わたげ “ぼっち”はマイナスではない。ぼっちを明るいものに。

クリエイター わたげ

■プロフィール
10代女子が選ぶ好きなTikToker1位を獲得した経緯を持つぼっち系女子大生クリエイター。TikTokのフォロワーは100万人を突破し、中でも「バレずにTikTok撮ってみた選手権」が大バズりした。YouTubeでも友達がいないことから、自ら一人で外食をしたり、一人で外に出かける”ぼっち活”を発信し、たくさんの共感を得て話題となっている。

高校時代、“ぼっち“になってしまったことを機に、縋ろうと思ってSNSへの投稿を始めた。しかし、今では逆に多くの”ぼっち”に勇気や楽しさなど、影響を与えている存在になっている。そんな「ぼっちプロフェッショナル」に活動のきっかけや今後の展望について伺った。

■活動のきっかけはSNSの人に縋るため

私は方向性の違いから通信制の高校に転校しています。そして通信制の高校では毎日同じクラスに通うという概念が無いこと、コロナ禍でずっと家の中で誰とも会話が出来ない状況であることから、SNSに縋るしかないという思いからSNSへの投稿を始めました。今でも美容院やネイルサロンなどで話すのは苦手なくらい、人と話すことが苦手ですが、文字だけでのやり取りができ、画面越しで先入観が無い状態でコミュニケーションが取れるので、「陰キャ」な私でも活動が出来ています。
ただ、活動当初は“ぼっち“であることを隠した状態で可愛く踊ってみましたが、なかなか伸びませんでした(笑)。そこで自分のコンプレックスを強みにすることで個性になるかなと思い、”ぼっち”であることを公表した結果、今では多くの方にフォローしていただいています。始める前は「地元の友達にどう思われるのか」などを気にしていましたが、バカにされること以上の良い結果を一歩踏み出したことで得られました。
また、“ぼっち”の私が大学に進学した理由は、姉が大学に通っていることやサークルなどで孤独になることを避けられるのではないかと思ったことからです。サークルなどに入ることは無理でしたが、グループワークなどでコミュニケーションの場を作ることが出来たので進学して良かったと思っています。もし大学に進学をしていなかったら、私生活では誰とも会話をせずに生活していたかもしれないので(笑)。
動画を見てくださる方から、本当は“ぼっち“ではなく「ビジネスぼっち」なのではないかと言われることも多いです。ですが、大学などの日常では“ぼっち”の看板を掲げながら歩いているわけではないので、ネット上に応援してくださる方がいるからこそ、動画やお仕事では話せているのだと思っています。ファンの方、コメントをくださる方には本当に感謝です。

■“ぼっち“を明るいものにしたい

動画投稿をしてから、ぼっちで悩んでいる方、人間関係で悩んでいる方などから、共感していただいたり、「一人でご飯に行ってみました!」などの原動力になっていたりすると気づけました。過去に1人でユニバーサルスタジオジャパンや東京ディズニーランドに行った動画を投稿したのですが、「マジで行くのか、おもろ!」というコメントや「わたげさんが行けるなら一人でも大丈夫そうだね」といったコメントなど、楽しんで頂けたり、少し勇気を与えられていたりするのだと感じました。動画投稿をする中で私自身も新たな発見があったのですが、それは意外と他人のことを気にしていない人が多いと言うことです。さすがに一人ディズニーは目立つかなと思っていましたが、各々が楽しんでいることから、そこまで見られることはありませんでした。
また、転校や不登校に関しても、不登校の方から「動画を見て親に相談しました」という声をいただくこともあるので、誰かの人生に踏み出す勇気を与えるなど、人の人生に影響を与えることが出来ているのは我ながら凄いことだなと思っています。ただ、私もありのままの姿を動画で出していることから学校をサボったときには、お母さんのようなコメントをいただくので、日常に喝を入れてもらっています。ファンのコメントを見て動画が成り立っているので、皆さんのコメントは本当に私の原動力です。
今後の活動では次の2つのことにも挑戦していきたいと思っています。1つ目はファンとの交流です。たまに「AIがコメントを打っていたらどうしよう」と不安になることもあるので、何か“ぼっち“の方でも楽しめるイベントを考えて交流が出来たら嬉しいなと思っています。そして2つ目は”ぼっち“をかっこいいものにすることです。最近はソロ活という言葉が流行り、ソロ活はかっこいいイメージを感じる人も多いのではないでしょうか。しかし、”ぼっち”という言葉はどこかマイナスのイメージを持っている人が多いと思います。そこで”ぼっち”を楽しいものであると多くの人に知ってもらい、言葉のイメージを楽しい方向へ持っていくことで、ぼっち活を流行らせたいです。私は「ぼっちプロフェッショナル」と言っているのですが、”ぼっち”のカリスマになって、”ぼっち”の概念を覆した明るいものに変えていこうと思っています。例えば、お店に私のポスターなどが貼ってあると“ぼっち”の人でも入りやすいお店だということを視覚化できる、そんなシンボル的存在になりたいです。
ただ、夢としてはスマートフォンなどを捨てた状態で、スイスの山奥などで人と関わりを持たずに暮らしたいと思っていますが(笑)。

■大学生(同世代)へのメッセージ

人間関係で悩みがある人も多いと思いますが、人との関わりが無くても楽しく生きている人がいることを知ってほしいと思います。最悪の場合、「一人でも大丈夫だよ」と知ってほしいです。そしてコンプレックスは捉え方によっては個性になると思うので、コンプレックスがあったとしても、見方を変えて明るく生きていれば、人生は楽しくなると思います。

学生新聞オンライン2022年12月3日取材 中央学院大学4年 田根颯人

日本大学3年 石田耕司 / 津田塾大学4年 大川知 / 上智大学4年 八木彩花 / 中央学院大学4年 田根颯人

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。