株式会社東名 代表取締役社長 山本文彦

何事も形になるまで継続する このスタンスだけは忘れない

株式会社東名 代表取締役社長 山本文彦(ヤマモトフミヒコ)

■プロフィール

1969年12月22日生まれ
1993年4月 株式会社光通信入社
1997年12月 株式会社東名三重(現 株式会社東名)設立、代表取締役社長就任
2019年4月 東京証券取引所マザーズ市場及び名古屋証券取引所セントレックス市場へ上場
2020年7月 東京証券取引所市場第一部及び名古屋証券取引所市場第一部へ市場変更

新卒で入社した会社で数字を追いかけて達成する大切さとポジティブな思考回路をもつ重要さを学んだという山本社長。当時の経験を経て現在は「お客様のハートを掴み続ける」ことに重きをおいているという。今回は仕事に対する考えや会社として求める人物像について伺った。

■自分から一言目を発するだけで世界が変わる

学生時代はとにかくたくさんのアルバイトをしていました。うどん屋さん、ハンバーガー屋さん、ラーメン屋さんなど「まかないが出る」という理由で圧倒的に飲食店での経験が多かったですね。その中でも一つだけ変わったアルバイトをしていたことがあります。それは地元・四日市ならではといえるコンビナートの定期修理のアルバイトです。日払いで1万円というところに惹かれて始めましたが、どうせやるなら効率よくできたほうがいいと考えるようになり、担当の職人さんに「今日は何をやるのか」と自分から聞く習慣をつけました。業務内容を聞くことは何も特別なことではなく、今考えれば当たり前ですよね。しかし周りには確認する人はいなかったので、少し目立つ存在になったんです。指示待ちのアルバイトとは違い、主体性のあるところを評価していただき、職人さんから一緒に働きたいと指名を受けたりお給料が上がったりしました。自分が主体となり行動するということは普通のことですが、同時にとても勇気がいることです。ただそれができた時、自分を取り巻く環境は変わるということをこのアルバイトを通して身をもって感じられました。そういう意味で今振り返っても貴重な体験として記憶に残っています。

■怒られた分だけ褒められた新入社員時代

アルバイトをしたりバイクに乗ったりする毎日を過ごしていた大学生時代ですが、将来に対するビジョンや挑戦してみたい仕事は全くありませんでした。自分が何に向いているかが皆目見当もつかなかったという表現のほうが正しいかもしれません。それでも大学を卒業したら働かないといけないわけで、大学4年生の12月から就職活動を始めて株式会社光通信に入社しました。1年目は営業を担当していたのですが、そこでは日毎・週毎・半月毎で目標件数を達成しているか事細かく確認されていました。達していない時はたいてい怒られるのですがノルマのない仕事はない、と頭では分かっていてもやっぱり辛いこともありましたね。ただ、出来ていないから怒られるのであって逆に出来ている時は褒めてもらえるんです。頭ごなしの否定はそこには存在しませんでした。周りに「君なら絶対出来る」と信じてもらっていたのでどうアプローチしたら出来るようになるのか、出来ている人に比べて自分には何が足りないのか、と立ち止まって考えられるようになっていきました。それまでなにか突出しているわけでもなく普通に過ごしてきたので、たいして自分に自信があるタイプではなかったんです。しかしここでの経験のおかげで、ポジティブな考え方や前向きな発言が身につきましたし、この思考を今も大切にしています。私の人生におけるターニングポイントと言っても過言ではありません。

■目指したのは全てのお客様の全ての困り事を解決できる会社

前述の株式会社光通信では丸2年、お世話になりました。その中で、縦割りの業務もいいけれどもっと広い視野で課題解決をしてみたいと徐々に思うようになりました。コピー機や電話機、インターネット回線など同じ商材を扱う会社はたくさんあるので、お客様ときちんと信頼関係を築き、深い付き合いをしていないとより条件のいいところに奪われてしまうんですよね。それを防ぐためにどうしたらいいかを考えた結果、まずは地域密着で土壌作りをして日々の小さな問題解決も大口の機器の購入も何でも対応できるようになろうと思い独立を決めました。会社設立当初から心がけていることは「他との違いを相手が納得するまで説明したりその上で相手に選択してもらったりする」ことと「お客様からの依頼には何らかの形で必ず対応して断らない」ことです。これらを大切にし続けてきたから今の株式会社東名があるのだと思っています。そんな我社の強みは長年蓄積してきたデータベースの量と、新入社員には適性チェックも兼ねた1年間のJOBローテーション制度を取り入れているところです。

■コミュニケーション能力は全ての根っことなる

会社として求めるのは、「人を喜ばせることが好きな人」「素直な人」「自分事化できる志向を持っている人」「結果へコミット意識がある人」「自分のストロングポイントをうまく表現できる人」という人財です。人を財産と考えているのであえて「人財」としています。これを踏まえた上で、私自身会社で働くために必要と感じるのはコミュニケーション能力ですね。これさえあれば相手の話や物事の本質を見抜くことができますし客観視できるようにもなります。この能力は最強の味方だと思います。

■message

長く続けることがやっぱり楽しく働く基本だと私は信じています。ぜひ、学生の皆さんも少し格好がつくまでの2-3年は何事も継続してみることを意識してみてください。きっと良い展開が待っています。そして学生のうちから積極的に人と関わり、将来に向けてコミュニケーション能力を培っておいてほしいと思います。

学生新聞オンライン 2021年8月5日取材 日本女子大学 3年 神田理苑

日本女子大学3年 神田理苑 / 東洋大学2年 濱穂乃香 / 国立音楽大学1年 岡部満里阿 / 早稲田大学3年 原田紘志

     

     

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