株式会社Wiz 代表取締役社長 山崎 俊

人・企業の課題をITで解決 目指すはITの総合商社

株式会社Wiz 代表取締役社長
山崎 俊(やまざき しゅん)

早稲田大学在学中に大手通信商社でアルバイトを経験。大学卒業後に同社へ部長として入社し、最年少で執行役員となる。2012年、30歳で独立し、株式会社Wizを設立。設立6年で17支社、従業員1,000名を超える規模に成長。「ヒトと企業の課題をITで解決する」を理念に掲げ、「ITの総合商社」として日本全体のデジタルトランスフォーメーションを目指す。

山崎社長率いる株式会社Wizは、「BACCS~20万人が選ぶ働きたい企業50選~」に認定され、創業7年にして従業員は1000名以上。また、ベストベンチャー100にも選出されるなど、現在、とても勢いのある会社だ。「人と企業の課題をITで解決する」をテーマに成長し続けている。

私の学生時代はアルバイトに明け暮れる毎日でした。中学3年生の頃は、時給750円のスーパーのアルバイト。「1年頑張れば時給を10円上げる」と言われましたが、1年たっても750円のまま。それならと時給950円のアルバイトに“転職”。電話でアポイントを取り、教材を売る仕事ですが、この決断が私の将来を決める大きな一歩となりました。
 面接に行ったその日から働き始めたのですが、1時間の電話営業でアポを1件獲得。上司からは「天才!」と言われ、褒められました。そのときに、成果型の仕事って素晴らしいなと感じました。高校1年生の頃でしたね。
 大学に入ってからは光通信で時給1200円のアルバイト。最初の業務はNTTからKDDIへの携帯電話の切り替えのアポ取りです。周囲は1件しか取れないアポを、私は20件くらい取っていました。以前の教材を売るアポ取りに比べればこちらの方が簡単に見えましたし、取れないわけがないと思っていました。その後も順調に結果を出し、大学在学中に部下を500名持つまでになりました。
なんとか大学は6年で卒業し、そのまま光通信に入社しました。学生時代にどうしてあんなに成果を出せたのか、今考えてみますと、まず、私はチームを意識していたんですね。自分の役目、チームの勝利、チームの一員という意識を持っていました。あとはお客様を信じられるかどうかです。お客様にメリットがあると思えば、信じて伝える。断られたら、「なぜか?」を必ず聞くようにします。NG理由が分かれば、解決のための情報を探せるからです。

この業界を変えたい 他社の模範となりたい

 光通信は30歳で退職して、Wizという会社を作りました。東日本大震災があって、配置転換やいろんなことがある中で、自分のことを見つめ直す時期があったんです。今まで何となく走り続けてきたけれど、30歳からの10年間をどう生きようか、と。その中で、「何かを残したい」という想いに気づき、Wizを創業することにしました。
 起業時の不安はそれほどありませんでした。ただ、信用できる代理店が少なく、お金が稼げればそれでいいというマインドの人が多い時代だったので、「何とか自分がこの業界を変えてみたい」「業界の模範になれたらいいな」と思ってやっていました。会社自体は、真面目にやれば何とかやっていけるだろうと思っていました。
 今後の展望ですが、「デジタルトランスフォーメーション」というキーワードを掲げています。WizをITの総合商社にしたいんです。人と社会の課題をITで解決することを考えています。

1日の密度を上げると成長の加速度が変わる

当社は社員の採用にあたり、2つのことを大切にしています。それはファン力と陽のオーラがあることです。ファン力がある人は、人に興味がある人だと思います。採用の際に、人事担当が「その人を好きになれるかどうか」を大事にします。好かれる力は、努力次第でなんとかなるものです。人に好かれる努力ができるのなら、他のことに対する努力もきっとできると思っています。
 社会に出る前にやっておくといいのは1日の密度を上げることです。ゆとりとか自由とかを言いすぎては、自分の器が大きくならないのではないかと思います。また、多くの人と会って話すことも大事ですね。自分より優秀な人にどれだけ会えるかによって、自分の成長の速度が違ってくると思います。是非、そういう人と交わる時間をたくさん作ってください。

大学生へのメッセージ
「目の前のことで結果を出すのが大事」ということでしょうか。いろんな人の格好いい情報がネットを通じて次々と入ってくる時代です。人の上っ面を真似してもうまくいかない。それよりも、まず自分の目の前にあることを成し遂げること。他のものにチラチラ目移りするのではなく、一つのことに集中して結果を出す。やりきって次に行くことが大事ですね。


学生新聞2019年10月31日より(日本大学4年 山下充良太)

日本大学4年 山下充良太/専修大学3年 山崎蓮

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