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Archive for 運営スタッフ

学生新聞インターン

国際博覧会担当大臣・内閣府特命担当大臣 井上信治

政治家は天職。良い国を作り、多くの人を幸せに 国際博覧会担当大臣・内閣府特命担当大臣 井上信治(いのうえしんじ) ■プロフィール 1969年10月7日生まれ。学習院初等科、開成中学校・高等学校、東京大学法学部卒業。英国ケンブリッジ大学修士課程修了。国土交通省・外務省勤務後、衆議院議員当選。環境副大臣、内閣府副大臣、衆議院内閣委員長、自民党団体総局長、副幹事長、青年局長等を歴任。科学技術、イノベーション、宇宙、健康・医療、消費者及び食品安全、クールジャパン戦略、知的財産等を担当。自由民主党衆議院議員(当選6回)、東京25区(青梅市・昭島市・福生市・羽村市・あきる野市・瑞穂町・日の出町・奥多摩町・檜原村)選出。趣味はお祭り、マラソン、温泉巡り。好きな言葉は「初心忘れるべからず」。 ■政治家を目指すきっかけは良い仲間に出会えたことがきっかけです。中学3年生のころ、友人と一緒になってこれからの日本や世界のこと、自分たちの夢について語り合っていました。皆と話し込んでいるうちに、「一度しかない人生、世の中のためになることをしたい、困っている人を助けたい、多くの方を幸せにしたい!」と思うようになりました。そのとき、良い国を作ればより多くの人が幸せになれると気づき、志高く政治家になろうと思ったのです。大学卒業後は国土交通省に入省しましたが、34歳のときに立候補し、政治家になることができました。中学生時代からの夢がかない、政治家は天職だと思っています。初心を忘れず、一生懸命、良い国を作ろうと頑張っております。 ■大臣として仕事のやりがいは国会議員を17年間続けてきて、一番印象に残っているのは3年間就任した環境副大臣です。当時、私は福島の原発事故、除染問題の担当をしておりました。私はまず地元住民の方との関係を構築することが最優先だと考え、何度も現地へ足を運びました。当初は政治に不信感を持つ方もいましたが、話を聞いているうちに、「あなたが絶えず私たちのところに来て話を聞いてくれるので感謝している」と言って、心を開いてくれるようになりました。この瞬間、人とのつながりこそが「政治の原点」だと再認識しました。2020年9月から国務大臣に就任し、現在は科学技術、宇宙政策、健康医療政策や2025年開催の大阪・関西万博を所管しております。新型コロナウイルス感染症で大変な状況が続きますが、科学技術行政は、いわば未来を切り開く素晴らしい仕事で、夢とロマンのある仕事を任せていただけたと思っております。大臣としての仕事は影響力があり、責任も重く、緊張感もありますが、今の仕事に大変やりがいを感じております。 ■大学生へメッセージをお願いします一生に一度しかない自由で貴重な時間だからこそ、思いっきりいろいろなことをするのが良いと思います。自分のビジョンが明確な人は少なく、悩んでいる人も多いと思いますが、たくさんのことをやるなかで、これが面白い、楽しいと感じるものを、失敗を恐れずにやってほしいです。そして2025年、大阪・関西万博はこれからの未来を見せる万博なので、若い人にぜひ来てほしいと思っています。 学生新聞2021年4月1日号より(日本大学3年 辻内海成)

中高生新聞

中条あやみ 今の自分が限界じゃない、だからこれからも挑戦し続ける

■プロフィール 1997年2月4日生まれ。大阪府出身。 2011年に「ミスセブンティーン2011」グランプリを受賞し、 雑誌「Seventeen」の専属モデルとして活躍後、さまざまな映画、 ドラマに出演。 2018年には、映画「チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで 全米制覇しちゃったホントの話〜」で第41回日本アカデミー賞新人賞を受賞。 現在ドラマ「君と世界が終わる日に」(2021年1月17日より放送)に出演中。 1月よりテレビ「ぐるぐるナインティナイン」「グルメチキンレース ゴチになります!」のレ ギュラー出演も決まる傍ら、雑誌「CanCam」の専属モデルなど、幅広く活躍中。 14歳で芸能界デビューした後、モデル・女優として活躍し、今年は地上波GP帯初となるゾンビアクションドラマに出演する中条あやみさん。なぜこの業界に足を踏み入れたのか、仕事の魅力は何なのか、この作品にはどのような思いで挑んだのか、自らの女優としての思いを伺った。 ■限界も100点満点もない世界、だから常に追求する  最初は、14歳の時に家族で行ったグアム旅行でモデルとしてスカウトされたことがきっかけでした。2011年にファッション雑誌「Seventeen」のオーディションに応募して、専属モデルとしてこの業界に入りました。女優業は、当時Seventeenのモデルの中に武井咲さんや広瀬すずさん、広瀬アリスさんがいて、既に女優として活躍されている方が周りにたくさんいたことに刺激を受け、足を踏み入れました。 今続けることができているのはある飲料のCMがあったからです。このオーディションを受けてダメだったら、今後のお仕事も考え直そうと思っていました。でも採用していただき、初めて自分を必要としてくれていることを実感でき、そこから仕事の幅が広がりました。 CMに出演していたとき、女優というお仕事はすごく体力と忍耐力が必要なんだと感じました。季節とは関係なく撮影があったり、飛んだり走ったりと、やってみて初めて苦労がわかりました。今でも新しい作品や現場に入るときはすごく緊張しますし、失敗することも何回もあります。しかし、絶対に限界も100点満点もないお仕事だと思っています。どうしたらより上手になるか、より楽しくできるか、常に追求することができます。そこがこの仕事の魅力であり、やりがいだと思います。女優というお仕事は特殊で、自分とは違う人になることで、何回も現実の自分とは別の人生を味わうことが出来るのも、大きな魅力だと思います。 ■今回のドラマ出演は貴重な体験でした  今回のドラマは地上波GP帯初のゾンビアクションドラマです。正直、最初に聞いたときは今までのドラマにはない強烈な内容であり、これはキャストが一体となって頑張らないと、と気が引き締まりました。 演じる上で特に難しかったのは、サバイバルな環境の中で、周りには大量のゾンビがいる極限状態を演じなくてはいけなくて、普段の生活からはかけ離れており、メンタル的にも役に入り込むことがとても難しかったです。 この作品に入る前にゾンビ映画も多く見て、自分でもあれこれと想像もしてみたのですが、実際はどのぐらいお風呂に入ってないのかとか、最後のご飯は何にするんだろうとか、いろいろと考えさせられることが多く貴重な経験でした。でももし私がその世界におかれてしまったら、ドラマのように長く生き延びずに早々にゾンビにやられてしまうと思います。 このドラマの見所は、もちろんゾンビアクションドラマですので、ゾンビが襲って来るというスリルもあるのですが、登場人物一人一人が今後この世界でどのようになってしまうのかなど、ミステリー要素にもぜひ注目していただきたいです。極限状態におかれた人間がどのような行動をするのか、本当に恐ろしいのはゾンビではなく人間ではないのかなど、他のゾンビ映画とは一味違ったすごく刺激的な作品になっています。 また、竹内涼真さん演じる間宮響(まみや ひびき)と私が演じる小笠原来美(おがさわら くるみ)が今までの平穏で幸せな生活から一転、極限状態の中で会えそうで会えないという、もどかしいラブストーリーも見所です。 ■悔いのないように、日々挑戦して欲しいです  今はコロナによってできることが制限されている状況ですが、自分に合っていないと感じることがあったり、自分に適していない環境であるならば、それらを探すために海外でもなんでも挑戦するべきだと思います。世界はとても広くて、自分の限界を決めつけずにチャレンジしてください。私も今までモデルのお仕事で海外の方とご一緒させていただくことはあったのですが、女優のお仕事ではありませんでした。でも、海外に好きな監督もいるのでぜひご一緒にお仕事ができるよう、英語にも今まで以上にチャレンジしていこうと思っています。 それとこのドラマのような状況もまさにそうなのですが、いつ自分がどうなるかなどわかりません。だからこそ一日一日を後悔しないように生きて欲しいと思います。学生という時間は今しかありません。二度と帰ってくる時間ではないからこそ、悔いのないよう精一杯楽しんでください。 学生新聞別冊2021年4月1日号 早稲田大学3年 原田紘志 日本テレビ×Hulu共同製作ドラマ『君と世界が終わる日に』 プロポーズ直前、トンネル事故に遭い閉じ込められてしまった青年・間宮 響(竹内涼真)。命からがらトンネルを脱出すると、世界は一変。荒れ果てた街並み、おびただしい数の遺体、街をさまよう“ 生ける屍”たち…。最愛の恋人、来美(中条あやみ)と再会し、絶望的状況を生き抜くことができるのか⁉ Season2はHuluオリジナルで毎週日曜日に新エピソードが配信。 写真撮影:プロカメラマン 広田成太 <英文記事> Ayami Nakajo  I am not limited now, so I will keep challenging  ■Profile: Born 4 February 1997, in Osaka. She has appeared in various films and dramas after winning the Miss Seventeen 2011 Grand Prix 2011 and becoming an...

DX・WEBマーケティング

パナソニック株式会社 コンシューマーマーケティングジャパン本部 デジ...

DX化で進化するお客様との接点 パナソニック株式会社 コンシューマーマーケティングジャパン本部 デジタル戦略担当 木田実(きだみのる) ■プロフィール 1992年新卒で松下電器産業株式会社(現 パナソニック株式会社)入社。北海道地区営業、ネットワーク事業の企画開発部門を経て、2008年より国内家電商品のWEBマスターとして、デジタル顧客接点の改革に取り組む。現在はB2C商品の国内向けデジタルマーケティング企画など組織内横断的な仕組みづくりを担当。消費生活アドバイザー。 日本を代表する企業、パナソニックにおいて、デジタル技術やデータを活用し、商品やサービスにとどまらず、自社の事業構造の変革までを視野に入れ、市場における優位性を追求する部署で活躍する木田さんに、各種メディアを通じた価値の創造について伺った。 私が担当しているのは主にBtoC向けの家電商品のウェブサイトです。「宣伝」は創業以来、当社で重要な位置付けとされています。パナソニックの創業者、松下幸之助はこういう言葉を残しました。「伝わらなければ存在しないのと同じ」。ある商品で世の中が便利になるならば、それを広く早くお伝えすることは社会に対する義務だということです。私たちの仕事の基本です。当社の商品サイトは規模が大きく、各サイトの企画担当者に制作会社の方を加えると数百人が関わっています。この数百人に同じ価値観でサイト作りをしてもらうために新しいシステムを導入し、テンプレート方式を取り入れました。どのサイトを訪問しても基本的に同じ操作感、体験価値が得られます。例えばサポート情報のボタンは全ての商品サイトで同じ位置に置き、トラブルでお困りのお客様がパッと目につくように配慮しています。またこうした「型」の統一が、データの適切な発見、生成へとつながります。お客様のサイト上の行動分析は、現在はページ単位で行いますが、次第にページ内の要素単位に分解するなど、細分化し活用しています。 ■デジタルとパーソナライズ化の重要性現在のお客様の各メディアの接触状況ですが、テレビの比重が下がる一方、スマートフォンの利用時間の伸びが著しく、メディア接触時間は増加しています。しかし投下できる宣伝コストには限界があるため、企画ごとの重要度を判断し、投資を適切に配分、設計していく必要があります。デジタルコミュニケーションが中核ですが、全部デジタルにするのではなく、リアル接点とセットで設計することも大切です。今は、以前のような大量のマス広告からシフトし、いかにお客様一人一人に「私だけの情報だ」と思っていただけるかが重要になりました。こうしたパーソナライズ化を含め、コミュニケーションはデジタルトランスフォーメーションを一番必要としている分野と言えるでしょう。 ■組織の質を高め、お客様に最大の価値を提供大量のデータと最新のシステムだけでは良い企画は生まれません。重要なことは「仮説」です。今日の気温が20度として、それが暖かいか寒いかを語るとき前日や平年など他の日と比較しますよね。気温の数字自体には暖かいとか寒いということを示す意味はないからです。同様に、データの数字に意味を持たせるためには何かとの比較が必要です。過去の事実や限られたデータから推定される比較対象が「仮説」です。「仮説」は思い付きでなく論理的に導き出す必要があります。担当者がデータをもとにした仮説構築のスキルを上げられるよう、デジタルマーケティングやデータ分析などの研修を行い、組織のDNAにしていくような取り組みを行っています。既にあるものは活かし発展させながら、新しいものも取り入れていくのは大変です。ゼロから構築する方が楽な部分もあるかもしれません。「パナソニックのウェブサイトが突然なくなってくれたら、理想的に作り直すのに」と思うことがありますね(笑)。今あるものを継続しながら新しいものに切り替えていく。その上で常にお客様に価値ある情報をお伝えし続けています。 ■創業者による経営の極意「雨が降れば傘をさす」当たり前のことを当たり前にやるのが経営の基本ということを、当社の創業者は「雨が降れば傘をさす」と表現しました。デジタルの世界では技術の進化に沿って否応なしにやるべきことが増えます︒それに向き合って対応し続ける。常に最新化されるデータからお客様を知ろうとし続ける。まさにその営みは『雨が降れば傘をさす』の繰り返しです。デジタル技術の進化に対応し、環境に合わせて変化し続けることが私たちにとってのデジタルトランスフォーメーションかもしれません。 message「本物を見る、実物に触れる」ということを大切にして欲しいですね︒身につけるものや文房具、時計など︑少し無理をしてでも良いものにすると自分の目も養われるし、振る舞いも変化します。また、ネットだけに頼らず、イベントや展示会、あるいは話題の現場に行って自分の五感で確かめることも大切ですね。そういう経験の蓄積が社会に出たときに自分の「柱」ともいえる判断基準になります。(津田塾大学2年 宮田紋子)

川浪亜紀

小池徹平 大変なときだからこそ「挑戦を忘れず」人を楽しませたい。

■プロフィール 俳優、歌手。2002年俳優デビュー。ミュージカル『1789-バスティーユの恋人たち』『KinKy Boots』で第42回菊田一夫演劇賞を受賞。近年はドラマ『大恋愛~僕を忘れる君と~』『ギルティ~この恋は罪ですか?~』『書けないッ!?~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない⽣活~』『青天を衝け』、映画『半径1メートルの君』に出演。 「第14回ジュノンボーイ」で芸能界に入り、役者・歌手として活躍する中、2020年にはYouTubeで「小池さん家のてっちゃんねる」も開設し、活躍の幅を広げる小池徹平さん。また一方ではコロナ禍で主演舞台が中止になり苦しんだ1年でもあった。今回の舞台、『魔界転生』やコロナ禍での仕事への想いなどを伺った。 ■人生経験がそのまま出る刺激的なお仕事  高校1年生のときに、新聞に載っていた映画のオーディションがきっかけで芸能界に興味を持ちました。当時、ほんの軽い気持ちでオーディションを受けに行ったのですが、本気で映画に出たい人がたくさんいて、同世代でこんなに夢を持っている人がいるのだということに衝撃を受けました。それでも運よく大阪代表に選ばれたのですが、東京での最終審査に落ちてしまいました。そのときに、これまでの人生で感じたことのない悔しさを感じました。この経験がきっかけとなって、自分はこの仕事に興味があるのかもしれないと思い、芸能界に入ろうと決意しました。  この業界に入って感じることは、仕事をしていることが楽しいから続けられているなと思います。個性ある俳優さんがたくさんいらっしゃる中で、自分はいろいろな役をこなせる役者になりたい。その方が出会える作品も多いはずだと思っています。経験を積む中で、新しい一面を見せていったり、それをどう発信していくかを考えるのは難しいことだと思っています。周りから良かった、楽しかったと言ってもらうために、努力の積み重ねが必要で、大変なこともあります。年を重ねるごとに役も変わっていきます。人生経験を積んで、勉強をしていくことで自分の引き出しも徐々に増えていきます。そしてその引き出しは何個あってもいいと思っていますので、新しいことに対してもアンテナを立ててどんどん取り入れていきたいと思っています。それは大変でもありますが、本当に楽しいことでもあります。そして取り入れたものが仕事に反映され、うまくいったときはさらに嬉しいなと思います。  2020年はコロナに大きく揺さぶられた1年でしたが、趣味が仕事につながるきっかけを得た1年でもあったと思っています。皆さんもコロナ禍で不満や不安がたくさんあると思いますが、何とか楽しさを見つけてやっていこうともがいているはずです。それは僕たちも同じです。自分でなんとか切り開いていかなくてはいけないという気持ちがありました。そして今回、「小池さん家のてっちゃんねる」をYouTubeで配信するという機会をいただくことができたのです。もともと自分で動画を回すことが好きだったし、趣味でやっているダイビングなどの動画もアップし、皆さんと共有しながら楽しんでいけたらいいなと思います。このような、自分の好きなものや生活を自分で配信できるようになったのは本当に良かったです。何でも挑戦することが大事です。もっと自分の人間性を知ってもらえたらいいなとも思っています。役者以外のこともやっている、この人面白いなと思われる仕事もやっていきたいです。  少しずつですがコロナ禍でも演劇界は動き始めています。皆さんもドラマを見たりするかと思うのですが、やはり「役者」という仕事はなくならないなと改めて思いました。役者は元気を与えることができる仕事だと思います。これからも頑張っていきたいです。 ■生で演じる空気を感じてほしい  去年の12月ごろに、たまたまいろいろな仕事が重なっていたのですが、それぞれの現場でそれぞれの色があります。たとえば、舞台は一度始まったら止められない、一発勝負の緊張感がすごいあって、そこを乗り越えたときの達成感はたまらないものがあります。また一方でドラマは、映像として残るということや、何度も同じ演技をするということもあって、本当に集中力がいります。どちらも楽しいですね。  『魔界転生』も写真撮影や取材を受けている中で、気持ちが入っていって気分も高まっています。今回、前回公演の映像を観させてもらったのですが、舞台は時代劇なのにプロジェクションマッピングといったような現代技術がすごく駆使されていて、SFチックなエンターテインメント性の強い舞台になっているんです。ここ数年、僕自身はミュージカルの仕事が多くて、歌のない舞台は本当に久しぶりです。それだけに今回のお話は本当に嬉しかったです。  コロナ禍で今まで通りにいかないところはありますが、皆さんにもぜひ生のお芝居の良さを知ってもらいたいなと思っています。映像も素敵ですが、こんな時だからこそお芝居を肉眼で見て、空気感を感じてほしいと思います。ぜひ舞台に足を運んでみてください。その上で演劇がもっと身近なものになって、皆さんに遊びに来てもらえる劇場づくりができたらいいなと思っています。 ■心に残る一生の思い出を共有してほしい  周りの人との思い出をどんどん増やしてほしいです。そしてどんどん本音でぶつかっていってほしいなと思います。コミュニケーションがとれる機会があるというのは大事なことです。暗い気持ちになったときはお互いに励まし合ったり、馬鹿なことして楽しんだり。どんな過ごし方をしていても思い出として残るんですよね。勉強とかはぼんやりとしか覚えていないのですが、どんな遊びをしたかとかは心で覚えています。今は直接会える機会は少ないけれど、オンラインで顔を合わせることもできるようになったし、そういうことがモチベーションにもつながるし、本当に楽しい。どんな形でも仲間とぶつかり合って、嬉しいとか楽しいと思うことをどんどん共有してほしいなと思います。その一つに演劇が加わってくれればと思っています! 学生新聞 2021年4月1日号より 津田塾大学3年 川浪亜紀 『魔界転生』 18年初演で大ヒットしたエンターテインメント時代劇の再演。天草四郎をはじめ、名だたる剣豪たちが妖術で蘇り、徳川幕府と対決する。原作/山田風太郎(角川文庫刊) 脚本/マキノノゾミ 演出/堤 幸彦 出演/上川隆也 小池徹平 藤原紀香 ほか 4/7~4/11愛知・刈谷市総合文化センター4/16~4/28福岡・博多座5/4~5/28東京・明治座6/2~6/10大阪・新歌舞伎座 写真撮影:プロカメラマン 広田成太 <英文記事> Teppei Koike  I want to make people enjoy “without forgetting the challenge,” especially in difficult situations.  ■Profile: Actor, singer. Debuted as an actor in 2002. He won the 42nd Kazuo Kikuta Theatre Award for...

経営者

大塚食品株式会社代表取締役社長 白石耕一

「おいしさ+α」にこだわり続け、健康の先にある幸せ・喜びに貢献する ■プロフィール 1968年福岡県生まれ。1990年大塚製薬株式会社入社。2005年、韓国東亜大塚株式会社マーケティング担当理事(出向)。2014年、大塚製薬株式会社ニュートラシューティカルズ事業部広島支店支店長。2017年、同事業部製品部長。2020年3月、大塚食品株式会社代表取締役社長に就任。 世界初のレトルト食品“ボンカレー”や大豆ミートを使用した“ゼロミート”など、常に食品業界にイノベーションを起こしてきた大塚食品。健康や環境など、「おいしさ+α」を追求し続ける姿勢はすばらしく、それをさらに極めようとする白石社長の展望を伺った。  体育会で野球ばかりしていた学生時代でした。プロを目指していたのですが、結局、そこまでの実力はなく、大学3年生のときに就職を考え始めました。受けたのはものづくり企業ばかりですが、それはアイデアをすぐに形にできると思ったからです。それと平行して当時は獣医になりたいという思いもありました。動物行動学などは図書館に行って自分で勉強しました。そこで得た学びは今でも生きています。実は、人間も動物も行動の理由はほとんど変わりません。 獣医になりたいと思って読んだ本は今でも鮮明に覚えています。いろいろなものに興味を持って、一生懸命それに向かっていました。そうして見聞を広げることで知識も深まり、話題も多くなっていきました。興味の湧いたことを、その根拠にたどり着くまで好奇心を持って深掘りしていく。そうやって表面的ではないインプットができれば、自然とアウトプットもできるようになっていきます。 ■理不尽さは前向きに、失敗は深く掘り下げる  1990年、大塚製薬に入社しました。大塚は身の回りにたくさんの製品が存在する企業なので、街で自社製品を持っている人を見かけるとすごく嬉しいものです。製品を通じて人々が喜んでくれる。そこに関われているということにとても満足感がありました。 入社後は営業に明け暮れていましたが、中でも今の自分の考え方に影響を与えているのは韓国への出向経験です。言葉も文化も違う中で、同じ人間同士、共に仕事をしていく。そこにはさまざまなコミュニケーションの形がありました。言葉が通じないので、表情や仕草で相手の気持ちを読み取るしかなく、苦労しました。それ以来、人と話すときには言葉以上のものを感じ取れるようになりました。それと同時に、改めて「大切なのは人だ」と強く認識することができました。組織はやはり人です。人で作られるものです。 そうした経験を経て、大塚食品に来ました。苦労はたくさんありましたが、常にポジティブに考え、理不尽なことがあってもこれはゲームなのだと思うようにしていました。失敗したときは周りのせいにせず、自分に原因があるのだと考えて、その理由を深く掘り下げる。そうすることで失敗を成長の糧にしてきました。 ■「おいしさ+α」で必要とされる製品を  食品会社なので、おいしく作るのは当たり前です。おいしさ以外にどんな良さがあるのかが大切で、われわれはその良さをきちんとした根拠に基づいて説明できる製品づくりをしています。 弊社製品の原材料名は裏面を見ていただければわかると思いますが、添加物は極力使っていません。また、一般的なレトルト食品では事前に処理された冷凍野菜を使うことが多いのですが、ボンカレーは違います。生の国産野菜を使い、手作業で皮をむいたり、芽取りをするなどしています。それはお母さんの手作りの味をコンセプトに製造しており、より深く健康にこだわった製品づくりをしているからです。 さらにこだわりは健康だけではありません。たとえば、ミネラルウォーターの「クリスタルガイザー」ですが、キャップはどうしてあのような薄い形をしているのかわかりますか?薄くすることでプラスチックの使用量が激減するからです。ビンやカンに比べ、プラスチックは環境への負荷が大きい。今後はペットボトル自体も再生樹脂に変えていこうとしています。おいしいのは食品企業として当たり前です。それ以上に、どのような+αの貢献ができるのかを常に考えています。 われわれは生活者である皆様のお役に立ちたい。この製品がないと困る、必要だと言われたいと思っています。今は日本国内がメインですが、将来はアジア、さらに世界へと活躍の場を広げていきたいです。世界の人たちの健康にこのブランドを通して応えていきたいと思っております。そして社員みんなに幸せになってほしいですね。 ■人間力のある人と一緒に働きたい  一緒に働きたいと思うのは、まずは大塚食品を好きだと思ってくれる人ですね。私自身大塚の製品が好きで、日々自分で食べたり飲んだりしていますが、改良点などはそうやって製品と接する中で見えてくるものです。だから、会社を好きなことが一番なのです。それと同時に、コミュニケーション能力があり、考え方がポジティブな方。そのような方は、誰からも魅力的だなと感じてもらえると思います。 ■message  興味のあることは、その根拠にたどり着くまで深掘りしてほしいですね。勉強だけではなく、あらゆることに好奇心を持って、後悔しないように全力で取り組んでほしいと思います。学生時代はそれができる時間も環境もあります。音楽、読書、スポーツ観戦など何でもいいのでとにかくいろいろなものに触れて、興味が出たものは深掘りする。「なんで?」という視点で考えてみて、疑問点を追求していく。そういった経験や知識が心の引き出しを増やしていって、人間力につながっていくのだと思います。 学生新聞2021年4月号 慶應義塾大学1年 宮田峻輔

経営者

ニチコン株式会社  代表取締役社長(COO) 吉田茂雄

みんなで喜びを分かち合い、成長できる企業に ■プロフィール 関西大学卒業。ニチコン株式会社に入社後、シンガポールや香港など海外での駐在を経て、2009年取締役執行役員、2013年6月に代表取締役社長に就任。電子・電気機器に欠かせないコンデンサや、蓄電システム、V2Hシステム、EV・PHV用急速充電器などエネルギー・環境関連ビジネスを展開中。  私は商店街の真ん中で育ったので自然と商学部を選んだのですが、当時は何を学びたいのかはっきりしていませんでした。友達の誘いで入ったクラブ活動の会計学研究会では、結果としてゼミの選択や社会人スタートのきっかけとなりましたが、今では論文発表会、合宿の企画で苦労したことやクラブ伝統のアルバイトをしたことがなつかしいです。 ニチコンを知ったきっかけは、就職活動の終盤にゼミへ卒業生がリクルートにきたことで、そこからすぐに会社訪問、即面接でした。当時はPCやCDなど新しいものが次々と発売されていた時代でした。私はモノづくりに関わる仕事をしたいと思っていて、電気や電子にも興味があり、入社を決めました。友達やゼミの教授、会社の先輩とのつながりでこの会社に出会えたので、人とのつながりは非常に大切だと思います。 ■仕事で目指すものは何ですか  製品を通して社会に貢献し、世の中で認められることが一番嬉しいです。会社では上司も部下も同じチームで働いているので、成果が出て「いい会社だね」と言われると従業員全員で喜びを分かち合えます。だから、どのようにチームを成功に導き、社会とつながるかを常に考えています。今後も最先端の製品を出し続け、「ニチコンは次に何を出してくるのかな」と楽しみにしてもらえるような会社にしたいです。 また、思いを共有できる仲間と一緒に働きたいと思っています。私自身、武田会長の『誠心誠意』『今日を真剣に生きる』という言葉やその実行力に感銘を受け、そのような会長が憧れでもありました。だから、決して諦めない、という強い思いを持った積極的な人を求めています。 ■message  いろいろな人や文化と接点を持ち、たくさんの経験をしてほしいです。一つの分野にこだわらず、文学や音楽などさまざまな分野に興味を持ってください。親や教授、先輩から話を聞くのもひとつだし、本を読むのも良いです。そして、知ったことを皆で話し合い、意見をぶつけ合ってください。自分と他人との違いを知り、新しい発想を学ぶことで、さまざまな角度から話ができるようになります。自分にできることを探して、決して諦めないでください。そして自分の信じることにチャレンジし続けてください。 学生新聞2021年4月号 京都府立大学2年鵜川紗和子

DX・WEBマーケティング

カルビー株式会社 マーケティング本部デジタルマーケティング担当マネー...

デジタルならではのコミュニケーションを探る挑戦 ■プロフィール 大学卒業後、SIerにて通信やウェブシステムの設計、構築に従事。その後ナビゲーションサービスの運営会社にて、大規模なデータベースや検索エンジン、音声操作UI等の開発をリード。2017年5月にカルビー株式会社に入社。事業開発本部にてアンテナショップ等のデジタル化を推進。2019年4月よりデジタルマーケティングを担当。 ポテトチップスの国内シェア7割を誇り、スナックフードのリーディングカンパニーであるカルビー。そのカルビーのマーケティング部門に在籍している関口さんに、デジタルマーケティングの役割やお菓子業界ならではの取り組み、消費者との関係性構築についてお話を伺った。  私は前職までずっとIT業界にいました。しかしIT、特にソフトウェアやサービスは有形のモノを作ることはできません。もっと人の本質に近いところで仕事をしたいと考えて、食品業界へ転職しました。なぜカルビーを選んだか?カルビーには新しいことにチャレンジできる風土があることが大きかったですね。 新しい商品やサービスを作ったりするには、なんといってもお客様に寄り添い、お客様を知ることが大切です。当社のお客様相談室にお寄せいただく声のなかから、商品開発につながることも少なくありません。 ■デジタルの仕組みで何を実現するのか  当社はスナックフードを中心とした会社です。商品は店頭で実際に手に取って購買されるものですから、お客様との最大の接点は売り場です。そして商品のパッケージが重要な要素のひとつです。デジタルで単発的に広告を出すことによって、消費者の行動変容まで結びつけるのは相当難しいと考えていますし、お客様が望んでいるとも思えません。 デジタルマーケティングというと、広告の展開や検索順位という点に注目が集まりやすいのですが、われわれはそれだけを追い求めることはしません。 広告をするための手法ではなく、お客様のことをどのように知るのか、お客様にわれわれのメッセージをどう届けることでファンになってもらうか。お客様との距離を縮めるための仕組みに、デジタルの仕組みを使えないか、という考え方です。 ■お客様をより知るためにアプリやSNSを活用  当社では、2020年9月にスマホアプリを公開しました。食べ終わった商品のパッケージを特定の方法で折り、写真撮影することで、ポイントがもらえる仕組みです。そのポイントを貯めて、工場見学などの体験賞品に応募できます。環境のことを考えながらお客様と一緒につくりあげていくアプリになっています。 そして購入した商品をお客様が登録するため、どのような商品を手に取られたかもわかるようになりました。従来、小売店までに留まっていたデータが、われわれメーカーも活用できるようになったのです。これは大きな一歩です。 ■お客様への提案も大切な要素  カルビーにはロングセラーブランドの「ポテトチップス」や「サッポロポテト」、「かっぱえびせん」があります。どれも皆さんがご存じの商品だと思います。ご両親がお子さんのために購入するのは「かっぱえびせん」や「サッポロポテト」が多いと聞きます。一方で学生の皆さんがコンビニで手に取るのは何でしょうか。恐らくこの2つのブランドを選ぶ方は少ないのではないでしょうか。 子どものころから食べ慣れて親しんだスナックであるにも関わらず、いつの日か遠のいてしまう。でもまたライフステージが変わると戻ってきていただける。とても面白いブランドだと思います。 喫食タイミングや場所、シーンによって選ばれるお菓子は変わります。そのシーンとわれわれが提案する商品のイメージがうまくマッチして、お客様の記憶に残っているときに購買につながります。われわれがお客様を理解せずしてその提案ができるとは思えませんし、その理解のためにSNSも有用です。無理にブームを起こそうとしたりせず、また作り手の押し付けにならないようなコミュニケーションが理想です。 何よりもお客様に楽しんでいただきたいですし、運営するわれわれも楽しみたい。バランスが大事ですね。 ■Message  社会では、ときに自分の希望とは異なるタスクに出会うこともあります。そのような場面でも、きちんと取り組むと、やりたい仕事に対峙した際に活用できる発想力を養うことができます。本当にやりたい仕事が出てきたときに活かせるよう、実力をためておく姿勢を大事にしてください。 また、大学生活ならではの経験や知識を蓄えましょう。何より考えること、気づくことが大切です。 学生新聞別冊2021年4月号 駒澤大学4年 安齋英希

安齋英希

株式会社プレミアムウォーターホールディングス代表取締役社長 萩尾陽平

日本のおいしい水を世界へ届ける 1978年福岡県生まれ。高校卒業後、アメリカの大学へ留学。大学院進学を前に一時休学し、23歳でエフエルシーグループの前身となる会社を起業。2004年、株式会社エフエルシー設立。2016年、経営統合により株式会社プレミアムウォーターホールディングスの代表取締役社長に就任。趣味はトライアスロン、ゴルフ、水泳。 保有契約件数115万件を突破、業界シェアNo.1を誇る、プレミアムウォーターHD。ユニークな生き方や考え方を持ち、営業一筋で走り続ける萩尾社長。世界一と言われる国の経済・歴史を現地で体感し、皮膚感覚でつかむ社長だからこそ伝えられる、社会で大切なことは何かを伺った。  高校卒業後、すぐにアメリカの大学に進学したのですが、ネイティブと比べると語学力にかなり差があり、授業内容を理解するだけでも苦労しました。私は18歳の頃から、なぜこの国の経済が強いのかなどを考えることに興味があり、若いうちにアメリカに行き世界一の場所を肌で感じたいと思っていました。 当時、現地で感じたことや経験したことが、いま会社を経営する際の会社をどう強くしていくかや組織論に活かされていると感じます。国の歴史を学び、国がどう強くなってきたかは、会社をどう大きくしていくかと共通していると思うからです。 在学中に医学を志し、大学院を目指しましたが、親の収入だけでは学費が足りず、1年休学し日本へ一時帰国しました。そして資金を貯め、アメリカへ戻ろうと思いました。 日本では朝から晩までアルバイトに励み、歳の時に独立し、いまの前身である会社を作りました。会社が成長していくにつれ、結果が出ることに喜びを感じ、アメリカには戻らない選択をしました。 当時の仲間と何気ない会話から上場しようと決めましたが、調べるうちに1つの商材だけでは上場できないことがわかり、取り扱う商品を増やそうと考え、そのときに出会ったのがウォーターサーバーです。サーバー販売は、アウトバウンド営業で獲得したわりには他商材と比べ解約率が非常に低く、需要と供給のバランスが合う商品だと気づきました。また、自社の営業力で差別化が図れるビジネスモデルであったため、急速にウォーターサーバーのビジネスにのめり込んでいきました。はじめは代理店という形で、さまざまな会社のウォーターサーバーを販売し、その後、より良い製品を販売したいという気持ちから、メーカーにオリジナルブランドを製造してもらう「OEM」という形をスタートさせましたが、せっかく販売するのであれば、自社で工場を持つメーカーになりたいという気持ちが日々高まってきました。当時、国内最大の天然水の品質と生産能力を持ったウォーターダイレクト社と、国内最大の営業力を有する弊社が統合することで、さらに業界のシェアを拡大することができると思い、現在のプレミアムウォーターホールディングスが誕生しました。 ■会社の価値を最大化させるのが一番のやりがい  水は「安心・安全・おいしい」が重視されますが、安心・安全な水だけでは差別化は図れません。私たちは、ユーザーを増やすことで水源を増やし、製造コストを下げ、配送効率を上げることで、業界での優位性を創出しています。開発からアフターサービスまで一貫して手掛けることができるからこそ、より魅力的な商品・サービスを提供できると感じます。とはいえ、日本でのウォーターサーバーの普及率は、業界全体でも8パーセントほどです。まだまだ成長できる環境はありますので、自社で20パーセントまで伸ばし、1000万ユーザーを目指したいと考えています。 上場しているため、会社への投資をどれだけ最大化できるかに尽きると思います。株価をあげることも大事ですが、企業価値の最大化が一番の責任であり、そこにやりがいを感じます。 ■共感できて自分の道標がはっきりしている人  一緒に働きたいと考えるのは、『自社の活動を通じて人々の生活を豊かにし、そして世界で一番愛される会社へ』というビジョン、『社会的意義を果たし、地方創生を実現する』というミッション、弊社をもっとも象徴させる『自由と責任』というPWHDスタイルに共感できる人です。 雇われているという感覚ではなく、自分自身を成長させ、自分の価値を高めることで高給と好待遇を常に求めていける人材が集まってくれたら嬉しいと思います。 従業員持株会も、自分の頑張りが会社の企業価値に繋がっていると感じられることが大切です。社員が会社に投資したいと思える会社にしていかないといけません。みんなの努力の結果が株価に現れ、結果として社員の資産を増やすことができれば、皆の人生がより良いものになっていくと思います。 私自身はアポイントがあるときにだけ出社し、予定を入れすぎないようにしています。時間に追われるのではなく、経営においては考え、創造する時間が大切だと考えるからです。結果を出すことは最低限のことであり、空いた時間を自分で作り、よりクリエイティブな仕事ができるかが、トップに求められていると思います。 水という資源は、世界においても大変貴重な天然資源であります。日本の天然水の良さを、まずは日本の人にわかっていただくこと。そして、日本の天然水をこれまで以上に、世界に発信していけるよう、価値と信頼性の確立をしていければと思います。 ■message  自分たちは学生だからと言って可能性を狭める必要はありません。生まれたときから社会の一員です。いつかはみんな親を守らないといけないし、家族を持ったら子どもの成長も見守らないといけない。みんなとのレースはすでに始まっています。学生だからという言葉に甘えず、さまざまなことにチャレンジし、たくさん失敗することで、社会の一員として経験を積んでいってもらいたいです。 学生新聞2021年4月号 駒澤大学4年 安齋英希

経営者

湯快リゾート株式会社 代表取締役社長 西谷浩司

旅館の常識を破る取捨選択により、日本の温泉を身近にする ■プロフィール 東京工業大学大学院システム科学専攻を修了後、マッキンゼー入社。ロンドン・ビジネス・スクール(LBS)への留学後、GEキャピタル、GEエクイティーへ。その後、ミスミグループ取締役就任を経て、2010年、本間ゴルフ代表取締役社長に就任。同社再建後、2019年6月湯快リゾート株式会社代表取締役に就任。  学生時代はいろいろなサークルに顔を出したり、さまざまなアルバイトもしました。就職活動では「会社ってどうなっているのかな」という興味から、必ずしも志望しているわけではない会社もたくさん訪問しました。結果的に学生だからこその視点で社会や会社の実態を見ることができたのではないかと思っています。 私は新卒で入社してから今日まで、実は7回転職しています。経緯はさまざまですが、自分のやりたいと思うことに加えて、「お役に立てるならぜひ」という、求められるところでベストを尽くすということも大切にしてきた結果だと思っています。 ■旅館の常識を破り、日本の温泉を身近にする  今、湯快リゾートでは、「日本の温泉を身近にする」というビジョンに向かって仕事をしています。日本の旅館は平日でも1泊3万円くらいはします。それはそれでおもてなしとしてすごく素晴らしいですが、特別な日にしか行けず、行ける人や頻度も限られてきます。 そこで湯快リゾートでは、皆様に温泉をもっと身近に感じてもらいたくて、当たり前だと思われているサービスを廃止しました。たとえば、従業員がお客様のお部屋に行き、布団を敷くこと。湯快リゾートでは始めから敷いてあります。このように、無くても良いのではないかと思うサービスや旅館業界のしきたりを見直し、より付加価値のあるものを追求していくことを、グイグイ推し進めていきたいと思っています。 私が大切にしている言葉があります。「人事を尽くして天命を待つ」です。やるべきことをしっかりやっていれば、後悔することは少なくなります。プレッシャーという言葉を突き詰めていくと、もっとやらなければいけないことがあるんじゃないかとか、出来なかったらどうしようとか、そういう不安な気持ちが根本にあるんです。やるべきことをしっかりやっておけば、プレッシャーとは無縁なはずです。 ■message  今、世の中は大変革期です。変革期はピンチであると同時にチャンスでもあるのです。世の中の趨勢をある程度視野に置きつつ、自分は何を良いと思うか、何をしたときに嬉しいと感じたかなど、心の動きに敏感になってください。そして自分を理解し、興味や関心があることには積極的にチャレンジしてほしいです。行動は人生の満足感や納得感を高めてくれます。 学生新聞2021年4月号 大阪教育大学4年 清水悦子

DX・WEBマーケティング

株式会社ディー・エヌ・エーゲーム事業本部マーケティング統括部UXブース...

テクノロジー×クリエイティブで広告効果を最大化 ■プロフィール 2009年に株式会社ディー・エヌ・エーに新卒入社。2012年からマーケティング領域に従事し、アプリマーケティングの立ち上げ、様々なゲーム/エンタメアプリのデジタルマーケティング担当を経て、2016年よりゲーム領域のデジタルマーケティング責任者に。2020年より現職。 ゲームや動画配信などのエンターテイメント事業と、ヘルスケアやオートモーティブなど社会課題を解決する事業を行い、2つの領域で事業を展開しているDeNA。どのようにターゲットにメッセージを伝えし、浸透させていくのか、ゲーム領域のマーケティングのマネージャーである川口さんにデジタルマーケティングについて伺った。  DeNAのデジタルマーケティングでは集客を目的としたスマートフォンの広告出稿をメインの業務としています。具体的には、アプリの新規ダウンロードを目的に、Face-bookやTwitter、YouTubeなどの大規模メディアの運用広告を活用しています。運用広告では、広告経由のダウンロード数やそこから生み出された売上などの数値をリアルタイムに把握することができるので、効果を見ながらターゲティングや広告クリエイティブを都度調整しながら効果を最大化させていっています。  デジタルマーケティングの仕事の魅力は、PDCA(plan-do-check-act)サイクルが短く、仮説検証を大量に繰り返せることと、大規模メディアの技術力により広告自体の進化が非常に速いことだと思います。また、媒体社や広告代理店など社外の方と話すことが多く、社外の様々な方と議論しながら仕事ができることも魅力の一つです。 ■広告は目的に合わせて使い分け  デジタルマーケティングとテレビCMなどのマスマーケティングはそれぞれ特徴が違うため、DeNAではどちらも重要視しています。例えば、テレビCMは幅広いターゲットに伝えることができるので、1周年企画などの大規模出稿の際に展開することが多く、デジタルマーケティングはターゲティングを細かくできて少額からでも配信可能なので定常的な施策として利用するなど、デジタルとマスをマーケティング戦略に沿って使い分けています。   ただしデジタルマーケティングにおいても、やはりどういった広告クリエイティブを出すか、「いかにユーザーの心を動かすか」といったエモーショナルな部分も大きく効果に影響するので非常に大事にしています。 ■「伝わる」方法をきめ細やかに模索する  広告以外にもLINEアカウントやプッシュ通知などにも多くの工夫を凝らします。伝えたい内容を小さな画像や短い文章でどう適格に表現するか試行錯誤しますし、通知を送るタイミングも議論を重ねます。例えば、スマートフォンの画面に表示される画像領域や文字数を意識して画像やテキストを作り、複数の候補の効果を比較してよりよいものにどんどんブラッシュアップしていきます。 また、通知タイミングに関しては、通知を見てもらえなければ意味がないので、ユーザーの方の生活を想像して「日中は仕事だから、時以降、でもそのタイミングは各社狙うゴールデンタイムで通知が集中してしまい結果見てもらえないのでは?じゃあ、18時59分にしようか」などと試行錯誤を繰り返すイメージです。 ■生き続けるDeNAQuality  私の就職活動時代、DeNAは若い人にも裁量権があり、いろんなバックグラウンドを持つ人が多く、ここに入ったら楽しく働けそう、成長できそうと感じたので入社を決めたのですが、若い人にも裁量がある組織である理由として、DeNAQualityという行動指針が浸透しているからだと思います。DeNAQualityの一つに、役職にかかわらず、しっかりと自分の考えを示す「発言責任」があります。新入社員だったとしても、相手が先輩や上司であることを理由に遠慮して発言しないことをよしとせず、自身の意見を発信することを求められます。 このDeNAQualityが、組織の規模が拡大していっても守られてきたことが、現に若い人の裁量権があることに繋がっていると感じています。 ■message  学生時代は学生時代しかできないことをやってほしいと思います。例えば飲食店でアルバイトするとか、いろいろなところに旅行にいくとか。そういった経験が社会人になったあとにユーザー理解という文脈で生きてくることも多いと思います。  社会人になってからは、どんな仕事でもまずは必死にやってみることをおすすめしたいです。仮に今の自分がやりたいと思っている仕事じゃなかったとしても、そこから得られるスキルは必ずあります。また、必死にやることで自分に向いている仕事や自分のやりたい仕事の解像度があがっていくと思うので、是非そういったマインドで社会人になってもらえると良いな、と思っています。 学生新聞別冊2021年4月号 横浜市立大学3年 小熊結菜

如意太一

KLab 株式会社 代表取締役社長 CEO 森田 英克

エンターテイメントコンテンツで、世界中のユーザーをひとつにつなげる ■プロフィール 法政大学社会学部を卒業後、WEBプランナー、モバイルコンテンツプロデューサーを経て、2002年にKLab(旧ケイ・ラボラトリー)に入社。2007年、コンテンツビジネス事業部長。2008年、コンテンツメディア部長。2010年、執行役員KLabGames部長。2012年、専務取締役。2019年3月より代表取締役社長に就任。 ゲームの運営は皆様の声が原動力、と語る森田社長。“エンターテイメントコンテンツで世界中のユーザーをつなげること”をビジョンに、コロナ禍で海外に行けない状況にあっても、ゲームを通じで多くの人たちにつながってほしいと語る。その熱い思いを伺った。  高校年生までは全く勉強をしていなかったのですが、このままではだめだと思い、最後の1年間は一生懸命勉強しました。受験日まで年を切り、時間が無いことに気づいたので、ただやみくもに勉強するのではなく、まず問題研究から始め、受験する大学が出題している過去問題を徹底的にやりました。その結果、法政大学に合格したのですが、偏差値が高いといって恐れるのではなく、やり方を考え、作戦を立てれば必ず突破できるということを学び、この経験が自信につながりました。 大学入学後はインディーズのバンド活動に力を注いでいて、そのクリエイティブさに夢中になりました。その影響からファッションや音楽関係の企業を中心に就職活動をしていました。歳までバンドを続けていたのですが、仕事よりも音楽活動が中心の生活でした。個性の違う人たちと何かを作っていくには協調性が必要です。仲間と一緒にイベントを企画したりしていましたので、主体性も身についたと思います。その反面、20代前半で人生のキャリアプランについて真剣に考えていなかったという反省もあります。 ■ゲームでつながるサービスのポテンシャル  大学卒業後は小売関係の会社で働いていましたが、自分に合っていないと思い、2年で辞めました。その後、WEBデザインやモバイルサイトを作る仕事をやっている中で、サイト運営に興味を持つようになりました。お客様が課金するサイトでは、私たちがいいサービスを作れば登録者も増え、収入も増えることが目の前でわかり、課金制というビジネスモデルが面白いと思ったのです。モバイル端末でこれから新しい未来が開けるというワクワク感と実際に市場がすごい勢いで伸びていることがわかり、若くてもこの分野で成果を上げることができると思うようになりました。 KLabもシステム開発などをやっていく中で、モバイルを通してお客様がつながり、一緒にゲームを楽しむサービスは、絶対にポテンシャルがあると感じるようになり、日本にソーシャルゲームが入ってきたタイミングでゲーム業界に参入しました。 このビジネスは自分たちでサービスを作ってネット上で提供し、お客様にお金を払ってもらうというビジネスモデルです。仕事をしていくなかで、いろいろな人と協力しながら面白いアイデアを見つけ、磨き上げ、世の中にリリースしていきます。その結果、大きな反響を得られたときは、ランキングやSNS上の書き込みでリアルに結果が見えるようになり、うまくいったときの達成感は格別なものがあります。 一方では、自分たちが作っている作品が本当に面白いのか、自問自答する日々です。その結果、品質を向上させるために今あるものを疑い、ときには勇気を出して作品を作り直すことも多く、そこがこの仕事の難しいところです。  また、私たちの会社は世界に向けてグローバルに展開しています。海外でゲームをリリースする際に、法律や文化などがそれぞれの国によって違うため、一つひとつ調べていかなければならないうえに、運営が始まった後では新しいイベントが始まるごとに対応言語を全て用意しなければならないのがとても大変です。 一緒に働く仲間は素直な人がいいですね。素直な人は成長余力があり、人からの指摘や自分の経験をまっすぐに受け止め、次の成長に活かすことができます。現在はスキルが不足していてもすぐに成長していくため、素直であることが大切だと思います。前例主義にならず、今やるべきことや勝つために何をすべきかを自分で考え、チャレンジや失敗を恐れない人と一緒に働くのは楽しいです。 ■視野は広く、世界を身近なものへ  日本だけでなく海外でKLabGamesという名前がゲームメーカーとして認知され、世界中の人たちに楽しんでもらえるようなゲームが作れればいいなと思います。そして、エンターテイメントコンテンツで世界中のユーザーをひとつにつなげることが私たちのビジョンです。コロナ禍の今、私たちができることは何かを考えたときに、世界中の人が携帯端末を持っている現在、ゲームを介して簡単に世界とつながることができます。物理的に行き来はできませんが、オンライン上で世界中の人たちがゲームで対戦したりコミュニケーションを取ったりという場を提供することが私たちの存在意義だと考えています。そして今よりももっと大きな規模で事業展開できるように頑張っていきたいと思っております。 ■message  周りの意見に左右されず、やりたいことを貫いてください。社会が多様化している現在、できないことはないと思っています。自分がやりたいと思うことを極めていけば、それがビジネスになっていくと思います。多様性とは他人の個性を認め、リスペクトすることです。 最後に世界を意識してほしいです。今や競争相手は海外です。海外で勝ち抜けるビジネスパーソンになることは必須だと思います。視野を広く持ち、世界規模でアプローチしていってほしいですね。 学生新聞2021年4月号 駒澤大学4年 如意太一

神田理苑

井上苑子 「言葉」は最高の自己表現ツール。だからこそ言葉に愛を込めて...

■プロフィール シンガーソングライター。神戸市出身の23歳。小学6年より作詞・作曲と路上ライブを始める。ミュージックビデオの総再生回数は1億回を突破。また、歌手としてだけでなく、映画・ドラマ・CM・YouTubeなどマルチに活動する次世代のシンガーソングライター。 ■学生時代はどう過ごされていましたか  小学校・中学校のときは、大勢でワイワイ言いながら過ごし、学校行事にも積極的に参加するような学生でした。女子校だったこともあり、無意識のうちに集団行動をしていました。一人で行動するような大人っぽい人を羨ましく思っていたときもありました。 小さい頃から歌うこと、人前でパフォーマンスをすることが大好きでした。小学5年生から今の事務所に所属し、「歌手になる」という夢に向けてひたすら走り続けていました。高校生になって東京に出てきたのですが、そのとき上京を決意できたのは少しでも夢に近づける気がしたからです。 ■歌と言葉についてお聞かせください  歌はこの上なく楽しいものです。もちろん、趣味から仕事に変わる中で苦しい思いもしましたが、それ以上に歌には「人生そのものを考えさせる力がある」と感じています。私は歌を通して「誰かに何かを思ってもらいたいし、刺激となればうれしい」と思っているので、自分自身も周りから刺激を受け続け、現状に甘えないように心がけています。そして言葉は私にとって自己表現にもっとも適したツールなのではないかと思っています。自分の考えを相手にきちんと言葉で伝えたいですし、伝えて理解してもらえるととてもうれしいです。だからこそ言葉をたくさん愛し、自分が発する言葉に最後まで責任を持ちたいと思っています。 ■大学生へのメッセージをお願いします  大学生はたくさん悩みや葛藤を抱えていると思いますし、実際皆さんと年齢が近い私も悩みはあります。しかし、苦しいときでも自分が好きなことをしているときは最高に面白いと信じ、それに対する知識量は誰にも負けないと自慢できるくらい突き詰めていってほしいと思います。 ■取材を終えて  井上さんの楽曲は歌詞に力強さがあり、どうしてこれほど心に響くのだろうかと考えていたのですが、お話を伺う中で、「ことばを愛しているから」だと気づかされました。社会がデジタル化される中で、言葉へのこだわりが薄くなってきているように思います。だからこそ楽曲を通して言葉と向き合う姿勢を学びたいと思いました。 学生新聞2021年4月号 日本女子大学2年 神田理苑

DX・WEBマーケティング

株式会社GAtechnologies 執行役員CMO 田吹洋

テクノロジーによりお客様と寄り添い世界的な企業に ■プロフィール 明治大学卒。新卒でイマジニア社に入社。企画やマーケティングに従事する。その後カカクコム社にて事業開発やマネジメントを担い、ITスタートアップ企業でマーケティグ責任者を経験。2018年、当社に入社し、プロダクト企画・マーケティング部門の責任者を務める。 日本のみならず世界を見据えて不動産事業を展開するGAtechnologies。学生時代に音楽イベントを開催した際、どうすればより多く集客できるか考える中で「インターネット」の力を体感したという田吹CMO。デジタル技術がどのように不動産事業と結びついているのか、大切にしていることは何か伺った。  学生時代は音楽イベントを開催して、毎回300~400人の集客をしていました。それだけの人数を集めるのは容易ではなく、いつも必死に考える必要がありました。そのころ、ブログが流行り始めていて、集客に利用できるのではないかと感じ、実際に活用してみたところ、以前よりも人が集まったのです。その経験を通じて、「不特定多数の人に対して情報が一斉に伝わるインターネットの仕組みは目覚ましい力を持っている」と実感し、ITという分野に興味を持ちました。 就職活動を経てIT企業に入社しましたが、当時インターネットでモノが売れるということは理解されませんでした。しかし、日に日にインターネットが普及し、人々の意識が徐々に変化して「リアル」との垣根がなくなっていくのを実感していました。 そしてある時、弊社代表の樋口と出会い「、インターネットだけではなくリアルも鑑みてやっていかないと価値向上はない」と言われたことをきっかけに弊社に興味を持ち、転職して現在の仕事をしています。 ■GAtechnologiesが大切にしていること  GAtechnologiesは「認知・理解」「比較・検討」「申し込み」「契約後」という4つのステップをお客様に寄り添いながら行っています。 一般的に、「認知・理解」のステップを大切にしている企業は多くあると思います。しかし弊社では、販売まで自社で行っていることもあり、「より深い情報」をお客様にウェブ上で提供できるとともに、4つのすべてのステップについてお客様の反応をダイレクトに感じて仕事ができるので、より早く、スピード感をもって対応することができます。そうした、お客様と寄り添いながら仕事ができることは、私たちにとっても、魅力であり面白さでもあります。 ■グローバルな事業展開の魅力と課題  GAtechnologiesのビジョンは「世界のトップ企業を創る。」です。弊社では日本だけではなく、世界を見据えて仕事ができます。例えば、日本の物件を海外の方へ販売するなど、グローバルな事業展開していることも面白いと感じています。 日本国内だけではなく世界的に事業展開をしていくうえで、日本との市場環境が大きく違うことがあります。その一つが、海外と日本の物件管理システムの違いです。日本であれば、契約が終了するとデータベースに登録するなど、一連のシステムが確立されています。しかし海外だと、そうした仕組みのないところがあります。また、物件の情報をアップデートしていく仕組みがない場合があるので、そういった点も考慮しながらどう展開していくかを検討していっています。 ■ウェブもオフラインもお客様の利便のため  ウェブとリアルは、それぞれに良さがあり、状況に応じて使い分けています。 現在、お客様が不動産を購入する際、ほとんどの方がまずインターネットの情報に接しており「、最初に不動産業者に行く」という方は減少しています。私たちは、ウェブもしくはオフラインでお客様と接する「接点」を増やしていくとともに、お客様が「接点」を持たないといけない理由や、ウェブかオフラインどちらがお客様にとって利便性が高いのかを考え、アプローチを変えています。 そうしたことを通じて、不動産を購入していただくことだけではなく、理想の資産運用をしていただくことや、「もっとこういう家に住みたかった」などの不満をなくし、よりお客様の理想を叶えられるようにしていきたいと思っています。 ■message  ご自身が就職活動などを通じて得た情報や今のトレンド、日々生活するうえで感じたことを大切にしていただきたいなと思います。親世代からのアドバイスは、数十年前の情報をもとにしていることが多い。そうした情報よりも、学生のみなさんのほうが感度が高く、新しい情報を持っています。そういった自分自身の情報をもとに、就職活動や進路を決めたほうが、結果として良いキャリア形成ができると思います。自分の信じた道を進んでください。 学生新聞別冊2021年4月号 明治大学2年 山本真人

経営者

株式会社 VOYAGE SYNC GAMES 代表取締役 / 株式会社 VOYAGE GAMES 代表...

チャレンジ精神を持ち、世の中を驚かせたい ■プロフィール 2011年4月、(株)ECナビ〈現・(株)VOYAGEGROUP〉に入社。2014年8月、ゲームパブリッシング事業を手掛ける(株)VOYAGESYNCGAMESを設立、取締役に就任。2016年10月、代表取締役に就任。2017年11月、VOYAGEGAMES社を設立、代表取締役に就任。2018年4月、韓国法人Infraware,Inc.とVOYAGEGROUPの合弁会社、SelvasM(現I&Vgames,Inc.)を設立、取締役に就任。日本・中国・韓国地域のゲーム関連事業を統括。 若いときから情報感度を高く持ち、さまざまなことにチャレンジしてきた岡庭社長。現在の海外のスマホゲームを輸入し、日本向けにローカライズして発信する事業にはどのような背景や仕事に対する思いがあったのか。アジアナンバーワンを目指すという社長に話を伺った。 ■運命的な出会いを感じて入社した会社  大学時代はアルバイトをいくつかやっていましたが、大学4年生のころにVOYAGEGROUPから内定をもらっていたので、内定者インターンとしてアルバイトをしていました。仕事内容は学生が中心となって運営しているクーポン系のサービスを行う新規事業で、飲食店やエステサロンなどにクーポン発行を依頼する営業をひたすらやっていました。競合他社もどんどん増えていた状況で、競争が激しくなって体力勝負のような様相になってきて入社前に事業は撤退。しかし、そのまま4月にVOYAGEGROUPに入社しました。 私は漠然とインターネット業界に行きたいと考えていたのですが、それと同時に昔から社長になるのが夢だったので、早い時期にチャンスがありそうな会社を探していました。入社の決め手となったのは、当時、Twitterが流行り始めていた時期で、いろいろな会社を見ていく中で、VOYAGEGROUPが日本初のTwitter採用を行うという投稿を見つけ、雰囲気や距離感が近い気がして運命的な出会いを感じたことです。 入社後も新規事業をやりたいと思っていたところ、2014年7月ごろだったと思いますが、当時の取締役から「こういう事業をやりたいと思っているけどどう思う?」と聞かれて、「いいんじゃないですか」と答えたら、「じゃあお前やってみろ」と言われ、今の事業を任されることになりました。 ■独自の事業を手掛け、社内の雰囲気を大切に  弊社はスマートフォンのゲームを提供していますが、主に海外で作られているゲームを輸入し、日本向けにローカライズして日本で配信している会社です。ローカライズでは、日本語への翻訳だけではなく、キャラクターを日本人向けにアレンジしたりもしています。中国と韓国に支社があり、実感するのはやはり言語が話せるといいなということですね。通訳を介すと微妙なニュアンスが伝わりづらくなるので。 VOYAGEGROUPは広告・マーケティング分野に強みがあり、事業の柱となっています。そのため、他社と比べてマーケティングがしやすく、事業シナジーを生みやすい環境にあり、それが他社との差別化にもつながっていると思います。ただ、海外の企業とのやりとりが多いため、国によってビジネス慣習が異なっていたり、法律が違うので、予想外のこともたくさん起きます。お互いの目標は同じでも、国の制度の問題が壁になり、なかなか前に進まないことも多くあります。そのとき、相談する相手がなかなかいなく、自分たちで一つずつ解決していかなければならないのが本当に大変でした。 しかし、弊社は非常に風通しの良い会社で、皆が自由に集まって話せる場もあります。コミュニケーションが生まれやすい環境になっていることで、相談しやすかったり、新しいアイデアやサービスが生まれるきっかけにもなっています。 ■チャレンジすることを恐れずに進んでいく  チャレンジすることは楽しいと思います。インターネット業界は前例がなく悩むことも多いのですが、自分たちで考えて成果が出ると本当に嬉しいです。やっていて良かったと思えます。一緒に働く仲間は、素直で誠実、何事にも貪欲な人、成長意欲がある人がいいですね。弊社は能力重視です。しがらみもなく、やりたい人にはチャンスを与え、若いうちからどんどんチャレンジできます。モチベーションの高い人には多くのチャンスが回ってきます。 私もこのゲーム事業を始めるときに、ゲームについてあまり詳しくありませんでした。周りからも無理ではないかという厳しい声も多かったのですが、無理と思われるほうが燃えるタイプなので、見返してやろうという気持ちで取り組んでいった結果、今があるので成長意欲は大事だと思います。 今後の目標は、アジアナンバーワンになることです。ハードルは高いと思っていますが、仕事に対するモチベーションになるからです。またゲームだけでなく、いろいろなことにチャレンジしていきたいです。そして世の中を驚かせたいと思っています。 ■message  大学生はまとまった時間が取れる唯一のときなので、好きなことを徹底的にやるべきです。社会人になるとどうしても時間のコントロールが難しくなり、1週間の休みを取るのも大変になります。好きなことをやった経験が将来どこかで役に立つと思います。 好きなことをするにしても難しく考えないことです。普段楽しいと思うことを冷静に考えてみるといいです。無理に見つけようとするとそれがプレッシャーとなってしまいます。とにかく考えすぎないこと。私も大学生のころはゲームに関わる仕事をするとは思ってもみませんでした。いろいろなことにチャレンジしてその中で面白いと思ったことを深堀りしていくといいと思います。だから、すぐに面白いことが見つからなくてもそんなに心配することはないです。 学生新聞2021年4月号 文教大学2年 早乙女太一

脇山真悠

白石聖 流されるのってそんなに悪くない⁉︎思いがけない人生の出会...

■プロフィール 女優。1998年、神奈川県生まれ。2016年にデビュー。2019年『ゼクシィ』12代目CMガールに抜擢される。2020年にフジテレビ系ドラマ『恐怖新聞』で連続ドラマ初主演。現在、NHKBSプレミアム『やっぱりおしい刑事』に出演中。さらにMBSテレビ『ガールガンレディ』に主演予定。2021年6月4日公開予定!『胸が鳴るのは君のせい』 ■どのような学生時代でしたか  高校2年生のときにスカウトされたのですが、実は表に出るようなタイプではありませんでした。ただ、なぜか声に出して何かを読むことには抵抗がなかったんです。母の読み聞かせが好きだったことや、好きなアニメの声優さんに影響を受けたこともあり、スカウトされる前は声優のお仕事に興味がありました。 ■このお仕事をやろうと思われた理由は  実は、スカウト先の事務所(業務提携)に私の好きな声優さんがいらっしゃったんです。当時、特にやりたいこともなかったので、このお仕事にかけてみてもいいかなと思いました。声優さんの世界は私には難しいかもしれないとも思いましたし……。今思えば、自分の殻を破りたかったのかもしれませんね。 考えすぎてしまう性格なので、役作りに悩むこともありますが、監督から気持ちの良いOKが貰えたり、演技を褒められたり、ファンの方と交流できたりして今のお仕事はとても楽しいです。でも、もしチャンスがあるなら、声のお仕事にもチャレンジしてみたいですね(笑)。 ■大学生へのメッセージをお願いします  コロナの中で、学生の方、特に就活生の皆さんは大変だと思います。実際、私の友達も進路に悩んでいるみたいです。私は皆さんと同世代なので、アドバイスできることは多くないとは思いますが、強いていうならば「流されるのって実は悪くない」ということでしょうか。 私はもともと声優志望でしたが、いい意味で流される形で魅力的な人に支えてもらえ、今のお仕事をさせていただいています。自分の意思がないのは良くありませんが、流れの中できちんと道を選択すれば流されるのも悪くないです。焦らずに、自分を責めずに、楽しみながらこれからの人生を選んでください! ■取材を終えて  とにかく可愛かったです。白石さんとは歳が近いのですが、ご活躍なだけあって豊富な経験をされていて、非常にためになるお話をたくさん聞かせていただきました。皆さんも私と同様に白石さんのお話から何か刺激を得られれば嬉しく思います。 学生新聞2021年4月号 津田塾大学3年 脇山真悠

DX・WEBマーケティング

株式会社山田養蜂場 営業統括部統括部長 井筒雅之 

お客様の健康のためウェブの可能性に挑戦する ■プロフィール 2004年入社。法学部卒業。入社から7年で販売促進部門の部長に抜擢され、その後、事業部長を経て2018年にテレマーケティングを含む通販営業本部の副本部長に就任。翌年、店舗や流通部門も含む現在のポジションへ昇進。アグレッシブな手法で、山田養蜂場の現在の「販促の基軸」を築いてきた立役者である。 「病気の娘の健康回復のために」という創業者の素朴な家族愛から生まれた山田養蜂場。「ひとりの人の健康を守るために」という強い想いで、お客様一人ひとりと向き合いながら商品を届けている。通信販売主体で事業を行っている山田養蜂場のウェブ戦略について、営業統括部統括部長の井筒さんに伺った。  学生の時は「健康に関する仕事で人や社会に貢献したい」と思い、就職活動をしていました。友人や父親の病気を目の当たりにして、老化や病気は避けられないものだと感じ、人にとって欠かせないテーマである「『健康』のために何かできたら」と考えたことがきっかけです。母が私にローヤルゼリーをくれたことがあったのですが、そのメーカーである山田養蜂場について調べていくなかで「娘の病気を治すために、何の文献も資料もないなか研究を始めた」という創業者の話に感銘を受け、採用試験を受けました。企業理念はその会社の羅針盤である、と就職活動の時は重要視しており、山田養蜂場の企業理念はお飾りではなく本物だと感じ、心打たれました。 ■ウェブの可能性にチャレンジ  弊社のお客様は年齢層が高いため、情報が届きやすいよう、これまではテレビ、新聞、折込チラシを中心にメディア展開をしてきました。  しかし、今はウェブの割合が年々増えており、年齢が高い方もスマートフォンを持ち、ウェブを見るようになってきています。ウェブの多くのメリットのなかでも、特に、たくさんの情報を伝えることができる点、即時性がある点が挙げられます。私たちは商品づくりに自信と誇りを持っているので、商品の背景を十分に伝えることができる点はウェブの良さですね。紙広告だと掲載できる情報量が制限され、掲載日を待つ必要がありますが、ウェブでは伝えたいときに伝えたいことをすべて伝えることができます。サイトに訪れる方の属性(年齢や性別などの情報)がわかりますし、紙メディアよりもターゲットが絞りやすい。  弊社は元々通信販売事業をしているので、購入者の属性や購買履歴がわかり、お客様一人ひとりに合った情報をお届けできるという通信販売の強みも生かすことができています。まだまだ開拓中ではありますが、ウェブでの展開は健康食品の販売にマッチしていると考えています。ウェブは商品や素材の研究過程、エビデンス、商品開発に関する私たちの考え方やサービスにかかわるポリシーなどさまざまな手法を使って伝えることができるメディアなので、いろいろなことができるのではないかとワクワクしています。 ■モノを売るのは難しい、だけど面白い  私が最初にマーケティングに携わったのは、地方紙の新聞記事体広告を書いた時でした。その時は、1件のご注文があり、自分が書いた広告で商品を買ってくれた方がいたことにとても喜びを感じました。同時に、1件しか注文が来なかったことで、モノを売ることの難しさを感じました。  ウェブは情報を発信できる範囲が広く、多くの技術があってそれもどんどん変わっていくので、関わっていてとても楽しく、魅力的です。今の時代ウェブとリアルは切り離せないものですが、連動させるべき部分と切り離すべき部分があるとも感じています。  山田養蜂場のウェブマーケティングは業界標準より少し後ろを走っていて、まだ独自性や強みは少ないと考えています。しかし、ウェブは日本中、そして世界中の方に買っていただくチャンスを与えてくれます。どんな方がどんな場所でファンになってくださるかわからず、ウェブマーケティングに正解はありませんが、どんどんチャレンジしていきたいと思います。  本社は自然環境の豊かな田舎にありますが、常に新しいことをしていこうという気概と、通販というテクニカルな仕事をしている環境が、会社の中にはあります。そのギャップが山田養蜂場の魅力の一つです。これからも、皆さん一人一人の健康を支えていく社会的使命感とやりがいを持って、商品やサービスを提供していきたいです。 ■message  学生のうちに、思いっきり話して、読んで、感じて、考えて、好きなところに行って欲しいですね。社会人になっていろいろな仕事の状況、人の言葉、環境に触れていくなかで、日々考え、日々悩みます。考え悩む時に、今まで経験した体験や考え、実感がとても役に立つからです。私は大学時代、法律を勉強していました。その勉強が今、直接役に立っているわけではないですが、勉強した時の思考方法はとても役立っています。思いっきり経験を積んで、感じて、自分の幅を広げて欲しいと思います。 学生新聞2021年4月号別冊 津田塾大学3年松本麗奈

人事

株式会社パルコ 人事戦略部 木佐瑞紀

■プロフィール 2012年に入社。仙台店でプロモーション業務(広報・媒体・催事出店交渉など)を経験後、2020年3月から人事戦略部で採用を担当。コロナで自粛生活を余儀なくされる中で、お風呂でのリラックスタイムでストレスを解消している。 ディベロッパーとして商業施設のプロデュースが主な仕事である。ただし、それだけではなく、新規事業への取り組みや、エンタテインメント事業部があるといった、他社にはない独自の魅力を持つ会社。 ■業界の特徴と魅力についてお聞かせください  PARCOは商業施設のイメージが強く、よく百貨店と誤解されますが、実は不動産業です。主に商業ディベロッパーという仕事をしています。お客様と直接かかわる小売業とは違い、商業施設の開発からマーケティングまで行い、テナント様とミーティングを重ねながらコミュニケーションをとり、情報を共有してアドバイスする役割を担っています。 弊社の特徴の一つに「インキュベーション」があります。これは新進気鋭のクリエイターや路面店しか経験のないテナント様を発掘し、支援しています。加えて、業界ではめずらしいエンタテインメント事業部があり、流行をいち早くつかむために役立っています。 また、新卒5年目までの離職率は1パーセントと低く、弊社の大きな強みとなっています。これは弊社の社風が関係していると思いますが、お客様目線に立った社員の意見が取り上げられやすく、若い社員の思いを形にできる環境が整っています。この風通しの良さが大きな要因かと思います。 ■どのような学生を求めていますか  大学名や文系・理系、資格の有無は重要視していません。それよりも、自分の好きなことや学生時代の経験を自分の言葉でしっかりと相手に伝えられる人を求めています。入社すると各人が各フロアを担当しますが、その中でディスプレイ広告を始め、多種多様なさまざまな仕事を経験します。そのため、多くのジャンルに幅広く興味を持つ方、人とコミュニケーションを取ることが好きな方は当社に向いていると思います。 ■大学生へのメッセージをお願いします  就職活動はもちろん重要ですが、そればかりではもったいないと思います。大学時代は好きなことをとことんやって、楽しむことができる最後の時間です。その貴重な時間を使っていろいろなことに挑戦し、何かを感じ取ってほしいと思います。また、学年があがるにつれて、プレゼンテーションやエントリーシートを書く機会が増えてきます。そうしたときに気を付けたいことは、伝えるだけでなく「伝わる」を意識することです。聞く人、読む人など相手の目線に立つことがとても大切です。 学生新聞2021年4月号 明治大学2年山本真人

DX・WEBマーケティング

三菱地所レジデンス株式会社 ...

目指すべきは顧客体験の向上であり、DXはその手段に過ぎない ■プロフィール マンション販売業務を約10年経験した後、三菱地所グループ内のマンション管理会社とインテリア会社に出向、2019年4月より三菱地所レジデンスに復職し広告企画を担当、2020年4月より全社的なデジタルトランスフォーメーションを推進するDX推進室DX推進グループが設立され現在の職務を担当するに至る。 DX(デジタルトランスフォーメーション)というとデジタル導入が注目されがちであるが、大切なことは単なるデジタル導入ではなく、より良い顧客体験を追求し、既存の業務の在り方を再構築することである。デジタル導入はその手段に過ぎない。DXという前例のない取組に挑み、事業の成長や新たな未来の可能性の探索を担うDX推進室の使命を伺った。 三菱地所にはDX専任部署が2018年からあったのですが、三菱地所グループ内で住宅事業を担う弊社のDX専任部署は2020年4月から立ち上がったばかりの新設部署です。現在は主なプロジェクトとして1スマートホームプロジェクト、2データ活用プロジェクト、3契約者様手続きのオンライン化、4顧客体験の再定義の4つが挙げられます。 1のスマートホームプロジェクトでは、住宅内のIoT機器をアプリや音声で操作できるというお客様の利便性を一時的に提供できるだけではなく、われわれ企業にとって住宅という大事な商品をお客様がどのようにお使いになられているかをデータで取得して商品企画や、ご入居後のより良い生活のご提案に活かす新たな機会を得ることにより、さらに顧客体験を向上させることができるチャンスだとも捉えています。もちろん住宅というプライバシー保護が大切な商品ですので、お客様の生活状況をデータで取得するというわけではなく住宅設備機器の使用状況をデータで把握して、お客様にとって価値ある住宅設備とは何かを把握し商品企画に活かすことや、住宅設備の故障前に異常を検知して修理/交換をご提案するということも将来的にはできるようになる可能性があると思っております。 2は、社内で部署ごとに保管されている顧客データを統合してマーケティングに活かそうという取り組みです。顧客データを一元集約して顧客IDで各データを紐づけることにより、一人ひとりのお客様のカスタマージャーニーが一気通貫して把握することができます。そうなると、一人ひとりのお客様のニーズやお困りごと等が部署横断して把握して対応ができるようになり、マンション分譲の商談だけでなく、鍵のお引き渡し、ご入居後のアフターサービスまでシームレスに顧客体験を向上させることができることを目指しております。 3は今まで紙や郵送といったアナログな手法で行っていた契約やその後の事務手続きをオンライン化しようという取り組みです。これはDXというような変革の取り組みではありませんが、お客様にご入居までの手続きをスムーズに行っていただくための重要なプロジェクトです。 ■DXは既存の仕事を見つめ直すこと 4はこれまで我々がお客様にご提供してきたマンション分譲の在り方を再定義し、あるべき姿を再構築するというビジョン駆動型のアプローチです。マンション分譲という業務フローは、デジタル技術の進化が著しい現代においても従来とは大きく変わらず、広告をご覧になったお客様にモデルルームにお越しいただき、ご契約に至るまで数回ご来場のうえ商談をさせていただくというスタイルが半世紀程度続いています。もちろん、ウェブ広告/ウェブサイト/リモート商談等にデジタル導入は行っておりますが、根本的に顧客体験を再構築するような活用ではありませんでした。よって、これからのさらなるデジタル技術進化を見据えて、われわれが目指す最良の顧客体験を提供するマンション分譲の在り方とは何かを再定義する必要があると思うに至り取り組んでおります。 ■誰も正解を知らない未知の領域への挑戦 DXのような変革プロジェクトは社内に前例のないものです。つまりは誰も正解を知らない未知の領域への挑戦とも言えるわけで、そこに大きな魅力を感じております。 誰も正解を知らないとはいえ、世の中には先進事例がすでに多くありますし、社内にも知見のある人材がおりますので、外部と内部から情報収集すればヒントは見えてきます。そのヒントをさらに、外部と内部の情報収集からカタチにしていき、小さく試して早く成功体験を積み重ねることにより、それを繰り返す先にDX後の姿に至ることができると信じています。 ■message DXのような変革の主役はワカモノ/ヨソモノという例えがあります。これは従来の価値観にとらわれずあるべきビジョンを見出し実現できるマインドとスキルを指しています。日本企業にDXという変革が求められている今、まさにワカモノである学生の皆さんのマインドとスキルを活かすべき世の中だと言えるのではないでしょうか。 学生新聞2021年4月号別冊 国際基督教大学4年鈴木菜桜