2022年「今年の一皿 」
⾷を主要テーマにさまざまな調査・ 研究を⾏い 、その成果や提⾔を広く発信する株式会社ぐるなび総研の今年の⽇本の世相を反映し象徴する⾷を発表する2022年 「 今年の⼀⽫ Ⓡ 」 記者発表会に参加させていただいた。
■「今年の一皿」とは
優れた日本の食文化を人々の共通の遺産として記録に残し、保護・継承するためにその年の世相を反映し象徴する食を「今年の一皿」として毎年発表しています。ぐるなび総研は「今年の⼀⽫」の発表を通して、⽇本の優れた⾷⽂化を国内外へ発信するとともに、そのさらなる発展へ貢献できることを願っています。ぐるなびは「食でつなぐ。人を満たす。」という存在意義( PURPOSEのもと、食文化の発展へ寄与することを目指しています。
■2022年「今年の一皿」 冷凍グルメ
選定理由
・コロナ禍で飲食店への急速冷凍機の導入が加速し、レストランのメニューをそのまま再現した冷凍グルメが誕生した。
・飲食店でオリジナルの冷凍商品の開発が進んだことでバリエーションが豊富になり、店頭や自動販売機など購入方法も多様化し消費者から支持を得た。
・保存性やフードロス削減の観点でも社会変化に対する柔軟性が高く、今後の日本の食文化においてより一層不可欠な存在になると考えられる。
■トークセッション
一般社団法人日本冷凍食品協会広報部長消費生活コンサルタント 三浦佳子
「日本の冷凍食品の歴史について」
102年前、北海道森町で魚を凍らせたのが日本の食品冷凍の始まりです。学校給食の開始、東京五輪や大阪万博あたりから外食産業が発展し、家電の普及も進んで冷凍食品が開発されるようになりました。コロナ禍においてますます多くの方にお使いいただいているかと思います。
「2022年人気を集めた本格冷凍グルメについて」
三浦:いつでもどこでもどなたでも食べたい時に食べたいものが召し上がれることが好評だった理由ではないでしょうか。あの店のあの味を作りたての状態で保持できることが冷凍の良さだと思います。
Restaurant Sola オーナーシェフ 吉武広樹
「冷凍技術を利用するRestaurant Solaについて」
冷凍可能なおせちをご提供しています。初めはネガティブなイメージを持っていたのですが、緊急事態宣言で営業ができなくなった際、食材の保管のために冷凍器具を調べたことで冷凍技術の高さを知り、これで料理をお届けできるのではないかと試作を始めました。
「冷凍技術導入の過程であった苦労について」
新鮮なものが食べたいのに冷凍なのかという声を多くいただきました。お店で食べるより驚きがあるようにとにかく試行錯誤を繰り返した結果、多く方から驚きやご好評をいただきました。今後は冷凍技術で美味しさを閉じ込めた商品をより多くの方にお届けしたいですね。
■インタビュー
株式会社ぐるなび総研 市川萌乃
「今年の一皿」に選ばれた“冷凍グルメ”は行動宣言の撤廃で飲食店の味がいつでもご自宅で食べられるようになったことを象徴するものだと思っています。急速冷凍機技術の進歩で使用する機会が増えたことも流行るきっかけになったのではないでしょうか。
コロナ禍に入り、2020年は“テイクアウトグルメ”、2021年は“アルコールテイスト飲料”というように抽象的なジャンルが続いているので、来年はメニューや食材などが流行することを期待しています。
コロナ禍でなかなか外出できないかもしれませんが、大学生のみなさんには色々な国に行き、現地でしか食べられないものを食べるなど、多彩な経験を積んでいただければ嬉しいです。
■記者会見に参加した感想
テレビ番組を見ている中で技術の進歩により“冷凍グルメ”が増えていることは知っていました。ただ、味が低下するのではないだろうかといったネガティブなイメージを持つ消費者、シェフの方が多くいらっしゃることを知り、事業を継続させていこうと奮闘する飲食店も中々つらい状況であると感じました。今回の取材を通して、食べることは避けて通れないものなので、食に関わるすべての方に感謝し、食の記憶を残していきたいと思います。
中央学院大学 4年 田根颯人
今回オンライン取材に参加し、食と社会の結びつきに気づかされました。外出が制限される環境下にお家で楽しめる本格冷凍グルメが人気を集めたということで、流行や人気には社会との繫がりがあると感じ、興味深かったです。その年に話題になったグルメとしてだけでなく、そうした様々な視点から楽しめるのが『今年の一皿』の面白さのひとつではないでしょうか。また、お二人のトークセッションを通して“冷凍食品の新たな可能性”を感じました。美味しさをそのまま閉じ込められる冷凍技術の広まりに、更に期待が高まりました。
佛教大学3年 三浦藍生
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