イントループ株式会社 代表取締役 林博文

人と会社が共に成長し続ける循環型の社会へ

イントループ株式会社 代表取締役 林博文 (はやし ひろふみ)

■プロフィール

同志社大学法学部法律学科卒業、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア株式会社)へ入社。その後スタートアップベンチャー、再度アクセンチュアを経て、2005年2月にINTLOOP株式会社を創業し、現在に至る。社会ニーズを見極める洞察力と事業推進力で「自らが事業創造を行うコンサルティングファーム」としてINTLOOPを成長させ続けている。

企業と人の成長が循環する社会を目標として、IT・DXなどの分野を中心としたプロフェッショナルな人材を用いて、企業の様々な問題を迅速に解決するサービスを提供するイントループ株式会社。2022年7月8日に同社を東京証券取引所グロースの新規上場まで導いた林博文社長に、「イントループがどのようにして成長し続ける環境を作り出したのか」についてお話を伺った。

■飽き性でも長く続いた「アルバイト」

元々、独立志向が強い性格だったので、大学では弁護士資格などを取得して独立しようと思い、法学部に進学しました。しかし飽き性だったこともあり、入学後にすぐに遊びにハマってしまい、すぐに司法試験は辞めてしまいましたね。部活動も自分のペースでできないことから、あまり続きませんでした。長く続いたといえば、京都の居酒屋での料理人のアルバイト。かなり稼いでいましたが、ほぼ全額飲み代に使いました。(笑)

就職活動では、手っ取り早く稼げて独立しやすい外資系企業を中心に受け、結果的にアクセンチュアに入社しました。ただ当時、ITの分野はWindows96が出てもいない頃でしたし、金融業界の方が興味があったので、会社名は聞いたことはなかったですね。

■フリーランスの強みと未来を感じた

アクセンチュアに勤めていたとき、同期が非常に優秀な人ばかりでした。独立する人も多く、100人中2人が上場を果たしています。同期の中でも、仲が良かった人が一番早く独立した後、次々と周囲が独立していくなか「自分は乗り遅れているな」と感じました。そして、2000年のITバブルが起こった頃にベンチャー企業からお誘いがあり、ビジネスを勉強するために入社しました。

その会社はアメリカとの合弁会社で、従業員10人に対して資本金13億の会社でしたが、時代を先取りしすぎたビジネスだったこともあり、倒産してしまいました。

その後、フリーランスの仕事をしていた時に、アクセンチュアの元上司から「(アクセンチュアに)戻ってこい)と誘いを受けました。自分の知識不足を深く自覚した私は、勉強のし直しもかねてアクセンチュアに戻って4年間働きました。

その時にフリーランスの人たちと話す機会があり、その人達の優秀さや給与を知ることで「将来的には組織に所属せずに腕だけで生きる人が増える」と感じました。そこで、「この人たちをまとめる事業ができたら面白いのではないか」と考えて起業しました。

■会社も人も成長できる循環へ

INTLOOPを立ち上げてから、創業3年目で7億円の売上をあげました。さらには海外での事業にも興味が湧いて、東南アジアの国と貿易をしたり、ラーメン屋をやったりといろんなことをやっていましたね。ただ、どれも継続させるのが難しくて、事業が中途半端な状態になっていました。仕事は取れていたので、年商は7〜8億円で安定していましたが、会社も成長しないし、後輩が来ないことで、社内の雰囲気が悪くなり、社員がどんどん辞めていきました。

ショックで落ち込みましたが、それをきっかけに社内の環境改善に努め、初心にかえってフリーランスの人々をまとめるサービスを作ろうと考えて、事業を立て直し、今に至ります。

今は、会社と人が共に成長できる環境を長く継続させることが、自分にとってのやりがいとなっていますね。一番注意しているのは、成長へのモチベーションを上げる構造を作ることです。上司が部下を育成すれば昇給しますし、部下もそれを見て、上司を目標としてくれるので、自身の成長のきっかけにもなりますね。

部下にはよく「自分より優秀な人を採用してくれ」と伝えています。優秀な後輩を育成して、さらに優秀になればなるほどに、自分も出世して給与も増えるし、会社も成長する。まさに、これこそが「会社も人も成長できる循環」だと思っています。

■多彩であり成長を楽しめる人へ

入社の基準は「うちの社員が一緒に働きたい人を選ぶ」というものです。同じ人ばかりが面接すると偏った人材が集まりそうですが、コンサルティングや人事などがそれぞれ一緒に働きたい人を選ぶので、社員の個性も多彩です。

すべての職種に共通で大切にしているのは、コミュニケーションスキルが高いことです。どんなに頭が良くても、話せなければ会社の魅力が伝わらないですよね。そのスキルが高ければ、営業でもお客様との信頼に繋がりますし、人事でも中途採用で優秀な人と交渉・説得もできます。

それに加えて、話の中でなんとか答えを返そうとする気持ち、話しながら答えを考えられるスキルを持っていたら完璧ですね。会社も人も成長し続けるためには、「現状維持」という人よりは勢いに乗って自分や会社の成長を楽しめる人のほうが、うちの会社には合っていると思います。

■遊びやアルバイトの経験を糧に

最近の学生は勉強しすぎ・働きすぎのような気がします。人生の中で一番休暇が長くて自由に楽しめるのは学生時代なので、適度に勉強して、遊びやアルバイトで人との繋がりを作るなど、経験を積んでほしいです。

私はたまたま選んだコンサルの仕事が天職になりましたが、いきなり適職に当たる人はそこまで多くないと思います。だからこそアルバイトなどでいろんな職業を体験したり、見たりするだけでもいいので経験して目標を見つけてほしいです。

学生新聞オンライン 2022年9月15日取材 武蔵野大学3年 西山流生

法政大学1年 佐伯桜優 / 日本女子大学4年 神田理苑 / 立教大学4年 須藤覚斗 / 明治大学4年 酒井躍 / 武蔵野大学3年 西山流生

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