響を少しでも受けられた方に対して、誠実でいたいと思っています。この作品に参加したからといって、戦争を経験したことにはなりません。この惨劇を忘れないこと、思考し続けることを止めないことが、私に今できることだと思っています。この作品は、1945年に起こった出来事を、2時間にわたって私達に観せてくれる作品です。メッセージというメッセージがないのが、見どころだといえるかもしれません。「これを観て、このように思ってください」とは思っていません。観てくださる方それぞれの目線で、この映画を通じて戦争や原爆というものを捉えて、伝えていただけたらいいなと思っています。 ■これからも素敵な出逢いを 「素敵だな」と思える役と出逢い続けることが、一番の目標です。とてもありがたいことに、この映画『長崎―閃光の影で―』もそうですし、映画『か「」く「」し「」ご「」と「』でも、とても素敵な役と巡り逢えました。素敵な役と巡り逢うたびに自分自身が人間として成長し、ステップアップできているという実感があります。どの作品に出演しても「もっとこうできれば」という何かしらの反省点を見つけるので、この先「よし!もう満足だ!」と感じることはないと思います。私自身、映画を観るのが好きで、映画が持つ力を信じているからこそ、これからも素敵な作品と素敵な役に出逢っていきたいです。新たにチャレンジしたいのは、ラジオのお仕事に関わることです。もともとラジオを聴くことが大好きなのですが、最近は自分で話すことも楽しいと思うようになってきました。そのため、ラジオのお仕事を通じて、新しい自分に出会えるのではないかと思っています。 ■学生へのメッセージ 私は、コロナ禍真っ只中に大学へ入学したため、友達を作る機会がなかなかありませんでした。数学の専門的な知識を学ぶ学部に在籍していたのですが、YouTubeを活用しながら、撮影現場のスキマ時間に、数式を解いていた記憶があります。そのような日々を過ごす中で気付いたのは、「3年生になったらインターンに行き、4年生になったら就職する」といった、社会の決まったレールに必ずしも縛られる必要はない、ということです。進路や就職に悩む学生の方も多いと思いますが、そうした固定観念を一度頭の中から取り払ってみても良いんじゃないかと思っています。私もまだまだですが、好きなものを追いかけていると、いつかそれが自分の力になる時がきっと来ます。そして、自分自身の幸福を一番大切にしていたら、穏やかな毎日が過ごせるのではないかと思います。 学生新聞オンライン2025年6月5日取材 城西国際大学2年 渡部優理絵 映画『長崎―閃光の影で―』7月25日(金)長崎先行公開 / 8月1日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか 全国公開 出演:菊池日菜子小野花梨 川床明日香水崎綾女 渡辺大田中偉登呉城久美 坂ノ上茜 田畑志真 松尾百華 KAKAZU加藤雅也 有森也実 萩原聖人 利重剛 / 池田秀一 山下フジヱ南果歩 美輪明宏(語り) 原案:「閃光の影で―原爆被爆者救護 赤十字看護婦の手記―」(日本赤十字社長崎県支部)監督:松本准平脚本:松本准平 保木本佳子主題歌:「クスノキ ―閃光の影で―」(アミューズ/Polydor Records)  作詞・作曲:福山雅治  編曲:福山雅治/井上鑑  歌唱:スミ(菊池日菜子)/アツ子(小野花梨)/ミサヲ(川床明日香) 制作プロダクション:SKY CASTLE FILM ふればり配給:アークエンタテインメント©2025「長崎―閃光の影で―」製作委員会後援:長崎県 長崎市 公益財団法人 長崎平和推進協会 昭和女子大学2年 阿部瑠璃香 / 城西国際大学2年 渡部優理絵 / 東洋大学3年 松岡果梨

学生新聞インターン

アーティスト・役者 渡邉蒼

言語化の先にある、僕の表現 アーティスト・役者 渡邉蒼(わたなべあお) プロフィール子役として NHK 大河ドラマ『西郷どん』や連続テレビ小説『なつぞら』で注目を集める。2024年には作詞作曲編曲を自身で行った楽曲をリリースし、本格的に音楽活動を開始。近年の主な出演作は舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』、連続テレビ小説『舞いあがれ!』など。25年 11月には舞台「デスノート THE MUSICAL」に出演。 アーティスト・俳優として活躍する渡邉蒼さん。幼少期から芸能の道を歩み、自身の感情やモラトリアムを音楽や芝居で表現し続けてきた。「やめられない」と語るその原動力には、何があるのか。7月にリリースされる初のEP『ボーイズ・イン・ミステリー』に込めた思いや、学生への熱いエールに迫った。 マイケル・ジャクソンの楽曲「Smooth Criminal」を聴いたあの日、「アオ!」という掛け声が耳に飛び込んできました。まるで自分の名前を呼ばれたように感じて、運命を感じたんです。そこから、歌やダンス、そして演技へと扉が開かれました。歌の表現力を高めたいという思いから、子役として芝居にも挑戦するようになりました。演じることを続けていくうちに、「これしかない」と思うようになったんです。小学生の頃から「この仕事でご飯を食べていく」と決意していたので、すでに仕事としての意識は強く持っていました。給食を食べたら早退して現場に向かう日々。学校との両立は決して楽ではありませんでしたが、先生や家族が本当に支えてくれました。卒業式には出られなかったけれど、担任の先生が特別に母に卒業証書を渡してくれて。そうした周囲の支えがあったからこそ、今の自分があるのだと思っています。 ■自分の人生が作品ににじむ瞬間 この仕事のいちばんの喜びは、「自分の人生が作品ににじみ出た」と実感できたときです。技術が身について表現できるようになるのも嬉しいですが、それ以上に、ずっと心の中にあったモヤモヤや、自分でも言葉にできなかった感情が自然と演技や音楽の場合は作詞に表れたとき、「ああ、ちゃんと伝わったかもしれない」と感じられるんですよね。たとえば、かつて出演した舞台で、自分が演じる役に「バイセクシャルかもしれない」という解釈が含まれていたことがありました。あくまで役としての設定ですが、その人物が抱える葛藤を表現する中で、私自身がこれまで感じてきた“別の種類の葛藤”と重なる部分があり、自然と気持ちが乗っていったのを覚えています。感情が素直ににじみ出てきたように思えて、「ああ、これは自分の中にもある感覚かもしれない」と感じた瞬間、救われたような気がしました。芝居も音楽も、口先だけでは伝わりません。笑顔を求められて口角を上げても、心が伴っていなければ、それは観客には届かないと思います。だからこそ、感情や心理とまっすぐに向き合う姿勢を大切にしています。 ■初EP『ボーイズ・イン・ミステリー』は、10代の自分の“モラトリアム” 7月にリリースされる『ボーイズ・イン・ミステリー』は、私にとって初めてのEPです。収録されている僕が作詞作曲した4曲は全て10代の頃に書きました。自分は何者で、どう生きたいのか。そんな問いを抱え続けた日々の記録のような作品になっています。たとえば「拍拍」という曲は、高校時代のフラストレーションをぶつけたような一曲です。まわりの価値観にうまく馴染めなかったり、普通でいることを求められて、人と違くないアーティストに何の意味があるのかと強い疑問を抱いたり。そんな心の揺れを、曲として形にできたことが、自分にとって救いでした。編曲には音楽ユニット「モノンクル」の角田隆太さんに参加していただきました。誰かと一つの音楽を作ることをずっと目標にしていました。角田さんとは、「ポップスに寄せつつも、芯にあるものは届けたい」という思いを共有しながら制作を進めました。「3㎎」は、たばこにたとえた恋の歌です。少し危うい存在に惹かれてのめり込み、失ったときに深く落ち込む——そんな経験に心当たりがある人も、きっといるのではないでしょうか。リリースまでの道のりは長く、決して平坦ではありませんでした。レコーディングでは、「下手でもありのままの自分を出そうと。失敗を恐れて何もできなかったという結果にだけはしないようにと奮闘していました。でも今は、そうした不安や葛藤も含めて作品に込められたことが、意味を持つのだと感じています。 ■これからも、「やめられない」自分でいたい 気づけば、芸歴も10年を超えてきました。正直、「もうやめようかな」と思ったことも何度かあります。でもそういう時は決まって、運命的な作品との出会いが訪れます。まるで「本当に諦めるの?」と問われているような気がして。そのたびに、「やっぱり続けよう」と思えるんです。これからの目標は、ヒット曲を出すこと。自分がやりたい音楽は、今の流行とは少し違うかもしれません。でも、自分という名前に力がつけば、どんな表現でもきっと届けられると信じています。俳優としては、「何かが人と違う」と感じている人に、作品を通して小さな希望を届けられたら嬉しいです。過去に韓国へ留学していたとき、自分だけ身長が低かったり、日本人らしい顔立ちだったりして、いろいろなコンプレックスを抱えていました。でも、世界中に「何かが違う」と悩む人はたくさんいると思うんです。そんな人たちの背中をそっと押せるような存在でありたいと願っています。 ■大学生へのメッセージ 高校を卒業してから、考えすぎてしまうことが増えました。何も悪いことが起きていないのに、不安が勝手に膨らんでしまうことがあるんです。でも僕は、限界まで悩んで、「もうやめよう」と思ったその先にしか、見えない景色がないような気がしています。実際、何度も「無理だ」と思ったけれど、そのたびに新しいチャンスがやってきて、自分を前に進めてくれました。だからもし今、進路や将来のことで悩んでいる人がいたら、「もう少しだけやってみようかな」と思えたら、それだけで、何かが変わるかもしれません。  学生新聞オンライン2025年6月27日取材 津田塾大学3年 石松果林 【リリース情報】 2025年7月23日 リリースデジタルEP「ボーイズ・イン・ミステリー」 ダウンロード/ストリーミング▷https://orcd.co/boysinmystery_aowatanabe 収録曲M1.歪な春M2.3mgM3.拍拍M4.プレイバックpart2M5.〈新〉地動説

イベント・企業紹介

史上初、若者版アフリカ開発会議「Youth TICAD 2025」始動

若者が目指す、アフリカと日本が共創する未来 Youth TICAD 2025 実⾏委員会(共同代表:休場優希, デイビッド・ポンデウ)は、2025年7⽉18⽇(⾦)に⽇本記者クラブにて、『Youth Agenda 2055: The Future We Want』の完成を発表する記者会⾒を開催しました。『Youth Agenda 2055: The Future We Want』は、⽇本とアフリカの若者が「⾃分たちが望む30年後の未来」を描いた国際⽬標です。⼀般社団法⼈Africa Asia Youth Nest、⼀般社団法⼈Africa Diaspora Network Japan が中⼼となり、2024年2⽉に始動した「TICAD 9ユース政策提⾔プロジェクト」で策定されました。本⽬標は、経済・社会・平和と安定というTICADの三本柱を基盤としつつ、「⼈と⼈とのつながり」や「持続可能性」といった若者の視点も反映しています。更には、メンタルヘルス、雇⽤、教育、環境、多⽂化共⽣など現代の若者が直⾯する課題も⼊れており、本⽬標が、アフリカだけでなく⽇本、更には世界の若者が共により良い未来を築くための指針となることを⽬指しています。「共創」「若者」がテーマとなるTICAD9でも本取り組みの重要性が⾼まっています。 「Youth TICAD 2025」は、2025 年8 月に横浜で開催される第9 回アフリカ開発会議(TICAD9)にあわせて実施される、若者主導のサミットです。アフリカと日本全国から100人の若者が集い、自らを単なる提言者ではなく、「2055年の理想の未来」に向けた変革を推し進める主体として位置付け、行動を宣言する場で、これは30年以上の歴史を持つTICADの中で、初めて開催される若者主体のサミットです。8月18日・19日・20日の3日間にわたりワークショップや、横浜市周辺の企業・市民団体を訪問するフィールドワークを行い、それぞれが共創した行動宣言をもとに非公式のピッチコンテストを実施します。 Website: https://youthticad2025.orgInstagram: https://www.instagram.com/youthticad2025/X: https://x.com/YouthTICAD2025 ■記者会見に出席した感想若者の可能性を信じ、全力で支援をしようと行動する姿勢に深く感銘を受けました。特に、行動力とアイデアを持つ人々を中心に、国際的なつながりを強化することを目標とする点がとても魅力的です。その理由は、日本の技術力とアフリカの若者の革新的なアプローチが、互いを補完し合える可能性からの期待でした。このような柔軟で前向きな考え方は、日本社会をより良い方向に進めていき、日本人の人間性に目を向けたこの取り組みは「どこの国でもよかった」ではなく「日本だからできた」という、道理にかなった、確実な解決策を作り出せる取り組みだと感じます。私自身もこのような志に心を打たれ、国境を超えた協力と成長にぜひ尽力したいという気持ちが湧き上がりました。情報経営イノベーション専門職大学2年 山田千遥 学生新聞オンライン2025年7月18日取材 情報経営イノベーション専門職大学2年 山田千遥

コラム

テリー伊藤 コラムVol.58 大阪万博で楽しい女性と出会った!

『O-MU-TSU WORLD EXPO 2025』のアンバサダーとして大阪万博に行ってきた。私が以前から提案している「おむつの新しい名称ペーパーブリーフを世に広げる活動」の一環として足を運んだ。万博会場に入ると人込みの先には噂の木造建築「大屋根リング」、息をのむ美しさだ。万博終了後、維持費を考えると難しいと思うが、解体するのが本当に勿体ない気がする。場内は人で溢れ、パビリオンはどこも長蛇の列。そんな盛り上がりの中、開会式が行われた “シャインハット” でO-MU-TSUトークショーとファッションショーが開催され1900人収容のホールは満席となった。 私達の控室にとんでもないモデルの女性が飛び込んできた。もちろんオーディションで選ばれるくらいなので可愛いのだが、ノリは吉本新喜劇、最高に明るい関西人なのだ。突然「私靴下は3日間同じものを普通に履き続ける」の衝撃発言。それだけではない。風呂上がりに身体を拭くバスタオルは余裕で1か月使いっぱなし。周りにいる皆があっけにとられる中、彼女の快進撃は止まらない。ブラジャーはたまにしか洗わないと堂々と言い放った。話が面白過ぎる。他にどんな武勇伝があるか聞くと、この間は宮古島の海辺のトレーラーハウスで寝泊まりし、海で身体と服を洗い、知り合いの畑を手伝って1か月生活していたと。そんなところに居たら虫に刺されて大変じゃないのか尋ねると、虫は大好きで虫を求めて世界中を旅した事もあり、ゴキブリだって平気、お話しすることも出来るそうだ。大物過ぎるではないか。カメラが趣味で生活の面白体験を撮り続けているらしい。 話はまだまだ終わらない。実は僧侶の免許を持っていて仏教の道も究めたいとの仰天発言まで飛び出した。憧れは阿闍梨様だとか。阿闍梨とは仏教の中でも厳しい修行で知られ、その厳しさから多くの僧侶が挫折する。想像を絶する修行に打ち勝った僧侶は13の徳を備えられると言われている。ビックリです。靴下3日履き続ける話題からまさかの阿闍梨様の話まで行くとは。考えてみれば、ゴキブリと話せる、下着も替えない、お風呂に1か月入らない、夕景をカメラに残す、世界中の人と話がしたい、もしかしたらこれって仏教の教え?いやいや、そんな事はない…。 ショー前の打合せをしていると、彼女がファッションショー用のペーパーブリーフ姿で現れた。その下に自分の下着を履いていたのだが「これって変ですよね?すぐ脱いで来ま~す!」と元気な声でトイレに向かった。大阪で出会った最高に楽しい女性。彼女のインスタ @minenorie0428 見てあげてください! テリー伊藤(演出家) 1949年、東京築地出身。早稲田実業中等部、高等部を経て日本大学経済学部を卒業。2023年3月、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。テレビ番組制作会社IVSテレビに入社し、「天才たけしの元気が出るテレビ」「ねるとん紅鯨団」などのバラエティ番組を手がける。その後独立し、テレビ東京「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。著書「お笑い北朝鮮」がベストセラーとなり、その後、テリー伊藤としてメディアに多数出演。演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。YouTubeチャンネル「テリー伊藤のお笑いバックドロップ」LALALA USAでコラム連載中https://lalalausa.com/archives/category/column/terry

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映画『ChaO』ジャパンプレミア

この度、『鉄コン筋クリート』(06年)『海獣の子供』(19年)『映画 えんとつ町のプペル』(20年)など、これまで数々の名作を世に送り出してきたSTUDIO4°Cの最新作『ChaO』が、8月15日(金)より全国公開を迎えます。『となりのトトロ』『魔女の宅急便』(宮崎駿監督)のラインプロデューサーを務めた田中栄子が主宰するクリエイティブ集団STUDIO4°Cは、ハイクオリティな映像と独特な世界観で世界中に多くのファンを抱えていますが、最新作で描かれるのは【種族と文化を超えた恋と奇跡の物語】。オリジナルアニメーションとなる本作では、絵を1枚1枚描く手書きアニメーションにこだわり、圧倒的な作画量と美しい背景美術で、瑞々しくもかわいく人間と人魚の恋模様を描く作品になっています。 本作の公開を前に『ChaO』とのスペシャルコラボドルフィンパフォーマンスと日本最速上映となる舞台あいさつ付試写会が7月1日に実施されました。スペシャルコラボドルフィンパフォーマンスでは、W主演の鈴鹿央士さん(ステファン役)と山田杏奈さん(チャオ役)、そして太田駿静さん(ジュノー役)、その後、監督の青木康浩さんも舞台あいさつ付き特別上映会から参加しました。先日アヌシー国際アニメーション映画祭で審査員賞を受賞してから国内では初の上映となりました。 ■ステファン役 鈴鹿央士さん 僕が演じたステファンは、過去の出来事から海の生物を傷つけないスクリューを開発する青年で、その一途に頑張る様子を出したいと思っていました。人生を捧げて何か一つのことをやり続ける姿が素敵で、僕もこんな風に仕事をしたいです。撮影前は、いろんなアニメを見てステファンの声を想像したり、監督とイメージを合わせる日を作ってもらったり。練習だと思っていたら監督が「これ録れるね」と言って本番が始まった時はドキドキでした(笑)。そんなステファンを想い続ける、チャオのチャーミングさと一途さも魅力です。まだ人間と人魚がうまく共存していない社会が舞台だけど、それでもまっすぐに行動するチャオにキュンキュンしますし、二人の繊細な心情が丁寧に描かれているところも見どころだと思います。また、独創的な世界観の映画なので見れば見るほどハマっていくと思います。楽しい気分になって、軽やかに映画館を後にしてもらえたら嬉しいです。 上智大学4年 吉川みなみ ■チャオ役 山田杏奈さん チャオは本当に可愛くて一途で、人間界の生活にまだ慣れていないながらも、一生懸命頑張る姿がとても愛おしく感じました。演じながら、そんなチャオのまっすぐな気持ちに、私自身も癒されていました。声優としての経験はあまりなかったのですが、監督やスタッフの皆さんにアドバイスをいただきながら、自分なりにチャオらしさを探して、丁寧に役に向き合いました。自分と似ているところは少ないと思っていましたが、取材で「表情に気持ちがすぐ出るところがチャオと似ている」と言われて、たしかにそうかもしれないなと感じました。誰かをまっすぐに思い続けられるチャオのような存在には、憧れや尊敬の気持ちがあります。海の中の幻想的な世界や美しい街並みも見どころのひとつで、登場するキャラクターたちも個性豊かで本当に魅力的です。観終わったあと、あたたかい気持ちになれる作品だと思うので、ぜひこの夏は『ChaO』を観てください。 東洋大学4年 太田楓華 ■ジュノー役 太田駿静さん(OCTPATH) 皆さんにいよいよ映画を観てもらえること、すごくワクワクしています!僕は、ステファンとチャオがお互いを理解し合っていく様子に惹かれました。初挑戦の声優がこの作品で本当に光栄です。正直不安もありましたが、声優業界のルールやマナーを勉強してブースに入りました。トップバッターでの収録でまだ見えていない部分もありましたが、監督と話しながら気負うことなく、楽しく収録を進められました。僕が演じたジュノーとリンクするのは、「まっすぐ過ぎて周りが見えなくなるところ」です。福岡から東京に上京する時に、親にあまり相談せずに突っ走った自分と重なりました。この映画と同じくらい衝撃的だったのは、101人でデビューを争うオーディションで初回順位が6位だったことです。天狗になっているつもりはなかったのですが、OCTPATHのメンバーからは「当時天狗だったね。嫌いだった」と言われます。今となっては、幸せです。 昭和女子大学2年 阿部瑠璃香 ■監督 青木康浩さん 国内で初めての上映になるので、皆さんの反応が重要で、日本の方にどれだけ受け入れて頂けるのか、反応一つ一つが細かく気になります。ステファンもチャオも二人とも不器用です。見終わった後に、どのキャラクターも可愛かったり、カッコ良かったりするように作りました。それぞれのキャラクターに感じることがあると思うので、ぜひ楽しんでください。2か月前に「アヌシー国際アニメーション映画祭」が決まり、他の映画も楽しめるのかなと思っていたのですが、そんな暇はありませんでした。思いがけず審査員賞を頂けて、スタッフで驚いて喜んだ次第です。本当に作品を見たお客様の反応がありがたくて、安心しました。現地ではチャオが大人気でした。ぬいぐるみを持っていると「どこで買えるの?」「写真撮らせてと」声をかけられる程です。また、夜中の1~2時まで紙が無くなるほどサインを書きました。 昭和女子大学2年 阿部瑠璃香 【作品情報】 タイトル:映画『ChaO』 (読み :チャオ) 公開日:2025年8月15日(金)Roadshow 声の出演:鈴鹿央士 山田杏奈 シシド・カフカ 梅原裕一郎 / 三宅健太 / 太田駿静 土屋アンナ くっきー! 山里亮太 監督:青木康浩 キャラクターデザイン・総作画監督:小島大和 美術監督:滝口比呂志 音楽:村松崇継 アニメーション制作:STUDIO4°C 配給:東映 ©2025「ChaO」製作委員会 《映画公式ホームページ》:chao-movie.com 《映画公式X(旧Twitter)》:@ChaOmovie 《映画公式Instagram》:@ChaOmovie 学生新聞オンライン2025年7月1日取材 上智大学4年 吉川みなみ(構成)

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俳優 上坂樹里(こうさかじゅり) 

感情に素直に、自然体を武器に夢を叶える 俳優 上坂樹里(こうさかじゅり)  ■プロフィール21年8月から『Seventeen』専属モデルを務め、同年に俳優デビュー。22年にNHK『ヒロイン誕生! ドラマチックなオンナたち』、23年にNHKの特集ドラマ『生理のおじさんとその娘』ではヒロインを演じ、東京ドラマアウォードにて作品賞・単発ドラマ部門の優秀賞を受賞。その他に、CX『いちばんすきな花』、24年にNTV『となりのナースエイド』CX『ビリオン×スクール』TBS日曜劇場『御上先生』BS NHK『トゥルーカラーズ』、「オロナミンC」のCMに出演。26年前期のNHK連続テレビ小説『風、薫る』ではW主演を務める。 Seventeen専属モデルを務め、2025年日曜劇場「御上先生」ではメインキャストとして抜擢された上坂樹里さん。俳優業として活躍の幅を広げている彼女が、20歳の誕生日である7月14日に1st写真集を発売する。20歳という節目を迎えた彼女の心境の変化や、俳優としてのこれからについてお話を伺った。 小学6年生の頃、事務所のオーディションを受けたことがきっかけで、芸能界に飛び込みました。お洋服も姉のお下がりを着るのが大好きでしたし、母が買ってくれた雑誌に出ていた同世代の子たちが可愛いメイクをしてキラキラしている姿を見て、「自分もこうなりたい……!」と思い、モデルとして活動をスタートしました。学校で生徒会長をやっていたこともあって、人前に立つのが好きと思われがちですが、これも姉の影響です。実は目立つのはあまり得意ではなかったです(笑)。俳優を目指し始めたのは、事務所に入ってお芝居のレッスンを受け、自分じゃない誰かを演じる楽しさを知ったからこそ。自分と違う要素をもった人の人生を背負って役を演じられるのは、俳優のお仕事の魅力的な部分だと思います。 ■自然体でお芝居に向き合う お芝居で壁にぶつかったのは、『ビリオン×スクール』というドラマに出演したときです。演技する最中、頭が真っ白になって、「ああ、できない」と思うほどでした。そのとき、監督から、お芝居に本気で向き合っている周囲の方々の表情をもっと見た方が良いという助言をいただきました。たしかに、そのときは、全部一人で何とかしようとしていて、周りが見えていない状態で。そこで、アドバイスを受けて、周囲をしっかり見つつ、自分も相手に応えられるように、演技のキャッチボールを意識するようになりました。普段の役作りでは、演じるキャラクターに対して想像を膨らませるようにしていますが、作り込みすぎないようにしています。家で一人練習するのとは違って、本番の場合は、自分が発した言葉に対する相手の表情を見たときに出てくる感情など、その場でしかわからない反応が沢山あるので、自然体を大事にしています。撮影中は、自分がどう映っているのかの客観視できないので、リアルタイムで放送を見たときに、自分も視聴者の一人として楽しんでいます。「自分が出ている!」と実感できるのは幸せです。友達も家族もこのお仕事を応援してくれて、放送中も連絡をくれたり、一緒にドラマを観てくれたりすることも多いです。また、家族と一緒に作品を観ているときは、一言も喋らず、終わった後に作品に対する感想をもらったり、自分が気になったシーンのお芝居がどうだったかの感想を聞いたりしています。周りに恵まれているなと日々感じています。やりがいを感じるのは、放送が終わった後の反響をいただいたときです。視聴者の方へ伝えたいメッセージを届ける一員になれたのかなと思える瞬間が、とても嬉しいです。これからも作品に対して精一杯向き合っていきたいです。 ■20歳の誕生日に発売した等身大の1st写真集 写真集を出すことは一つの夢だったので、20歳の誕生日に発売するお話をいただいて、嬉しかったです。10代最後の自分を表現するために、あえて何か表現することは抑えて、今の自分にしか出せないありのままでいこうと思いました。撮影場所は、長崎県の五島列島。今まで触れてこなかった景色や自然の中に身を置いたのは、よい経験でした。印象的だったのは、船に乗って魚を釣り、その場で捌いてもらってお刺身を食べたことです。今まで食べた魚の中で一番美味しくて、その表情も写真に収まっているので、注目ポイントです(笑)。少し早起きをして、海に少し入って撮影した海の写真もお気に入りです。きめすぎず、ナチュラルな素の自分を是非見ていただけたらと思います。写真を眺めるだけで、まるで五島列島を一緒に旅行している気持ちになってもらえたら嬉しいです。 ■後悔のない10代から、俳優としての20代へ 「10代は一瞬だからちゃんと楽しんだ方が良いよ」と周りからよく言われますが、私自身が振り返ってみたときに、後悔はありません。むしろ、「早く20代になりたい!」と思っているくらいです。ちなみに、20歳になって最初にやると決めていることは、家族と一緒にお酒を飲むことです。20歳の目標は、映画館の大きなスクリーンの中で自分を見ること。俳優として、作品の世界観の中で一人の人間として生きられるような存在になりたいです。あと、いまの一番の夢は「朝ドラのヒロイン」になること。もう少し年齢を重ねたら、弁護士のように強い芯を持った役にも挑戦してみたいです。 ■大学生へのメッセージ 出会う人が多いと、どうしても周りと比べてしまうことがあると思います。私もオーディションなどで周りと比べてしまう時期がありました。そんな時は頑張ってポジティブになろうとせず、とことん泣いて、とことん落ち込むようにしています。また、余計なことは考えず、今自分ができることにしっかりと向き合うことを意識しています。私と同世代である皆さんも、そろそろ将来の選択肢を絞っていかないといけない時期になっていくと思います。私自身、20歳を迎え、いろいろ思いもありますが、大切なのは強い思いをもち、自分の気持ちに正直であることだと感じています。その選択が正解かどうかはまだ分かりませんが、少なくとも、一生、自分がやりたいことや好きなことと向き合っていきたいです。そして、出演する作品を通じて、多くの方の活力となって、背中を押せるような存在になれるように頑張ります。 学生新聞オンライン2025年5月2日取材 慶應義塾大学4年 松坂侑咲 【書籍情報】 タイトル:日日是好日(にちにちこれこうじつ) 発売日:2025年7月14日(月) 仕様:B5判変形/オールカラー128ページ(予定) 定価:本体3000円+税(税込3300円) ISBN:978-4-344-04448-7 撮影:神藤剛 ロケ地:長崎県五島列島 公式X:@kosaka_1book 発行:株式会社幻冬舎 国際基督教大学3年 若生真衣/東洋大学3年 越山凛乃/慶應義塾大学4年 松坂侑咲/昭和女子大学2年 阿部瑠璃香

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4年ぶりの再演!一人の高校生が夢に向かって突き進む!ミュージカル『ジェ...

英国の公共放送局、BBCで放送された、ドキュメンタリー番組を基に制作された『ジェイミー』。2017年、英国のシェフィールド劇場で開幕するや大ヒットを記録し、ニューヨーク・ブロードウェイと並ぶミュージカルの聖地、ロンドン・ウェストエンドへ進出。さらには英国最高峰の演劇賞であるローレンス・オリヴィエ賞に5部門でノミネートされ一大旋風を巻き起こしました。 2021年にはAmazon Prime videoで映画版も世界配信され、英国アカデミー賞優秀英国映画賞ノミネート。その後も世界各地で上演され続け、大好評を博しています。 2021年の日本初演では、疾走感あるポップなメロディ、パッションとエネルギーに溢れたダンス等ミュージカルの魅力は十分に、ジェイミーと母マーガレットの絆、親友プリティとの友情、宿敵ディーンや父親、先生との確執、憧れのドラァグクイーンたちとの邂逅…そうした中でジェイミーが成長していく様が大きな感動を呼びました。 初演でセンセーショナルな感動を届けた素晴らしいキャスト陣に加え、エネルギッシュで才能溢れる新キャストも合流し、待望の再演が決定。 2025年7月8日東京建物 Brillia HALLにて行われたプレスコール、囲み取材、ゲネプロ(キャスト ジェイミー:三浦宏規、プリティ:唯月ふうか、ディーン:神里優希、ミス・ヘッジ:かなで)、7月9日同場所で行われたゲネプロ(キャスト ジェイミー:髙橋颯、プリティ:遥海、ディーン:吉高志音、ミス・ヘッジ:栗山絵美)を取材させていただきました。 ついに幕が上がる!観劇が楽しみになる情報満載の囲み取材 ■ジェイミー・ニュー役(Wキャスト) 三浦宏規さん通し稽古を8回行いましたが、やはり初日前は不安を感じると学びました。まだソワソワ感が残っていますが、沢山の方々に支えられていて、カンパニーの絆が強いんです。何かが起きても誰かがカバーしてくれるような一致団結感があるため、皆さんを信じて進んでいけば怖くないという自信に繋がると感じています。ピンヒールの爪先立ちにはもう慣れました。(笑) バレエの経験が活きているシーンもあります! ■ジェイミー・ニュー役(Wキャスト) 髙橋颯さん(WATWING)皆さんと一丸となって舞台に立つことが出来たのは、一人ひとりの力があってこそで、この「ジェイミー」という作品を前に進めることが出来たように思います。これからどのように物語が進化していくかワクワクドキドキです。4年ぶりに演じる上で自分自身が余裕を持って、周りを見ながら取り組めているなと思えるようになりました。そこでお芝居の楽しさやみんなで作り上げる素晴らしさに気がつきやりがいを感じるようになりました。僕もパワーアップして別人のようになっているので見ててくださいね! ■マーガレット・ニュー役 安蘭けいさん稽古場では色んな挑戦を行ってきました。お客様の反応で、この作品がいかに成長していくのかが楽しみです。Wキャストだとどちらの公演を見にいけば良いかと聞かれることがありますが、三浦さんと髙橋さんのジェイミーは役が同じでも演じると全然違うんです。ふたりのそれぞれの良さが出ていて、どちらも凄いので両方の公演を観ていただきたいと思ってます。 ■ヒューゴ / ロコ・シャネル役 石川禅さん4年ぶりの再演となり、再度共演出来ること、そして初共演の皆さんと作品を作り上げていくことがとにかく楽しみでしかないです。ぜひ劇場に足を運んで頂きたいです。ドラァグクイーンの格好は4年前に初めてしましたけど、不思議なもので衣装を着るとキャラクターが出てきてしまうんですよね。普通の生活の中では出てこないですけどね。(笑) ■ミス・ヘッジ役 かなで(3時のヒロイン)さん初めてのミュージカル出演でこのプレ公演が私にとっては初の本番で緊張しました。みんなで円陣を組んで「Go Jamie!」と言った時に泣きそうになりました。実は私もクラシックバレエを10年間やってたんです。皆さんには今ここで初めてお話ししましたけど。(笑) 今回バレエ経験が活きる場面もあります!また、ミュージカルに出演している先輩芸人さんの舞台を見学したりして少しでも近づけるようにと思っています。芸人としてミュージカル界への進出を目指していきたいです! ©ホリプロステージ ©ホリプロステージ©ホリプロステージ 心を動かす歌と物語!〜学生の観劇レポート〜 ジェイミーというひとりの男の子の希望と葛藤が交錯しており深く心に打ち付けられるものがありました。家族との関係、学校という社会から向けられる目に紆余曲折しながらも立ち向かい、自分自身の魅力で周りをHappyにする姿勢が美しくて励まされました。パワフルそして繊細な歌唱と身体表現に魅了されました。エンタメ要素のある演出、豪華な生バンド隊による演奏も『JAMIE』を彩っていて愛を感じる作品でした。国立音楽大学大学院 修士1年 岡部満里阿 この作品から、人生で起こる辛いことや悲しいことは何一つ無駄ではなく、全てが自分を強くする力になるのだと感じました。「普通」とは誰が決めたのでしょうか。みんな違っていることが当たり前で、自分が人生の主役だからこそ、夢に正直に自分だけの舞台を作って良いのだと背中を押してもらえた気がします。自分を貫くことの怖さに共感しながらも、悩み、迷い、ぶつかりながらもありのままを実現していくジェイミーの強さと、それを包み込む母の愛情や理解ある人たちの存在に、涙なしでは見られない作品でした。武蔵野大学3年 吉松明優奈 初めて生で観るミュージカルでしたが、キャストの方々の演技とバンドの生演奏に圧倒されました。まさに、笑いあり涙ありの、心の底から楽しめる舞台でした!特に印象的だったのは、涙するシーンが多かったことです。ジェイミーを支える母親の愛情、 そしてジェイミー自身の葛藤が、私自身の悩みと重なり、深く共感しました。また、彼の悩みながらも成長していく姿からは目が離せませんでした。「普通とは何か」 「自分らしさとは何か」深く考えさせられる舞台であったように感じます。所々に散りばめられた思わずクスッと笑ってしまうジョークも、作品の良いアクセントになっていました!もう一度観たいと強く思えるほど感動的な舞台で、忘れられない日になりました。昭和女子大学2年 阿部瑠璃香 プレスコールで髙橋さんの歌声を聴いた瞬間に「4年前のジェイミーが帰ってきた!」と胸が熱くなり、視界がぼやけてしまいました。たった一曲『誰も知らない』で心を動かす楽曲の力強さ、そしてジェイミーだけでなく、全てのキャラクターが輝く演出の素晴らしさを実感しました。新キャストの三浦さん演じるジェイミーは、長年のバレエ経験からの高い身体能力、美しい所作、シルエットだけでも伝わる華やかさに、思わず息を呑むような美しさがあるジェイミーでした。そして4年ぶりにジェイミー役を演じる髙橋さんは、秘密を抱えながら“普通”の高校生を演じるジェイミーが少しずつ周囲を変えていく様子を丁寧に描いており、その姿に私たち観客もジェイミーの同級生かのように心を動かされてしまう、人を巻き込む力のあるジェイミーだったように感じます。「普通って何?」「自分の将来はどうなっていくの?」そんな、誰もが一度は抱いたことのある問いを、ジェイミーというキャラクターを通して考えることができる今作。きっとあなたの心にささるセリフがあります!観終わったあとには、少し背筋を伸ばして歩きたくなるような、自分のやってみたいことに素直に生きてみようと思える、前向きな力をくれる作品でした。この素晴らしい『ジェイミー』が、たくさん悩みながら成長しようと日々を生きている学生をはじめ、多くの方々に届きますよう、そして、東京・大阪・愛知、すべての公演が無事に、誰一人欠けることなく千秋楽を迎えられるよう、心から願っています。城西国際大学2年 渡部優理絵 ■公演概要 公演名:ミュージカル『ジェイミー』音楽:ダン・ギレスピー・セルズ作:トム・マックレー日本版演出・振付:ジェフリー・ペイジ 出演:ジェイミー・ニュー(Wキャスト):三浦宏規/髙橋颯(WATWING)マーガレット・ニュー:安蘭けいプリティ(Wキャスト):唯月ふうか/遥海ディーン・パクストン(Wキャスト):神里優希/吉高志音ライカ・バージン:泉見洋平トレイ・ソフィスティケイ:渡辺大輔ミス・ヘッジ(Wキャスト):かなで(3時のヒロイン)栗山絵美ジェイミー父/サンドラ・ボロック:岸祐二レイ:保坂知寿ヒューゴ/ロコ・シャネル:石川禅 ベックス:小向なるサイード:里中将道ファティマ:澤田真里愛ミッキー:東間一貴サイ:星野勇太リーバイ:MAOTOベッカ:元榮菜摘ヴィッキー:リコ(HUNNY BEE) 【東京公演】公演日程:2025年7月9日(水)~7月27日(日)会場:東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場) 【大阪公演】期間:2025年8月1日(金)~3日(日)会場:新歌舞伎座 【愛知公演】公演日程:2025年8月9日(土)~11日(月祝)会場:愛知県芸術劇場 大ホール 公式サイト https://horipro-stage.jp/stage/jamie2025/ 学生新聞オンライン2025年7月8日・9日取材 国立音楽大学大学院修士1年 岡部満里阿/城西国際大学2年 渡部優理絵

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三菱UFJ信託銀行株式会社 取締役社長 窪田博

現場の答えを形に。信託業務で社会課題に挑む。 三菱UFJ信託銀行株式会社 取締役社長 窪田博(くぼたひろし) ■プロフィール1992年に三菱信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)入社。上野支店での法人営業からスタートし、大蔵省出向、ロンドン支店での市場運用業務等を経て、経営企画と大企業法人営業を交互に経験。持株会社三菱UFJフィナンシャル・グループ財務企画部長、三菱UFJ銀行および三菱UFJ信託銀行の営業本部常務執行役員等を経て、2025年4月より現職。 顧客の資産を預かり、管理・運用しながら、資産承継や企業年金、不動産仲介・管理、証券代行などの信託業務を通じて、社会的課題の解決に貢献する役割を担う信託銀行。信託業界において、そのリーディングカンパニーとして成長を続ける三菱UFJ信託銀行の社長・窪田博さんに、大切にしている考え方や強みについて伺った。 学生時代は、部活動に最も力を入れていました。東大の体育会ラクロス部に所属し、毎日練習に明け暮れていました。また、他大学の仲間たちとアメリカ遠征も経験し、日本での競技の普及活動にも努めました。3年生からは、将来を見据えて、公認会計士の資格を目指すことを決意。家庭教師のアルバイトもやりながらの資格勉強は大変でしたが、今振り返れば非常に充実した時間だったと思います。就職活動では、財務の知識を活かした運用を行いたいという思いから、生命保険や金融業界を中心に検討していました。当時はバブル期で学生の売り手市場。企業からのアプローチに応える形が多い中、唯一、自分から電話をかけたのが、三菱信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)でした。1兆円規模の運用に携われる規模感や若手の挑戦を尊重する風土に惹かれ、当社への入社を決意しました。 ■多彩なキャリアでの経験 入社後は、現場と経営企画部を行き来しながら、幅広い経験を積んできました。特に印象深いのは、初の海外勤務であるロンドン支店時代です。念願だった運用の現場に携わることができたのは、大きなやりがいにつながりました。ロンドンから日本へ帰国した際は、三菱信託銀行とUFJ信託銀行との統合のため統合企画室に配属になりました。通常は2か月の帰国準備期間が設けられるのですが、私は家族と共に実質わずか2週間で帰国し、そのままUFJ信託銀行との統合に向けて奔走することになりました。統合までの1年間は、毎日深夜まで働き続け、タクシーでの帰宅が日常となるほど多忙でしたが、やり遂げた時の達成感は格別でした。他にも、大変だった経験があります。1つは、法人営業の課長として東京電力を担当していた時に、東日本大震災が発生しました。原発のメルトダウンという未曽有の事態に直面し、銀行としての再建支援という役割に加え、社会的課題にも向き合わなくてはならないという非常に困難な局面を経験しました。もう1つは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)内で貸出業務を三菱UFJ銀行に移管し、三菱UFJ信託銀行は信託業務に特化することが決まったときのことです。経営企画部にて私自身がこの再編を進めなければならない立場だったため、まず、これまでファイナンス業務に携わってきた多くのメンバーへ説明を行う必要がありました。熱い想いを持ってこれまで仕事に取り組んできた仲間に対し、この再編を伝えることは本当に辛かったですが、最後は納得して一緒に短期間でこのプロジェクトを成し遂げることができた際は、このような仲間に感謝すると共に一緒に仕事ができたことを誇りに思いました。現在では「あの時の再編で信託業務に経営資源を集中することができ、信託業務でのグローバル展開などそこから得られた大きな強みがある」という認識が会社全体で共有できていると思います。経営企画部に在籍していた頃の経験は、現在も活かせる部分が非常に多いです。当時は、「自分が社長だったらどうするか?」という視点で考えなければならない場面も多く、そのようなトレーニングは今の自分の土台を築いてくれたと思います。 ■本質を見失わないために、大切にしてきたこと キャリアを通じて、大切にしてきた考え方がいくつかあります。1つは、「自分が常に正しいとは限らない」という姿勢です。だからこそ、今の立場でもまずは相手の話にしっかりと耳を傾けること、普段から積極的にコミュニケーションをとることを心がけています。トラブルが起きた際も、感情的になるのではなくまず相手の話をよく聞きます。そして、「これは誰のためなのか?」と問いかけることを意識し、「お客さまのため」「会社全体のため」という視点に戻ると本質的な解決に近づくケースが多く、結果的に物事はうまく進みます。一方で、信念を持った意見は、きちんと主張しようと意識してきました。私自身、たとえ相手が上司であっても、「お言葉ですが」という前置きを添えて、自分の意見を諦めずに主張していました。だからこそ、社長の立場になっても、現場の声を拾い上げたいと思っていますし、社員にも積極的に主張してほしいと考えています。常に意識しているのは「答えはお客さまやマーケットという現場の近くにある」ということ。そこから得た答えを形にしていくのが、経営者である自分の役割だと考えています。 ■三菱UFJ信託銀行ならではの強み 三菱UFJ信託銀行の最大の特色は、国内最大級の信託銀行であると共に、信託銀行では最多の海外拠点を持ち、グローバルに事業を大きく展開している点です。お客さまのグローバル化するニーズに応えるべく、積極的に海外展開を進め、その粗利益は全体の約45%を占めるまでに成長しています。また、国内の貸出業務はMUFGの三菱UFJ銀行に任せ、純粋に信託銀行でしかできない信託業務に専念できる点も大きな特徴です。信託は、日本の未来にとっても不可欠な機能です。資産承継、企業年金、不動産の管理・運用など、人生やビジネスのさまざまな局面で、「人に代わって信頼され、託される」重要な役割を担っています。しかしながら、信託業務はお客さまやプロジェクトごとにアレンジが必要で手間がかかる上に収益が出るまでに時間がかかり、後回しにされがちです。そうした中でも、私たちは信託に特化した銀行として、その社会的役割を果たすべく、常に先進性と専門性を発揮し挑戦を続けています。さらに、当社は長年にわたり信託業界を引っ張ってきていると自負しており、革新的な取り組みにも積極的です。たとえば、ブロックチェーン技術と信託機能を掛け合わせたスキームを導入して、100億円規模の不動産を1万円単位で小口化し流通させる仕組みを構築し、新しいマーケットを開拓しました。こうした制度設計やデジタル領域にまで関与できる点も、三菱UFJ信託銀行ならではの魅力です。加えて、少数精鋭の体制の中で、若手のうちから多様な経験が積める環境が整っていることも、当社の大きな強みだと感じています。 ■大学生へのメッセージ 信託業務は、時代とともに社会課題が変化するなかで、常に新しい挑戦が求められる分野です。だからこそ、私たちは自分を磨き続ける学生、そして自由に自分の意見を主張できる学生の方にぜひ仲間になっていただきたいと思っています。私たちは、「日本でどの領域でもダントツ一番の信託銀行になる」ことを目指しています。成長し続ける会社でなければ、社員も「この会社で働いていてよかった」と思えません。だからこそ、社員一人ひとりが誇りを持って挑戦し続けることができる場を整えたいと考えています。大学生は人生の中でもっとも自由に時間を使える時です。今だからこそ、心から打ち込めることを見つけて、思い切ってチャレンジしてみてください。余談ですが、私はよく、休日にジョギングをしています。身体を動かしていると、ふとアイディアが浮かぶこともありますし、頭を空っぽにできる時間はとても貴重です。きっと、みなさんにとっても「無になれる時間」は、何かを考えるうえで大きなヒントになると思います。 学生新聞オンライン2025年6月10日取材 上智大学4年 池濱百花 情報経営イノベーション専門職大学1年 襟川歩希/上智大学4年 池濱百花/法政大学1年 渡辺碧羽

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舞台『ビットワールド THE STAGE』

舞台『ビットワールド THE STAGE』が2025年7月4日(金)に開幕しました。NHK Eテレで放送中の子ども番組『ビットワールド』は、2007年に放送スタートし、前身の『天才ビットくん』を含め、今年度25周年を迎える人気番組。デジタル世界「ビットワールド」を舞台に、視聴者参加型の企画やコント、アニメ、ゲーム要素を融合させた、創造力あふれるユニークな番組として長年にわたり愛され続けている本作がついに舞台『ビットワールド THE STAGE』として初演を迎えました。2025年7月4日(金)〜13日(日)東京・サンシャイン劇場にて上演されます。 脚本・総合演出は、 SUGARBOYの川尻恵太さん、演出は白鳥雄介さん。出演には、番組出演者でもあるいとうせいこうさん、金子貴俊さん、中田あすみさん、 横山だいすけさん、ソーズビー・キャメロンさんのほか、映像出演に升野英知(バカリズム)さん、また、舞台オリジナルキャストとして、上田堪大さん、小山百代さん、高橋怜也さん、さらに特別出演として、大和悠河さんも出演。また、日替わりコーナーゲストとして浅川梨奈さん、升野英知(バカリズム)さん、マキタスポーツさん、古坂大魔王さん、増子敦貴さん(GENIC)の豪華メンバーが舞台を盛り上げます。 このたび舞台『ビットワールド THE STAGE』開幕直前取材&公開ゲネプロに出席いたしました。 <出演者様より挨拶> ■7月4日・13日 ゲスト 浅川梨奈さん今回、初日と千秋楽にゲストで出演させていただきます。賑やかな皆さんが稽古を重ねて創り上げてきたものを見られることが、個人的にすごく楽しみです。ゲストとして、楽しませていただきたいなと思っております。 ■ゾース役 ソーズビー・キャメロンさん笑い、あり!涙、あり!危機!バトル!大変だよ、多分観て10分くらいで「まあビットワールドこんな感じで舞台化なるんだな」って多分見慣れてくんだよ。大変だぞ。(他の出演者さんに「ちょっと待って、キャラで喋るの!?」「そういう方向性!?」と言われ、)俺を置いてきてんだよ。もう10代からこの役やってると、これでアドリブとかやるだろ。もう無理なんだよ。俺が言いたいことは、「気をつけろ!」 ■ヨコヤマン役 横山だいすけさんゾースに見習って、「ビットワールド THE STAGE、来たら分かるよ!最高だよ!」ありがとうございます。 ■ソーイ/アスミン役 中田あすみさんアスミンとソーイを演じます。中田あすみです。部活のように一丸となって稽古を頑張ってきました。ビットらしい作品になっていると思いますので、どっぷりビットの世界にハマっていただければと思います。よろしくお願いします。 ■ミラレタ役 金子貴俊さん宇宙人のミラレタということで、宇宙人キャラをさせていただいています。このキャラクターは、ビットワールドのテレビの中では十何年とやってきていますが、初舞台がこの作品で、宇宙人の役で出るとは思ってもいませんでした。アドリブや無茶ぶりの場面が多くて、本当にやっていることがめちゃくちゃです。ただただ楽しんで、笑っていただけたらと思いますので、よろしくお願いします。 ■ビットラン役 大和悠河さん(特別出演)大変キャラの濃いビットワールドの皆さんに敵対するビットランという役をさせていただきます。25年間も続いて愛されているビットワールドの番組のステージ化に出させていただいて、本当に光栄に思っています。皆さんに負けないようにガンガンいきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。 ■ダイゴ役 上田堪大さん最初は主に舞台に出演しているキャストが、ビットワールドの皆さんとどういうふうに溶け込んで、どういうふうに交わっていけるのかなと思ったのですが、せいこうさんのケアをすることによって、大分距離が縮まりました。本番中もしっかりせいこうさんのケアをしつつ、他の舞台とはまた違った楽しみ方があると思うので、お客様には、それを存分に楽しんでいただけるように、まずは僕たち自身が楽しんでやっていきたいなと思います。応援よろしくお願いします。 ■スミレ役 小山百代さん舞台のオリジナルキャラクターということで、この役がどのような性格で、どのようなキャラクターなのか、楽しみにしていただきたいです。暑い中、みんなで頑張って稽古で創ってまいりましたので、今日から皆様にお届けできるのが楽しみで仕方がありません。日替わりコーナーもあり、毎公演全然違うものになると思いますので、何回も観に来ていただけるよう、足を運んでいただけたら嬉しいなと思っております。よろしくお願いします。 ■ユタカ役 高橋怜也さん舞台チーム、そしてビットワールドチームが融合して、色々試行錯誤しながら稽古で創ってきました。最後は、来ていただくお客様の愛と共に、この舞台ビットワールドが完成すると思います。ぜひ一緒に創り上げて、最高に面白くできたらなと思います。よろしくお願いします。 ■マスター/セイコー役 いとうせいこうさん先程ご説明していただきましたけど、僕がまともに決まったところに立つとか、決まったことを言うってことがほとんどできないものですから、後ろで必ずここに介護って言われている人がいます。小さい声で僕に教えている人がいても気にしないでください。ハラハラしている感じも含めて、僕は楽しくて、毎日やるたびに違う解釈なども出てくる舞台になっていると思います。みなさん1回と言わず、2回、3回とぜひ観ていただき、そして楽しんでいただいて、周りの方に宣伝してくれたらなという願いを持っております。どうぞよろしくお願いします。 学生新聞オンライン2025年7月4日取材 城西国際大学2年 渡部優理絵 <舞台『ビットワールド THE STAGE』公演概要> 【公演日時・会場】2025年7月4日(金)~13日(日)東京・サンシャイン劇場(豊島区東池袋3丁目1-4)全12公演【脚本・総合演出】川尻恵太(SUGARBOY)【演出】白鳥雄介(ストスパ)【出演】上田堪大 小山百代 高橋怜也/大和悠河(特別出演)金子貴俊 中田あすみ 横山だいすけ ソーズビー・キャメロン升野英知(映像出演)いとうせいこう日替わりコーナーゲスト出演者:浅川梨奈 升野英知 マキタスポーツ 古坂大魔王 増子敦貴(GENIC)(出演順)【企画・制作】ディレクションズ【主催】『ビットワールド THE STAGE』製作委員会【チケット料金】特典付SS席16,000円、一般S席9,500円、U18席5,000円(税込)イープラス https://eplus.jp/bitworld/チケットぴあ https://w.pia.jp/t/bitworld/ローソン https://l-tike.com/bitworld/公式HP:https://bitworld-stage.com/公式X(旧Twitter):@bitworld_st <ゲネプロを観劇しての感想> 子どもの頃、金曜夕方の楽しみといえば『ビットワールド』でした。番組を見ながら「もしこの世界に入れたら…」と何度も夢見たものです。そんな私にとって、今回の『ビットワールド THE STAGE』は、まさにその夢が現実になるような舞台でした。とはいえ、正直、細かい設定やキャラクターの関係はうろ覚え。それでも自然に物語へ入り込めました。舞台では世界観や登場人物について丁寧な導入があり、番組を観ていなかった方や、内容をしっかり覚えていない方でも無理なく楽しめる構成になっています。ステージ上には、あのキャラクターたちが“本当に”存在していて、まるで画面を飛び出してきたかのよう。番組らしいユーモアと創造性にあふれた演出に、気づけば大人の自分も童心に帰っていました。さらに、舞台オリジナルキャストとの化学反応も見どころ。舞台ならではの没入感を生み出し、最後まで目が離せません。そして物語後半に仕掛けられた“どんでん返し”には思わず息をのみました。予想を裏切る展開が、物語をさらに面白くしています。そして何より、登場人物たちの困難に立ち向かう姿や仲間を信じる力に心を動かされました。舞台を観終わったあと、自分の背中を押してもらえるはずです。懐かしさと新しさが同居する、不思議で楽しい“異次元トリップ”。ぜひあなたも、“リアルなビットワールド”を体感してみてください!津田塾大学3年 石松果林 私自身も、2025年4月にSNSで「Eテレ番組 ビットワールド 舞台化決定」の情報を目にして以来、驚きとともに大きな期待を抱いていた一人です。演出、照明、素敵なキャストさんのユーモア溢れるお芝居で、観客である私たちも、ビットワールドの世界に飛び込んだかのような没入感を味わうことができました。一度でも『ビットワールド』を視聴したことのある方であれば、舞台オリジナルキャラクター3人に共感できると思います。この作品を観劇した後、テレビで放送されている『ビットワールド』の見え方がきっと変わるはずです!世代を問わず楽しめる、素敵な舞台作品でした。ビッステがたくさんの人に愛され、誰一人欠けることなく、無事に千秋楽を迎えられることを願っています。城西国際大学2年 渡部優理絵

コラム

テリー伊藤 コラムVol.57 遂に大谷翔平が投げた

遂にドジャース大谷翔平が本拠地でのパドレス戦に投手として先発した。2023年8月23日、エンゼルス時代のレッズ戦以来663日ぶりに上がったマウンド。振り返ってみれば、2023年8月23日レッズ戦に先発し「腕の疲労」が2回途中降板、9月には右ひじの手術を受け、昨年は野手としてプレーをする裏で懸命なリハビリを続けていた。ドジャース移籍後初のマウンドは1回28球を投げて2安打1失点、最速は161キロで二刀流復帰を果たした。試合後のインタビューで大谷は「結果的にはいまいちでしたが、自分の中でいいイメージを持って出来るいい一日だった。」と答えている。さらに「いいオフェンス、ブルペンもそうだけど、素晴らしい野球だった。皆で勝ち取った勝ち方だった。」と笑顔を見せた。 それにしても誰もがまさかの登板と思ったに違いない。早くてもオールスター明けとの大方の予想を見事に外させた。登板Xデイは当然ロバーツ監督、コーチ、ドクター、フロントとも多くの時間をかけて議論を重ねたと思われる。最後はマウンドで投げたいという大谷自身の情熱が押し切ったのだ。 冷静に考えると、先発ピッチャーが1回しか投げずにマウンドを後にする、オールスターの試合ならあるかもしれないが、公式戦では極めて異例な配慮なのでは。2番手投手もコンデション作りが大変なはず。次回からどう大谷投手を使って行くのかロバーツ監督の腕の見せ所となる。投手をやることによって本塁打の数も減少することも予想される。さらに故障の可能性も高くなることも。 それにしても大谷翔平はファンにも、チームメイトにも愛されていると改めて感じた。ドジャースに入団してからの功績をチームメイトもよく知っている。初登板は感謝の意味もあり、観客、選手の大谷をバックアップする熱意を感じた。残る今シーズン、二刀流がベストなのか正直言って私にはわからないが、これだけは言える。インタビューに答えていた「今日はいい一日だった」この言葉こそ全てではないか。大谷は野球が楽しかったのだ。私たちはメジャリーグに来てからの大谷の活躍でどれだけ幸せを享受されたか。日本では時差の関係上、ドジャースの試合が朝に放送されることが多い。そんな時、必ずホームランを打ってくれる。「よし大谷が打ったから今日も一日頑張ろう!」と思って学校、仕事に出掛ける。それだけではない。病気と闘っている人も元気を貰っている。結果がどうであれ、野球人大谷が楽しいベースボールをやれるのならそれでいいのだ!応援するしかない! テリー伊藤(演出家) 1949年、東京築地出身。早稲田実業中等部、高等部を経て日本大学経済学部を卒業。2023年3月、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。テレビ番組制作会社IVSテレビに入社し、「天才たけしの元気が出るテレビ」「ねるとん紅鯨団」などのバラエティ番組を手がける。その後独立し、テレビ東京「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。著書「お笑い北朝鮮」がベストセラーとなり、その後、テリー伊藤としてメディアに多数出演。演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。YouTubeチャンネル「テリー伊藤のお笑いバックドロップ」LALALA USAでコラム連載中https://lalalausa.com/archives/category/column/terry

イベント・企業紹介

映画『「桐島です」』

偽名で生きてきた。けれど心までは、偽らなかった。 2024年1月26日、衝撃的なニュースが日本を駆け巡った。1970年代の連続企業爆破事件で指名手配中の「東アジア反日武装戦線」メンバー、桐島聡容疑者(70)とみられる人物が、末期の胃がんのため、神奈川県内の病院に入院していることが判明した。男は数十年前から「ウチダヒロシ」と名乗り、神奈川県藤沢市内の土木関係の会社で住み込みで働いていた。入院時にもこの名前を使用していたが、健康保険証などの身分証は提示しておらず、男は「最期は本名で迎えたい」と語った。報道の3日後の29日に亡くなり、約半世紀にわたる逃亡生活に幕を下ろした。桐島聡は、1975年4月19日に東京・銀座の「韓国産業経済研究所」ビルに爆弾を仕掛け、爆発させた事件に関与したとして、爆発物取締罰則違反の疑いで全国に指名手配されていた。最終的に被疑者死亡のため、不起訴処分となっている。 桐島は何を思い、どんな事件を起こし、その後、半世紀にわたって、どんな逃亡生活を送っていたのか。学生新聞インターンが鑑賞した感想をご紹介します。みなさんもぜひ劇場へ! 本作は取材を元にしたフィクションの映画ではありますが、桐島聡の半生を目の当たりにして、単なる「指名手配犯」としてだけではなく、「1人の人間」としての情を感じ取ることができる作品でした。重要指名手配の貼り紙を見て、顔と名前しか知りませんでしたが、一生懸命に土木作業の仕事をしたり、近所の人と挨拶を交わしたりしていたのだろうと貼り紙からは想像できなかった普通の生活を感じましたし、本作では、彼の社会的に弱い立場の人を大切にする考え方を垣間見ることができます。昨年、最期に本名を明かしたというニュースを見た時は衝撃を覚えましたが、50年前の連続企業爆破事件を知らなくても、なぜ彼らが事件を起こしたのか、何を思って生きていたのか考えさせられました。罪を犯したことには変わりありませんが、事件の動機は助けたい誰かのためだったのかもしれないと、事件に対する見方を広げてくれる作品です。上智大学4年 白坂日葵 「逃げる」という行為の重みを、これほどリアルに感じたのは初めてでした。映画を観て強く思ったのは、ただ事件の概要を知るだけでは見えてこない、桐島という一人の人間が抱えていた孤独や不安、そして後悔が、画面の向こうからひしひしと伝わってくるということ。ニュースや記事では知り得なかった「感情」が、確かにそこに存在していました。特に印象的だったのは、いつ素性がバレるか分からないという緊張感の中で生き続けることの苦しさです。その張りつめた日常が、静かな演出と毎熊克哉さんの繊細な演技によって丁寧に描かれ、観ているこちらの呼吸まで浅くなるような感覚に包まれました。桐島の行動の動機も、言葉ではなく、表情や間の取り方を通じて自然と伝わってきて――気がつけば、彼を理解しようとする自分がいました。事件の指名手配犯を描きながらも、問いかけてくるのは「人として、どう生きるか」。観終わったあとも余韻がじんわりと残り、静かに心を揺さぶられる作品でした。津田塾大学3年 石松果林 幼い頃から、よく交番で見かけた桐島聡さんの指名手配ポスター。当時はその顔写真を見るたびに、ゾクゾクするような気持ちに襲われ、歳を重ねてもそのインパクトは絶大でした(笑)。しかし映画では、そんな私のイメージとは裏腹に、桐島さんの逃亡生活を悠々と描いているという印象を受けました。その地で出会った人と交流を重ね、対話をし、関係を築いていく様子に、「この人は本当に犯罪者なのだろうか」と途中で感じてしまうほどでした。さらに、フィクションとノンフィクションの融合は、「この人は実際にこんな優雅な生活をしていたのかもしれない」、「でも、こんなに楽に生きられているはずがない」と、まさに観ている人の想像を掻き立ててくれます。また、落ち着いた生活の中で、時が経つにつれて家の様子や周りの人々の時代観が変化していく過程にも、ぜひ注目してみてください。そもそも、”普通の生活”とは何なのか。常にさまざまな想像を膨らませながら、ひとりの人生を見守る気持ちで観ることをお勧めします。国際基督教大学3年 若生真衣 みんな見たことがあるあの顔、私は顔だけで彼が何の罪を犯したのかまでは把握していなかった。映画を見る前は、指名手配犯故彼はもっと凶悪で、危険な思想の持ち主だと思っていた。でも映画が映し出した彼は、困っている人に率先して手を差し伸べ、弱い立場の人々に寄り添う、確固たる正義感を持った人だった。その正義が結果として犯罪に繋がってしまったわけだが、「犯罪者だから危険」という画一的な見方をすることの偏見に気づかされた。舞台である高度経済成長期の日本では、不当に扱われた労働者による労働運動が起こっていた。現代は働き手が神様と言われるほど、どんどん労働供給制約社会化が進行し、労働者は選ばれる側から選ぶ側に移行している。今の時代なら労働環境に不満があればストライキよりも転職を考える人が多いと推定できる。つまり時代背景も、彼の行動に影響を与えたと言える。もし彼がインターネットのある現代の学生だったら、爆破という犯罪に手を染めず、自由な人生を送れていたのだろうか。青山学院大学1年 松山絢美 映画『「桐島です」』 出演:毎熊克哉奥野瑛太 北香那高橋惠子監督:高橋伴明脚本:梶原阿貴、高橋伴明 音楽:内田勘太郎 撮影監督:根岸憲一配給:渋谷プロダクション2025年/日本/カラー/アメリカンビスタ/5.1ch/日本語/105分©北の丸プロダクション2025年7月4日(金)より新宿武野館蔵ほかにて公開