福士蒼汰(ふくし そうた) 全力で向き合う「今」が未来をつくる糧になる

俳優 福士 蒼汰(ふくし そうた)

■プロフィール
1993年5月30日生まれ、東京都出身。2011年から2012年に放送された特撮ドラマ「仮面ライダーフォーゼ」で主演を務め、注目を集める。映画「イン・ザ・ヒーロー」「神さまの言うとおり」「好きっていいなよ。」の演技で第38回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞。Huluで配信中のドラマ「THE HEAD」Season2で海外作品デビュー。

2011年のデビュー以来、数々の映画や人気ドラマで活躍し、幅広い役柄を演じてきた福士蒼汰さん。現在、Huluで独占配信中の、大型国際連続ドラマ「THE HEAD」Season2に出演している。作品の見どころや自身初となる海外作品に対する思い、俳優としての心構えを伺った。

もともと人前に出るのは苦手な方だったのですが、学生時代にダブルタッチ部のパフォーマンスで舞台に立ったとき、人前に出ることが楽しいと感じるようになりました。この経験が今の仕事にも通じるものがあります。当時はっきりとした夢がなかったのですが、学生の今なら失敗を恐れず挑戦できると思い、役者の世界に飛び込みました。
学生時代は勉強を頑張っていました。特に英語が好きで、中学生のときに先生に発音を褒められたことが嬉しくて、意欲的に勉強するようになりました。英語の勉強は今でも独学で続けています。20歳のときに外国人の方と話す機会があったのですが、そのときは全く話ができず、会話のスキルを上げる必要性を感じました。それからは車での移動時間など、隙間時間を見つけては毎日勉強することを目標にしています。
おすすめの勉強法は、発音から入ることです。きれいに発音できると、英語を話せる人のように見られるので、気分があがるんです(笑)。僕は俳優という職業柄、与えられた台詞をしゃべるのが仕事なので、発音は特に意識して訓練しています。

■世界が相手でもやるべきことは同じ

「THE HEAD」は、初めての海外作品への挑戦になります。ずっと目標にしてきたことだったので、お話を頂いたときはプレッシャーもありましたが、それよりも喜びの方が大きかったです。海外作品への出演は、俳優の仕事を始めたときからの夢でした。20代のうちに達成したい目標でもあったので、叶えることができてよかったなと思います。頑張ってきた英語を活かせる機会をいただけたことが本当に嬉しかったです。
撮影は全てスペインで行われました。最初はコミュニケーションの面で不安もありましたが、みなさん優しく接してくれてとても安心しました。出演者はスウェーデン、イギリス、フランスなど世界各国から来ていたので、言語の違いとその背景にある文化の違いを理解するのが大変でしたが、皆さん日本に興味を持ってくれていて、日本の文化を伝えられたときに、改めて日本人で良かったなと思いました。
また、場所が変わっても作品を作る上での気持ちは常に同じです。今まで学んできたこと、身に付けてきたことがすべて。その力を十分に発揮し、いい作品にできるよう努める、そこはずっと大切にしているところです。目の前の仕事一つひとつに真剣に向き合ってきた成果として、今の自分があると思っています。これからもその姿勢は変えずにいたいです。

■「今」という瞬間に向きあうこと

今回の作品で演じたのは、優秀なエンジニアのユウトという役です。この役を演じるにあたり、ユウトはどんな人だろうと考えたときに、エンジニアでパソコンが得意ということは、きっとタイピングも早いだろうなと思いました。タイピング世界大会の動画を見てどんな行動をとるのかを研究したところ、キーボードを触る前に手を温めているのが印象的でした。作品の中でも意識したので、そういった細かいところも注目していただきたいです。
また、ユウトは問題に対して冷静に対処し、解決しようとする性格です。慎重に準備を重ねて物事に挑むところは、自分と重なる部分があると感じます。ドラマや映画というのは、同じシーンを何度も繰り返して多方向から撮影するので、撮影を重ねるうちに、どうしても慣れがでてきてしまう。自然さやリアリティをなくさないように、「今」という瞬間を大切にしています。本番中は全てを忘れて「今」に没頭します。そのために、事前に何度も話し合いや確認を行い、台本を徹底的に読み込み、入念な準備を怠りません。「何事も準備でしか解決してくれない」という気持ちを常に持つことが、没頭するための秘訣です。
俳優としてやりがいを感じる瞬間は、生きていること全てが仕事に活かされていることです。毎日いろいろなことを経験し、沢山の人と関わる中で、さまざまな感情が生まれます。つらいことや悲しいこと、普通なら忘れてしまいたいことや失敗も記憶しておくのです。そうすることで、お芝居をしたときに、役柄に対してより理解できるようになります。お仕事をする中で、「この気持ち分かる!」となったときは、これまでの経験が活かされて良かったと感じることができます。

■やりたいことを見つけて磨く

大学生のうちに自分の核となるものや、やりたいことを見つけてそれを磨くこと。そして継続することが大切だと思います。自由な時間が多い分、むしろ何をしたらいいのか分からない時期だと思います。
そんなときには自分探しをして自分を見つめる時間が大切です。突き詰めることも大事ですが、時には柔軟性も忘れず、多角的な視点から物事を考え、人生をより豊かなものにしてください。

小学生新聞2023年9月15日発刊号 立教大学3年 緒方成菜

Huluオリジナル「THE HEAD」Season2

あの“衝撃の真実”と真犯人の物語にはまだ続きがあった…。世界中が震撼した極限の心理サバイバル・スリラーの待望の続編。
福士蒼汰が海外ドラマ初出演!大型国際連続ドラマ。Huluにて全話独占配信中(全6話)

立教大学3年 緒方成菜/上智大学2年 白坂日葵

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