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Archive for gakusei-shinbun

学生新聞インターン

俳優 高杉真宙

俳優業の最大の魅力は、見てくださる方に、作品のメッセージを届けられること 俳優 高杉真宙(たかすぎまひろ) ◆プロフィール1996年7月4日生まれ、福岡県出身。2009年、俳優デビュー。映画『散歩する侵略者』(‘17)にて第72回毎日映画コンクール スポニチグランプリ新人賞受賞。大河ドラマ「光る君へ」(‘24)、映画『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編』(’23)などに出演。 ◆俳優業のやりがいについてお話ください 作品を見てくださる方に、自分を通してメッセージを届けられることがこの仕事の大きな魅力だと思います。「みんなで良い作品をつくろう」という思いを大切にしながら、誰もが気持ちよく過ごせる現場でありたいと思っています。どの作品にも共通して言えることは、一つの作品を無事にやり遂げた瞬間は、何度経験しても特別です。完成したときや撮影を終えたときの充実感はもちろん、皆様からいただいた感想に触れるときにもやりがいを強く感じます。 ◆映画『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』に対するお気持ちをお聞かせください この映画は、和さんと将一さん、そしてご家族に敬意を持って取り組ませていただいた作品です。原作や台本、映像を通して、将一さんの思いをできるだけ汲み取りたいという気持ちで臨みました。お二人の選択を通して強く感じたのは、“言葉を残すこと”の大切さです。残される人のために、自分は何を残していけるのか。声や文字、日常の何気ない風景など、その人がいなくなっても存在を感じられるものを残すことに、大きな意味があるのだと気付かされました。 ◆学生へのメッセージをお願いします 本作品は、皆さんと年齢の近い登場人物が描かれています。ただ、今の自分からは遠い出来事だと感じる人も多いかもしれません。僕自身も最初はそうでした。しかし、実際には大切な人や身近な誰かに重ねながら想像できる物語です。ぜひ、皆さんそれぞれの視点で受け取ってもらえたらうれしいです。 ■取材を終えて それぞれの質問に真摯に向き合い、言葉を選びながら丁寧に答えてくださる姿が印象的でした。「認知されることで、その人は『いる』ことになる」という言葉が心に残っています。作品への思いや役に向き合う姿勢から、誠実な人柄が伝わってきました。 学生新聞2026年10月号 東京薬科大学4年 庄司春菜 映画『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』 2026年10月2日(金)全国公開出演:川口春奈 高杉真宙原作:遠藤和「ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記」(小学館刊)監督:山戸結希配給:東映Ⓒ遠藤和/小学館 Ⓒ2026「ママがもうこの世界にいなくても」製作委員会 城西国際大学3年 渡部優理絵/東京薬科大学4年 庄司春菜/津田塾大学4年 山下さくら/津田塾大学4年 石松果林/慶應義塾大学4年 山本唯那/青山学院大学2年 松山絢美 撮影:広田成太

坂倉彩月

俳優 福本莉子

後悔しないように、今この瞬間を楽しむことが大切 俳優 福本莉子(ふくもとりこ) ◆プロフィール2000年11月25日生まれ、大阪府出身。2016年開催の第8回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリと集英社賞(セブンティーン賞)を併せて受賞し、芸能界入。『今夜、世界からこの恋が消えても』(2022)で第46回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。『隣のステラ』(2025)などに出演。 ◆大切にしている考え方、生活信条は何ですか 私は負の感情に引きずられないように意識しています。後悔して落ち込む瞬間は誰にでもありますが、振り返ってみると「あのときああなって良かった」と思えることも少なくなく、必要以上に落ち込まないように気をつけています。また、私は毎晩寝る前に、その日にあった“良いこと”を3つノートに書くようにしています。人は案外、日々の出来事を忘れてしまうものですが、ノートを読み返すと、毎日きちんと過ごしてきたことを思い出せるからです。 ◆映画『時給三〇〇円の死神』の見どころをお聞かせください 『時給三〇〇円の死神』は、映像がとてもきれいです。雨粒が止まるシーンなど、実写でありながらアニメのような繊細さがあり、思わず見入ってしまいます。死をテーマにした作品ですが、佐倉くんと花森さんの掛け合いは可愛らしく、重さの中に温かさがある物語です。幅広い世代の方に楽しんでいただける作品になっていると思います。また、2人が懸命に生き、さまざまな死者と向き合い成長していく姿には、私自身も勇気をもらいました。 ◆学生へのメッセージをお願いします 最近は「後悔のないように今を生きる」ことの難しさを強く感じています。会いたい人に会う、食べたいものを食べるといった“今やりたいこと”は、今この瞬間にしかできません。「まだ早い」「もう遅い」と言い訳をしたりせず、まず一歩を踏み出してほしいです。挑戦すること自体がきっと未来の自分を支えてくれます。 学生新聞2026年10月号 東京都立大学4年 坂倉彩月 ■取材を終えて 一つひとつの質問に丁寧に向き合ってくださり、作品への深い思いが伝わってきました。特に「今を大切に生きる」という言葉が心に残りました。この作品は死を扱うからこそ、生きることの尊さや日常の幸せに目を向ける大切さを改めて考えるきっかけとなりました。(法政大学2年 森川葵) 映画『時給三〇〇円の死神』 2026年10月2日(金)公開出演:西畑大吾 福本莉子 ほか原作:藤まる「時給三○○円の死神」 (双葉文庫)監督:酒井麻衣『劇場版 美しい彼~eternal~』製作幹事・配給:ギャガ/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント©2026藤まる/双葉社・「時給三〇〇円の死神」製作委員会https://gaga.ne.jp/jikyu-300movie/ 東京都立大学4年 坂倉彩月/法政大学2年 森川葵/城西国際大学3年 渡部優理絵 撮影:下田航輔

大学理事長・大使館

立命館アジア太平洋大学(APU) 第5代目学長  米山裕

留学経験が引っ込み思案だった自分から脱皮する出発点に 立命館アジア太平洋大学(APU) 第5代目学長  米山裕(よねやま ひろし) ■プロフィール1959年東京都生まれ。東京大学教養学部卒業後、筑波大学にて文学修士(史学)取得。1991年カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院歴史学研究科退学。東京大学教養学部助手、東洋女子短期大学助教授、立命館大学文学部教授等を経て、2020年に立命館アジア太平洋大学に副学長として着任。2024年1月から現職。専門はアメリカ史・日系移民史。 大分県別府市にキャンパスを構えるAPU。2000年に「3つの50」(国際学生の比率50%、外国籍の教員比率50%、学生の出身国・地域数50以上)をコンセプトに掲げ、開学。今では100を超える国・地域から学生が集まる、日本を代表する国際的な大学となっている。米山裕学長からAPUへの熱い想いや学長としての役割、大学生へのメッセージを伺った。 ■どのような学生時代を送っていましたか 大学では教養学部でアメリカの日系人にまつわる研究をしていました。もともとは、理科一類に入学したのですが、「1年目が面白くない病」に罹ってしまって困っていたんです。すると、「国際関係論」という授業をきっかけに文系の学びの面白さを見つけ、文転を決断しました。それから先輩の勧めで在学中に、奨学金を得てアメリカのUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)に1年間の留学をしました。勉強はもちろん大変でしたが、留学先では自分1人で決断する場面やいろいろなトラブルを自分1人で交渉して解決しなくてはならないなど大変な経験をしました。さらに、インターナショナルスクールに通っていた日本人や中国と日本にルーツを持つ人など、日本社会で生きづらさを感じてきた学生とも交流をしました。そうした出会いを通して、人間の多様性を実感し、その知見が日系人を研究するうえでもとても役に立ちました。今振り返ると、アメリカの留学経験が、引っ込み思案で本を読むのが好きな若い自分から、脱皮する出発点になったと思います。 ■学長としての仕事内容を教えてください 学長に就任する前は、立命館大学の文学部で21年間教えていました。もともと国際的な学びができるAPUに関心があったので、当時学長であった出口治明氏から副学長の誘いがあった時には「はい、行きます!」と立命館大学から離れて、大分に引っ越す決意をしました。主に学長は大学のトップとして先頭に立ち、学生の学びと成長を保証するべく、学内の意見を取りまとめ、最終的な意思決定を行っています。APUの特徴の1つに大分の別府にキャンパスがあるため、1年生のほとんどが「APハウス」という学生寮に入居しています。4月と9月それぞれに約半数の学生が入学し、寮生も半年ごとに半分入れ替わるので、毎学期「学長も泊まらnight」というイベントを実施し、学生と一緒に寮に泊まって交流を深めています。このようなことも学長の大切な仕事です。広報活動としては、高校や塾、企業と連携を行い、APUの学生の強みをアピールすることで学生募集や、就職、インターン活動の幅を広げる取り組みを行っています。そのほかにも、5年後10年後にAPUがどのような大学であるべきか、中長期的なビジョンを教職員のみなさんと議論を進めています。現在新たに取り組んでいることの1つに、APUの教育を学生以外の社会人にどのようにして提供していくかについて話し合いを進めています。政府が推進する新しい知識やスキルを学ぶ「リスキリング」を、APUではライフロングラーニングと表現しており、単なるスキルの習得に留まらず、年齢や属性に関係なく、自分の成長や企業や地域の課題解決のために、大学の教育や研究を活用してもらえるような仕組みを提供したいと考えています。立命館大学で教鞭を執っていた頃は学長になるなんて想像もつきませんでした。でも今は、「自分はこういうことをしたかったのか」という気づきにつながり、学長になって本当に良かったと思っています。 ■学生が生み出す「新たな人類社会」とは APUでは、日本で成長した学生も外国から来た学生も、どちらかが肩身の狭い思いをすることなく対等に付き合っている姿が見られます。これは新しい人類社会だ、すごい環境がこのキャンパスに生まれている、と素直に感じました。今日本社会では、外国人を巡り反対論が生まれ議論が過熱している一方です。しかし、学生たちの約50%が留学生という環境の中、楽しそうにお互いに切磋琢磨して学んでいるのがAPUでのリアルです。日本人の皆さんにもできることだと、確信を持ってもらえたらいいなと感じています。国際交流は大学の枠を超えて別府という地域全体に広がっています。APUの学生が生活しているからこそ、ホテルやレストランだけでなく、別府市全体のインバウンド対応にも貢献しています。また、日本人はよく主体的に動かないから国際的に活躍できないと言われていますが、私は半分は嘘ではないかと考えています。留学生と聞くとアクティブで国際的なイメージを持ちますが、そんなことはなく、ミャンマーやインドネシアのように自分の意見をはっきり言わない教育を受けている学生やインド、パキスタンのように自分の意見を強く主張する学生もいるなど多様な人が集まっています。教える教員も約50%が外国籍という環境で、人とは違う自分の独自の感じ方、考え方を大事にされると、インタラクティブで人と話すことが好きになることを意味する「コミュニカティブ」な能力が鍛えられて伸びると感じます。正しい環境さえ提供できれば、若い人たちはどんどん羽を伸ばして活躍できるポテンシャルを秘めています。APUの学生たちを見ていると、ディスカッションがとても活発で、「意識高い系」みたいな揶揄が絶対になく、お互いにサポートする学生文化があります。若い人たちのポテンシャルを生かすには、社会全体としてどんな取り組みを行うべきか、我々が考えさせられる体験を常にしています。 ■学生へのメッセージをお願いします 学生の皆さんはこれから短くとも50年、60年社会で活躍することになると思います。今見えているのはエネルギー問題や気候変動、AIの台頭や紛争も起こる不安定な世の中ですが、それを超えて、我々大人が予想もできない未来が来るはずです。その時にどんなことが起きても対応する覚悟と、どんなことが起きても対応できるよう学び続ける姿勢を持つことが、皆さんにとっての最大の武器です。これから起こる変化にポジティブに対応し、少し楽しむくらいで、自分の成長のチャンスとして捉え、「何が来ても自分は乗り越える力はあるぞ」という学び続ける姿勢を期待したいです。 学生新聞オンライン2026年7月26日取材 日本女子大学1年 大池絵万里 国際基督教大学4年 若生真衣/開智日本橋学園高等学校2年 古家凛音/東京女子大学3年 浮田梨沙/青山学院大学2年 松山絢美

区長・市長

新座市長 並木傑

商社マンや幼稚園園長を経て、新座市長へ! 新座の未来を拓く 新座市長 並木傑(なみきまさる) ■プロフィール慶應義塾大学経済学部を卒業後、トヨタグループ豊田通商株式会社に入社。その後家業のなみきの幼稚園の経営に加わり、17年間園長を務める。38歳の時に新座市議会議員に初当選。以来5期連続当選。平成28年に新座市長に就任し、現在3期目。「未来もずっと 暮らしに「プラス」が生まれる 豊かなまち 新座」の実現に向けて市政運営に全力で取り組んでいる。 慶應義塾大学を卒業後、豊田通商株式会社や幼稚園園長、市議会議員を経て埼玉県新座市長に就任した並木傑氏。ICT教育ランキング日本一の実現や子育て支援策の強化、地下鉄延伸構想など、柔軟な発想と強い行動力で市政改革を推進。そんな多彩な経歴を持つ市長に、教育・子育て支援のビジョンと若者へのメッセージを伺いました。 ■教育と子育て環境の徹底強化で「選ばれる街」へ 新座市は現在も人口が増加傾向にあり、若い世代からも「住みやすい街」として人気が高まっている活気ある自治体です。私が市長として最も力を入れてきたのが、公教育の充実と子育て支援策の強化です。「子育てがしやすく、緑が豊富で利便性が高い街」を将来像として掲げ、様々な施策を力強く推進してきました。具体的な取り組みとして、保育士の処遇改善により保育士の確保を図ったり、学童保育(放課後児童保育室)の新設により、受け入れ児童数の改善を実現しました。学童を学校の敷地内に設けるのは簡単なことではありませんが、国の基準をクリアしながらほぼ全校で設置を進めてきました。また、学校給食もセンター方式ではなく、各学校で調理する「自校調理方式」を守り続けています。コストはかかりますが、子どもたちに温かく美味しい食事を届けたいという想いを最優先にしています。さらに、ICT教育の推進にも早くから取り組んできました。国の補助金なども活用しながら、全教室への電子黒板の設置や一人一台のタブレット端末導入を前倒しで進め、体育館を含めた全小中学校へのエアコン設置も完了させました。こうした取り組みが実を結び、日経BP社の「全国市区町村公立学校情報化ランキング(2021)」で小・中学校ともに全国1位の評価をいただくことができました。 ■4割を占める調整区域を活かした戦略的な街づくり 新座市の大きな特徴として、市域の4割近くを「市街化調整区域」が占めていることが挙げられます。開発が制限される緑豊かなエリアですが、この広大な土地を計画的に有効活用するため、市では土地区画整理事業を積極的に進めています。例えば、新座駅北口周辺の開発をはじめ、国道254号バイパス沿いの大和田地区などでは、商業施設や大型物流施設を誘致するための区画整理を手掛けました。これまで税収を生み出しにくかった調整区域を戦略的に開発することで、良好な街並みを形成すると同時に、新たな事業用地を創出してきたのです。また、新座市では「都市高速鉄道12号線(都営地下鉄大江戸線)」を東京都の光が丘駅からJR武蔵野線の東所沢駅まで延伸させる構想に取り組んでいます。市内に新駅「(仮称)新座中央駅」を誘致するとともに、駅周辺の区画整理や、関越自動車道へのスマートインターチェンジ設置構想も具体的に進めています。交通の利便性を飛躍的に高め、雇用や賑わいを生み出す持続可能な街づくりを推進していきます。 ■子どもと現場を支える「優しさ」と持続可能な市政経営 幼稚園長としての現場経験から痛感しているのは、教育や子育てにおいて最も大切なのは「関わる大人たちの優しさと良好な環境」だということです。現場で子どもたちに接する先生や保育士の皆さんが明るく幸せに働ける環境があって初めて、子どもたちにも質の高い教育が提供できます。精神論だけに頼るのではなく、処遇改善や施設整備への補助など、行政としてしっかりとした経済的・物的支援を行うことが不可欠です。一方で、今後は少子高齢化を見据えた持続可能な市政経営も求められます。新座市には小学校17校、中学校6校がありますが、利用する市民の皆様の声を丁寧に聞きながら、施設改修や統合など、公共施設の再配置などを慎重かつ着実に進めていく考えです。時代の変化に柔軟に対応しながら、質の高い教育環境を将来世代へと維持・継承していきます。 ■大学生へのメッセージ 今の大学生の皆さんに一番伝えたいのは、「自分の人生をどう生き抜くか」という自分自身の軸を大切にしてほしいということです。かつてのように、一流企業に入り終身雇用のもとで勤め上げるという単一の成功モデルはすでに崩壊しています。現在の時代は、社会全体が豊かになり、多様な生き方や挑戦が尊重される素晴らしい時代になっています。親や周囲の期待にとらわれる必要は全くありません。途中で進路を変更したり起業したりしても、そこから無限の可能性が広がっています。また、現代はインターネットを通じて世界中の情報や人々と瞬時に繋がることができる時代です。日本の縦割り社会という狭い世界に閉じこもるのではなく、地球全体をフィールドとして捉え、様々な挑戦と出会いを楽しんでください。自分の直感を信じ、未来を自らの手で自由に切り拓いていってほしいと心から願っています。 学生新聞オンライン2026年8月21日取材 慶應義塾大学1年 古賀夏音 情報経営イノベーション専門職大学2年 山田千遥/慶應義塾大学1年 古賀夏音/京都芸術大学1年 猪本玲菜/日本大学1年 田中秀弥

イベント・企業紹介

映画『ナギダイアリー』公開記念舞台挨拶

第79回カンヌ国際映画祭コンペティション部門にてワールドプレミアを経て、ついに9月25日(金)に日本公開を迎えた深田晃司監督最新作『ナギダイアリー』(新宿ピカデリー、ユーロスペース ほか全国公開中)。本作の公開を記念して、9月26日(土)に新宿ピカデリーにて公開記念舞台挨拶が開催されました。深田晃司監督、主演の松たか子さん、共演の石橋静河さん、松山ケンイチさん、川口和空さん、藤原聖さんら豪華キャスト一同が登壇しました。 ◆本作は石橋さん演じる友梨が訪ねて来るところから始まりますが、以前共演経験がある松さんと石橋さんの関係性は、本作にも影響しているのでしょうか。 松たか子:出会いは舞台でご一緒したことでした。数か月間、お互いに分かち合って過ごした存在なので、良いときも悪いときも全部見られている人なんですよね。ただ、ここまで会話をする間の役柄は初めてで、今回ご一緒できることを楽しみにしていました。また、私が寄子という役をどうこうするというよりも、友梨から見て「素敵だな」とか、「こうなのかもしれない」という、人生のヒントになれれば良いと思っています。静河ちゃんの存在や目線というのは、私の役のヒントそのものになりましたし、出会ってからの安心感や信頼が、今回の関係にも生きたような気がしていて、楽しかったです。 ◆寄子という人物は、日常的には大きく感情を表に出さないものの、作品を作る過程でため込んだものがパッと表出する瞬間がありますが、どのようなこと感じて演じられましたか。 松:個人的には、ちょっとヘラヘラしすぎたんじゃないかと思っています(笑)。寄子は「ずるい」と言われることもありますが、こういう人がナギという町にいてもいいのかなと思っていて。一つのコミュニティの中に、こんな人がそっと生きていてもいいのかな、ということを想像しながら演じていました。ナギの自然が全てを受け止めてくれるという中で、寄子という人が、たまたま彫刻する人で、木を触る人だった、粘土に触れる人だった、友梨という知り合いがいる──というように、「たまたまこういう人だった」という感覚で演じさせていただきました。 ◆石橋さんは、松さんとの関係性をどのように感じられていましたか。 石橋静河:私は、松たか子さんが大好きすぎるんです(笑)。初めて舞台でご一緒したときは、私自身まだお芝居を始めたばかりで、目の前で松さんがお芝居されている姿に、ただ憧れていました。今回は義理の(元)姉妹ということで、怯んではいけないと思って撮影に臨みました。ただ、やっぱり松さんという大きな船に乗せてもらって、楽しい時間を過ごさせていただきました。 ◆友梨に関してはいかがでしたか。 石橋:脚本を読み込むうちに、どんどん自分がリンクしていき、「自分自身も実はこういうふうに感じていたんだな」という発見がありました。私自身もちょうど、自分はこれからどうやって(役者として)生きていこうかと悩んでいた時期でもありました。そのタイミングで友梨というとても恵まれていて幸せなはずなのに、どこか足りていない、もどかしさを感じている女性に出会うことができ、自分の成長につながりました。そして友梨にとって、寄子という人は人生の先輩であり、姉妹でもある、とても大事な人です。私自身は松さんを間近で感じながら日々お芝居ができたことが、友梨と寄子の関係性とリンクしていた時間だったと思っています。 ◆松山さんは東京と田舎の二拠点生活を送っていらっしゃいますが、ナギという土地で暮らしている好浩については、どのように感じましたか。 松山ケンイチ:好浩は役場勤めで、町の放送担当でもあります。僕も田舎でよく放送を聞く機会がありますが、聞き取りづらかったりするんですよね(笑)。なので、はっきり、ゆっくり、きれいな声を意識して演じました。また、撮影地である岡山県の奈義町で過ごす中で、人の考え方や生き方は、風景や建物に左右される部分があるのではないかと感じました。 ◆川口さんと藤原さんは、ご自身の役柄について、どのようなことを感じられましたか。 川口和空:春樹を演じるにあたって、自分は春樹と圭太との区別をしたいと考えていました。その違いを考えたとき、圭太はナギに来てまだ五年なのに対し、春樹は以前からナギ町で暮らしている人間なんです。なので、ナギで育ってきた春樹だからこその雰囲気を出せたらと思い、実際に撮影地を散歩したりしながら情報収集をして、春樹と向き合っていました。 藤原聖:圭太は人見知りだけども、周りの気持ちや考えていることを誰よりも早く感じる、繊細な人間だと思っています。僕自身も圭太と似ているところがあり、圭太の気持ちはすごく汲み取りやすかったです。ただ、自分と圭太が混ざらないよう区別をつけた上で、彼の不安や覚悟を表現することを意識しながら演技をしました。 ◆深田監督は、お二人の演技をどのように感じましたか。 深田:オーディションの際に、春樹と圭太のいろいろな場面を見させてもらったのですが、本当に良くて。自分の書いたシーンで泣きそうになったのは初めてで、そのくらいお二人のお芝居は良かったんです。脚本を書いて「映画を撮るぞ」となっても、もちろん不安になったり、「本当にできるのかな」と思ったりすることもある中で、この映画の完成を見たいと思ったのがお二人のオーディションのシーンでした。 ◆今回の作品は、孤独と孤立について言及されるシーンがありますが、松さん、石橋さんはどのように受け止めていらっしゃいますか。 松:孤独を感じる瞬間は人それぞれにあって、比べて安心できるものでもないと思います。ただ、孤独にならなければいけない瞬間はある、という意味も感じました。孤立に関しては、立ち向かえる生き方があるのかもしれないとイメージしながら演じました。それをどう伝えるのかというと、ただ言葉を放っただけで、私自身はセリフ自体に何も感情を乗せていないんですよね。その何気ない言葉が相手に影響を与えたりといった瞬間が、本作にはたくさんあると感じています。私が思った以上に、友梨である静河ちゃんが受け取ってくれたことで、その言葉の意味が広がる方が面白いなと思ってセリフを言った記憶があります。 石橋:友梨は都会からナギに来た人で、個人的に、都会は便利なシステムがあるからこそ、孤立しやすい環境なのかなと思っています。ただ、ナギのような自然の力が強い場所では、誰かの支えがないと一人では生きていけなくて。寄子が孤独や孤立について言及しているのは、とてもリアリティのある言葉だと思います。だからこそ、友梨に刺さったのではないでしょうか。 ◆深田監督の作品は、劇的な展開というよりも、内側からでてくる何かを表現されていると感じますが、今回の脚本を書かれる上で、どんなことを意識されていましたか。 深田晃司:映画をつくるとつい、「物語には大きな事件や劇的な感情が必要だ」と思い込んでしまうことがあります。そうしないと映画は成り立たないと思う一方で、別にそんなことがなくても生きてるだけで大問題だと思うんです。自分は映画を作る時にはテーマやメッセージっていうのはなるべく考えないようにしていて、とにかくモチーフとそれにどう向き合うかが重要だと思っています。結局、人間は孤独というものから逃れられなくて、生きているだけでのしかかってくる問題なんです。『ナギダイアリー』は小さい出来事は起きるけども、始まりも終わりもないというか、生きている「途中」を描くことを意識しました。 ◆最後に一言お願いします。 松:皆さん、監督の熱い思いを感じていただけたと思います。何かが起きたような、何も起きなかったような日々の映画ではありますが、また気になったら観ていただけたら嬉しいです。 今日は本当にありがとうございました。 深田:この作品はカンヌ後にフランス北部のカブール映画祭で上映され、ディレクターから「ロマンチックな映画」と評価していただきました。自分自身、その解釈がしっくりきていて、出演者全員ロマンチストかもしれないと思っています。そういった解釈もしていただけたら嬉しいです。 学生新聞オンライン2026年9月26日取材 成城大学2年 小澤実桜 映画『ナギダイアリー』新宿ピカデリー、ユーロスペース ほか全国公開中出演:松たか子 石橋静河/松山ケンイチ監督・脚本:深田晃司配給:スターサンズ© 2026 ナギダイアリー・パートナーズ (スターサンズ/八朔ラボ/ワンダーストラック) / Survivance / Momo Film Co.https://starsands.com/nagidiary 國學院大學1年 小川観輝/成城大学2年 小澤実桜/日本大学2年 原田達司

中澤京平

株式会社バイク王&カンパニー 代表取締役CEO 澤 篤史

バイクを、もっと身近に。もっと永く。  株式会社バイク王&カンパニー 代表取締役CEO 澤 篤史(さわ あつし) ■プロフィール1998年9月に(株)アイケイコーポレーション(現:(株)バイク王&カンパニー)に入社。1999年7月に営業部長に就任。その後、経営企画室長、経営管理室長、社長室長、企画本部長、マーケティング戦略部門長などを歴任。2017年にバイクライフプランニング事業部担当執行役員、2021年に取締役執行役員、バイクライフプランニング事業部管掌、2024年に代表取締役CEOに就任。 バイクを中心に、中古モビリティの買取・整備・販売・レンタルまで幅広く事業を展開する、株式会社バイク王&カンパニー。澤CEOにバイク王の魅力や今後の展望について掘り下げていく中で感じたのは、「このビジネスを通じてバイクに長く乗り続けてもらいたい」という澤CEOの熱い思いであった。 ■バイク業界をもっと良くしたいという思いから、この業界へ 私の家族や親戚はみなバイクに乗る家系で、私自身も昔からバイクに乗ることが大好きでした。バイクは乗用車とは違って、雨風や四季の匂いを直接感じることができます。そうした感覚を味わえるところが、バイクの大きな魅力だと思っています。高校卒業後は、1年ほどホテル業界で働いていました。その当時のバイク業界は、常連のお客様やバイクに詳しい方にとってはとても魅力的な場所である一方で、免許を取り立ての方や初めてお店に来る方にとっては、少し敷居が高く感じられる面もあったと思います。バイクが好きだった私自身も、「もっと多くの方が気軽にバイクに触れ、楽しめる業界にできるのではないか」と感じていました。自分がバイク業界に入り、この業界をより良くすることに少しでも貢献できるのであれば、自分の中でも大きな価値を見出せるのではないか。そう考えたことが、バイク業界へ入るきっかけになりました。その中で、弊社の創業者の1人である加藤義博さんが当時経営していた会社の面接を受けた際に、加藤さんの考えと私の考えが非常にリンクしたんです。それが入社を決める大きな理由になりました。その会社が、現在のバイク王&カンパニーです。 ■入社してからのミッション 入社した当時、私にとって最大のミッションは、全国各地に店舗を展開していくことでした。京都、大阪、名古屋、福岡、関東では川崎や八王子など、本当に全国各地を飛び回っていました。なかなか家に帰れない日もありましたが、それだけ店舗展開には力を入れて取り組んでいました。また、当時の創業者には、会社を株式上場させたいという大きな目標がありました。その頃の会社は、営業部門には非常に力を入れていた一方で、経理財務や人事、総務といった管理部門の体制は、まだ十分に整っていませんでした。そこで私は、株式上場という目標を実現するために、営業から経営企画へと移りました。店舗展開も上場準備も、共通していたのは、世の中の方々から一定程度認めてもらえる会社にしていくということです。もちろん、株式上場を進めていく過程では、従来の考え方や仕組みを見直す必要もありました。変革の過程では、戸惑いや葛藤もありましたし、決して簡単な道のりではありませんでした。それでも、会社をより良くしていくため、そしてバイク業界をもっと良くしていくためには、必要な改革だったと考えています。だからこそ、これまで突き進んでこられたのだと思います。 ■バイクを軸に、買取から販売・レンタルまで展開 弊社では、モビリティ、特にバイクを中心にビジネスを展開しています。具体的には、お客様からのバイクの買取に加え、買い取ったバイクの整備、販売、レンタルまで、幅広く取り扱っています。バイク業界では一般的に、バイク屋さんがオークションに出品されたバイクを落札して仕入れることが多いです。一方でバイク王では、買取を通じてお客様から直接バイクをお譲りいただくことができます。これは、当社の大きな強みの一つです。お客様から直接お譲りいただくことで、車両の状態や背景を把握しやすくなります。そのため、より安心してご提案できる車両を取り扱いやすいという特徴があります。お客様に買取先としてバイク王を選んでいただける理由の一つは、お客様が「面倒くさい」と感じる部分を、私たちが一手に引き受けてきたことにあると思っています。何かを買うときは、多くの場合、嬉しいイベントになります。一方で、売るときには手続きなどが面倒に感じられることもあります。そこで私たちは、出張買取などをはじめ、お客様の負担となる手続きや面倒事を引き受けることで、私たちの価値をつくってきました。また、お客様とは、買って終わり、売って終わりの関係ではなく、アフターサービスも含めて長期的な関係を築いていきたいと考えています。そこには、私自身の「お客様にバイクに長く乗り続けてもらいたい」という思いがあります。今年7月より始めた特定小型原付の通販サイト「トクテコ」においても、モビリティ通販の弱点であるサポート体制の不安を、弊社のアフターサービスの質で補い、お客様に長く安心して利用していただけるよう取り組んでいます。 ■バイク業界のこれからについて バイク業界は、人口減少や高齢化の影響を受ける一方で、一律に縮小している市場ではないと考えています。確かに、原付一種を中心とした実用需要には減少傾向が見られます。しかし、日本自動車工業会の統計によると、原付二種以上、つまり51cc以上の保有台数は増加しています。また、ツーリングや趣味性の高いバイクライフへの関心も、根強く残っています。さらに、若年層、女性、リターンライダー、まだバイクを保有していない方など、接点の作り方次第で新たな需要を生み出せる層も存在します。つまり、バイク市場は悲観すべき市場ではなく、まだ多くの人に価値を届けられる市場だと思っています。まだバイクに触れていない方、久しぶりに乗りたいと考えている方、これから興味を持つ可能性のある方は多くいます。だからこそ、さらなる飛躍を遂げるためには、バイク業界自体がより高いホスピタリティを持ち、ユーザーに寄り添っていくことが必要です。そうすることで、バイク業界全体をより良い方向へ導いていくことができると思っています。また、市場を成長させる上では、業界全体で連携していくことも大切です。サービスの質をより良くしていくためには、競合他社と足を引っ張り合うのではなく、互いに協力し合いながら、お客様を支えていくことが必要だと考えています。国内だけでなく、海外に向けた事業展開も視野に入れています。海外には、日本とは異なる形でバイク市場が成長している地域もあります。そうした市場に対して、バイク王としてどのように価値を提供していくか、現在模索している段階です。 ■学生へのメッセージ 学生の皆さんには、自分の中で「やりたい」と思うことを、少しずつで良いので可視化していってほしいと思います。これは、「どんな大人になりたいか」と考えても良いと思います。そして、そのやりたいことや、なりたい自分に近づくために、どのようなことに取り組んでいけば良いのかを考え、進路を決めていくことが大切です。可視化するためには、考えることを諦めないことが大事です。自分と向き合い、考え続けた経験は、社会に出てから働くモチベーションにもつながっていくと思います。 学生新聞オンライン2026年8月26日取材 早稲田大学3年 中澤京平 早稲田大学3年 中澤京平/成城大学2年 小澤実桜/かえつ有明中学校2年 狩野百福

コラム

テリー伊藤 コラムVol.89 あのヒット曲の舞台はここだ

ニッポン放送で番組をやっていた頃、こんな企画で盛り上がった。『歌謡Gメン あのヒット曲の舞台はここだ!』(テリー伊藤著)と題して宝島社から本も出版され話題にもなった。久しぶりに読み直したら我ながら最高に面白かったので、その一部を紹介します。 先ずは太田裕美の「木綿のハンカチーフ」で歌われている、東へと向かう列車は何処から何処行くの?答えは博多から東京へ。作詞家の松本隆さんに聞くと、担当ディレクターの出身が博多だったのでそれをイメージしたとか。つのだひろ「メリー・ジェーン」のメリー・ジェーンって誰?当時つのだひろさんに好きな女の子がいた。来日している留学生で名前はマーガレット。何とか彼女に思いを伝えたいと思い苦労して作ったが、曲ができた頃には他の男性と付き合っていたとか。結局彼女には聞かせることはなかった。はしだのりひことクライマックスの「花嫁」。花嫁は夜汽車に乗って何処へ行ったのか。目的地は京都です。はしだのりひこさんに聞きました。当時付き合っていた彼女とは忙しくてなかなか逢えず、名古屋・広島・福岡の公演先に彼女が出向いてくれたそうだ。夜中まで一緒に居て深夜3時位の汽車に乗って京都に帰って行く彼女、そのことを知っていた北山修が心を痛めて歌詞を作ったとか。そんな切なく素敵な思い出がこの曲にはあるのです。ビリー・バンバン「白いブランコ」は何処にあったかというと、代官山の作詞家浜口庫之助の自宅の庭にあった。ビリー・バンバン(菅原兄弟)は浜口庫之助さんの弟子で、デビュー前は兄弟揃って代官山猿楽町の自宅に通っていた。そこにオシャレな白いブランコが。秋の夕暮れ、弟の進がブランコに乗って買ったばかりのギターを弾きながら初めて作ったのがこの曲。当時CとAマイナー、Dマイナー、G7くらいしかコードを知らなかった。そのおかげで、シンプルで美しい曲が出来たと。吉田拓郎「旅の宿」の宿は何処?青森県上北郡十和田湖町にある蔦温泉旅館。作詞の岡本修己さんに聞くと、1972年の札幌オリンピックの年にヒットしたのだが、その少し前に結婚して青森の蔦温泉に新婚旅行に。つまり「浴衣の君」は岡本氏の新妻だった。「上弦の月」とあるのは星を見るのが好きだった妻に、夜空を見ながら教えてもらったらしい。素敵な話ではないか。 そうなんです、ひょんな事から名曲は誕生するもの。いい時代ですね。現代は電車に乗っても、旅館に入っても最初にする事はスマホいじりになってしまいがち。夜空に輝く星や月を見ても直ぐに写真撮影に意識が行ってしまう。これってどうなんでしょうか?心配ですよね。 テリー伊藤(演出家) 1949年、東京築地出身。早稲田実業中等部、高等部を経て日本大学経済学部を卒業。2023年3月、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。テレビ番組制作会社IVSテレビに入社し、「天才たけしの元気が出るテレビ」「ねるとん紅鯨団」などのバラエティ番組を手がける。その後独立し、テレビ東京「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。著書「お笑い北朝鮮」がベストセラーとなり、その後、テリー伊藤としてメディアに多数出演。演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。YouTubeチャンネル「テリー伊藤のお笑いバックドロップ」LALALA USAでコラム連載中https://lalalausa.com/archives/category/column/terry

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プロゴルファー 阿久津未来也

イメージ通りのショットを打てた瞬間が、一番楽しい プロゴルファー 阿久津未来也 あくつみきや ■プロフィール幼少期からゴルフに親しみ、作新学院高1で関東ジュニア、日大4年時に日本学生を制覇。16年にプロ宣言し、17年は日本プロゴルフ新人選手権で優勝。21年に初シードを獲得し、24年は横浜ミナト選手権で自己最高の2位など賞金ランク21位に躍進。25年のミズノオープンで初優勝を飾り、全英オープンにも出場。今季は選手会長を務める。 3歳からゴルフをはじめ、大学時代には「日本学生選手権」で優勝し、プロとなった阿久津未来也さん。2025年「ミズノオープン」でツアー初優勝を果たし、ジャパンゴルフツアー選手会の会長も務める。今回、阿久津さんにプロとしてのやりがい、気持ちの切り替え方、選手・選手会長としての今後の目標を伺った。 ■「日本学生選手権」をきっかけに、さらにプロを意識 ゴルフをはじめたのは3歳です。ゴルフは身近にあり、小学生のときには試合で優勝したこともありました。小学校の卒業アルバムにも、将来の夢として「プロゴルファー」と書いていて、そのときから頭のどこかでプロを意識していたのだと思います。中学生のときには反抗期もあり、一度ゴルフから離れた時期もありました。それでも、高校そして日本大学へ進んだことが、最初の大きな分岐点だったと思います。高校を選ぶ際、一緒に歩んでいたコーチから「高校まではしっかり勉強もした方がいいよね」と言われて腑に落ちたことから、受験をして大学進学コースに入りました。当時はゴルフと同じくらい勉強にも時間を費やしていましたね。大学進学の際、日本大学から特待生のお声がけをいただきました。高校生の頃から「プロになりたい」という夢を持っていましたし、日本大学のゴルフ部には長い歴史があります。そこでプロを目指すことが、自分にとってメリットになると考え、迷わず進学しました。大学では4年間、寮生活を送りました。ゴルフ部の先輩や後輩と朝から晩まで同じ時間を過ごし、ゴルフだけでなく、集団生活を通しても、経験してよかった4年間だったと思います。そして、大学4年生のとき、「日本学生選手権」で優勝できたことも、人生において大きな転機になりました。「もしかしたら、ゴルフで一番になれるかもしれない」と感じた瞬間でしたね。1位を取ることはうれしいですし、後輩やコーチ、監督からたたえてもらったときには達成感がありました。大学最後の年に日本タイトルを取れたことが、プロになるうえで決定的な出来事だったと思います。 ■苦しい時間の先にある、プロとしてのやりがい プロになった当初は、試合にほとんど出られませんでした。それだけに、2025年「ミズノオープン」で初優勝したときは、500通ものメッセージをいただきました。自分で目標を達成できた喜びだけでなく、「こんなにも周りの人が喜んでくれるんだ」と実感しました。応援してくださる方からメッセージをいただいたり、ジュニアの子どもたちに「かっこいい」と思ってもらえたりすることが、プロとして一番のやりがいです。ゴルフをしていると、楽しい瞬間はたくさんあります。特に、自分のイメージ通りのショットが打てたときが一番楽しいです。プロ同士でプライベートラウンドをしているときやオフシーズンの練習中に「今までにない感覚かもしれない」という発見があると、とてもうれしいですね。一方で、ゴルフは4日間にわたって競う長いスポーツです。1日の中でも思い通りにいくことは数回しかなく、我慢しなければならない時間の方が長いと感じます。しかも、プレー中は静寂の中にいます。よいショットなら拍手が起こりますが、ミスしたときには気持ちを発散する場所がないので、気持ちをコントロールすることが大変ですね。僕の場合は、相手の邪魔にならないところで一度大きい声を出して、気持ちを切り替えることもあります。最近は「笑っておけばいいかな」と考えています。ゴルフは1週間ごとに試合の場所が変わるので、よい意味で毎週切り替えができます。予選落ちが続く時期もありましたが、その先に優勝がありました。いつチャンスが訪れるかわからないところも、いまだに不思議だと感じています。 ■3世代で楽しめる、ゴルフならではの魅力 ゴルフは、ゴールのないスポーツです。プロ同士で話したり、先輩に「なにかアドバイスはありませんか」と聞いたりすることで、新たな発見があります。その中の一つが自分にあてはまり、できるようになる。その繰り返しです。ゴルフの競技人口は700~800万人おり、市場価値もある。これだけ大きな規模のスポーツは、他にはないと思います。また、3世代が一緒にできるスポーツで、競技寿命が長いことも特徴です。さらに、プロとアマチュアが一緒にできるスポーツというのもほとんどなく、さらに試合を見に来てくれる人たちとの距離感も圧倒的に近いです。一方で、ゴルフを知らない人にとっては、「どのような服装、靴で行けばよいのかわからない」、「ゴルフウェアでなければいけない」などという難しいイメージもあるでしょう。でも、そうした理由で、ゴルフ場に足を運ぶハードルがあがってしまうのは、すごくもったいないので、ぜひ気軽に挑戦してみてほしいです。 ■選手、そして選手会長としての今後の目標 選手としての目標は、まず一試合でも早く、二勝目を達成することです。大学時代に優勝して日本タイトルを獲得したことで、その重さを強く感じています。だからこそ、プロとしても日本タイトルメジャーを取りたいと思っています。二勝目がメジャーだったら最高ですね。選手会長としては、初めてお会いする方にもゴルフのアピールをすることを心掛けています。スピーチやミーティングなどさまざまな場で、男子の思いをしっかり代弁して発信していきたいと思っています。 ■大学生へのメッセージ 僕は幸いにも、大学でもゴルフを続け、そのままゴルフを職業にすることができました。大学生活の4年間のうち、1年生のときに「将来は職業をこれにしよう」と道筋を決めるのは、なかなか難しいと思います。焦らなくて大丈夫です。大学4年間のどこかで、人との出会いを通して、目標を持つときが来ると思います。そのときには、自分なりにテーマをたてて取り組んでみてほしいです。ただ、「自分が決めた道だから、そこに行かなければいけない」とプレッシャーに感じる必要はありません。一度挑戦した後に違う道を選び、第2のステップに進むことも、決して恥ずかししいことではありません。目標に向かって一生懸命取り組んだ経験は、その先のどこかで生きると思っています。学生の人たちはみんな口をそろえて「4年間はあっという間だった」と言いますが、4年間をあっという間に感じられるように、いろんなことに一生懸命になってほしいなと思います。 学生新聞オンライン2026年9月5日取材 東京薬科大学4年 庄司春菜 日本女子大学1年 大池絵万里/東京薬科大学4年 庄司春菜/城西国際大学3年 渡部優理絵/慶應義塾大学院1年 春木呼葉玖

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俳優 豊嶋花 / 俳優 倉悠貴  映画『マッチング TRUE LOVE』

登場人物全員、どこか“いびつ”。歪んだ人間関係に注目を ■女優 豊嶋花(とよしまはな)2007年3月27日生まれ。東京都出身。1歳から芸能活動を始め、ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」Netflix映画「新幹線大爆発」などで注目される。近作に主演ドラマ「黒崎さんの一途な愛がとまらない」など。 ■俳優 倉悠貴(くらゆうき)2019年、フジテレビ系ドラマ『トレース~科捜研の男~』で俳優デビュー。20年には池田エライザ初監督作『夏、至るころ』で映画初出演にして初主演。その後も映画『ブルーロック』『教場 Requiem』などに出演。 大ヒットを記録した映画『マッチング』の続編となる『マッチング TRUE LOVE』に新キャストとして参戦した豊嶋花さんと倉悠貴さん。複雑に交錯する愛と謎めいた世界観の中で、二人はどのように役と向き合ったのか。役作りのこだわり、そして同世代の大学生へ向けたメッセージまで、作品の魅力を余すところなく語ってもらった。 ■お二人の役への向き合い方は 豊嶋:前作が大ヒットした作品の続編に出演させていただけるということで、最初はすごく光栄に思いましたし、「精一杯頑張ろう」と気を引き締めました。私が演じた愛羅という役は、物語の中で巻き込まれていく描写が多く、驚いたり叫んだりするお芝居が中心でした。だからこそ、周りのキャストの方々や観客の皆さんの感情を、リアクションによって自然と引っ張っていけるような存在になりたいと思い、それを意識して役に臨みました。 倉:前作が非常に好評だった分、新キャストとして作品に参加するメンバーは誰もが少なからずプレッシャーを感じていたと思います。ただ、僕が演じた役柄はすごく謎めいたキャラクターだったので、プレッシャー以上に「どういうアプローチで演じようか」とワクワクする気持ちの方が大きかったです。 ■作品を通して学んだ「人の死」と「生命の重み」 豊嶋:劇中で日常では考えられないような怒涛の展開が続いていくのですが、脚本を初めて読んだときは「愛羅と輪ちゃん、二人の関係性は一体どうなっているのだろう?」とすごく複雑に感じました。私が演じる愛羅は前作で姉を亡くすという大きな過去を抱えています。そのため愛情の送り方や受け取り方が分からなくなっていて、自分の気持ちの矛先をどこに向けたらいいのか迷子になっている描写がたくさんありました。だからこそ、土屋太鳳さん演じる主人公の輪ちゃんに対しても、単純な感情だけではない複雑な思いを抱いています。その「心の引っ掛かり」のような部分を常に根底に置きながら演じることを大切にしました。愛羅を演じたことで、「自分の本当の気持ちに気づいてあげることの大切さ」を改めて実感しました。相手の気持ちは分からなくて当たり前だけど、自分の気持ちだけは自分自身が一番理解してあげなきゃいけない。本質をしっかり受け止めることが、自分が幸せになるための第一歩なのだと感じました。 倉:この作品の登場人物はどこかいびつで、全員が何かしら自分以外の何かを「演じながら生きている」ような感覚があります。だから正直一度脚本を読んだだけでは関係性の解釈に苦しむ部分がありましたね。登場人物たちが互いに求めていたものがたまたまそこにあり、それを運命だと感じてしまう。周りから見ればどんなに歪んだ愛情に見えたとしても、本人たちにとっては偽りのない切実な感情だったのだと解釈しました。また僕の役はホラー特有のわかりやすいリアクションがあまりなかったので、最後まで何も通じず謎めいた雰囲気を維持することが役割だと思って演技を作っていきました。姿勢やポケットの手の入れ方、あえて異質な空気感を出すために『DEATH NOTE』の「L」のような不気味な座り方を意識してみたり、身体的な工夫を凝らしてみたりしましたね。人が命を落とすシーンも多い作品なので、「人の死を知っている人とそうでない人の違い」や、命に対してどこまでの重みを置くのかが、役によって全然変わってくるんだなという学びがありました。 ■予想を裏切る怒涛の展開 豊嶋:作品の見どころとしては、誰もが予想できないスリリングなストーリー展開です。後半にかけて急展開が続いて、「えっ、この人が⁉」と何度も裏切られる感覚を味わっていただけると思います。考察する暇もないほどのスピード感で物語が二転三転していくので、その急展開や意外性を存分に楽しんでほしいなと思います。 倉:実はかなり「笑える映画」でもあるなと思っているのです。若い世代に向けたテンポの良さがあって、アクションや恋愛、そしてサイコホラーやサスペンスの要素が凝縮されていながらも、すごく見やすい。映画のどの部分を切り取ってもインパクトがあって楽しめるような作品になっています。 ■毎日違う私に出会える、俳優のお仕事 豊嶋:私はすごく飽き性なのですが、幼少期から18年近く続けているこの俳優という仕事は特別です。毎日違う人間になれて、違う人生を生きられることが何より楽しいですね。特にやりがいを感じるのは、自分が思っている感情と、見ている人に伝わる表現との「ギャップ」を埋めていく作業です。出会えた役と巡り会えた人々と、素敵な作品を作ることに、一生を賭けていきたい一心です。 倉:撮影や取材を通して毎日いろんな人に出会えて、いろんな場所に行けることが俳優業の最大の魅力だと僕も感じています。また、映画とかドラマとか、自分が出たものをずっと残せることも魅力の一つですね。自分がどうありたいかという「芯」や「エゴ」をこれからも大切にしていきたいです。 ■大学生へのメッセージ 豊嶋:年齢を重ねるごとに、新しい一歩を踏み出すことに躊躇したり引け目を感じてしまったりすると思います。だからこそ、今やりたいと少しでも思っていることがあれば、無理にでも挑戦してみてほしいです。今この年代だからこそ飛び込める環境や挑戦があると思うので、後から後悔しないためにも、自分の直感を信じてどんどん行動を起こしてみてください。 倉:大学生は、毎日過ごす時間のすべてが絶対に無駄にならない貴重な時期だと思います。「今日は何もできずに一日を無駄にしちゃったな」と落ち込む必要はまったくありません。気の乗らない飲み会に行ったことや、一日中家で寝て過ごしたような日であっても、後から振り返れば愛おしくて大切な時間だったと思える日が来ます。一見すると「無駄」に思えるような時間すらも大切にしながら、今しかない大学生活を思いきり楽しんでほしいです。 学生新聞オンライン2026年8月20日取材 青山学院大学2年 松山絢美 映画『マッチング TRUE LOVE』 出演:土屋太鳳佐久間大介 クァク・ドンヨン豊嶋花 倉悠貴9月25日全国公開予定原作・脚本・監督:内田英治共同脚本:木江恭製作:『マッチングTL』製作委員会製作幹事・配給:KADOKAWA制作プロダクション:角川大映スタジオ制作協力:LONDO BELL■公式HP:https://movies.kadokawa.co.jp/matching/■公式X:@movie_matching■公式Instagram:@movie_matching■公式TikTok:@movie_matching©2026『マッチングTL』製作委員会 青山学院大学2年 松山絢美/日本大学 2 年 太田萌日/京都芸術大学 1 年 猪本玲菜 撮影:広田成太

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シャープ株式会社 代表取締役社長執行役員CEO 河村哲治 

ひとに寄り添い、半歩先の未来をつくる シャープ株式会社 代表取締役社長執行役員CEO 河村哲治 (かわむらてつじ) ■プロフィール1961年11月10日生。1984年4月にシャープ株式会社入社後、欧州マーケティング統轄 兼 SEE(欧州統轄会社) 社長(2014年10月)、 欧州代表 兼 SEE社長(2016年9月)、米州代表 兼 SEC(米国販売会社)会長(2017年8月)、スマートビジネスソリューション事業本部長(2022年4月)、常務執行役員 スマートオフィスビジネスグループ長(2024年6月)、などを経て、2026年4月より社長執行役員 CEO。 家電から産業機器まで、暮らしのさまざまな場面を支えるシャープ。創業者・早川徳次氏が考案したベルトのバックルで事業をスタートし、その後、社名の由来にもなった「エバー・レディ・シャープペンシル」を開発。以来、数々の革新的な製品を生み出しながら成長を続けてきた。今回は、代表取締役 社長執行役員 CEOの河村哲治さんに、社長として大切にしていることやシャープの今後の展望、大学生へのメッセージを伺った。 高校卒業後は、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)に進学し、英語を専攻しました。外国語大学出身ですが、学生時代にはパスポートを取ったこともなく、周囲からはよく驚かれました。当時、英語学科では卒業論文を英語で書く必要があり、タイプライターで何十枚もの論文を書いたことを覚えています。学生時代は、大阪の日本橋にある電気街を見て回るのも好きでした。ウィンドウショッピングをしながら電化製品を見るのが趣味の一つでしたね。シャープに入社したのは、当時は海外事業本部採用というものがあり、「いつか自分は海外で活躍できるような仕事に就きたい」という学生時代の思いとも重なったことが大きな理由です。関西企業としての親しみもあり、非常に人のあたたかみを感じる会社だと感じました。 ■人々の生活に寄り添うシャープ 2025年9月に、「ひとの願いの、半歩先。」というコーポレートスローガンを制定しました。気がつけば、朝起きてからから夜寝るまで、さまざまな場面で人々の暮らしに寄り添っている。家電だけでなく、産業機器も幅広く手掛けていることが当社の特徴です。例えば、コンビニエンスストアでは、シャープのマルチコピー機がシェアの約6割を占めています。コピーだけでなく、住民票などの証明書の発行や推し活の写真やシールのプリントなどでの利用も増えています。また、セルフ式ガソリンスタンドの精算機のシェアでも、4割以上をシャープが占めています。最近では、カメラを活用して入出庫や駐車時間を管理し、ゲートやフラップのない駐車場ソリューションも展開しています。これからのシャープを考えるうえで、AIが一つの重要なテクノロジーになると考えています。AIが実際の「もの」に実装される「フィジカルなAI」がさらに広がっていくでしょう。シャープは、家電も産業機器も、「もの」を作って提供してきました。今後、「フィジカルAI」を生かしていくことが、シャープの大きな強みになると思っています。 ■創業以来受け継がれる、シャープのDNA シャープには、創業以来ずっと受け継がれているDNAがあります。1912年に創業した早川徳次は、事業を電機メーカーへと発展させていく中で、「他社がまねしてくれる商品をつくれ」という考えを大切にしていました。携帯電話に初めてカメラを搭載したのもシャープです。現在ではあたりまえとなっている薄型テレビの普及にも、シャープは大きく関わってきました。常に「人の生活を便利に」いうことを考え、それを広めていってもらう。この精神は、昔から変わらない経営理念や経営信条とともに、これからも大切にしていきたいと考えています。そのために最も重要なのが、VOC(ボイス・オブ・カスタマー)です。お客様と接するからこそ、困りごとがわかります。「半歩先」というのは、今、明らかに困っていないところまで発掘し、少しでも先回りするという意味です。私が就任してから力を入れていることの一つが、インナーブランディングです。ブランドイメージの醸成というのは、外に向けてだけでなく、中に向けても必要です。社員が気持ちよく働ける会社であることが、結果として業績の向上にもつながるもの。そのため、社内のコミュニケーションを大切にし、まずは私自身を知ってもらうことからはじめています。 ■多様性を武器に、新たな価値を生み出す 新たな価値を創っていくため、新しいことを考え、挑戦できるような人に幅広く集まってほしいです。多様性が大切だと考えています。さまざまな考え方を持つ人が集まることで、多様なアイデアが生まれるからです。AIはさまざまな選択肢に気づかせてくれる存在であるべきだと思っています。一方で、目と目をあわせ、人のぬくもりを感じながら顧客対応をすることは、人間にしかできないことだと思います。AIを活用しながらも、最終的に判断するのは人間であるべきだと考えています。 ■「働くにもAI、暮らすにもAI」の時代へ 経営不振のステージを抜け出し、回復、構造改革を経たいま、私のミッションは会社を成長ステージへ進めていくことです。これまでの商品は引き続き価値を高めながら、新しい事業の柱もつくっていきたいと思っています。その一つがAIです。生成AIからAIエージェント、さらにフィジカルAIへと広がる中で、AIサーバーなどのインフラ需要も伸びていくと考えています。もう一つが宇宙分野です。シャープは宇宙用太陽電池の技術を持ち、最近では衛星通信にも力を入れています。長年培ってきた携帯電話の小型化や高性能化の技術を生かし、AIや宇宙を次の事業の柱にしていきたいです。将来的には、「暮らすにもAI、働くにもAI」というかたちで、AIによって人々の暮らしをより便利にする会社になりたいと考えています。また、最近ではアイススラリー冷蔵庫という製品もあります。飲料を凍る寸前の状態まで冷やすもので、飲むことで深部体温を下げる効果が期待できるため、熱中症対策や暑熱対策に有効です。実際に工事現場などでも活用されており、まさにタイムリーな商材です。商品の垣根を越えて、こうした分野にも力を入れていきたいと思っています。 ■大学生へのメッセージ シャープの方向性に共感して、一緒にやりたいと思ってくれる人は大歓迎です。経験を積んできた人たちには、“経験”という財産があります。一方で、若い人たちには、“若い人ならではのトレンドを察知する能力”や“新しいことを考える力”があります。いろいろな年代や考え方を持つ人たちが、お互いの違いを認めながら、一緒に頑張っていきたいと思っています。今の私があるのは、20代の頃から海外で経験を積む機会を与えてもらったことが大きいです。海外経験のない若手を海外に送り出すことは、会社にとって最初は投資になります。私自身、そうした機会をもらえたからこそ、今があると思っています。現在も事業全体の売上の半分以上をを海外が占めていますが、これからも増やしていきたいと思っています。私と同じように、意欲ある社員には海外で経験を積む機会もどんどんつくっていくつもりです。 学生新聞オンライン2026年8月20日取材 東京薬科大学4年 庄司春菜 武蔵野美術大学2年 山畑惺南/武蔵野美術大学2年 石井生成/日本大学2年 原田達司/法政大学1年 山田賢彦/国際基督教大学4年 若生真衣/法政大学2年 渡辺碧羽/東京薬科大学4年 庄司春菜

イベント・企業紹介

「M.I.S.S.I.O.N. 歌劇な潜入捜査官」配信開始記念イベント

なにわ男子の道枝駿佑さんが主演を務める、Prime Video『M.I.S.S.I.O.N. 歌劇な潜入捜査官』が9月14日から配信開始されました。本作はエリート刑事である松見奏多が、ドローン爆弾事件の犯人を突き止めるため潜入捜査を行う物語。9割以上が女子学生で構成された椿野芸術大学に刑事だとバレずに紛れ込もうと、奏多は女性の格好で潜入を行う。しかしミュージカルに青春を捧げる生徒たちとの出会いにより、彼は捜査そっちのけでミュージカルの稽古に熱を入れていく潜入捜査×ミュージカルの異色ストーリーとなっています。本作品の配信日当日の9月14日(月)にユナイテッド・シネマお台場にて、配信開始記念イベントが開催されました。主演の道枝駿佑さん、久保史緒里さん、渋谷凪咲さん、石井杏奈さん、深田竜生さん(ACEes)が登壇し、会場は大いに盛り上がりました。 ■いよいよ配信がスタートしました。お気持ちはいかがですか? 道枝:いよいよこの日が来たなという感じで、すごくワクワクしています。こうして皆さんの前で作品のお話を出来るのもすごく楽しみにしていました。主題歌の「BLACK OUT MISSION」は、普段の僕たちとはまた違った、大人っぽくダークな雰囲気の曲になっています。作品の雰囲気にもすごくぴったりな楽曲だと思いますので、今日から配信も始まりましたので、ぜひこれからたくさん愛していただけたらなと思います。 ■本作のタイトル「歌劇」にかけて、「過激」に印象に残っているお気に入りシーンはどこですか? 道枝:奏多(道枝)と美鈴(石井)のミュージカルダンスシーンの練習があったのですが、練習が終わった後に石井さんに手をかけられて、最後に『ド素人のくせに!』と言われるシーンがあるんです。あそこの石井さんのパワーがすごくて…本当にショックでした(笑)。 石井:その後のセリフ変えてましたもんね(笑)。 道枝:あまりの迫力に、その後の自分のセリフも思わず『もうヤダ!』って変えて言っちゃいましたね(笑)。本当にそれくらい衝撃的でした。 石井:役を取られるという屈辱的な怒りを全部込めて演じさせていただきました(笑)。 道枝:伝わりました。ビクビクしてました(笑)。 久保:私もやっぱりミュージカルシーンですね。奏多(道枝)が来てミュージカルのレッスンを始めるシーンで、音楽を止めて「もう一回!」とやる場面があるんです。そこは途中から監督のカットがかかるまで永遠に続いていて…。石井さんとバチバチになるやり取りは台本になくてアドリブだったので、結構ピリついていました。ドキュメンタリーっぽく撮影していて、本番前に監督から「やっちゃっていいから」と言われていたので、お互い本当にぶつかり合って演じました。 渋谷:私は公安の土井垣部長を演じられた高嶋政宏さんのお芝居です。本当に素敵と言いますか、奏多さん(道枝)をすごく愛でている感じがして。台本を読んでいたのですが「え、こんなセリフあった!?」というようなアドリブがめちゃくちゃ多かったらしくて。アドリブのシーンが膨らみすぎて、どう削るかが大変だったというお話を聞いて、そこがすごく見どころだと思いました。 石井:私は稽古場のシーンですね。時間が押している中で、最後2人でダンスを練習するシーンがあるのですが、本番に向けて「向き合って踊ろうか」など色々なパターンを試して撮影したのが過激でした。 道枝:僕は普段なにわ男子のメンバーと振りを合わせることが多いんですけど、共演者の方とこうやって振りを合わせることがなかったので、すごく新鮮でした。 そこでも美鈴さんと奏多の絆みたいなものも深まっていくので、すごく大事なシーンだと思いますね。 深田:僕は、ミュージカルのシーンも印象的なのですが、それ以外で言いますと、みっちーくんのアクションシーンが印象的です! 一同: みっちーくん!? 道枝: え!?いや、あんま“みっちーくん”って言われることないから(笑)。 深田: あ、ホンマですか?普段からみっちーくんって僕は呼んでるんですよ。今日限りの呼び方じゃなくて。 道枝: そうやね、呼んでるね。 深田: ちょっと話が逸れちゃいましたけど(笑)。みっちーくんのアクションがすごくて。1回アクション練習を一緒にさせていただいたんですけど、たくさん練習をされてて。僕も一応アクション練習はしたのですが、「踏まれる練習」っていう、ただ踏み台にされる練習だけしたんですよ。でも、みっちーくんはアクションを全部完璧にこなしていて、めっちゃかっこいいなと思いました!みっちーくんはたくさん練習されたんですか? 道枝: アクションの練習は難しかったですが、かなりやり込みましたね。 ■本作は道枝さん演じる奏多と、深田さん演じる瑞樹が女性に扮して大学に潜入するストーリーにちなんで、「ご自身が潜入するなら、どんな場所に誰と潜入したいか」を発表してください! 深田:僕は、“ACEesのメンバー全員で女子大に潜入”です! 一同: おお!すごい!(拍手) 深田: なぜか「いいんだ?」って声が聞こえますけど(笑)。めちゃめちゃ大丈夫です!今回ずっと女装をしていて、僕自身あまり慣れてなくて。久しぶりの女装がやっぱり恥ずかしかったので、メンバー全員にもこの恥ずかしさを味わってほしいなと。みんなのマジの女装を見てみたいなと思って。たぶんね、似合わないと思うんです(笑)。 道枝: いや、そんなこと言うな!(笑) 深田: みんなで潜入して、文化祭とかしたいですね!出店したり、写真撮ったりしたいです。 石井:私は、“パン屋さんに史緒里ちゃんと侵入したい”です!撮影現場で史緒里ちゃんが手作りの塩パンを作ってきてくれたことがあって、それが世界一おいしかったんです。パン作りが得意と聞いたので、一緒にお店に潜入してパンをこねたいです。みんな食べたの? 深田:俺は食べてないです。 道枝:なんでちょっと関西弁になってんの? 一同:爆笑 久保:なんで食べてへんの?そこにいーひんかったん? 深田:おらんかった。あぁ〜、もったいないわ〜 渋谷:ちょっと久保さんの取り合いになっちゃうんですけど、私は、久保さんと“ちいかわの世界に侵入したい”です!この間久保さんとちいかわの映画を見たんです。「あの世界に悪者はいなかったよね」という結論になったのですが、実際に当事者になってみないとわからないので、ちいかわの世界に潜入して確かめてみたいです。自分たちもキャラクター側になって歌って踊りたいですね。 久保:私は、“石井さんと海外へ行きたい”です!この作品の現場に入る直前に、初めて1人でフィンランドに行ったのですが、ハプニング続きで楽しめなかったんです。それを石井さんに話して、 石井さんはどこの海外が一番楽しかったですか? って聞いたら、フィンランドだよって言ってて。「今度一緒に行こう、楽しませてあげる自信がある」と言ってくださったので、海外に潜入したいなと思いました。 道枝:僕は、“ライブ会場にメンバーと潜入したい”です! 一同:え、どういうこと?どなたのライブ会場に? 道枝:あ、僕らのライブに。 一同:なんで?(笑) 道枝:まあ、そうなりますよね(笑)。演出として、客席にメンバーが潜んでいて驚かせたら盛り上がるかなと思って。メンバー全員で女装して客席に潜んでおいて、登場する時にガッと衣装を脱いでステージ衣装で出てくるみたいな演出ができたら楽しそうだなと思います! ■最後にメッセージをお願いします。 道枝:皆さん今日はお集まりいただき、ありがとうございました。クスッと笑えて、そして友情や青春を感じられる作品だと思いますので、ぜひとも何回も何回もM.I.S.S.I.O.N.の世界に入っていただけたらと思います。主題歌もたくさん聴いていただけると嬉しいです。本当にありがとうございました。 学生新聞オンライン2026年9月14日取材 東京都立大学4年 坂倉彩月  『M.I.S.S.I.O.N. 歌劇な潜入捜査官』  【主演】  道枝駿佑 【出演】  久保史緒里、渋谷凪咲、石井杏奈      白本彩奈、杏花、深田竜生(ACEes)      山崎紘菜、峯村リエ、髙嶋政宏【主題歌】 なにわ男子「BLACK OUT MISSION」(ストームレーベルズ)【監督】  後藤庸介【脚本】  森ハヤシ【音楽】  近谷直之【制作プロダクション】 AX-ON【製作】  株式会社ストームレーベルズ【配信日】 2026年9月14日(月)17時〜【配信プラットフォーム】 Prime...

中澤京平

株式会社日本M&Aセンターホールディングス 代表取締役社長 三宅卓

会社をつなぎ、人生をつなぎ、未来をつなぐM&A 株式会社日本M&Aセンターホールディングス 代表取締役社長 三宅卓(みやけすぐる) ■プロフィール1952年神戸市生まれ。大阪工業大学卒。日本オリベッティを経て、1991年日本M&Aセンターの設立に参画。中小企業M&Aのパイオニアとして同社を牽引。数百件のM&A成約に携わった経験からノウハウを確立し、効率化を実現。東証上場時には営業本部を率いて業績拡大に貢献した。中堅・中小企業M&A実務の草分け的存在であり、豊富な経験に基づくセミナーは毎回好評を博している。 M&Aを通じて企業の「存続と発展」に貢献し、日本経済の活性化に取り組む日本M&Aセンターホールディングス。後継者不在や人口減少、円安、AI台頭により激変する時代の中で、同社が果たすべき真の使命とは何か。三宅卓社長に、同社の取り組みと圧倒的な実績を誇る背景、次世代のビジネスパーソンに求められる人物像を伺った。 私は新卒でコンピュータ会社に就職し、大型コンピュータ、小型コンピュータ、PCへと移り変わる激動期を“営業マン”として駆け抜けてきました。ITの世界で最前線を走り続けながらも、さらに新しい領域で挑戦したいと考えていた時に出会ったのがM&Aです。日本M&Aセンターの立ち上げの話を聞いた時、「これは面白そうだ」と直感し、即決でこの世界に入ることを決めました。 ■今、M&Aが必要とされている理由 会社を売り買いするM&Aには、主に2つのパターンがあります。1つは後継者不在企業の「事業承継」です。現在、日本の中小企業約302万社のうち、約100万社が経営者年齢70歳以上の企業という状況にあります(※1)。後継者がいないために黒字であるにもかかわらず休廃業せざるを得ない企業が増加しており、昨年の休廃業件数は約7万件、倒産件数は1万件超でした(※2)。これまで日本で培われてきた素晴らしい文化や技術、そして従業員の雇用を次の世代へ引き継ぐために、後継者不在企業が中堅企業や大企業の仲間入りをして未来へ事業をつないでいく手段としてのM&Aが、1つ目のパターンです。もう1つは、主に若手経営者に向けた「企業の成長支援」としてのM&Aです。今、日本では「後継者不在と廃業の激増」「生産年齢人口の減少による人材不足」「円安や物価高による利益の激減」「AIへの対応の遅れ」といった4つのパラダイムシフトの課題に直面しています。これからの時代、中小企業が独力だけで持続的成長を維持していくことは極めて困難です。そうした企業が他社と手を取り合い、お互いの強みを活かして生き残り成長していく手段として、M&Aが必要とされているのです。 ■量・質ともに世界No.1を目指して 弊社は会計事務所の先生方の出資により作られた会社です。設立以来、全国の会計事務所や金融機関との間に強固なネットワークを築いてきました。全国の中小企業の多くは、この2つの機関の支援を受けています。私たちは全国1,118の会計事務所と300を超える金融機関と協力しながら、豊富なデータベースを礎に中堅・中小企業のマッチングを支援しています。またそれだけではなく、M&A後のPMI(経営統合)も重視しています。中堅・中小企業M&Aで大切なのは、「お互いの相性」と「譲渡後の両社の幸せ」です。そのため私たちは、M&A後のPMIプロセスを徹底して支援しています。M&A成約後に大々的な成約式(調印式)を執り行ったり、経営者の自叙伝を作成したりするのもその一環です。特にM&A成約式は、売り手企業経営者のこれまでの歩みを称え、同時に買い手企業経営者が今後の成長に向けた決意を新たにする場でもあります。また会社を売却した経営者は、自叙伝によって子・孫の世代まで功績が語り継がれ、幸せが世代を超えて享受されます。もちろんこのような形式的なものだけに留まりません。M&Aによって働く従業員やその家族が路頭に迷うことが決してないよう、雇用体系の維持や文化の融合までを支援し、徹底的にサポートします。この「譲渡企業への深いリスペクトと温かいサポート」といった質の面においても、私たちは最高品質を提供します。これらの取り組みを通じて、量だけでなく質においても世界No.1の企業でありたいと思っています。 ■M&Aビジネスパーソンに求められる「ウォームハート」と「クールヘッド」 M&Aという大きな仕事を成し遂げるために、最も必要なスキルは「EQ(共感力)」です。弊社を志望してくれる学生の皆さんは元々とても優秀ですので、IQ(知能指数)に関してはあまり問題視しません。一方で、20代や30代の若手社員が、60代・70代の経営者が人生をかけて築いてこられた「想い」や「歴史」に寄り添うためには、高い共感力が不可欠です。この共感力の土台となるのが感性です。しかし、感性は20代から30代にかけて急激に低下していくと言われています。だからこそ学生のうちに、具体的なイメージや答えが提示されていない小説を読んだり、絵画や音楽といった芸術に触れたりして、「目に見えない背景や他者の感情」を想像する訓練をしておいて欲しいと思っています。そうして培った感性こそが、他者の心に寄り添う共感力へとつながっていきます。私たちは求める人材を「ウォームハートとクールヘッドを持っている方」と表現しています。温かく寄り添い共感できる心と、冷静で論理的な頭脳を持つ人材です。ただのビジネスとして会社同士を統合させるのではなく、「この会社にとって本当に幸せな未来とは何か」を本気になって責任を持って考え抜く、高い使命感が欠かせません。時には、お客様の未来のために「今回はM&Aをしない(破談にする)」という選択肢も提案する。その誠実さこそが、一流のビジネスパーソンには必要なのです。 ■学生へのメッセージ 就職活動は、皆さんが初めて「自分の責任で将来を選択する」という、人生における大変重要な場面です。最初に入った会社のDNAは、その後の皆さんのビジネスパーソンとしての生き方に色濃く残り続けます。だからこそ、周りの意見に左右されず、自分の価値観に照らし合わせて真剣に会社を選ぶと良いと思います。また、これからの激動の時代を生き抜くためには、一つのことをより深く追求していける「凝り性」であることが強みになります。勉強でも趣味でも構いません。学生のうちにしかできないことを、とことん深掘りする経験を積んでください。皆さんの熱い挑戦を、心から応援しています。 ※1:中小企業庁「中小企業実態基本調査 令和5年確報(令和4年度決算実績)」※2:帝国データバンク「全国企業『休廃業・解散』動向調査(2025年)」、「倒産集計 2025年報(1~12月)」 学生新聞オンライン2026年8月21日取材 早稲田大学3年 中澤京平 早稲田大学3年 中澤京平/成城大学2年 小澤実桜/慶應義塾大学1年 春木呼葉玖/国際基督教大学4年 若生真衣

区長・市長

蕨市長 賴髙英雄

出会いを力に、未来を動かす 蕨市長 賴髙英雄(よりたか ひでお) ■プロフィール(2026年9月8日現在)・1963年生(62歳)。蕨市出身。埼玉県立浦和西高等学校を経て、埼玉大学教養学部卒業。1991年7月に27歳で蕨市議会議員に初当選し、2003年まで3期にわたって務める。2007年6月に43歳で蕨市長に初当選(現在5期目)。以来、市民と心が通い合い、暮らしを支える「日本一のあったか市政」を掲げ、蕨市民7万7千人の幸せのために、全力を尽くしている。 日本一小さな市であり、人口密度日本一を誇る蕨市。都心へのアクセスの良さという利便性の高さと、人と人とのつながりが生む温かさを兼ね備えています。SEを経て政治の道へ進んだ蕨市長の賴髙英雄さんに、これまでの歩みや、市民とのつながりを大切にした街づくり、蕨市の未来についてお伺いしました。 学生時代は主に2つのことに力を入れていました。1つは、大いに学んだことです。専攻の社会学にとどまらず、さまざまな分野の授業を受けていました。特に人間の発達に興味があり、教養学部に所属しながら教育学部のゼミにも参加しました。そこで人間の成長や社会の進歩について学ぶとともに、自分自身も成長する経験ができたと感じています。もう1つは、学生自治会の活動です。入学当時、クラス単位のつながりが薄かったことから、学生同士のつながりをつくりたいと思い、活動に携わりました。新入生歓迎の泊まり込みキャンプを運営したほか、クラスの一体感を生み出すため、新たにソフトボール大会を企画しました。結果として、ほぼすべてのクラスが参加する大きなイベントになりました。仲間と協力しながら課題に取り組み、形にしていく楽しさを実感した経験であり、「自分で自分を治める」という自治の大切さを学ぶ機会にもなりました。 ■ご縁から政治の世界へ 大学卒業後は、社会で経験を積もうと、コンピュータ会社でSEとして働き始めました。当時は、自分が政治の道に進むとは思っていませんでした。しかし、父が蕨市議会議員を務めていたこともあり、地元の方々から「議員になってほしい」と強い要望をいただき、議員になることを決意しました。迷いもありましたが、「期待が強く寄せられたときに応えることが、自分自身の成長につながる」という思いに背中を押され、立候補しました。蕨生まれ、蕨育ちだったこともあり、議員になってからは自分の街の課題に向き合い、議会で質問するなど精力的に活動しました。さまざまな立場や考えを持つ人と関わり、実際に物事を動かしていく中で、地方自治の大切さや面白さを実感するようになりました。一方で、活動を続ける中で、自分が本当に良いと思う街づくりを実現するには、実行する権限を持つ市長になりたいという思いが芽生えました。そして、多くの方々の支えを受けて市長に就任しました。市長になると、議員とは違う景色が見えるようになりました。大きな責任を伴う一方で、自分の決断によって市民の思いを形にし、実際の施策として実現できることに大きなやりがいを感じています。就任後には、議員時代に実現できなかった蕨駅へのエレベーター設置も実現することができ、市民の方々に喜んでいただきました。掲げたことを実現し、市政を身近に感じてもらえる。そのことに、市長としての大きなやりがいを感じています。 ■「わが街」意識が、より良い街をつくる 蕨は日本で一番小さな市であり、人口密度は日本一です。そんな蕨の魅力は、歴史や文化を背景とした豊かなコミュニティや、人と人との温かいつながりがありながら、都心へのアクセスも良いという「温かさ」と「便利さ」を兼ね備えているところだと感じています。私は、人と人とが顔の見える関係にあることが、街づくりの原点だと考えています。防災などさまざまな課題がある中でも、地域に知っている人がいることは大きな力になります。だからこそ、人との触れ合いを大切にし、市民の皆さんに街への愛着を持ってもらいたいと考えています。私自身もさまざまなイベントに参加し、市民に身近に感じてもらえる市長であることを心がけています。市民意識調査でも「まちへの愛着」が約8割となっています。良い街をつくるうえで大切なのは、住んでいる人が「ここは自分の街だ」と思えることです。そのためにも、市政を身近に感じてもらい、市民の声に耳を傾けることを何より大切にしています。 ■人のつながりを、街づくりの力に 蕨には37の町会があり、行政だけでなく、町会の方々にも協力していただきながら、さまざまな課題の解決に取り組んでいます。多国籍化に伴う課題や犯罪対策においても、蕨のつながりの強さを活かし、地域全体で課題をカバーしてきました。犯罪件数は20年前と比べて約5分の1にまで減少しています。もちろん、行政としての対策も欠かせません。街なか防犯カメラの設置を進めたり、家庭用防犯カメラへの補助金を設けたりするなど、不安を少しでも取り除くための取り組みも進めています。また、教育や子育て、環境整備にも力を入れています。国に先駆け、市独自での35人学級の導入や体育館へのエアコン設置、ALTの全校配置、GTECによる英語4技能テストなど、子どもたちが生き生きと学べる環境を整えてきました。SNSとの付き合い方を家庭や地域で考える「健やかメディア宣言」や、保育園の整備による待機児童ゼロ、学童保育の拡充にも取り組んでいます。さらに、水道管(基幹管路)の耐震化率は全国平均が44.6%にとどまる中、99.4%に達するなど、目に見えにくい社会インフラや防災対策も着実に進めています。そして、未来への飛躍に向けた蕨駅西口再開発事業が、いよいよ来年の完成予定となっています。こうした取り組みで大切なのは、市民に「関わってもらう」ことです。行政が一方的に課題を解決するのではなく、自分たちの街のこととして当事者意識を持って関わる人が増えるほど、課題を解決する力は大きくなります。市民のつながりが豊かな蕨だからこそ、その力を活かしながら、市民とともに住みよい街をつくっていきたいです。 ■大学生へのメッセージ 大学時代に学んだことや、学生自治会で仲間と課題解決に取り組んだ経験は、当時は将来を意識したものではありませんでしたが、振り返ってみると今の仕事にもつながっています。社会では、さまざまな人がいる中で、より良い方向を決め、実行し、振り返りながら前に進んでいくことが大切です。その原点は、学生時代の経験にもあると思います。私の好きな言葉に「無駄な経験はない」というものがあります。成功したことも失敗したことも、いつ、どこで生きるかは分かりません。だからこそ、学生の皆さんには、すぐに結果が出るかどうかを気にしすぎず、さまざまなことに前向きにチャレンジしてほしいと思います。 学生新聞オンライン2026年8月6日取材 津田塾大学4年 山下さくら 津田塾大学4年 山下さくら/上智大学2年 石川仁菜/獨協大学2年 増田乙花/京都芸術大学1年 猪本玲菜/国際基督教大学4年 若生真衣

イベント・企業紹介

『ホーム スイート ホーム』公開記念舞台挨拶

八村倫太郎(WATWING)、増子敦貴(GENIC)、駒木根葵汰、前田公輝が出演する、舞台原作!ワンシチュエーションで繰り広げられる、押入れタイムスリップ・ホームコメディ『ホーム スイート ホーム』が、9月4日(金)より全国公開中!本作は、「半沢直樹」『サバカンSABAKAN』「サンクチュアリ-聖域-」など話題作を手がけてきた金沢知樹演出で、2006年に発表し観客を感動の渦に巻いた伝説の舞台が20年の時を経て待望の映画化。未来の家族が、時間を超えて押入れからやってきた!?「タイムスリップ×家族愛×下町ノスタルジー」という唯一無二の世界観の中、下町の煎餅屋を舞台に、世代を超えた親子の再会や家族と向き合う温かさを笑いと涙で描く。笑っているうちに、泣いている、家族に会いたくなる押入れタイムスリップ・ホームコメディが誕生した。この度、kino cinema新宿にて八村倫太郎(WATWING)、増子敦貴(GENIC)、駒木根葵汰、前田公輝がスーツ姿で登壇する公開記念舞台挨拶が行われ、プライベートでも親交のある4人が、作品にちなんで家族や幼少期の思い出など、多彩なトークを繰り広げた。 ■本作は押し入れタイムスリップコメディーとして、未来から息子、そして孫がやってくるところから物語が大きく動き出します。家族が時を超えてつながっていく作品ですが、みなさんにとって、そもそも「ホーム」と聞いて思い浮かぶものは? 八村倫太郎:僕がホームと聞いて思い浮かぶものはHome Aloneですかね。…というのは冗談で(笑)僕はWATWINGというグループに所属していて、そのグループみんなで作詞した「Home」という曲がパッと思い浮かびました。「グループが自分にとってのホームだ」という歌です。ちょっと英語の勉強の時間を始めるのですが(笑)「House」は具体的な事象を指すことが多いのですが、「Home」になると、概念的な要素が強いなって自分の中で思っています。だから、ホームは一つじゃなく、人によってたくさんあるところかなと思います。 増子敦貴:僕のホームはファンの心です!!(八村)倫太郎くんのWATWINGのように、僕はGENICというグループに所属しています。個人のお仕事から帰ってきたときに素でいられる場所はがGENICだと思っています。僕のホームはGENICとファンのみなさんの心かなと思っています。 駒木根葵汰:僕はファンクラブ「きいとも」というコミュニティがホームだと思っています。昔からすごく心の優しいみなさんが集まっていて、未熟な僕でも受け入れてくれるあたたかい場所です。 前田公輝:僕のホームは、所属事務所、ホリプロです!!…ちょっと真剣な話を言いますと(笑)ホームとは一言で言うのであれば、「愛される場所」なのかなと思います。FCもすごくホームな場所ですし、「愛される空間」みたいなところを僕はホームの概念として掲げさせていただいております。 吉川鮎太:僕はいろいろな作品を作っていて、毎回現場に行くのが楽しみです。作る度に、現場で会う仲間たちやスタッフ、俳優陣と集まったときにあたたかさを感じたりしますね。 ■みなさんの幼少期の写真を入手しました!どんなお子さんでしたか? 八村:僕は小さいときからヒーローが大好きでした。ウルトラマンも大好きだし、仮面ライダーにもなりたくて変身ばかりしていましたね。 いつかヒーローになると思っていたんですよ!なのでこの二人(増子・駒木根)のことが羨ましいです。 増子:僕は目立ちたがり屋でした。それと、僕はおばあちゃん子だったので、ずっとおばあちゃんと一緒にいました。おばあちゃん家の目の前が勾配な坂で、登るだけでも大変なのに、おばあちゃんが僕のことをおんぶしてくれていました。夕日に照らされながら「いつかおばあちゃんのこと抱っこしてあげるね」と言ったことを覚えています。 駒木根:僕はあまり元気な子じゃなかったので(笑)この写真のときはご機嫌な時だったんですかね?(笑) 前田:6歳ぐらいのときの写真で、毎年冬になると札幌の祖父母の家に行っていました。雪でかまくらを作っていて、やっと完成して嬉しそうな表情の前田の写真です。僕は兄と妹がいるのですが、やんちゃな感じの次男でした。 吉川:お祭りに行く前の写真で、多分初めて自我が芽生えたときの写真です(笑)このときから映画が好きで、特にスターウォーズが好きでした。 ■この頃のご自身に声をかけるとしたら、どのような言葉をかけますか? 八村:大変なこともあるけど、たくさんの人が支えてくれるから頑張れ! 増子:約20年後、お前はたくさんの仲間たちに出会えるぞ!と言いたいですね。 駒木根:自分らしく自由に生きてほしいなと思いますね。 あとお金の勉強と、英語の勉強だけはちゃんとやってください(笑) 前田:この年齢で空手とかもやっていたんです。それがお仕事につながるなんて当時は絶対思ってないと思うのですが、今こうやってたくさんの方々に少しでも何かを届けられるような人になれるかもしれないので、運動神経を活かすことを楽しみながら継続してやってほしいなと思います。このままのびのびとあり続けてくれと言います。 ■来場者のみなさんへメッセージ 八村:この映画は家にある押し入れに入ってタイムスリップすることから始まります。間違った時代に行ってしまったところから、最終的にはこの四世代で会うことができるという、今のこの世ではありえないことですが、家族の愛を再確認できる素晴らしい映画です。家族にはいろいろな形があって、いろいろな思いがあると思います。必ずしも「家族が大好き」というのはみんな当てはまるわけではないと思います。それでも「家族のもとに生まれた」というのは、みんな多かれ少なかれ一緒だと思うんです。自分がこの世に生まれる前なんて絶対に行けないけど、この映画を通して「自分が生まれたときってこうだったのかな」という想像を、少しでもこの映画を通して思いを馳せてほしいです。 学生新聞オンライン2026年9月5日取材 城西国際大学3年 渡部優理絵 映画『ホーム スイート ホーム』9月4日(金)より全国公開出演者:八村倫太郎(WATWING) 増子敦貴(GENIC) 大原優乃 山谷花純 樫尾篤紀 藤田ハル ドロンズ石本 / 駒木根葵汰 前田公輝監督:吉川鮎太 原作:金沢知樹(舞台「HOME SWEET HOME」) 脚本:萩森淳 製作幹事:ホリプロ エイベックス・ピクチャーズ  配給・宣伝:NAKACHIKA ©2026映画『ホーム スイート ホーム』製作委員会https://hsh-movie.jp/ 昭和女子大学3年 阿部瑠璃香/城西国際大学3年 渡部優理絵/東京薬科大学4年 庄司春菜

コラム

テリー伊藤 コラムVol.88 のんびり屋のスヌーピーが気になる

子供の頃からミッキーマウスが好き。テレビが日本の多くの家庭に普及しだした昭和30年代、画面から流れてきたミッキーマウスクラブのメロディーと愛らしい表情に魅了され、ミッキーは私にとって永遠のヒーローとなった。どれだけLAディズニーランドに行ってミッキーに会いたかったか。(数年前に夢は叶いました) そんな訳でこの歳になってもその情熱は変わらない。家中にミッキーマウスが居座っている。愛車にも鎮座しているのは言うまでもない。仲間には「伊藤の趣味は10代から全く変わらない」とからかわれている。ところが心に異変が。ここ最近スヌーピーが気になっているのだ。ご存知のようにスヌーピーはチャールズ・M・シュルツが1950年から書き始めた漫画『PEANUTS』に登場するビーグル犬。 両者とも大人気のキャラクターだが、どんな違いがあるのか。ミッキーとスヌーピーそれぞれの人生観を調べてみた。ミッキーはいつどんな時でも明るく元気、頑張れば夢は叶うという前向きな姿勢。アイドル的で子供から大人まで安心して好きになれる。対するスヌーピーは完璧ではない人間の代弁者に思える。哲学、孤独、切なさ、ユーモアの象徴で「人生上手く行かなくてもいいじゃないか」と肯定してくれる。考えてみればスヌーピーはあまり群れをなして行動しない。いつも寝転びながら一人空を見上げている。スヌーピーの可愛いさはチョイダメなところかも。まさに世界で一番自由なビーグル犬。 そう言えば最近街で見かける女子高生のバッグに付いているキャラクターにスヌーピーが増えた気がする。世の中の風潮も「頑張れ」「成功しろ」より「無理しなくてもいい」「マイペース」に変化している。確かに年がら年中明るさ全開のミッキーマウス気分でいるのは大変かもしれない。だからといってどっちが良いと決める事も無い。元気がない日があったって、仲間とワイワイ騒ぎたい時があったって、泣きたい気分になったっていい。時にはミッキー、時にはスヌーピー気分になればOK。 チョット待てよ、そうなると私の事だからスヌーピーグッズを買い集めるに決まっている。それどころか既にネットで検索しだしている。マクドナルドのハッピーセットで売られていたスヌーピーを購入しようとしたが、タッチの差で落札されてしまった。様々なサイトを見るごとにスヌーピーの知識が増え魅力が増す。これは危険ゾーンに突入している予感が。のんびり屋のスヌーピーが好きなのに、私一人がパソコンの前で興奮している。この状況を何とかしないと無駄遣いに拍車が掛かってしまう。こうなったら鎌倉の海岸に行って砂浜に寝ころび青空を見つめ頭を冷やそう。ミッキーマウスに怒られないかな。 テリー伊藤(演出家) 1949年、東京築地出身。早稲田実業中等部、高等部を経て日本大学経済学部を卒業。2023年3月、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。テレビ番組制作会社IVSテレビに入社し、「天才たけしの元気が出るテレビ」「ねるとん紅鯨団」などのバラエティ番組を手がける。その後独立し、テレビ東京「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。著書「お笑い北朝鮮」がベストセラーとなり、その後、テリー伊藤としてメディアに多数出演。演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。YouTubeチャンネル「テリー伊藤のお笑いバックドロップ」LALALA USAでコラム連載中https://lalalausa.com/archives/category/column/terry

吉松明優奈

男女7人組ダンス&ボーカルグループ GENIC

7人で歩いた7年、まだ見ぬ景色をGENIminと 男女7人組ダンス&ボーカルグループ GENIC増子敦貴、西澤呈、雨宮翔、西本茉生、金谷鞠杏、小池竜暉、宇井優良梨 ■プロフィールavexのDNAを継承する新グループ育成プロジェクト=a-genic PROJECTを経て、2019年結成、2020年メジャーデビューとなる男女7人組ダンス&ボーカルグループ。デビュー5周年となる昨年2025年11月には『GENIC 5th Anniversary Live at 日本武道館』を開催し、今年2026年4月より過去最大規模の全国9都市13公演となる「GENIC LIVE TOUR 2026 -TIMES-」を完走した。今後は配信三部作となる新曲リリースを見据えながら、来年2027年1月より全国6都市24公演を巡る「GENIC LIVE TOUR 2027」を開催予定。 GENICが今年4月から約5カ月にわたり全国を巡った『GENIC LIVE TOUR 2026 -TIMES-』。過去最大規模となる挑戦や初のコンセプチュアルなステージを通して、7人が感じた成長とGENIminとの絆、結成7周年を迎える今、メンバーが語るGENICの強みと目指す未来を伺った。 ■『GENIC LIVE TOUR 2026 -TIMES-』を振り返ってみて、いかがでしたか? 金谷:すごくあっという間でした。地方ごとにファンの皆さんのリアクションが違ったこともそうですし、公演終わりにメンバーみんなでご飯を食べながらツアーの振り返りができる幸せな環境があったおかげで、より楽しめたなと思っています。 西澤:今回はGENICとして過去最大規模のツアーだったので、僕たちとしてもすごく大きな挑戦だったんですよね。 正直なことを言ってしまうと、全ての公演でSold outとはいかなかったので、悔しい部分もあります。でも、みんなとそれも含めて経験できたということが今後の活動に繋がるなとも思いましたし、会場がファンのみなさんで全部埋まっている景色も見てみたいなという気持ちにもなりました。「これからさらにGENICみんなで頑張っていきたい」という気持ちが強くなったツアーでした。 増子:このツアーは今年の 4月から始まりまして、長い期間のツアーになったので、今まで以上にメンバー同士でご飯行ったりとか…。あとこれは言ってはいけないことかもしれないんですけど …。 全員:なんだ?なんだ? 増子:男子メンバーでホテルの部屋に集まったりとか…。法に触れていないですか? 全員:それは良いだろ(笑) 増子:そういうこともあって(笑)ファンのみなさん含めて、全体での絆のレベルアップができたツアーになったんじゃないかなと思います。 小池:『GENIC 5th Anniversary Live at 日本武道館』を終えてからの初めてのツアーでした。反省点と得たものをそれぞれ活かし、これからどういうライブの創り方にしていきたいかというところを確かめながらじっくりと回ることができたツアーだと思います。 雨宮:ツアーで同じセットリストをしていても、その日にしか出せないものがありますし、お客さんも地方によって変わってくるので、”今”という時間を今回のツアーはさらに大事にしていた気がしています。そして、お客さんに対する思いや熱量、感謝が今回のツアーではさらに感じることができて、僕らとGENImin(ファンの名前)との一体感もより強くなったと思います。これをさらに連鎖させて、たくさんの人と絆のようなつながりをもっと広げていけたらいいなと思えるようなツアーでした。 西本:今回はアルバムを引っ提げてのツアーではなく、初めてコンセプトを重視してのツアーだったので、どうなるのかなという不安がたくさんありました。でも、メンバー全員が回数を重ねるごとにこのコンセプトやセットリストに対しての理解がどんどん深まり、表現できる幅も広がっていったような感覚があります。それに、みなさんとのエネルギーのやりとりみたいなものをすごく感じることのできたツアーだったなと思います。 宇井:今回、ツアー内では初めての撮影可能曲がありました。撮ってくれた動画をGENIminさんがいろいろなSNSで拡散してくれたので”ツアーを一緒にやっている”という感覚がすごく強かったと思います。都市によって雰囲気や空気感も違いますが、温かさが共通してあったツアーだなと思っていて、「GENIminさんがGENIminさんでいてくれて良かった」と思う5ヶ月間でした。 ■ツアーを通して感じたGENICならではの強み・魅力を教えてください。 金谷:このツアーで、個性の強さが武器だなと感じました。 ひとりひとりのキャラクターも全然違いますし、自分自身が魅力と思っている部分と、逆に第三者から見た魅力がそれぞれ違うところも武器だなと思います。この先もお互いの強みを理解し合いながら活動していったら、もっと大きな輝くチームになるんじゃないかなと感じました。 西澤:今お話していてわかったと思うのですが、しっかりしているようでそうでないメンバーがいっぱいいるんです(笑)僕はそこが強みかなと思っています。表面が素晴らしすぎる人は近寄りがたかったり、接しづらいと思うんです。もちろんしっかりしている面もあるのですが、MCをしたりすると、本当にバカげていることを楽しそうに話したりしていて(笑)このギャップがGENICの良さだなと思っています。 増子:思いやりがある人たちが多いのが強みだと思います。世の中には厳しい方も多いので(笑)GENICのメンバーは、そのまま優しい人たちでいてほしいなって思います。パフォーマンス面は、7人揃ってダンスをすると全体に立体感が生まれるので、そこが男女混合グループならではの武器かなと思います。 ■今年11月に結成 7周年を迎えられます。7人一人も欠けずに活動を続けられた秘訣を教えてください。 小池:いろいろなタイミングがあったのですが、なんだかんだやれているのは、良い意味で干渉しすぎず、程よくそれぞれの距離感で自分をしっかり持っているメンバーが多いからだと思います。7人で集まったときは7人での輝きがあるし、それぞれ一人のお仕事のときは各々がすごく強い力を発揮する。そういうところが7人で活動をできている秘訣なのかなと思います。 雨宮:僕らは話し合いをすることが多いんです。今回のツアーも毎公演終わった後に、話し合いをしていて、各々が思っていることをしっかり言い合える場を作ることができましたし、これはすごく大事なことだなと実感しました。約 7年間やってきて、グループを続けていく大変さもすごく分かったし、7人それぞれの考え方があるからこそ、それをしっかり共有しないと、意見のぶつかり合いが起こってしまうと思います。意見を共有することで「これからどうしていこうか」という答えを出していきながら進んでいけたから、今7人でいられるのかなと思います。 宇井:みんなそれぞれ根底に優しさがあるからかなと思っています。先ほど話に出ていたように、たくさん話し合いもしてきました。意見が対立したときも、相手の気持ちを考えた言い方や伝えるタイミングをそれぞれが意識しています。優しさを持ち合わせているから、たとえ大げんかをすることがあっても「もう一緒にやりたくない」となることなく、ずっと活動を続けてこられたのだと思います。 ■次の目標を教えてください。 西本:来年の1月から『GENIC LIVE TOUR 2027』が始まります。ライブツアーで各地を回りながら新曲を出していき、今の僕たちが何を世に届けられるのか、僕たちとは何者なのか、何を残せるのかというところをもう一度初心に戻って向き合ってお届けしていきたいなと思います。僕は今回の『GENIC LIVE TOUR...

伊藤健太

衆議院議員 本田太郎

政治を意識せずに済む日常こそ、実は豊かな社会 衆議院議員 本田太郎(ほんだたろう) ■プロフィール平成10年 3月 東京大学法学部 卒業平成12年 3月 東京大学大学院法学政治学研究科 修了平成12年 4月 現・シティグループ証券入社平成13年10月 マネックス証券入社平成19年 3月 早稲田大学大学院法務研究科 修了平成20年12月 弁護士登録(渥美坂井法律事務所)平成27年 4月  京都府議会議員選挙にて初当選平成29年10月 第48回衆議院議員総選挙にて初当選令和 3年10月 外務大臣政務官(第1・2次岸田内閣)令和 6年11月 防衛副大臣兼内閣府副大臣(第2次石破内閣)令和 7年10月 国防部会長就任 政治を身近に感じずに済むのは、実は幸せなことかもしれない。自民党で防衛政策の責任者を務める本田太郎議員から語られたのは、そんな逆説だった。弁護士から政治家へ転身した経緯や、防衛・外交にかける思い、地方が抱える課題、そして学生へのメッセージを聞いた。 学生時代は、ごく一般的な大学生活を送っていました。WEEKENDというテニスサークルに所属しながら、夏休みにはバックパックで海外旅行にもよく行っていました。中でもニュージーランドでの旅は印象に残っています。北島と南島を、乗り放題のバスで二週間ほど回りました。英語もできない中、B&Bやホステルの相部屋に泊まりながら、バスで一緒になった欧米のバックパッカーたちと出会っては別れる旅でした。こうした経験は今の仕事にも活きています。いろいろな国の人の価値観に触れてきたので、外交を担当していた時期は、どんな話に対しても抵抗がありませんでした。 ■政治を志した原点 政治に興味を持ったのは2009年です。当時は証券会社への就職を経て、弁護士をしていましたが、法律は決まった枠に従う仕事で、自分でそれを作ることはできません。おかしいと思う法律にも従わざるを得ない矛盾を抱えていました。自分が正しいと思う法律を作る側に行きたいと思っていたところに、東日本大震災が起きました。多くの日本人が亡くなる中での民主党政権の対応を見て強い憤りを感じ、災害や危機の時に国民を救える仕事をしたいと、政治の世界を志しました。金融業界での就職経験も今に生きています。例えば、消費税の増減が為替や金利、財政にどう影響するのかを実感を持って理解できることは、財政・経済政策を進める上での基礎になっています。政治家には金融に強い人がそこまで多くなく、そこは自分の武器だと感じています。 ■「誤解」が攻撃を招く現実 直近で最も大きな仕事は、国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画からなる「戦略三文書」の見直しです。防衛の責任者として党内の意見を取りまとめ、提言として総理に提出しました。防衛装備品(武器)の輸出解禁にも取り組みました。防衛に関わるなかで常に悩むのが、国民との情報格差についてです。防衛や外交は、相手国との関係上、戦略や交渉の中身をすべて明かすことができません。それでも、言える範囲で根本の考え方を伝えることを心掛けています。防衛力を強化しているのは戦争をしたいからではなく、「弱いと誤解されたら攻められる」という厳しい現実があるからです。侵略できるとの誤解を生まないことが、結果的に平和を守ることにつながると考えています。そのため、随時、発信の難しさも感じています。講演などでこうした話をする機会はありますが、メディアでは時間の制約から、話の全体を伝えることは難しいのが実情です。だからこそ、こうした取材の機会も大切な発信の場だと捉えています。また、力を入れているのが、退役自衛官とその家族への支援です。今まさに制度設計を進めているのですが、防衛省の下に新しい庁を設立し、負傷した自衛官への経済的・精神的なサポートや、任務中に行き先や帰還時期を知らされない家族同士のコミュニティづくりを、来年度予算に向けて防衛省とともに進めています。 ■地方の課題と政治のあり方 選挙区である京都北部に限らず、日本の地方が抱える最大の課題は人口減少と高齢化です。人が減れば商売が成り立たなくなり、店がなくなればさらに住みにくくなるという悪循環が起きています。東京一極集中をある程度是正することと、道路や鉄道、病院といったインフラを整備し、故郷に戻りたい人が安心して戻れる土台をつくることが、政治の仕事だと考えています。やりがいを感じるのは、自分が正しいと思う政策が実現した時と、地元の方々の生活が実際に良くなった時です。防衛装備品の移転が可能になったことは、同盟国・同志国と装備を融通し合える体制づくりにつながり、大きな満足感がありました。また、地元・由良川の氾濫対策など、地域の生活に直結するインフラ整備が実を結んだ時、涙を流して喜んでくれる方もいて、それが何よりのやりがいです。一方で、与党の中でも意見が一致しないことや、良いと思う政策が実現しないもどかしさもあります。ただ、防衛政策については近年、野党の多くも反対しない傾向にあります。命があってこそ生活が成り立つという現実を、世界情勢を見て多くの人が実感するようになったからだと思います。政治で大切にしているのは、人間は誰しも間違えるという前提のもとで、時間をかけて議論することです。多数決だけで押し切るのではなく、少数意見にも耳を傾けるプロセスこそが、より良い政策につながり、後々の理解にもつながると考えています。 ■学生へのメッセージ 政治は、どの世代にとっても生活に直結しています。消費税や災害対策、防衛や外交がうまくいかなければ生活の根本に関わってきます。ただ、政治を身近に感じずに済むということは、それだけ平和な証でもあります。もし関わらざるを得ない時が来たら、自分や家族、仲間の生活のために、一生懸命向き合ってほしいと思います。個人としては、やりたいことを一生懸命やってほしいと伝えたいです。途中で興味が変わってもかまいません。多くの人は「一生これをやりたい」と思えるものに簡単には出会えないものですが、もし本当に好きなことに巡り合えたら、それは幸せなことです。私自身、弁護士の仕事にもやりがいを感じていましたが、法律の枠の中で仕事をする矛盾を抱えていました。東日本大震災をきっかけに政治の世界に飛び込み、今はやりがいと出会えたと実感しています。やりたいことがあれば、臆せず挑戦してほしいと思います。 学生新聞オンライン2026年8月19日取材 早稲田大学3年 伊藤健太 日本大学2年 原田達司/城西国際大学3年 渡部優理絵/情報経営イノベーション専門職大学2年 山田千遥/京都芸術大学1年 猪本玲菜/早稲田大学3年 伊藤健太

学生新聞インターン

株式会社薬王堂ホールディングス 代表取締役社長 西郷孝一

大切にしているのは、「前向きで、素直で、いい人になる」 株式会社薬王堂ホールディングス 代表取締役社長 西郷孝一(さいごうたかひと) ■プロフィール1978年、岩手県矢巾町出身。大学卒業後、花王株式会社で5年間勤務。2012年に株式会社薬王堂入社。営業企画部長、商品部長、経営企画室長などを歴任後、2019年より株式会社薬王堂ホールディングスにて経営戦略を担う。2024年、株式会社薬王堂の代表取締役社長執行役員に就任。2026年5月より株式会社薬王堂ホールディングス代表取締役社長を兼務。 東北地方を中心にドラッグストアを展開している株式会社薬王堂ホールディングス。両親から会社を継ぐ前に、自身の留学経験や花王で学んだ経営観や組織づくりを徹底し経営改革を行っている。AIを積極的に取り入れながら小売業の常識を覆す経営を実践している西郷社長にお話を伺った。 私は日本の大学を卒業後、アメリカ・ボストンにあるノースイースタン大学へ留学し、起業家精神やビジネスについて学びました。振り返ってみると、一番大きな学びは、学問ではなく人間として強くなれたことだったと思います。留学当初は英語が話せず、それだけで人間扱いされないような悔しい思いも経験しました。しかし、英語を話せるようになると周囲の反応は一変します。その経験から、やれば評価されるということを実感しました。一度大きく落ち込んだからこそ、失敗を恐れなくなり、挑戦することへの抵抗もなくなりました。また、寮で一緒に暮らしていた韓国系アメリカ人のルームメイトとの出会いも忘れられません。とてもお話が好きな方だったので毎日のように会話を重ね、支えてもらったことで、英語だけでなく、自分自身も大きく成長することができました。人生は、一緒に頑張ってくれる人との出会いによって大きく変わるものだと感じています。 ■花王で学んだロケットスタートの大切さ 帰国後は、家業を継ぐ前に5年間花王株式会社で働きました。花王は私が知る限り、日本でもトップクラスの素晴らしい会社です。全員が同じ方向を向き、共通のルールのもとで仕事を進める文化が根付いていました。アメリカで培った経験は、花王入社直後から生きました。初日の全体会議で質問をしたり、初対面の人にも積極的に話しかけたりと、私は最初の一歩をためらわずにスタートを切れたと思います。社会人は第一印象で覚えられることが多く、最初の行動がその後の評価にも影響します。だからこそ、新しい環境では失敗を恐れず、一歩踏み出すことが大切だと考えています。現在の会社でも、新しいプロジェクトでは20代後半から30代前半の社員が率先して挑戦しています。分からないことを恐れず、まず動く姿勢が周囲を巻き込み、大きな成果につながっています。 ■頑張らせない経営への改革 家業へ戻ってからは、これまで当社が当たり前としてきたやり方を変えることに挑戦しました。かつての当社は、売場を頻繁に変更し、販促を増やし、接客を強化することで売上を伸ばそうとしていました。おそらく、業界全体としても同じような傾向があったのではないかと思います。しかし、その裏側では従業員が長時間働き、大きな負担を抱えています。私は、従業員の仕事を減らすことが経営者の仕事だと考えています。売場をできるだけ変えない、価格も頻繁に変えない、過剰な販促や接客もしないなど、余計な仕事を減らすことで、店舗はきれいになり、従業員にも余裕が生まれます。その結果、お客様にとっても買い物しやすい店になり、売上も毎年着実に伸び続けています。経営改革で一番苦労したのは、社員ではなく、創業者である両親とのやりとりでした。創業者として長年築いてきた経営のやり方を変えていくことに対して、すぐには理解してもらえないこともありました。それでも数字で結果を示し、社員の働きやすさが改善されたことで、改革を進めることができました。 ■AIとコミュニケーションツール活用で新しい働き方 現在、私たちはAI活用にも力を入れており、自社専用のAIエージェントの開発を進めています。売上分析や在庫、人件費、各種データの分析までAIが行い、社員は必要な情報を会話するだけで取得できる環境を目指しています。また、Slackを中心に社内コミュニケーションを行い、私はメールをほとんど使いません。現場へ頻繁に足を運ぶよりも、リアルタイムで共有される情報やデータをもとに経営の意思決定を行っています。今後はAIによって年間数百時間もの業務削減を見込んでおり、人が本来取り組むべき仕事へ時間を使えるようにしていきます。これからの時代はAIを使うことが特別ではなく、当たり前になります。だからこそ、学生の皆さんには早いうちからAIを使いこなせる人材になってほしいと思います。 ■前向きで、素直で、いい人になる 私が大切にしている言葉は、「前向きで、素直で、いい人になる」です。素直な人とは変化を受け入れられる人のこと、そしていい人とは、単に優しい人ではなく、周囲から応援される人のことです。仕事は一人ではできません。困ったときに自然と助けてもらえる人は、普段から周囲を助け、信頼を積み重ねています。そうした人は長く活躍できますし、新しい挑戦にも仲間が集まります。 ■大学生へのメッセージ 大学生の皆さんには、ぜひインターンシップへ挑戦してほしいと思います。アルバイトでは得られない実務経験や、多様な人とのコミュニケーションを経験できます。それは社会人になったとき、大きなアドバンテージになるはずです。また、AIはぜひ使いこなせるようになってください。これからの社会では、AIを活用できるかどうかで成長スピードが大きく変わってくると思います。一方で、AIだけでは価値は生まれません。コミュニケーション力や行動力、挑戦する姿勢といったソフトスキルも同じくらい重要です。今の時代、学歴だけで人生が決まる時代ではありません。変化を恐れず、新しいことへ挑戦し、応援される人になることや、その積み重ねが自分だけの強みとなり、未来を切り拓く力になると私は信じています。 学生新聞オンライン2026年7月15日取材 京都芸術大学1年 猪本玲菜 城西国際大学3年 渡部優理絵/京都芸術大学1年 猪本玲菜/東京女子大学3年 浮田梨紗

古賀夏音

レンゴー株式会社 代表取締役社長兼COO 川本洋祐

段ボールから広がる、社会を支える挑戦 レンゴー株式会社 代表取締役社長兼COO 川本洋祐(かわもとようすけ) ■プロフィール1955年5月28日生、大阪府出身。78年神戸大学経済学部卒。同年レンゴー入社、2007年執行役員、11年取締役兼執行役員、14年取締役兼常務執行役員、19年取締役兼専務執行役員。2020年代表取締役社長兼COOに就任。 1909年の創業以来、日本の段ボール産業を切り拓いてきたレンゴー株式会社。売上高1兆円を誇るゼネラル・パッケージング・インダストリーとして社会経済のインフラを支える同社の川本社長に、営業現場で芽生えた仕事への誇りや大学時代の応援団精神、そして未来を担う若者への熱い想いをお聞きしました。 レンゴーは1909年創業。創業者の井上貞治郎は日本で初めて段ボールを事業化し、「段ボール」と命名した人物でもあります。現在では売上高1兆円規模を誇り、段ボール分野だけでなく、製紙、紙器、コンビニのサンドイッチやおにぎりを包む軟包装、重包装に至るまで、紙からフィルムまでを一貫して手がける独自の事業基盤を確立しています。私たちはこの強みを「ヘキサゴン経営」と呼んでいます。「段ボール」「板紙」「紙器」「軟包装」「重包装」の5つの事業に、グローバルに展開する「海外事業」を加えた6つの柱で構成されています。日本国内はもちろん、世界的に見ても紙からフィルムまでの幅広いパッケージをご提供できる企業は他に類を見ません。世界には3兆円規模の巨大なグローバル企業が競合として存在しますが、私たちは単に規模の大きさを競うのではなく、「Not the biggest, but the finest」という姿勢を大切にし、お客様のあらゆるニーズにお応えする世界最高の「ゼネラル・パッケージング・インダストリー」を目指しています。 ■営業現場から芽生えた誇りと、大学時代の応援団精神 就職のきっかけは、大学の事務の方からの勧めでした。会社を訪問してみると「なんだか面白そうだ」と感じ、そのまま一日で入社が決まりました。当時は特定の業界に強いこだわりがあったわけではなく、早く社会に出たいという思いと、巨大な組織に埋もれず自分らしく働きたいという、素朴な感覚を持っていた程度です。入社後は東京工場での段ボール営業からキャリアがスタートしました。営業時代に学んだ大きな気づきは、私たちが手がけるパッケージという産業が「社会経済のインフラ」であるということです。お客様が心を込めて作った製品も、それを守り運ぶパッケージがなければ消費者のもとへ届きません。多様なお客様と関わる中で、自らの仕事に対する強い誇りと使命感が芽生えました。そして、この仕事への情熱や組織に向き合う姿勢の原点となっているのが、大学時代の応援団での体験です。当時は副団長として学園祭の運営や街頭での情宣活動、野球の応援などを通じて、神戸大学の学生たちの気持ちをひとつにまとめることに青春を注ぎました。仲間を巻き込み、情熱を持って組織を束ねたこの体験は、現在の経営においてレンゴーで働く仲間たち(れんじん)の意識をひとつにするために、今も私の軸となり活きています。 ■持続可能な社会を支える環境対応と、多様性を活かす組織づくり 現在、私たちが重視しているテーマのひとつが環境対応です。レンゴーグループの板紙生産における原料の古紙利用率は98%以上に達しており、使用済みの古紙を回収して段ボールへと再生するサーキュラーエコノミーがすでに完成しています。一方で、多様な素材が混在するフィルム分野においては、化学的に分解して再生するケミカルリサイクルの技術研究などを推し進め、パッケージメーカーとしての責任を果たそうとしています。また、二酸化炭素排出量を可視化する「カーボンフットプリント(CFP)」の低減に向けて、工場における燃料のバイオマス転換や再生可能エネルギーの導入を積極的に進めています。こうしたサステナビリティへの真摯な取り組みは、地球環境への貢献だけでなく、レンゴーの確かな競合優位性となっています。また、組織づくりにおいてはダイバーシティの尊重を大切にしています。人前で話すのが得意なタイプもいれば、目立たなくともコツコツと堅実に仕事をこなすタイプもいます。性別や国籍、年齢、障がいの有無にかかわらず、多様な個性が集まり、それぞれの強みを引き出し合いながらひとつの目標に向かって進むことこそが、組織の真の強さにつながります。私自身、30代の時に自ら「海外研修制度」を提案して一期生としてニューヨークへ渡り、その後は海外事業や工場長などを経験して2020年に社長に就任いたしました。どんな部署であっても誠実に真心を込めて取り組めば、必ず自分に返ってきます。社員一人ひとりがロイヤルティと働きがいを感じ、生き生きと挑戦し続けられる環境を整えることが私の使命です。 ■大学生へのメッセージ みなさんには「青年よ、大志を抱け」という言葉を贈りたいと思います。自分自身の可能性を決して限定することなく、高い志と大きな夢を持って、精一杯前を向いて歩んでいってください。人生において一番大切にしてほしいのは「誠実さ」です。「至誠通天」という言葉があるように、ひたむきに誠意を持って取り組む姿勢は、どのような時代や社会であっても必ず周囲の心を動かします。そして、この日本という国を、より素晴らしい社会にしていくのはみなさん若い世代の力です。失敗を恐れず、自分の可能性を信じて挑戦し続けてください。元応援団として、みなさんの未来を応援しています。 学生新聞オンライン2026年7月29日取材 慶應義塾大学1年 古賀夏音 武蔵野大学4年 吉松明優奈/城西国際大学3年 渡部優理絵/獨協大学2年 中津亜結梨/東京女子大学3年 浮田梨沙/日本大学2年 原田達司/京都産業大学1年 猪本玲菜/慶應義塾大学1年 古賀夏音

学生新聞インターン

俳優 大地真央 / 舞台『リーディングドラマ「すぐ死ぬんだから」』

いくつになっても挑戦を。“今”を真摯に丁寧に、積み重ねる 俳優 大地真央(だいちまお) ■プロフィール俳優。2月5日生まれ、兵庫県出身。宝塚歌劇団月組トップスターとして一時代を築く。退団後は舞台・映像・CMと幅広く活躍し、菊田一夫演劇賞特別賞、芸術祭賞大賞、松尾芸能賞、岩谷時子賞特別賞などを受賞。近年の主な出演作にドラマ「最高のオバハン中島ハルコ」「おコメの女」、映画「ゴッドマザー」など。 宝塚歌劇団月組トップスターを経て、退団後もミュージカルや舞台、ドラマなど第一線で輝き続ける俳優・大地真央さん。取材中もチャーミングでユーモアあふれるお人柄が溢れ出し、温かい空間に包まれました。今回は、舞台『リーディングドラマ「すぐ死ぬんだから」』のお話とともに、これから社会へ羽ばたく学生たちへのメッセージをお届けします。 元々は芸能界に憧れていたのですが、当時は父から反対されてしまいました。そんな時、父の知人の宝塚ファンの方から「宝塚は、安心して娘を預けられる学校だよ」と勧めていただいたことがきっかけで受験を決めました。そこからクラシックバレエや声楽を約3ヶ月間、猛特訓して受験に臨んだんです。ただ、当時は宝塚の舞台自体を見たことがなく、面接で「今回落ちたらどうしますか?」と聞かれた際、思わず「もう来ません!」と答えてしまったんです(笑)。 見たこともない世界でしたし、当時は「ダメならいいや」という気持ちだったんですよね。運良く合格させていただいたのですが、後にトップスターになってから当時の先生に理由を尋ねると、「その時どうかではなく、我々は『可能性』を見ているんだよ」とおっしゃっていただきました。 ■苦労すらも楽しむ。心に「笑顔」と「鮮度」を保つヒント 舞台の場合、お客様からいただく温かい拍手や笑顔、そして「生きる希望をもらいました」「活力になりました」というお声には、本当に励まされています。頑張ってよかったなと思いますし、もっと頑張ろうという力が湧いてきます。もちろん、作品を生み出すまでの苦しみや苦労はつきものです。ですが、その先にはお客様の幸せな笑顔が待っています。ですから、私自身はその苦しみすらも楽しむ気持ちで向き合いたいと思っていますね。お仕事でもプライベートでも、特に大切にしているのは「笑顔」です。嘘でも笑う。たとえ気持ちが沈んでいる時でも、鏡の前で作り笑顔を作ってみる。そうすると、脳が騙されて自然とポジティブな気持ちに切り替わるそうなんです。笑うことや笑顔でいることは、美や健康にとっても大切な秘訣ですね。そしてもう一つ、常に意識しているのが「鮮度」です。年齢を重ねると、つい「これはもう知っている」「前もこうだった」と思いがちですが、常に新鮮な気持ちで新しい物事に取り組むこと。自分自身の感性も、いつでも瑞々しく保ち続けていたいと思っています。そして、私の原点でもある宝塚時代から役作りにおいて大切にしてきたのが「ユーモア」や「人間くささ」です。どんなに二枚目のカッコいい役であっても、どこかクスッと笑える部分があったり、人間味あふれる隙があったりするほうが、役に深みと幅が生まれると思うんです。人生も同じで、ちょっと冗談を言い合って笑ったり、泣いたり、そうした豊かな感情があるからこそ面白いのだと思います。皆さんもぜひ、笑うことやユーモアを日常の中で大切にしてみてください。人と関わる時に心がけているのは、まず相手のお話や意見にしっかり耳を傾ける「聞き上手」になることです。いろいろな方と出会い、コミュニケーションを重ねる中で、相手の言葉や考えを尊重する姿勢はとても大切だと感じています。そうして心をひらいて接していると、人間関係というのは不思議と自然に必要なご縁が残っていくものなんですよ。 ■「今やるべきこと」に真摯に向き合ってきた役者人生 そして、私はこれまでも「今やるべきこと」に対して自分なりに真摯に向き合ってきたという自負があります。夢を追うというよりは、目の前の仕事一つひとつに全力で向き合い、気がついて後ろを振り返ってみたら、初舞台から53年という月日が経っていたという感覚なんです。だからこそ、これからもきっと変わらず、今までと同じように目の前の一つひとつを大切に積み重ねていくのではないのかなと思いますね。その結果が「今」であり、これからの未来に繋がっていくのだと思います。昔からよく言っているのですが、私のライバルはいつも「過去の自分」なんです。誰かと自分を比べるのではなく、良かったと言っていただいた過去の作品や過去の自分を超えていく。そうやって“今”を全力で重ねてきたからこそ、今の私があります。 ■役者として入っていく喜び。新作舞台「すぐ死ぬんだから」の挑戦 舞台『リーディングドラマ「すぐ死ぬんだから」』のお話をいただいたときは、まずタイトルの強烈さに驚きました(笑)。ですが、内館牧子さんの原作が本当に面白く、ただ座って朗読するだけではなく歌や動きも加わるという新しい挑戦に、非常に興味を惹かれました。主人公の忍ハナさんは、年齢を言い訳にせず常に前向きなところがとても魅力的な女性です。おしゃれが大好きなところは、私との共通点ですね。作中ではドラマチックで思いがけない展開がありますが、どんな時も強く前を向いて歩んでいく姿に勇気をもらえる作品です。私は「役者」という言葉がとても好きなんです。役を自分に引き寄せるのではなく、私自身が役の中にすっと入っていきたいという思いが昔からあります。役を作り上げる時はひたすら台本を読み込み、お稽古の中で相手の方とのやり取りを重ねながら形にしていきます。今回はハナさん役に加えて、さらに三〜四役を演じる予定です。共演する長野博さんはとても温かい空気感を持たれた素敵な役者さんで、7年ぶりにご一緒できるのも楽しみにしています。台本を手に持ちながら全身で表現するスタイルですので、すべてが見どころと言える舞台になりそうです。今回のリーディングドラマも、私にとっては挑戦です。歳を重ねてきても、「初めてのこと」というのはまだまだあるのだなと実感しています。だからこそ、いくつになってもチャレンジする気持ちを忘れないでいたいですね。 ■何度だって、いつだってやり直せる 10代後半から20代という時期にいる皆さんに伝えたいことは、「思ったこと、やりたいと思ったことは、どんどんやってみたらいい」ということです。万が一うまくいかなかったとしても、何度だって、いつだってやり直せます。「あの時やっておけばよかった」と後悔しないように、勉強でも、お友達との思い出作りでも、興味のあることに臆せず挑戦してみてください。 学生新聞オンライン2026年7月23日 東京女子大学3年 浮田梨紗 【公演概要】舞台 リーディングドラマ「すぐ死ぬんだから」 ソング×ダンス×リーディング二人だからこそ生まれる、極上エンターテインメント開幕! 原作:内館牧子『すぐ死ぬんだから』(講談社文庫)出演:大地真央 長野博台本・演出:笹部博司作曲:宮川彬良音楽監督・ピアノ演奏:阿部篤志 日程・会場:2026年10月3日(土)~10月12日(月・祝) 東京・よみうり大手町ホール2026年10月17日(土)~10月18日(日) 大阪・サンケイホールブリーゼ2026年10月22日(木) 宮城・電力ホール2026年10月24日(土) 秋田・秋田芸術劇場ミルハス 中ホール2026年10月27日(火) 愛知・ウインクあいち 大ホール2026年10月30日(金)~10月31日(土) 富山・オーバード・ホール 中ホール 公式サイト:https://ml-geki.com/sugushinu2026/公式X:@sugushinu2026 日本大学2年 原田達司/関西外国語大学3年 石川遼/城西国際大学3年 渡部優理絵/東京女子大学3年 浮田梨紗/武蔵野大学4年 吉松明優奈 TOP CONNECT株式会社 代表取締役 内田雅章 撮影:広田成太