明星食品株式会社 マーケティング本部 マーケティング部第三グループ主事補 石須 雄人
ファンをつくるマーケティング、ファンを裏切らないマーケティング

明星食品株式会社 マーケティング本部 マーケティング部第三グループ主事補 石須 雄人 (いしず ゆうと)
■プロフィール
2015年に明星食品株式会社へ入社。首都圏エリアの広域量販店をはじめ、大阪府・和歌山エリアのスーパーマーケット向け営業を経験する。2022年4月よりマーケティング部に所属し、「一平ちゃん夜店の焼そば」シリーズなどのマーケティングを担当している。
からしマヨネーズとソースでおなじみの「一平ちゃん」。日々さまざまなフレーバーを生み出し、多くの人を魅了している。今回お話を伺った石須さんは、明星食品株式会社のマーケティング部門で「一平ちゃん」の商品開発やプロモーション立案に携わっている。話題化を意識しながらも、何より大切にしているのはファンの存在だという。そんな石須さんに、仕事への向き合い方について伺った。
■「一平ちゃん」との出会いが、入社のきっかけに
石須さんが明星食品株式会社への入社を志したきっかけは、高校時代に初めて食べた「一平ちゃん夜店の焼そば 塩だれ味」に感動したことだったという。大学時代にはラーメン店でアルバイトを経験するなど、振り返ると、これまでずっとラーメンに関わり、ラーメンを愛し続けてきた人生だったと感じているそうだ。
現在は、そんな思い入れのある「一平ちゃん夜店の焼そば」のマーケティングを通じて社会と関わり、お客さまを笑顔にする仕事に携わっている。それが、日々の大きなやりがいにつながっているという。
■「一平ちゃん」のファンを第一に考える
石須さんが担当している「一平ちゃん夜店の焼そば」は、昨年、発売から30周年を迎えた。石須さんは、この節目を迎えられたのは、何よりも一平ちゃんを愛してくれたファンの皆さまのおかげだと話す。その上で、マーケティングに取り組む際に、最も大切にしていることについて、こう語ってくれた。
「ファンの皆さまを裏切らない『一平ちゃん』であり続けることを、一番大切にしています。」
「一平ちゃん」は、夜店の焼そばというコンセプトを主軸に展開しており、パッケージやプロモーションでも「遊び心と親しみやすさ」を大切にしている。昨年発売したショートケーキ味も、30周年という節目をファンとともに祝う商品として企画されたという。
「ショートケーキ味についても、30周年という節目をファンの皆さまと祝う意味を込めて発売しました。『お祝い』や『遊び心』『親しみやすさ』、そしてなにより、楽しいイメージを大切にした商品です。」
ショートケーキ味は、SNSでも大きな話題となり、若年層からも好評だった。一方で、「食べ物で遊ぶな」といった否定的な意見もあったという。
昨今のカップ麺業界では、話題性を意識した商品も多い。石須さん自身も、若年層を取り込む上でインパクトは重要だと認識しているという。
「若い層を取り組むためのインパクトは非常に重要だと感じています。ただ、『一平ちゃん』が培ってきた遊び心と親しみやすさや、長年愛されてきたコンセプトは崩したくありません。ファンの皆さまに寄り添い、喜んでもらえる商品づくりを第一に考えています。」
■マーケティングをする上で大切なこと
石須さんは、マーケティングをする上で大切なこととして、コミュニケーションと情報収集を挙げる。
新商品を開発する際は、商品開発担当者や、パッケージをデザインしてもらうデザイナーなど、さまざまな人と連携しながら進めていく。そのため、それぞれに的確な要望を伝えることが業務の基本になるという。
「自分の伝え方ひとつで、商品の売れ行きが変わることもあります。だからこそ、相手に分かりやすく簡潔に要望を伝えられるよう、日頃から具体的なイメージを持って伝えることを意識しています。」
また、社外での情報収集も欠かせない。売り上げなどの数字や他社商品との比較などに加え、実際に店頭に足を運んで情報を集めることもあるそうだ。
マーケティングというと、戦略的な側面が強調されがちだが、最終目的はお客様に商品を買ってもらうことだと話す。
「戦略を立てることも大事ですが、それだけではなく、商品購入の現場まで視野を広げることがとても重要だと思っています。」
社内外の垣根を超えて、お客さまが商品を手に取るまでを見据える。その広い視野こそが、マーケティングには求められているのだと感じた。
■マーケティングはどんな人が向いている?
石須さんは、マーケティングに向いている人について、まず「いろんな人とコミュニケーションを取ることに苦を感じない人」と話す。
「同僚や社外の方、購入してくださる皆さまなど、たくさんの方と意見交換をする仕事なので、コミュニケーションに苦手意識がないことは大切だと思います。」
さらに、良い商品を生み出すためには、知的好奇心や行動力も求められるという。
「店頭でもネットでも、気になった商品があれば、とりあえず買って体感してみる。その体験がアイデアの糧になることもあるので、何事にも好奇心をもって行動できることは重要だと感じます。」
■これからの展望について
ファンの皆さまのおかげで、「一平ちゃん」は30周年を迎えることができた。今後について石須さんは、若年層へのアプローチを強めていきたいと話す。
「若年層の認知が低いことを課題と捉えています。今後はSNSなども積極的に活用しながら、若年層の認知を上げて、将来的に一平ちゃんのファン層を拡大していきたいと考えています。」
一方で、目指しているのは若年層の獲得だけではない。
「バズを狙うことも大切ですが、それだけではなく、『一平ちゃん』の遊び心と親しみやすさを守り続けながら、長年のファンの皆さまにも愛してもらえるような商品展開をしていきたいですね。」
■大学生へのメッセージ
最後に、石須さんは学生に向けて、大学生のうちにしかできないことに取り組んで欲しいと語ってくれた。社会人になると、まとまった自由な時間を取りづらくなってくる。だからこそ大学生のうちに、サークルでも旅行でも、自分の視野を広げてほしいという。
「マーケティングに限らず、どんな仕事でも、若いうちに培った多様な経験が直接仕事に役立つことは多いと思います。『若いうちだからこそ、できること』は何かを考え、日々の学生生活を楽しんでいってほしいです。」
学生新聞オンライン2026年2月24日取材 獨協大学2年 関口祐輝

獨協大学2年 関口祐輝/武蔵野大学3年 吉松明優奈/津田塾大学3年 山下さくら/国際基督教大学3年 若生真衣


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