M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 上席執行役員 企業情報部 部長 土屋淳

サッカー部で培った忍耐力や傾聴力が、今の仕事に活きている

M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 上席執行役員 企業情報部 部長 土屋淳(つちやじゅん)

■プロフィール

大手ハウスメーカー入社後、経営者や資産家等に対し、相続対策や資産運用のための戸建・集合住宅の販売・提案営業に従事した。M&Aキャピタルパートナーズに社員第一号として入社後、2008年からは主にヘルスケア業界のM&Aに従事し、専門部署を立上げ、業界トップクラスの実績を残し、通算M&A成約件数は社内最多を誇る。2022年10月より上席執行役員に就任。

「譲渡企業オーナーにとって人生の最大の決断の一つであるM&Aでは、相手に寄り添うことが何より重要」と語るのがM&Aキャピタルパートナーズの上席執行役員をつとめる土屋氏だ。高校時代のサッカー部や新卒入社した住宅メーカーで培った「最後まで諦めず相手に寄り添う姿勢」を武器に、競合ひしめく業界の中で、顧客開拓を続ける。そんな土屋氏から、自身のこれまでの来歴から自社の強み、そして2023年度の新卒採用に関する想いまで、幅広く話を伺った。

学生時代で特に印象に残っているのは、高校のサッカー部ですね。先生が厳しい方で、「お前の満足いくプレーができないなら帰れ!」と言われる中、年明けの選手権高校サッカーの国立競技場を目指して厳しい練習に明け暮れる日々でしたので、そこでだいぶメンタルが鍛えられました。チームのゲームキャプテンとしてメンバーを先導しつつ、チームの士気を高めるムードメーカー的な立ち回りもしていたので、働くうえで必要な、夢や目標を成し遂げるための忍耐や、人に寄り添う傾聴力は、サッカー部時代に養われたように思います。
これはM&Aアドバイザーの仕事をする上でとても大切なことです。オーナー様は人生をかけて、自分の会社の譲渡を決断されます。当社の名刺に記してある「決心に、真心でこたえる」の気持ちで、最後まで諦めず一緒に伴走をすることや、オーナー様に寄り添っていく気持ちを行動で示すというものに繋がっていますね。
そんな私ですが、もともとは父が一級建築士だったことがあり、私自身も意匠設計の道を目指していたため、大学は建築学科に進み、卒業後は積水ハウスに就職しました。一生に一度の大きな買い物である住宅購入のお手伝いし、地図に形を残すような仕事がしたいという気持ちでハウスメーカーに入社したのですが、住宅メーカーは競合が多いため、お客様の希望をヒアリングするだけでなく、しっかりと寄り添って疑問や不安を解決するような提案力が求められます。そこでの出会いで、私の人生が変わったと言えます。

人との出会いからM&Aで社会貢献を果たす道へ

私がM&Aの業界に入った理由は、3つあります。1つ目は「人」です。積水ハウス入社当時の同じチームの先輩が、当社の現代表をつとめる中村でした。営業としても人としても尊敬できる中村との出会いは、人生を変える大きな転機でしたね。積水ハウス時代の当時、ビルメンテナンスや飲食店オーナーのお客様が多く、よく事業承継の相談を受けていました。そこで中村は、M&A業界で事業承継の新しいマーケットを創出することを掲げ、独立・起業しました。その時に私も、中村のその大きな挑戦に可能性を感じ、自身も人生をかけて、創業まだ間もないM&Aキャピタルパートナーズに社員一号として入社したというわけです。
ただ、もちろん創業当初から順風満帆というわけではありませんでした。創業当初はM&Aそのものに対するイメージが悪く、信用もない中で、機密保持契約すら結ばせてもらえず、創業から2,3年目のときには資金繰りに苦労し、2度つぶれかけました。(※秘密保持契約…M&Aの検討を進める際に締結をする契約のひとつでM&Aを考えるうえでは初期的段階で締結が必要)その時は、1億円弱の出資をしていただいたお陰でなんとか息を吹き返し、徐々に実績と信頼を築き上げていきました。2013年に東証マザーズ(当時)、2014年には東証一部(現在の東証プライム)へ上場して五穀豊穣の鐘を鳴らした時は、自然と涙が出てきましたね。やっとスタートラインに立てた、信用とブランドを持って仕事ができるなと思えました。この時の想いが今も糧になっています。
この業界に入った理由の2つ目は、M&Aのダイナミックさに感銘を受けたからです。我々がクライアントとするオーナーの方々はみなさま、既に社会的成功者です。そのオーナー様が、自身の会社を数千万から数千億で売却するという、一世一代の決断をする、そのダイナミックな世界に魅了され、私もその決断のお手伝いをしたいと思ったのです。
3つ目が、この仕事の社会貢献性の高さにあります。全国には、70歳を超える経営者のうち、後継者がいない経営者が127万人もいます。なんとそのうちの約60万社は黒字経営のまま、後継者不在によって黒字廃業する可能性があるのです。一つの会社には、そこで働く従業員の雇用があり、その従業員には家族がいて、彼らの人生がかかっています。それだけでなく、その会社の取引先もいます。その会社の灯を絶やしてしまうということは、関係者全員、そしてその地域経済にまで影響が及ぶ話なのです。M&Aでそういった黒字廃業の会社を残し、雇用と国内GDPを守ることができるという社会貢献性の高さから、全力でこの仕事をやりたいと思いました。
創業以来、当社が創出してきた経済活動維持効果は約1兆6,500億円以上で、直近1期では約2万4千人の雇用維持に繋がっています。数字で見ても我々が担うことができる社会的責任の大きさはひと際大きいと感じますし、それがまたやりがいに繋がっていると実感しています。

独自手法と人財で唯一無二の組織へ

現在、約3,000社ものプレイヤーが存在するM&A業界において、当社はクライアントファーストの「正しいM&A」を掲げ、この業界を牽引していくべきポジションにあります。他社との差別化としては、主に2つ。1つ目は、ビジネスモデルでもある「アウトバウンド手法」による顧客開拓です。同業他社がおこなっている金融機関や会計事務所などからの紹介で案件を創出するインバウンド手法とは異なり、M&Aアドバイザー自らがオーナー様に直接手紙や電話をして、具体的に買い手のオーナー様に対する魅力などを説明して丁寧に開拓しています。この手法を取ることによって、クライアントにお支払い頂く仲介手数料率は業界内で最も低い水準になっています。

2つ目は、「優秀な人財」が集まっていることです。当社には、名だたる企業でトップクラスの営業成績をおさめてきたプロフェッショナルたちが集まっています。だからこそ、さきほど申し上げたアウトバウンドによる営業でも顧客の開拓をすることができるのです。また営業力の高さだけではなく、人間力の高い誠実な人財が多いのも当社の特徴です。入社する方は代表の中村が必ず最終面接に参加し、人間力を見極めます。
入社後は常に高い提案力を維持するために毎月の「知識テスト」 があり、中村も含めたM&Aアドバイザー全員で切磋琢磨しています。
また、中村は創業から変わらず今でもプレイヤーとしても日々お客様のもとへ足を運び、お客様の人生に寄り添った提案をしており、その背中を社員全員が見ているからこそ、M&Aアドバイザーたちが日々、自己研鑽に励み続け、お客様から信頼をいただき、“M&Aキャピタルパートナーズのブランド”を形成しているのです。そして、それが当社の高い提案力と人間力へと繋がり、「正しいM&A」を実現する源泉となっているのだと思います。

2023年からは新卒採用もスタート

人材育成の観点でいうと、2023年度より新卒採用をスタートしました。当社は長らく、一定の社会人経験のある方のみを中途採用していましたが、足腰の強い組織を作るためにこの度新卒採用を開始しました。敢えて採用人数は決めずに、当社が考える基準や会社の人物像に合う方をお迎えしたいと考えています。求める人物像は、会社の略称であるMACPになぞらえています。Mは「モチベーション」。人生の決断をするオーナー様に向き合う高い情熱や意欲があるかを見ています。Aは「アナリシス」。深い分析的思考力です。オーナー様からは人生を預けるパートナーとして見られるので、臨機応変に対応することができる、地頭があるかどうかです。Cは「コンシエンス」。群を抜く誠実さです。この仕事は、自己利益の追求だけで考えてはいけない仕事です。オーナー様の人生を背負うつもりで、真摯に向き合うことができる誠実さがあるかを見ます。Pは「パーソナリティ」です。どれほど頭が良くても、オーナー様に好かれる愛嬌がなければ難しい世界です。このように当社は、クライアントファーストを第一とする理念・風土を大切にしながら、その先にある世界最高峰の投資銀行を目指しています。
オーナー様の決心に、真心でこたえる。これこそが我々の使命なのです。

大学生へのメッセージ

今やるべきことは、人生における夢や目標を見つけて、自分の軸を作ることだと思います。お金ではない価値観を見つけて、自分の軸に対して高いモチベーションで取り組める企業を探してみてほしいですね。

学生新聞オンライン2023年2月10日取材 専修大学3年 竹村結

慶應義塾大学3年 伊東美優 / 専修大学3年 竹村結 /明治大学4年 山本真人 / 中央学院大学4年 田根颯人 / 立教大学4年 須藤覚斗 / 中央大学1年 前田蓮峰

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