カルビー株式会社 代表取締役社長兼CEO 江原 信

世界中のお客様に喜ばれるおいしい商品を届けたい

カルビー株式会社 代表取締役社長兼CEO 江原 信(えはら まこと)

■プロフィール
1958年、埼玉県生まれ。1981年慶應義塾大学経済学部卒業後、伊藤忠商事に入社。2001年ジョンソン・エンド・ジョンソンへ入社。2011年、カルビーに入社後、グループ会社のジャパンフリトレー代表取締役社長、カルビー副社長などを経て、2023年4月、代表取締役社長兼CEOに就任。

商社や外資系製造業を経て、現在はカルビーを牽引する江原社長。ポテトチップスといえばカルビーと言われる、スナック菓子ではNo.1の会社だ。品質にこだわり、唯一無二の商品を生み出し続ける同社の社長に、ものづくりへの思いや食育活動を通じた社会への貢献、今後の展望などを伺った。

大学時代は、探検サークルに所属していました。その中でも最も印象に残っているのは、小笠原諸島です。当時はアメリカから返還されてまだ10年も経っていないころで、観光客はほぼゼロという状態でした。そこで、観光を盛り上げることを目的に、自らガイドブックを作る活動をしました。現地の方々に取材をしたり、お店を一軒ずつ回って広告費をいただいたりして掲載の交渉を行い、最終的には一冊の本として出版しました。神田の古本屋へ行けば、もしかしたら今でもその本が残っているかもしれませんね(笑)。
就職活動は、大学3年生のときに見たNHKのドラマで、商社で働く主人公の姿に憧れたことがきっかけでした。そこから商社への入社を決め、約20年勤務しましたが、次第に物足りなさを感じるようになりました。自らの手でものづくりに携わりたいと思い、外資系の製造業へ転職し、10年ほどキャリアを積みました。
そのころ、当時のカルビーの会長から、うちに来ないかとお声がけいただきました。ものづくりがしたいという思いと、もともと食べることが好きという気持ちから、カルビーへの入社を決意しました。

■ものづくりへのこだわりがNo・1を生む

カルビーはご存知のように、「じゃがりこ」やポテトチップスをはじめ、「フルグラ」なども展開しているスナックとシリアルの会社です。おかげさまで、いずれも日本でのシェアはナンバー1で、多くのお客様から支持をいただいています。
その理由はやはり、ものづくりへの強いこだわりにあります。「お客様は気づかないかもしれない」ような細かな部分にまで、徹底的に気を配っています。たとえば、ポテトチップスの色一つとっても、焦げを最小限に抑えたり、パリッとした食感を実現するために妥協することなく追求したりしています。
また、カルビーグループでは、契約生産者と契約し、直接ジャガイモ栽培に関するサポートを行っています。他の会社などは、農協や市場からジャガイモを買うのが一般的ですが、私たちは生産者と契約を結び、収穫されたジャガイモを基本的に全量買い取っています。そのため、生産者との結びつきが非常に強く、肥料をまく時期や収穫のタイミングなども相談しながら進めています。このように、川上から川下までといった、バーチカルに一気通貫した仕組みを持っているのは、カルビーグループの強みだと思います。
さらに、品種改良まで自社グループで行っている点も大きな強みです。害虫に強い品種を作るため、独自に開発した「ぽろしり」というジャガイモもあります。私たちは昔からサステナビリティを意識してビジネスを続けてきました。長きにわたってポテトチップスや「じゃがりこ」を安定的に供給するためには、たとえコストがかさんでも、持続可能な仕組みづくりを徹底しています。そこまでこだわる企業は、なかなかないと自負しています。
そして、私たちは食育も非常に大切だと考えています。私たちの商品は、スナック菓子という特性から、栄養バランスについて心配されることもあります。健康的に楽しんでいただくためにも、食べる量やタイミングを意識することが重要です。そこで、私たちは20年以上、小学生などを対象に、こうした正しい食習慣を伝える食育活動にも力を入れています。

■現状に甘んじず世界市場へ挑戦

私は、明るく前向きな方と一緒に働きたいと考えています。社員の皆さんには、トライアンドエラーを恐れず、常にチャレンジし続けてほしいと思います。
また、周囲への感謝の気持ちを持っている人であれば、仕事はきっと上手くいきます。仕事というものは、決して一人では成し遂げられません。
周りの人たちに支えられて初めて自分の役割を果たすことができるので、自分一人が出しても、本当の意味で良い仕事はできないのです。周囲への気配りや感謝を忘れない人こそ、周りからの助けを得られ、結果としてチーム全体を成功に導くことができます。まさにチームプレーが大切なのです。
カルビーは今年で創立77周年を迎えましたが、100年を超えても成長し続けるためには、国内市場だけでは足りません。世界中の多くの人たちの笑顔のそばに、いつもいたいと願っています。そのために、既存の商品に甘んじることなく、お客様に喜んでいただける新しい商品を次々と生み出していくことが不可欠です。だからこそ、若い世代の方々には積極的にチャレンジし、新しい価値を創り出してほしいと思っています。
社内では、新規アイデア提案制度「Innovation & BeyondFesta」を開催し、自由なアイデアを募って、選ばれたプロジェクトには会社が伴走してサポートする仕組みも整えています。お客様にワクワクしていただくためには、まず私たちが挑戦し続ける風土を作っていくことが何より大事だと思っています。

■message

自分が取り組んでいることは、常に周りの方々に支えられているということを、決して忘れないでいてください。全て周りに感謝ですね。そして、どんなことにも前向きにチャレンジしていっていただきたいです。

学生新聞2026年4月号 東京都立大学3年 坂倉彩月

かえつ有明中学校1年 狩野百福/城西国際大学2年 渡部優理絵/東京都立大学3年 坂倉彩月/昭和女子大学2年 阿部瑠璃香/獨協大学3年 深山琴美/東京家政大学2年 篠田陽菜乃

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