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Archive for 運営スタッフ

学生新聞インターン

株式会社MORIYA CEO・俳優・アーティスト 坂東工

アートで笑顔の循環を 株式会社MORIYA CEO・俳優・アーティスト 坂東工 (ばんどうたくみ) ■プロフィール 俳優・ナレーター・アーティスト・起業家とパラレルキャリアを実践。『硫黄島からの手紙』などハリウッド映画出演。2011年、アーティスト活動を始動。株式会社MORIYA代表取締役。Amazon Prime配信リアリティーショー『バチェラー・ジャパン』『バチェロレッテ・ジャパン』全シリーズ司会進行。2018年12月、俳優・司会としての活躍が知られる一方、エネルギーを表現するアート作品「オーラアート」が注目を集めている。 10代から一人暮らしやアメリカでの16万キロの旅など様々な経験をし、ハリウッドで俳優デビュー。今では「バチェラー・ジャパン」「バチェロレッテ・ジャパン」全シリーズの司会進行、俳優、声の仕事やアーティストといった波乱万丈な人生を送っている坂東工さん。彼は数奇な経験を通し、「実体験することの重要性を痛感した」と語ります。彼のこれまでの過ごし方、仕事で心掛けていることについて伺いました。 家庭の事情により、10歳くらいから一人暮らしをしていました。親から毎月送られる3万円の仕送りに加えて、新聞配達などの様々なアルバイトでお金を稼ぎながら生活をしていました。ただ、銀行のATMに行っても小さな子どもだったので、ガードマンに止められることも日常茶飯事(笑)。日々の生活に追われていたので、「自分が将来何をしたいか」ということを考える余裕もありませんでした。そんな中、高校生の時に演劇の世界に触れ、演出家になりたいと思うようになりました。演出家は自分の想像力を活かして、創造する世界を伝えられる役割だと思ったからです。そこで、演出家を目指すため、日本大学芸術学部に進学しました。ただ、今となって思うことは、「学ぶことも大切だが、新しい世界に勇気を持って踏み出していくことが大事」ということ。 ■オンリーワンの人生を歩むきっかけ 兄は一流大学に通い一流企業へ勤めるエリートで、姉はボストンへ留学する勉強家。そんな兄と姉を見て育ったので、いわゆる一般的な人生の進み方というものに触れる機会がなく育ちました。また、小さいころから一人で過ごしているので、自分のことを見守ってくれる人が誰もいませんでした。就職という選択肢も自分の中になかったので、自己発見のために、大学卒業後はアメリカ、ニューヨークに行きました。アメリカでは約2年間、16万キロの旅をしたのですが、至近距離で冬眠前の危険な状態のクマに出会ったり、銃で撃たれたりと、危険なことにたくさん遭遇しました。この旅の道中、たまたま演劇学校の募集記事を掲示板に発見し、応募したのが表現者としてのスタートでした。それがもしもカメラマンの募集だったとしたら、今はカメラマンになっていたかもしれません。当時の自分は、特に意図もなく、誰かに何かを教わったり誰かの真似をすることも得意ではありませんでした。オンリーワンの生き方を目指していたわけではなく、自分が得意なものは何だろうと突き進んでいると、結果的に自然とオンリーワンの存在と言われるようになって行ったのかもしれません。「自然に導かれていた」のかもしれませんね。 ■「自我」から「社会貢献」の視座へ 現在は、婚活リアリティー番組の司会進行、エネルギーを描くアートの制作、俳優や声の仕事、会社経営、CM制作、ディレクションやプロデュース、講演活動など、幅広く活動しパラレルキャリアを実践してます。例えばアートの仕事ひとつ取っても、昔は魂を燃やし、上り詰める事を目指していましたが、今は心を開いて相手の方の人生を受け取り、自然体でアートを作り出す、そんな風に心を豊かにするような表現や働きに変わっていきましたね。魂を燃やして仕事をするようになったきっかけは、アメリカでのオーディションです。オーディションは役を取り合う椅子取りゲーム。自分が一番だと思っていないと他の人に弾き飛ばされてしまいます。自分が出す言葉が自分を作ると思っていたので、突き抜けるハングリーさ、自分が一番であることを重要視して、毎日を過ごしていました。その結果2年間、アジア人俳優として売上が1位という快挙を成し遂げました。ただ成果を得たものの、ふと振り返ってみたときに、自分の仕事の成功を喜んでくれる人が周りにいないことに気づきました。そこでふと、虚しくなったんですよね。自分が今やっていることと、本当にやりたいことの間に、大きな乖離を感じたのです。本当のところは、誰かに喜んで欲しかった自分がいたのかもしれません。ある恩人に「お前そのままだと魂尽きちゃうよ」と言われ、周りを見てみると、確かに周りには多くの方が笑顔で作品を作り出していることに気づき、自分もそうなりたいとぼんやり思ったんです。そんな時、偶然「絵を描いて欲しい」と言われて描き始めたのが、「オーラアート」の原型です。相手が発しているエネルギーを受け取り、「意図なく」ただただ感じるままに体を通して描く絵画です。相手に対して自分が心を開くことで、相手も心を開いてくれる。そして自分の中に相手が入り込むことで、僕はなんの構図も意図もなく、絵を描くことができる。このような心の循環を通して、「関わってくださる方に豊かな心になっていただけるような表現をしていこう、サービスを提供して行こう」と思うようになりました。自分のことしか考えられなかった時代から、いつの間にか、自分ができることは何だろうという能動的な視点が育ち、社会貢献という視座へとシフトしています。 ■今、この瞬間を大切にしたい 今後やりたいことは特に考えていません。それよりも今、この瞬間を大切にしたいと思っています。その時、その場にいる方に、より良い時間・空間という「体験」を感じていただきたい。また、常に型にはまることなく、面白いことを探すことができたらいいなと思っています。実はそのためには、自分が楽しんでいることも大切だったりしますね(笑)。 ■大学生へのメッセージ 人生は思ったように歩んでいける可能性に満ちています。逆説的なことを言うようですが、だからこそ、色々なことを諦め、自分に誠実に生きてほしいです。諦めるという言葉にマイナスな印象を受ける人がいるかと思いますが、『諦める』は『明らかにする』から来ています。そのため、自分に向いているもの、向いていないものを明らかにして、向いていると明らかになったことを楽しんで欲しいです。また、「人に対してマイナスな印象を与えないかな?」と考えることも大事なことでもありますが、自分が本当に素敵だと思うものを選択すること、やりたいと思うことを行動していく事の繰り返しが、自分と社会の豊かさにつながると思います。 学生新聞オンライン2022年12月19日取材 中央学院大学4年 田根颯人

イベント・企業紹介

第36回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2023 SPRING/SUMMER ~新木優...

2023年3月4日(土)国立代々木競技場 第一体育館にて『第36回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2023 SPRING/SUMMER』が開催されました。 今回のテーマは新時代を意味する「NEW EPOCH」。 多彩な豪華出演者の中からモデル・女優 新木優子さんにお話を伺った。 ■ステージを終えた感想と東京ガールズコレクション(TGC)の魅力 有観客で歓声を出していいというステージがすごく久しぶりだったのですが、ステージに出た瞬間にその熱量や「待ってた!」という気持ちが伝わってくるような気がして、歩いていてとても楽しかったです。これまでは目の前にいても声を出しちゃいけないというもどかしさがお互いにあったので、声を出せるようになってよりみんなの今の気持ちを肌で感じられて、嬉しかったです。初めてTGCに出たときは、歩いたという記憶がないくらい、とにかく緊張で埋め尽くされていましたが、今では、お客様が楽しんでいる表情を見ながらウォーキングできるようになりました。これからを作っていく若い世代の観客の皆様がワクワクしてここへ集う。全部が前向きでポジティブなエネルギーしかない場所だと思っています。TGCでモデルさん達見て、こういう仕事に関わりたいって思う方もいらっしゃるみたいですね。夢のきっかけになったり、ここで何か一つ未来の希望を見つけたりできる、とても素敵な場所です。TGCがこれからの未来を作っていく糧になるといいなと思います。 ■ファンの存在とは 何にも代えがたい存在です。ファンの方がいないと成り立たないお仕事ですし、私自身一番支えてくれる存在がファンの方々なので、仕事をしていく上でのすべての源だと思っています。みんなが私を見て頑張れるって言ってくださるのですが、私はその逆で応援してくださるみんなを見て頑張れています。宝物です。昔はお手紙をいただいたりしていましたが、最近はイベントやSNSのコメントなどですぐに思ってることを伝えられる時代なので、本当にいろんな場所で気軽に自分の想いを伝えてくれる方が増えたなと思うし、すごく嬉しく思いますね。 ■仕事のやりがいや、大切にしているマインド ファンの方々が喜んでくれたり、憧れの方とお仕事できたり、たくさんの貴重な経験をすることにやりがいを感じます。特に10代の頃から応援してくださっているファンの方々に久しぶりにイベントで会ったときは、活躍している姿を見せることが出来て、良かったなと心から思います。ファンの方々に喜んでいただくためにも、自分に自信を持つことを心掛けています。「この場所では大丈夫」「自分が一番輝こう」という自信を持ってステージに挑むことはすごく大切にしています。 ■今後の夢や目標 引き続き作品で届けたいと思っています。いろいろな作品に出て実力を付けていけたらなと思います。30代に突入するので、母親役とか年齢が上にならないと経験できない役にも挑戦していきたいです。また、直接会えるイベントでファンの方々に恩返ししていきたいなという想いもあります。直接伝えられるのは私も嬉しいし、ファンの方も喜んでくれるかなと。想いを伝え合えるし、私のことを身近に感じてもらいたい、そういった時間を作りたいです。 ■大学生へのメッセージ もうすぐ新生活が始まると思いますが、私は大学に入るときが1番緊張しました。今まで会ったことのない国や地域の人と出会う場ということで、とても身構えていたのですが、入ってみたらすごく楽しくて。私はとにかくポジティブに、やりたいと思うことを行動するようにしていたので、楽しく過ごせたのかなと。大学生の時は、考え込んでしまったり迷ったりしながら進んでいる方が多かった印象ですが、今思うと、迷う時間がもったいないので思い立ったらすぐにやってみてほしいなと思います。失敗してもそれが経験になって実になるので、失敗を恐れずに前へ前へ。自分のやりたいと思ったことを楽しみながら挑戦して、頑張ってください。 取材者: 上智大学4年 八木彩花 イベント名称:第36回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2023 SPRING/SUMMER(略称:マイナビ TGC 2023 S/S)開催日時:2023年3月4日(土) 開場12:00、開演14:00、終演21:30会場:国立代々木競技場第一体育館公式サイト:https://tgc.girlswalker.com/23ss/

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ジオテクノロジーズ株式会社 代表取締役社長 CEO 杉原 博茂

「位置情報と人流データ」で、「XR世界の創造」を目指す ジオテクノロジーズ株式会社 代表取締役社長 CEO 杉原 博茂(すぎはら ひろしげ) ■プロフィール 日本オラクルで企業時価総額を 2.3倍の1 兆 3,000 億円達成に導き、日本ヒューレット・パッカード合同会社では業績V字回復など、IT業界のリーダーとして実績を残す。日・米・グローバル経営とデジタル・トランスフォーメーションに精通。2021年6月に当社へ入社、代表取締役社長 CEOに就任。同年12月より東北大学グリーン未来創造機構 特任教授(客員)も務める。 大学時代のアメリカ留学で起業家になる夢を抱いてからの軌跡や、日米のデジタル企業の変革を起こしてきた杉原博茂社長が、“ラストフロンティア“と呼ぶ位置情報と人流データで描く未来とは。企業変革における具体的施策まで幅広く伺った。 高校時代はラグビーと軽音楽部に所属していて、大学時代は父親から「アメリカ留学してこい」と言われ、渡米しました。国連職員などのグローバル人材になってほしい、その一番の近道としてアメリカを見て来てほしいとの願いがあったようですね。実際に行ったアメリカで待ち構えていたのは、自分のアイデンティティとの直面です。一体、君はどこの誰で、どこから来たのか?という事。また、自分は本当に何がやりたいのかという事。同じ年代の異国人と学生生活を送る中で、サラリーマンになると思い込んでいた自分の価値観がガラッと変わり、大きく2つの気づきを得ました。1つ目は、海外で勝つためにはまず日本を知ること。母国のことを何も語れないと、中途半端な人間になるなと思ったのです。異国人に自分のアイデンティティは日本人だと言える人間でなければ勝てないとね。2つ目は、食物連鎖の頂点は起業家であること。アメリカでは政治家を選ぶのは市民であり、弁護士や医者をクライアントとして使うのは起業家でした。自分で会社を作った方が良いという帰結の下、卒業証明は要らないと感じて大学を中退しました。帰国後は、資金を得つつ起業の勉強ができる会社を探し、電話通信機器・OA機器販売商社のフォーバルに入社しました。デジタル技術の走りであるコンピュータの台頭をアメリカの大学で学び、日本でも通信革命が起こると感じていたからです。大きなターニングポイントは、フォーバルが日本で最短で上場した際、責任者としてアメリカでの会社設立に携わった時ですね。何百回も失敗を重ねて、会社設立・販売店網構築・テクノロジーの輸出ができたことは大きな経験になりました。その次に働いたのが、EMCという基幹系のデータを貯めるストレージ会社です。通信とはA地点からB地点にデータを渡すことだと合点しました。その後、日本HPを経て、アメリカの大手データベース会社である日本オラクル社長CEOに就任しました。そして、2021年からジオテクノロジーズに参加しました。同社は日系企業ですが、まだまだ夢も希望もあるから、全く新しい会社に再生して大きく成長させてほしいとの声を頂き、賛同しました。 ■「NFTアート」と「XR世界」の潜在的可能性 デジタル業界に長くいる中で見えてきた、今後大きく伸びるラストフロンティアは「位置情報と人流データ・デジタル地図」です。これを唯一持っている日本企業が当社であり、あと数年で上場する準備をしています。日本国内だけでなく世界展開を進めており、今年から世界7か国でその事業を始めています。昨年、メタバース事業部を新設し、デジタル地図を扱う業界初の位置情報を持つNFTアートを世界に向けて販売し、即日完売しました。NFTアートとは、ズバリ「エモーション」です。個人にとっての宝は、100人100通りです。当社は、従来において現実世界でしか手に入らなかったトレーディングカードやペナントのようなお宝をデジタルデータにして「エモーショナルな心に響くもの」を提供します。その先に僕らが目指すのは、「XR:バーチャルとリアルの融合」です。簡単に言うと、メタバース世界と現実世界をブリッジして行き来できる世界観を意味します。今のメタバースはゲームなので宙に浮いていて、現実には無い世界です。そこに人、モノ、車、建物がどこにあるかという位置情報を持つ現実世界の景色を生き写すことで、人の流れがわかるバーチャル世界を創る。モニターにはみなさんのアバターが入り、六義園の桜を見に行きたくなれば行くことができる。さらには、ニューヨークにいても六義園に行くことができる。足の悪い人が日光に行きたいと言えば行くことができるのです。このように、バーチャルとリアルの融合は、遠隔医療・物流・金融など様々な業界業種で活用できると考えています。 ■「杉原式」企業変革で組織力強化へ 当社の企業変革に向けた施策としては、主に4つあります。1つ目は「フラットな組織作り」です。フラットを求めるのは、階層が多すぎると効率が悪いからです。例えば、以前僕がいた企業は世界32万人もの社員がいて、一人の出張に12人の稟議書を通じて決裁をとります。これではスピード経営ができません。フラットにすることで、タレントのある有能な人を見いだすことができます。2つ目が「抜擢人事」です。「絶対この人はまだ若く、役員は無理だろう」という人を役員に抜擢しています。若くとも、抜擢することで、その役割を実行し成果をあげることができるようになるのです。また、社員にやりたいことを聞き、個人が得意な分野ややりたいポジションに配置することで互いにwin-winな関係づくりをしています。3つ目が「業界初のTCE(トータル・カスタマー・エクスペリエンス)事業部の新設」です。中立的な立場でお客様の所に足を運び、弊社との関係上における良い経験・悪い経験を聞き改善することで、顧客体験・満足度向上を目指す部隊です。4つ目が「社内憲法GT PRINCIPLESの策定」です。例えば、第1条の“Love Our Customers”は、お客様を愛するがためにダメなことはダメだと言うこと。つまり、お客様が間違った方向に進んだ時はそれを正すことができるほどの関係性を構築する事が真の愛であることを示しています。その他全10条を掲げる当社が求む人材は、「クレイジーでも失敗を糧にしてめげない人」です。つまり、正解のない現代で、固定概念に囚われずアドベンチャーのような冒険がしたい人や常に面白い事を考えている人、現実と仮想を股にかけて仕事がしたい人と一緒に仕事がしたいですね。さらに言えば、何事にも食ってかかるような「アニマルスピリット」を持つ人がいい。滅多にいないかもしれませんけどね(笑)。 ■大学生へのメッセージ 現在、インターン募集中なので是非ご連絡ください!メタバース・位置情報・デジタル地図やNFTの世界に興味がある人はぜひ。あとは、トリマをダウンロードしてください。一見、単なるポイ活アプリですが、ここから得られる人流データは世のため人のためになるし、今後必ず良いことがあります。どうぞよろしくお願いいたします!<インターンお問合せ先 recruit_newgrad@geot.jp> ※左記QRコードよりダウンロードできます。※「トリマ」の招待コード【 llHK7DzkV 】で、5000マイル進呈いたします。 学生新聞オンライン2023年3月27日取材 専修大学3年 竹村結  

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THE ORAL CIGARETTES 目的のためなら腹括って酸いも甘いも全部乗り越えて...

ロックバンド THE ORAL CIGARETTES (ジ・オーラル・シガレッツ) ■プロフィール2010年奈良にて結成。人間の闇の部分に目を背けずに音と言葉を巧みに操る唯一無二のロックバンド。2023年2月8日(水)にDigital Single「Enchant」を配信リリース。4月26日(水)にはLive DVD & Blu-ray「PARASITE DEJAVU 2019 at IZUMIOTSU PHOENIX」「PARASITE DEJAVU 2022 at SAITAMA SUPER ARENA」を同時リリース予定。 2010年から活動を開始し、今年で14年目を迎えるTHE ORAL CIGARETTES。日本最大級の音楽フェスではメインステージを多くの観客で埋め、人の闇の部分に光を当てた唯一無二の音楽で会場内の熱気を最高潮まで高めるロックバンドだ。そんなバンドメンバー4人に音楽の魅力やバンドマンを選択した背景を伺った。 ■なぜバンドマンの道を? 山中:元々は銀行員になろうと思っていました。けれど、実際に銀行の内定が決まりそうになって真剣に考えた時に、バンドをしている先輩方をみて「この人たちと一緒に人生を歩んでいった方がたとえお金がなくても幸せそうだ」と思ったんです。 中西:元々車の整備士とトラックの運転手をしていて、結構稼いでいました。当時は仕事しながらドラムをする程度で、むしろ音楽は聴く方が好きだったんです。しかし、仕事に追われて睡眠時間も少なく、趣味すらできないという生活が1年くらい続いて、稼いだお金に価値をあまり感じなくなっていました。そこで仕事を減らしてバンドやみんなと集まる方を重視していきました。当然それに比例してお金は減っていきましたが、お金はないかも知れないけどワクワクするし、色んな人、土地に出会って刺激的で楽しいと感じていました。仕事ばかりやっていたときは稼ぐことしか価値がなかったものの、バンドの活動は稼ぐことを上回る価値をくれました。だから、バンドを選ぶ選択をしたんです。 ■音楽の魅力って? 山中:心を豊かにしたいという想いが誰かに連鎖して心を豊かにできる。その世界観がすごく好きなんです。心を豊かにするツールの1つが音楽なんだと思っています。音楽を作ったら誰かの話題になるし、それが人と人を繋いでくれる一種のコミュニケーションツールみたいなものになる。そのツールを通じて、俺も人間として成長させてもらっています。 中西:僕にとって音楽は付箋でもありモチベーションを管理するツールでもあります。ふと曲を聴くと昔の記憶が思い起こされることってよくありますよね。その頃自分が感じていたこととか曲を聴くことで思い出せるので、自分の中では目印みたいなものになっています。また、元気になる曲、落ち込む曲とかマインドとリンクするものでもあると思っています。 ■バンドの魅力ってどんなところですか? あきら:バンドの魅力は4人の人間が集まってぶつかり合う人間模様、お客さんとの化学反応の生のライブ、4人で頭を抱えながら悩んで悩んで出したフレーズや展開。そういうものの一つひとつが魅力だと思うし、そのインプットを受けて自分なりにアウトプットしていくのも楽しいなって個人的には思っています。 鈴木:人となりが反映されているところですかね。高校の軽音楽部の発表会とは違って、ライブハウスではアーティストごとに会場内の雰囲気がガラッと変わったり、店長の面白い色があったりして面白いなって思います。音楽の魅力と通じるかもしれないですが、海外で演奏させてもらったときに僕は一言も話さずに弾いていたのに褒められることがあって、会話がない中で何かしら発信しているんだと実感できました。 ■対バンツアーを終えてどうでした? 山中:今回の対バンツアーは俺が心からライブがカッコイイと思う人しか呼んでないので、俺らもその熱にあてられて心を揺らされているなって感じました。やっぱりこの仲間最高やなって思ったし、バンドマンカッコええなって改めて思いました。 中西:4月に発売するLive DVD & Blu-ray「PARASITE DEJAVU」、今回の対バンツアーもそうですが、そうそうたるメンツが参加してくれて凄いと率直に感じています。対バンツアーの時に他のバンドのステージを袖から個人的な目線で見ていたりすると、とてもじゃないけど勝てないなと思うこともあります。でもこの4人でステージに立つと自信をもって戦えるって思うんです。1人ではもどかしいと思う部分もバンドとして立ち振る舞えるときはすごい強くなれるって改めて感じました。 ■今後の夢はありますか? 山中:後輩のロックシーンの道を作ることです。今まで責任感は先輩に全部預けて自由にやらせてもらっていました。コロナ禍で若手の出る場所が減って、俺らの出る場所も減って、ロックシーンの衰退をここ3年、肌で感じていました。そんな中でもずっとロックシーンにいる俺らがこれからやれることは、「バンドをやりたい」と思っている子たちや若手の子たちに道をつくって、ロックシーンを盛り上げていくことだと思っています。最近では「DREAMLAND」というクリエイティブレーベルを立ち上げて、そのイベントでは基本的に自分たちの後輩をメインで呼んでいます。そこでお客さんには新しい音楽と出会ってほしいですし、そうした中で音楽の新しい遊び方を一緒に作っていきたいと思っています。 ■大学生へのメッセージをお願いします。 あきら:やりたいことをやってほしいと思います。やりたいことを我慢してやらなあかんことに追われる日々が大学生のうちに続くと思います。「やればよかったな」って未来よりも「やってよかったな」と思う未来を作ってほしいです。 山中:自分の経験上、目的をもって腹をくくることってすごい大事やなぁって。「今の仕事が嫌だから、転職する」って聞いたりするけど、俺はそれを絶対にNOだと思っています。転職した先に目標がないと同じことを繰り返すだけです。人はやりたいことの代償を絶対に払わないといけない。だから、やりたいことのために腹を括って、目的をもった行動の先にやりたいことをやれる未来があると思います。 鈴木:人生の中にはきっと本心からやりたいことに出会う時がくると思います。だからそんな焦らなくてもいいんじゃないかなって。長い人生を考えたら大学生のうちに絶対にやりたいことを見つけなくてはと思わなくていいと思います。切羽詰まっているよりも周りに余裕をもって楽しく生きてください。とはいえ、怠けないようにしてくださいね(笑)。 中西:自分が目指した職業が性に合わないってあると思います。子供のころ好きだったことが今も好きかっていったら違うわけで、その職業に夢だからってしがみついているのも違うと思います。いい大学に入っていい企業に就職するというのが言葉としてあるけれど、就職とか仕事とかの責任感を独りで持ちすぎて、やりとげなきゃと背負わないでください。周りの人と話したりすることで、自分を知って、肩の力を抜いて、自分らしく生きてください。 学生新聞オンライン2023年3月30日取材 明治大学4年 山本真人 【Information】 ◎2023年4月26日(水) Live DVD & Blu-ray「PARASITE DEJAVU 2019 at IZUMIOTSU PHOENIX」DVD(2枚組):AZBS-1078 価格¥6,600(税込)Blu-ray:AZXS-1045 価格¥7,700(税込)※デジパック仕様 ◎2023年4月26日(水) Live DVD & Blu-ray「PARASITE...

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公益財団法人ソニー音楽財団 理事長 水野道訓 

音楽を届ける原動力は、人が感動する姿が好きだから。 公益財団法人ソニー音楽財団 理事長 水野道訓 (みずのみちのり) ■プロフィール 1981年、早稲田大学教育学部卒業後、(株)CBS・ソニー<現・(株)ソニー・ミュージックエンタテインメント>入社、キャラクター部門に配属。ソニーミュージックグループのキャラクターおよびソリューション事業会社の代表を経て、2015年(株)ソニー・ミュージックエンタテインメント代表取締役CEOに就任。退任後2020年より現職、公益財団法人ソニー音楽財団理事長。 上質な音楽を通して子どもたちへ格差なく教育を届けたい、若い世代の音楽家が活躍できる場を作り応援したい、との強い想いを持つ公益財団法人ソニー音楽財団の理事長の水野道訓さん。子ども達を中心にクラシックを通してもっと音楽の魅力を届けたいと水野さんは語る。 ■ソニー・ミュージックエンタテインメントと共に歩んできた人生 私は早稲田大学教育学部在学中よりマスコミ業界で働きたいという思いが強くなっていました。当時70年代カルチャーが凄まじく変化しており、情報誌等新たな雑誌がどんどん創刊されていました。その刺激を受け大学2年の時に友人と学内学生向けの情報誌を立ち上げて、1ヶ月で1000部を売り切るほど人気を呼びました。この雑誌は40年以上経った今も存続しています。一方子どもの頃からピアノをやっており、音楽が好きでバンドを組んだり、日本舞踊にも取り組んだりしていました。就職活動では当初、放送業界が第一志望でしたが、最終的には当時から音楽だけでなく出版など様々な事業を手掛けていたCBS・ソニー(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)に就職しました。最初の配属先はソニー・クリエイティブプロダクツというキャラクター事業を展開しているグループ会社で、当初は希望と違う業種を不服に思っていましたが、キャラクタービジネスに関わっていく中で、「可愛い!」と感動してイベントやショップで盛り上がってくださるるお客様に触れ、とてもやりがいを感じ、ついにはこの会社の代表になりました。その後ソニー・ミュージックコミュニケーションズ(現ソニー・ミュージックソリューションズ)というまた別のグループ会社に代表として異動しました。この会社は、CDの製造、コンサートグッズの制作・販売、ライブイベントの制作などエンタメ全般のソリューション事業を展開している会社です。ソニーミュージックグループの中でも最も在籍人数の多い会社で、先輩・後輩を問わず、様々な専門職種のスタッフを10年に渡ってマネジメントしました。この経験を経たことが、2015年に本社、ソニー・ミュージックエンタテインメントの代表取締役CEO就任に繋がったのだと思っています。CEO時代には音楽のヒットは勿論ですが、アーティストマネジメントを拡充し、アニメから派生してモバイルゲームの大ヒットを生み、キャラクターやソリューションビジネスも幅広く展開するなど、グループの様々な事業の拡大に成功しました。感動を生み出し届けたいと、頑張ってくれたスタッフに大変感謝しています。その後、2020年に代表を退き、現在は公益財団法人ソニー音楽財団の理事長を務めています。 ■「公益財団法人ソニー音楽財団」について 私たちは4つのテーマで活動を行っています。①子ども達への良質な音楽の提供②誰もが気軽にクラシック音楽を楽しめる環境づくり③若いアーティストの育成・支援④子どもへの音楽を通した教育活動に対する助成 ①子ども達への良質な音楽の提供未就学児でも本格的な演奏に触れられるよう「Concert for KIDS」を全国各地で開催しています。また、小学生~高校生を対象とした、クラシックコンサートをリーズナブルに体験できる「Dream Seats 」というプログラムがあります。昨年5月のゴールデンウィークには、サントリー芸術財団と共催で「こども音楽フェスティバル」という4日間のクラシックフェスを開催し、約3万人もの方が足を運んでくださり、配信は約10万人視聴とクラシック界では異例の動員数となりました。 ②誰もが気軽にクラシックを楽しめる環境づくりクラシックはどうしても敷居が高いといわれ、コンサートに来る方が限られています。実際はジャンルに明確な定義は無く、ビートルズも何十年後かにはクラシックと言われているかもしれません。このクラシックのハードルを少しでも低くして質の高い音楽をより多くの方に気軽に聴いていただけるよう、「日本赤十字社 献血チャリティ・コンサート 」や撮影・SNS・おしゃべりOKという自由度の高い「That’s クラシック!」を開催しています。 ③若いアーティストの育成・支援将来有望な指揮者とチェリストを選考して顕彰する「齋藤秀雄メモリアル基金賞」やオーケストラで重要な楽器であるオーボエ奏者を世界から発見・育成するための「国際オーボエコンクール 」などを主催しています。また、登録アーティストを募り財団の音楽活動に参加してもらうことで、若手アーティストに活躍の場を提供しています。 ④子どもへの音楽を通した教育活動地域や環境、経済状況による格差などで音楽に触れる機会が少ない、また楽器に興味があっても習えない子ども達が大勢います。そこで音楽を通して教育活動を行っている全国の様々な団体を支援するために「ソニー音楽財団 子ども音楽基金」を創設しました。また、子どもたちが楽しみながらクラシック音楽に親しめるよう「子ども音楽新聞」を全国の小中学校向けに定期発行をしたり、「子育てクラシックナビ」というアプリで、情報提供や動画・ゲームなどの配信を行ったりもしています。コロナ禍においては、「ソニー音楽財団 新型コロナウイルス対策特別支援プロジェクト」を立ち上げ、『子ども向けクラシック音楽動画』を募集・制作することによって表現の機会を失った若手演奏家を支援するのと同時に、同動画を公式YouTubeチャンネルにて無料公開することで、子どもたちが音楽に触れられる機会を創出してまいりました。 ■大学生へのメッセージ 今までのエンタテインメントビジネスを通じて私が一緒に働きたい人は、「感動を届けたいという気持ちの強い人」です。自分が携わったものに、心動かされた方がいたらとても嬉しく思います。「ヒット」を創り送り出すということは、人々に感動を届けることだと思います。エンタメの根源は人々を楽しませることです。それにはまず自分自身が楽しめることが大切です。誰かを楽しませよう、喜んでもらおうと感動を届けることに強い想いがある人と出会いたいですね。また、学生の皆さんには日頃の生活の中で社会問題に意識を向けていただきたいと思います。何か一つでも問題だと思うことに向き合い、心に留めてください。今後、私自身も後進や若い世代、子ども達を応援することに力を注ぎたいと思っています。人間は決して一人では生きていけません。だからこそ人との繋がりを大事にしてほしいと学生の皆さんに伝えたいと思います。 学生新聞オンライン2023年2月17日取材 国立音楽大学 2年 岡部満里阿 2023年秋、5年ぶりに東京で開催「第13回 国際オーボエコンクール・東京」 公式ウェブサイトにて随時情報更新中https://oboec.jp/ [日程]◆第1次予選:8月 ※動画による審査(公開)◆第2次予選:10月3日(火)、5日(木)、6日(金)◆本選および表彰式:10月8日(日)◆入賞者&審査委員コンサート:10月9日(月・祝) [会場]武蔵野市民文化会館(東京都武蔵野市) ※第2次予選以降 主催:公益財団法人ソニー音楽財団(Sony Music Foundation)  

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株式会社コーチ・エィ 代表取締役社長 鈴木義幸

経営者との対話で、組織開発を実現する 株式会社コーチ・エィ 代表取締役社長  鈴木義幸(すずきよしゆき) ■プロフィール 200人以上の経営者に対するコーチング実績をもつエグゼクティブ・コーチ。学生時代から心理学に興味をもち、慶應義塾大学文学部卒業後、広告代理店勤務を経て、ミドルテネシー州立大学大学院臨床心理学専攻修士課程修了。日本のビジネス界にコーチングの概念がなかった1997年にコーチ・エィ(当時はコーチ・トゥエンティワン)の創業に参画。2001年取締役副社長就任。取締役社長就任を経て、2018年1月より現職。 模索を続けた学生時代、衝撃を受けた二度の渡米、コーチングとの出会い。常に自分の心と向き合いながら、自ら道を選んで歩まれてきた鈴木社長。「対話を起こすリーダーを、組織の中に増やしたい」という言葉の真意は何か。コーチングの概念や今後の展望について伺った。 子どもの頃は、いわゆる「勉強ができる子」でした。中高は静岡県の一貫校に通っていたのですが、成績は1位と2位しか取ったことがありませんでしたし、6年間成績優秀者として表彰もされていました。でも実際は、中学校に入学した最初の中間テストで2位を取ってから、順位を落とせないと必死で勉強していたんです。周囲の目を気にしていたんでしょうね。今思うと、逆にプレッシャーで苦しかったかもしれません。 大学時代は、勉強以外にラグビーと日本舞踊をやっていました。もともとは、つかこうへいさんに憧れて演劇をやりたいと思い、慶応大学の演劇研究会に見学しに行ったのですが、実際に見て、自分には合わないと感じて入会しませんでした。その代わりに演劇の土台になるんじゃないかと日本舞踊を習うことにしたんです。中学時代からやっていたラグビーは同好会で続けました。 大学の勉強で特に力を入れて学んだのが、社会心理学です。「誰かの発したメッセージが、世の中にどういう影響を与えていくのか?」という普及学が、特におもしろかった。1年休学してアメリカへ留学もしました。帰国後は、普及学への関心と、当時華やかだと憧れていた広告代理店を志望し、マッキャンエリクソン博報堂に就職しました。仕事をしていくうちに、1対多数への影響力ではなく、1対1で相手にどう影響していけるのかという方向へ関心が移っていきました。 そこで臨床心理学を学びにアメリカの大学院に進学しました。大学院の修士課程では、テネシー州の女囚刑務所でのインターンを2年間経験しました。刑務所に収監されている女性犯罪者のカウンセリングの仕事です。彼女たちの中には、話している間にバーンッと極端に違う人格を出す人もいました。どんな人でも、場面や相手によっていくつかの人格を持っているものですが、彼らはそれを自分でコントロールできなくなってしまうんですね。そういう人たちとのコミュニケーションを経験して、カウンセラーの難しさを痛感し、それと同時に、それまでに培ったコミュニケーションスキルは活かしたいと思って日本に帰国しました。 そのタイミングで、コーチ・エィのファウンダーである伊藤守から声をかけられコーチングと出会いました。1996年のニューズウィークに、コーチングの記事が掲載されたのですが、記事を読んだ伊藤が、コーチングの先駆者であるトマス・レナード(米国Coach U Inc.創設者)に連絡をと取り、個人の方がコーチングを学ぶためのプログラムを日本で始めたのが1997年の10月です。当初個人の方向けのサービスからスタートしましたが、現在は、企業・組織全体にアプローチするコーチングサービスをメインに展開しています。 コーチングの鍵は“対話“にあり コーチ・エィではコーチングを「対話を通して、クライアントの目標達成に向けた能力、リソース、可能性を最大化するプロセス」と定義しています。具体的には、クライアントの目標に向けて、定期的なセッションをもって対話することで、クライアントの目標達成に向けた前進をサポートします。8か月~10か月かけて行うもので、実際にはこのセッションの他に、専用のITツールを活用したり、関係する方々へのインタビューやレポートなども行っていて、このプロセス全体をコーチングとしています。 「対話」についてですが、私たちは「対話」と「会話」の定義を明確に分けています。会話の焦点は「同じ」にあります。例えば、「今日は寒いですね」「寒いですね」というように、共通の話題を見つけ、共感を育むことで信頼関係を作るコミュニケーションです。一方で、対話は「違い」にフォーカスします。双方の違いを顕在化させ、違いをぶつけあうことで、新しくアイディアやものの見方を2人の間に創出していく。それが対話です。コーチングセッションで話すものを、私たちは「対話」だと考えています。 コーチングでは、例えばクライアントに対して「リーダーシップについて対してどのような定義をお持ちですか」と聞いたとします。その時にコーチは、クライアントの反応速度を見ることがあります。「私のリーダーシップの定義はこうです」とパンっと答えが出てくる場合、その方がリーダーシップの定義を明確にはっきりと持っていることがうかがえます。それ自体は悪いことではありませんが、場合によっては長期間固定化している可能性がある。そこで次に、「リーダーシップに対する定義はいつ更新されましたか」と聞いてみます。 環境が日進月歩で変わる中、私たち自身も変わっていかないと変化についていくことができなくなってしまいます。変わるとは、物事の見方や捉え方、考え方を変えてみるということです。リーダーシップに対する見方や定義がもし固定化されてしまっていたら、新しい時代のマネジメントも難しくなるのではないでしょうか。 このような「経営者との対話」が、エグゼクティブ・コーチングです。私たちが持っている前提や仮説は、育ってきた環境や関わる人たちの影響によって、無意識のうちに形作られていきます。無意識で持っているものなので、自分ではなかなか認識することが難しい。コーチという別の視点があると、自分の思考のパターンや癖に気づくことができるようになります。そうすると、違う選択肢があることに気づき、これまでと違う選択をすることができるのです。仮に同じ選択をするとしても、他にも選択肢があることを考慮したうえで、選ぶことは意味があります。 これは、コーチである私たちも同じです。ですので、コーチ・エィでは、コーチ自身にもコーチがいます。コーチ自らが、思考が固定化せず柔軟でなければ環境に適応できないという実体験をもっていることが、コーチングをする上ではとても重要です。 イノベーション創出へ、等身大な人材を求む 当社は、「コーチングによる組織開発の支援」をしている会社です。最終的に、我々のコーチングを受けた方々が、組織の中でたくさんの対話を起こしている状態を実現したい。現在の日本企業では、上下間や部門間で意見をぶつけ合う対話が本当に少ないのではないかと思っています。対話の少なさが日本経済の生産性を落とし、イノベーションの創出を阻む一因になっているといえるかもしれません。その中で、私たちは、コーチングを通して「対話を起こすリーダーを組織の中に増やすこと」を目指しています。自ら対話を起こすリーダーが増え、そこから新たなイノベーションが生まれると考えています。 コーチを採用するときに大事にしているのは、その人が「等身大で話せる人」かどうかということです。以前、非常に頭の切れが良く、どんな質問にも次々と答えられていた候補者の方がいたのですが、残念ながら不採用としました。なぜかというと、その方は、聞いているこちらからすると、事前に用意してきた話や自分の頭のメモリにある情報で対応しているように見えたからです。一方で、一つひとつの質問に対して、決して切れは良くないものの、自分の内側をしっかり見つめながら、自分の言葉で等身大に話されていた方がいて、その方を採用しました。 百戦錬磨の経営者から信頼を得るために最も大事なことは、頭の切れが良いことでも、ペラペラ話せることでもなく、ありのままの等身大でいることです。ただ、この姿勢は、入社後にトレーニングするのはなかなか難しいんですね。ですので、余計な鎧をまとわず等身大で話せる能力を備えている人にぜひ来てほしいと思っています。 大学生へのメッセージ 周りに合わせて自分の進路を決めないでほしいと思っています。自分がやりたいことを見つけるのは、実はなかなか難しいものです。大企業に就職するのもいいですが、留学したりベンチャー企業に入ったり、どんどん冒険してほしいです。歳を重ねるごとに、リスクは取りにくくなります。若いうちに、進んでリスクを取りにいってください。 学生新聞オンライン2023年3月1日取材 専修大学 3年 竹村結

八木彩花

八村倫太郎 “二兎も三兎も追っていい” 何事にも一所懸命がかっこいい

俳優・アーティスト 八村倫太郎(はちむらりんたろう) ■プロフィール 1999年7月28日生まれ。神奈川県出身。ホリプロ主催の「Star Boys Audeition」にてWATWING(ワトウィン)のメンバーに選出され、2021年9月にトイズファクトリーよりメジャーデビュー。個人としては同年「ホメられたい僕の妄想ごはん」(テレビ大阪)で俳優デビュー。現在ファンクラブ限定ツアーを開催中。 ダンスボーカルグループWATWINGのメンバーであり、ドラマ『君の花になる』に8LOOMのメンバーとして出演するなど俳優としても活躍している八村倫太郎さん。その活躍の裏には強い信念と積み重ねてきた努力があった。そんな彼のこれまでの生き方や今後の展望、役者とアーティスト活動の両立についての想いなど熱く語っていただいた。 幼い頃から目立ちたがり屋で真面目な性格というのは一貫しています。前に出たがるタイプで、学級委員や応援団長など、○○長というのは全部やったし短期留学にも挑戦しました。前に出ているのに学業と両立しないのはダサい、部活もしっかりやって結果出さなきゃダサいと思っていたので、何事も一生懸命やるという学生生活でした。努力することがかっこいいという気持ちがあったんだと思います。もちろん苦労もありました。小学校で転校した時は、なかなか新しい環境に馴染めずギャップに苦しんで辛い想いをしました。でも最後は「転校してきたんだっけ?」と言われるまでになりました。そこで、頑張った分だけ周りも応えてくれるということに気づいたのかもしれません。周りに恵まれていたから、挫けずに頑張れたのだと思います。家族にもとても感謝しています。姉が僕の人生の道しるべであり、母も自分がやりたいことを肯定してくれるタイプだったので、とても支えになっていました。 ■ヒーローへの憧れと見出した可能性 僕はずっとヒーローが好きでヒーローになりたかったんです。母が「倫太郎ならなれるよ」と肯定してくれていましたが、夢を見させつつも現実的な助言もしてくれました。いろいろと考える機会があり、「テレビ画面の向こうに行きたい」「キャーキャー言われたい」という気持ちもあったことから、次第に“芸能界に入らなければ!”という意識を抱くようになりました。ただ、中学高校は部活や行事などやりたいことは責任を持って行動していたので、活動することは考えておらず、大学生になってからようやく本格的に芸能界に進むことを考えるようになりました。それまでは、憧れつつもあまり芸能に繋がることをやっていなかったので、芸事に触れてみたいと思い、大学でダンスを始めました。いろんな挑戦ができるのは「大学生までだな」という想いもあり、自分の引き出しを増やしたくて慶應義塾大学に入ったので、大学生活では自分自身が成長することを目標にしていました。この先、芸能以外のことがやりたいと思った時にも活かせるかなと。その一方で挑戦したのが、様々なオーディションです。当時は歌やダンスは無理でも、役者ならなんとかなるんじゃないかと思っていたんです。もちろんそんなに甘くはなく、上手くいかないことの方が多かったですけどね(笑)。この頃『キセキ-あの日のソビト-』を見て菅田将暉さんに憧れて、「自分のやりたいことを体現している人がいる」と勝手に背中を押されていました。 ■自分の表現一つで見てくれる人の心が動くこと、それが至上 僕自身、最近まで音楽で明確に感動した体験がなかったんです。興奮の方が大きくて、“嫌なことを忘れさせてくれる”“楽しい存在”と思っていました。ですが、この前Vaundyさんのライブを見た時、これまで経験したことのない感情が湧き出て、気付いたら号泣していたんです。それまでは、「自分達の音楽を聴いて感動した」という声をもらうのは嬉しいけど、いまいち実感が沸きませんでした。ただ、自分が初めてよく分からない感情に襲われたことで、「ステージの上でしか届けられない、言葉に出来ない感動があるんだ」ということを身を持って理解しました。以来、届けられる幅が広がった気がして、改めて、アーティストとしてもっと頑張りたいと自覚するようになりました。昔、芸能界に憧れたのは「キャーキャー言われたい」「やりたいことをやりたい」といった想いからだったと思います。しかし、いろんな経験をさせていただく中で本質的な素晴らしさに気が付きました。今は“自分の表現で誰かの心が動く”ことが大きなやりがいですし、目標です。表現が届いて相手の心が動いて、泣いたり笑ったり、元気になったり、嫌なことを忘れたり。何でもいいんです。その人の何かになってくれれば嬉しいです。“表現”という点においては同じですが、アーティストと役者は明確に違うものだと思っています。役者は八村倫太郎ではダメで、自分ではない誰かになるから伝えられることがある。逆にアーティストは八村倫太郎でしかなくて、八村倫太郎として存在することに意味がある。役者として、アーティストとして、それぞれ届けられること全然違うんだと最近改めて気付かされました。だからこそ、両方できる機会を頂けて幸せだなと思います。 ■個人の仕事に全力を尽くすことがWATWINGの活動に繋がる 『君の花になる』はWATWINGを背負ってやろうと意気込んでいました。だからこそ、8LOOMとWATWINGを比べてしまうこともあったし、自分がよく分からなくなることもありました。でも結局は、「自分がどれだけ信じているかが大事だ」と気付いたため、途中からはあまり意識しないようにしました。“グループのため”と考えすぎたら自分を縛って動けなくなってしまうので、今は目の前の活動を全力でやろうと。そもそも8LOOMの中で自分が一番知名度が低かったので、この強烈なメンバーの中でどう存在感を出そうかということに必死でした。グループのことは信頼しているメンバーに任せて、自分はとにかく頑張って、光が当たればグループも注目してもらえると信じてやっていました。それが結果として現れている実感があるので、ひとつの自信に繋がっています。数字など目に見える評価は努力の結果としてとても分かりやすいので意識していますが、“心を動かす”という自分の目標が達成出来ていたら、結果的に数字にも影響していくと思うんですよね。だから、自分の信念を貫いて目の前のことを一生懸命頑張りたいとこの作品を通して感じました。 ■“置かれた場所でどう咲くのかは自分次第” “置かれた場所で咲きなさい”という言葉がありますが、咲くのは当たり前で自分がどう咲きたいのかを考えていたいと思っています。どこでどんな花を咲かせるのかに正解はないし、その花の見え方も見る人によって違う。役者、アーティスト、バラエティなどいろんな自分がいるけれど、自分なりに整理して向き合うことを大事にしていきたいと思っています。どんな場所で咲くのも大切なので今後は何でもチャレンジしたいです。特に役者としてもっと挑戦していきたいという想いがあります。自分が演じるからこその味もあると思うけど、八村倫太郎としての影を残さず、作品の一部として作品に溶け込みたいという想いがあります。だから、出演した作品を見て、見た人の心が動くことが役者としての目標です。そしてなにより、自分自身や作品を知ってもらいたいです。知られないと出来ないことがたくさんあるので、まずは知ってもらって選択肢を広げていきたいです。そのために今はいただいたものを精一杯頑張っていきます。WATWINGとしては、開催中のファンクラブツアーで来ていただいた方に「WATWING最高!」と思ってもらえることが今の目標です。そのためにパフォーマンスに全力を注ぎ、イベントをこの上なく良いものにしていきたいです。いつか海外チャレンジしたいという想いもあるのでより一層頑張ります。 ■大学生へのメッセージ 大学に行く・行かないも、何をするのも自由で、人生には選択肢がたくさんあると思います。僕も大学生になっていろんなことにチャレンジしました。何でも挑戦できるのが大学生の醍醐味なのでやりたいことを思いっきりやってほしいです。サボろうと思えばサボれるし、頑張ろうと思えば頑張れる、サボったとしてもそこから成長出来ることもある。そんな貴重な期間なので、存分に謳歌してください。ただ大人にならないといけない時期ですし、自由は責任が伴うことを心に留めてほしいと思います。夢や可能性が爆発するところ、大事なのは熱中することだと思います。何事も適当は良くない!是非全力で取り組んでください! 学生新聞オンライン2023年3月27日取材 上智大学4年 八木彩花 ――――――――――――――――――――――――Hair&Make Up:CHIHIRO(TRON)Styling:Masumi Yakuzawa(TRON) Tシャツ2万9700円/アクオド バイ チャヌ(アクオド バイ チャヌ)ネックレス2530円/オイル、3連リング2万4200円/アルカナム(ともにジョワイユ)その他スタイリスト私物 【読者お問い合わせ先】アクオド バイ チャヌ03-5776-3679 ジョワイユ03-4361-4464――――――――――――――――

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わたしが主役になれる物語(ストーリー)Next Girls 4th Collection 開催

2023年2月26日にNext Girls PROMOTION(運営会社:POT合同会社 所在地:東京都中央区)による「Next Girls 4th Collection」が渋谷ストリームにて行われました。NextGirlsCollection総合統括プロデューサーMassさん、受賞したミムロユウさん、Haruさん、司会を務めたパンダえんぴつさん(パンダ・田神花捺)にお話を伺った。 NextGirlsCollection総合統括プロデューサー Mass(増山 哲也)さん ■Next Girls Collection(以下NGC)について夢を追う女性の「やりたい」「なりたい」を叶える為、”応援と共感”を生むストーリーとパフォーマンスを魅せるファッションショー形式のドキュメンタリーです。NGCは、当初モデルのためのファッションショーからスタート致しました。多くのファッションショーでは特別なゲストでもない限りウォーキング機会は1回程度しかなく、且つ自らのアイデンティティよりもブランドイメージが重視されます。そんな中NGCは、本番では2回のモデルウォーキングに加え、ウォーキングに限定しない自由なアピールタイムを用意しています。普通のファッションショーにはない自己表現、ミスコンにもないエンターテインメント性、全員が異なるゴールへ向かい、全員が主役になれる「わたしが主役になれるストーリー」というコンセプト実現のため、NGCはさまざまな工夫をしています。 ■4th Collectionについてオーディションで選ばれたファイナリスト19名に対して、自己実現の為に、最終目標の確認及び言語化と、その達成の為に他者からの共感や応援を生み、win-win構造を創り出す為には何が必要でどのような手段を用いるのか?そして、NGCに於いて「Next Stageへ進む為のSmall Goal」の設定をしてもらいます。NGCが他と違う大きな要素がこのコーチングサポートで、自分のやりたいことは何か、自分の武器は何か、自分に足りないものは何かを一緒になって考えます。そして本番へ向けて数カ月間、彼女たちは出演者同士それぞれ異なる目標を持つ仲間として相互に切磋琢磨し合いながら、私たち運営メンバーと共にショーを共創してきました。その模様を今回初の試みで、ドキュメンタリー番組として公式YouTubeで配信しているので、ご覧になって頂けたら私たちの取り組み、そして彼女たちの想いに共感して頂けると思います。NGCは、各々自己実現のために、応援や共感を生む力を付けるためのきっかけや経験として、大事なことが実践的に学べる機会になると考えています。出演者は各々、個別に様々な目標や課題に取り組んでいます。「観る者に勇気や希望を与えたい」「次代のリーダーシップをとって皆を引っ張っていきたい」「特定の業界のイメージチェンジをしたい」「立場や経験から得られた独自のグローバル視点を見せたい」「生きにくい世の中を変えたい」「家族愛を伝えたい」「新しい事業価値を創造したい」「自分が自分であることに、わたしたちが皆自信と誇りを持てるようにしたい」従来の共通の栄冠を目指すコンテストイベントと異なり、NGCの出演者はそれぞれ目標が、向かうゴールが十人十色であり、主役争奪戦ではなく、紛れもなく「全員が主役になれる」イベントとして作られています。そしてそれは私たち運営メンバーも同じくで、関わるメンバーの殆どがボランティア参加であり、NGCの成功によって拓ける未来に、それぞれが思い思いの自己実現を果たせるよう主体的に取り組んでいます。その結果、過去最高の感動を生んだ素晴らしいショーを披露できたと思います。紛れもなく、全員が主役としての役割を果たせたのではないでしょうか。本番を終えましたが、彼女たちの物語はここから始まります。NGC運営メンバーも、今後とも彼女たちと共に夢をカタチにする取り組みを続けて参ります。どうか、引き続き彼女たちの、私たちの応援をよろしくお願いいたします。 Best next girl賞 ミムロユウさん ■受賞した感想まさか自分が受賞するとは思っていなかったです。舞台を楽しめばいっか!っていう心構えで来ていたので、夢みたいです。とにかく嬉しいです。生きていてよかった、頑張っていてよかったです。本当に周りの方のおかげだと思っています。みなさん、ありがとうございます。 ■イベントを通して成長したことはじめは、どうせグランプリはキラキラした子で、私みたいな人は世に出られないと思っていました。でも、運営の方や周りの友達などが自分のことを応援してくださっていたので、ちゃんと最後までやり通してみようと思いました。誰か1人でもかけていたら今回の受賞はなかったと思います。 ■今後の夢や目標スクールカウンセラーになりたいと思っています。しかし、タトゥーが入っているからという理由で現状ではなることが難しいです。タトゥーへの偏見を無くし、世の中を変えていきたいと思っています。今はタトゥーを入れていることで温泉などの施設の入場規制に引っかかったり、モデルをする際にタトゥーが入っていると隠したりしなければならないということがあるので、少しでも偏見をなくす活動をしていきたいです。私が活動を通してしっかりとやり遂げられる人という証拠を残し、タトゥーが入っている人への印象を変えていけるように頑張りたいです。他にもアパレルの起業など、やってみたいことはたくさんあります。 ■大学生へのメッセージ正直なこと言えば、大学に行けなかった私にとっては学校で学ぶこと以上に社会で学ぶことの方が活かされているけど、きっと大学で過ごせる時間はその時間しかないし、大学に通えていること、家があること、困った時に助けてくれる人がいるという環境に感謝して、その一瞬一瞬を大事に過ごしてほしいです。有意義な大学生活を送れると、今後の人生もより有意義なものになるんじゃないかなって思います。 Next Girl賞 Haruさん ■受賞した感想ダメだったな・・と思っていた部分が多かったため、こんなにも多くの方から評価されることを全く期待していなかったので、率直に嬉しかったです。今後もみなさんの期待に応えていきたいと思いましたし、最後まで諦めなかったことが今回の受賞に繋がったと思います。 ■イベントを通して成長したこととにかく諦めないという精神でチャレンジできたことです。ウォーキングやランウェイを歩くことなど、モデルとしての活動自体が初めての経験でした。ウォーキングの練習も最後の最後まで追い込みをかけて、このイベントに臨みました。 ■今後の夢や目標日本と中国で活躍し、日中友好の懸け橋となるモデルになりたいです。見ている方を元気、笑顔にできるようなモデルを目指しています。たとえ苦しくても自分が笑顔で居続けることが自身の元気の源に繋がっています。自分が笑顔になることで周りの人も笑顔になって、それをまた自分が受け止めて自分も笑顔になれるので、苦しくてもとりあえず笑顔でいることを意識しています。 ■大学生へのメッセージ大学生の決まった年数の中で、どれだけ自分で目標を決めて前に進めるかが大切だと思います。自由にできる時間は多いと思いますが、その自由にできる時間を無駄にしてしまうと一瞬で大学生活が終わってしまいます。自由な時間があるからこそ、いろんなことに挑戦してほしいですね。失敗しても全然大丈夫なので! イベントMC パンダえんぴつさん(パンダ・田神花捺) ■MCとしての感想田神:2週間前のリハーサルから見ていたのですが、みんなちゃんと最後までやり遂げられるのか、スタッフ陣と息が合うのか、正直心配でした。でも実際、演者さんがランウェイを歩いているところを見て、2週間でこんなに変わるんだ!と驚きました。お客様も後半に進んでいくにつれて、彼女たちの人生を見届けたいという気持ちに変わっていったんじゃないかなってMCをしていて感じましたね。 パンダ:普段は建設関係や看護師などの仕事をしている方が出場されていて、モデルさんって小さいころから目指していないといけない印象があったのですが、大人になった今でもやりたいと思った方の背中を「遅すぎないよ」っていう感じで押せるんだなって思いました。 田神:挑戦するということの大切さを感じましたね。 ■パンダえんぴつさんにとっての挑戦田神:私たちはフリーでお笑い芸人をやっているので、フリーでどこまでやっていけるかが常に挑戦ですね。芸人という枠にとらわれない、新規マーケットの開拓というところを意識してやっていきたいなって思っています。 パンダ:そもそも芸人一年目で、芸人をしていることが挑戦だし、昨年起業して社長業もしているので、たくさん挑戦していますね。 ■大学生へのメッセージ田神:行動あるのみ!周りや、世間体、マジョリティを恐れないで、これだ!と思ったことに素直になることが大事なんじゃないかなと思います。 パンダ:私は、死ぬ前にこの人生でよかったなと思える生き方をしたいなって思っています。死ぬ直前の私が今の私を見て怒るかどうかっていうことを考えながら生きています。 学生新聞オンライン2023年2月26日取材 上智大学1年 嶋田ひなの Next Girls Collectionホームページhttps://www.next-girls.com/ 公式YouTubehttps://www.youtube.com/@nextgirlscollection 公式LINEhttps://lin.ee/kuDOVXK お問い合わせinfo@next-girls.com

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第36回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2023 SPRING/SUMMER ~鈴木愛...

2023年3月4日(土)国立代々木競技場 第一体育館にて『第36回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2023 SPRING/SUMMER』が開催されました。 今回のテーマは新時代を意味する「NEW EPOCH」。 多彩な豪華出演者の中から歌手・モデル・女優として活躍する鈴木愛理さんにお話を伺った。 ■東京ガールズコレクションの魅力 いろんなファッションショーがある中でも特にTGCは昔から“モデルさんと言えばこの人!”という方が出てらっしゃる印象があって、初出演のときはとても緊張しました。同じステージで歌ったことはあるのに、ランウェイは全く違う感覚で「えっなんか…どうしたらいいんだろう…」と戸惑ってしまいました。未だにこうした大きなステージに立つと、マイクを持って歌いたいなという気持ちになるのですが、それがない以上モデルとしてファンの方々の想いに応えたいという想いで挑んでいます。みんなが精いっぱい作ってきてくださるうちわなどを探したり顔を見たりして、ファンの方々と会える機会を大事にしたいと思ってランウェイを歩いています。 ■ファンの存在とは 私は、コロナ禍でファンのみなさんに会えるのは当たり前じゃないということに気づかされました。みんなにメンタルを支えてもらって自己肯定感を上げていただいている、とても大切な存在だなと改めて実感しています。家族のように愛を伝えていますし、貴重な一回の人生を私のファンとして歩んでくださってすごく感謝しています。 ■今後の夢や目標 好奇心旺盛なタイプなので、チャレンジできることはどんどんやっていきたいです。最終的に帰ってくるところに“音楽”があれば、いろんな挑戦をしながら常に前進したいし、新しいことを探し続けたいと思っています。何年後にどこに立ちたいというような目標はいつも立てていなくて、目の前に来たチャンスをしっかりと掴めるかということを大事にしています。どんなチャンスが降ってきても掴めるような自分でいることを常に意識しながら、向上心を忘れずにやっていきたいです。音楽だけは好きだからこそ悩むことも多いのですが、他でいただいたチャンスがどんどん音楽にも繋がってくるので、頑張りたいなって思っています。 ■大学生へのメッセージ 私自身も大学生を経験して思うのが、大学は人間関係の構築を学ぶ場所でもあるということです。大学で出会った友人や先生は、そのあと仕事で何か一緒に出来る可能性を秘めている人達が多い印象です。実際私も卒業してから大学の同級生や先輩とお仕事をすることがありました。だから勉強は大変だし就職活動もあると思うけど、人間関係の部分を大切に4年間最後まで過ごしてもらいたいなと思います。それが今後の宝になるので。大学生活楽しんでください。 取材者:上智大学4年 八木彩花 イベント名称:第36回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2023 SPRING/SUMMER(略称:マイナビ TGC 2023 S/S)開催日時:2023年3月4日(土) 開場12:00、開演14:00、終演21:30会場:国立代々木競技場第一体育館公式サイト:https://tgc.girlswalker.com/23ss/

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第36回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2023 SPRING/SUMMER ~景井ひ...

2023年3月4日(土)国立代々木競技場 第一体育館にて『第36回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2023 SPRING/SUMMER』が開催されました。 今回のテーマは新時代を意味する「NEW EPOCH」。 多彩な豪華出演者の中からTikTokクリエイター・タレントの景井ひなさんにお話を伺った。 ■ステージを終えて 今回のTGCは声だしが解禁されたこともあり会場の一体感が伝わってきて、素直に楽しかったです。こうした大きなイベントの機会があると、みなさんに直接会えてダイレクトに想いを伝えられるので本当に貴重です。沢山のかわいいファッションと素敵なモデルさんを見ることができるのはTGCの魅力だと思っています。完全にお客さん目線ですが。(笑) 出演者側の目線でいうとステージやランウェイはとてもキラキラしています。ステージの裏側ではモデルさん・ヘアメイクさん・スタッフの皆さんなど沢山の方々が準備をしていて大変さを目の当たりにしていますが、ステージに、ランウェイに出た瞬間にカッコイイ姿、キラキラした姿に変身できる瞬間が私は好きです。TGCに出るとモチベーションが上がりますし、みなさんのキラキラした目を見て、私も頑張ろう!と元気をいただきます。 ■ファンの存在 支えになっている存在です。仕事で大変なことがあってもファンの方々のおかげでまた頑張ろうと思えますし、投げ出さず、逃げ出さずにいることができます。本当に私の頑張る源です。SNSは何かのきっかけで簡単に炎上する可能性があります。こちらに意識がなくても非があるように受け取られてしまったり・・・。独りぼっちで孤独を感じてしまうこともありました。そんな時にファンの方々が「#ひなちゃんの笑顔をまもりたい」などハッシュタグをつけて動画を送ってくれたり、イベントに参加できない方々のファンレターをまとめて送ってくれたこともあったんです。こうしたファンの方々の応援や「ひなちゃんも一人の人間だから無理しないで」と投げかけてくれる温かい言葉が今の私の支えになっています。 ■表現者 景井ひなとして 今までは、ボソボソと小声で喋り何を言っているかわからないオタクの役やちょっとやんちゃな女子高校生の役などキャラの濃い役をいただき、実際に演じてみて普段とは違う私を出せたのでとても楽しかったです。今後挑戦したい役としてはサイコパス役を演じてみたいです。まだ数えられるほどの経験しかありませんが、サイコパスの役を演じたことがないのですごく挑戦したい!って思っています。私はSNSをきっかけにして今に至っています。そんな私がいろんなお仕事にチャレンジすることで、景井ひなちゃんが挑戦しているなら私もやってみたい!と憧れを持つ方が沢山増えていってくれたらいいなと思います。それは私が表現者であるからできることだし、そうした憧れを抱いていただけることがこのお仕事の魅力だと感じています。 ■大学生へのメッセージ 自分らしく生きてください!今でこそ自己表現を大切にと多少は生きやすくはなってきたけれど、例えば好きな服着ていたらその服を他人から評価されることがあると思います。そこで自分の好きなものを変える必要は全くないと思っていますし、私はそこで変えなかったからこそTikTokをきっかけに TGCの舞台にも立てています。なので今みなさんが好きなものは是非貫いてください。そしていろんなことに興味を持って実際に挑戦してほしいです。その挑戦から得た経験は将来、意外と仕事に活きます。 取材者:明治大学4年 山本真人 イベント名称:第36回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2023 SPRING/SUMMER(略称:マイナビ TGC 2023 S/S)開催日時:2023年3月4日(土) 開場12:00、開演14:00、終演21:30会場:国立代々木競技場第一体育館公式サイト:https://tgc.girlswalker.com/23ss/

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第36回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2023 SPRING/SUMMER ~髙橋ひ...

2023年3月4日(土)国立代々木競技場 第一体育館にて『第36回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2023 SPRING/SUMMER』が開催されました。 今回のテーマは新時代を意味する「NEW EPOCH」。 多彩な豪華出演者の中から女優 髙橋ひかるさんにお話を伺った。 ■ステージを終えて やはり声出しOKだとみんなの感情も歩いているモデルさんのテンションも違うなと思いますね。会場の空気感が声で伝わってくるのでワクワクしました。実際にランウェイを歩いているときも、声とともに熱感が伝わってきましたし、マスクで目しか見えないけどみなさんが笑顔になっていることが分かって、楽しいなって思いました。私のボードを作ってくださっている方がいたり、SNSで「持っていくから見つけてね」と言ってくれる方もいて、それを見つけたときすごく嬉しかったです。また、私のことを知らない人にもTGCをきっかけに知ってもらえたらという想いもありました。感動とワクワクを共有できるのはTGCならではだと思います。 ■ファンの存在とは ファンの方々は家族に近い存在です。そっと見守ってくれる時もあれば、会えるときは積極的に応援してくれて。こういう距離感がすごくありがたく、大切な存在だなって思います。ファンの方々に支えられた経験はたくさんあるのですが、特にお仕事を休止させていただいたときは、本当に助けられました。「無理しないでね」とか温かい声をかけて励ましてくれたり、復帰したタイミングでも「おかえりなさい」と言ってくださる方がたくさんいて。その温かい言葉にすごく背中を押されましたし、もっともっと応援してくださる方々に還元したいという感情も芽生えました。SNSやTGCのように、ファンの方々と触れ合える場があることが本当にありがたいなと思っています。 ■お仕事の魅力や、大事にしているマインド 初めましての人、お会いしたことがない人の心を動かすことが出来ることは、このお仕事の魅力だと思っています。プラスマイナスどちらの気持ちも共有出来るのは凄いことだなと。お芝居やバラエティ、ランウェイなどいろんなシチュエーションで、誰かに何かを届けられたらいいなと思って活動しています。それを実際に感じられるのはTGCのような場なので、すごく幸せだなと思います。お仕事をしていく上で意識しているのは“程よく頑固”ということです。もともと頑固な性格なのですが、時にはマネジャーさんやファンの方、視聴者の皆様などの意見を取り入れた方がよい時もあります。逆に自分自身のこだわりを貫いた方がよい時もあると思います。SNSなどで批判や冷たい言葉を向けられることもありますが、それが正しい時もあるじゃないですか。全てをないがしろにして受け入れないのではなくて、時には受け入れて自分自身が成長する糧とすることも大事だなと思っています。マイナスな感情になった時は、家族やペット、友人に癒されています。ワンちゃんを抱きしめているときや、友人とゲームしてボイスチャットで会話しているときはとても幸せです。周りの存在にすごく支えられているなと日々感じます。 ■今後の夢や目標 お芝居にチャレンジしたいです。これまではお芝居やバラエティなど全般的にやりたいと思っていたのですが、今は「いろんな役に出会ってみたい」「いろんな監督とお仕事をしてみたい」という気持ちがすごくあります。昨年ミュージカルに挑戦したことも大きなきっかけになっていると思います。初めてお客様の目の前でお芝居をするという機会をいただいて、よりお芝居への想いが強くなりました。特に、映画をやりたいです。まだあまり経験はないですが、限られた時間の中で表現することに挑戦したいです。最近は自分と近い感情を持った役を演じてみたいなと思っています。これまでは感情の起伏が激しかったり、ちょっとサイコパス気質だったり、日常の考えからは発想が出来ない感情を持った役に興味がありました。ニュートラルな役は感情の幅が狭いからこそ表現するのがすごく難しいと思いますが、チャレンジしてみたいです。『おそ松さん』や『村井の恋』などコメディタッチの役をいただいたこともあり、また違った役柄にチャレンジしたいという想いが生まれたのかもしれません。 ■学生へのメッセージ 学生って本当に限られた時間で、貴重だけどあっという間です。当事者として過ごしている時間は長く感じるかもしれないけど、社会人になって私自身学生時代を振り返って思います。勉強も含めどんなことでも全力で楽しんでほしいです。時には課題やチャレンジしなければいけないこともたくさんあると思いますが、将来に繋がる大事な時間だと思うので、ぜひ全力で楽しんでもらえたらなと思います。 取材者: 上智大学4年 八木彩花 イベント名称:第36回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2023 SPRING/SUMMER(略称:マイナビ TGC 2023 S/S)開催日時:2023年3月4日(土) 開場12:00、開演14:00、終演21:30会場:国立代々木競技場第一体育館公式サイト:https://tgc.girlswalker.com/23ss/

イベント・企業紹介

「アース製薬 Presents 第1回 TOP CONNECT カップ」記者会見

TOP CONNECT株式会社は、若手プロゴルファー支援とゴルフ業界の発展を目的とし、日本初となる30歳以下の男子プロ限定のゴルフ大会(TOP CONNECTカップ)の開催を発表した。第1回目となる本大会は、冠スポンサーであるアース製薬のほか、アデランスやすかいらーくなど多くの企業が協賛し、5月9日にイーグルポイントゴルフクラブで開催される。他に類を見ないユニークさで話題の本大会だが、中でも注目は副賞のラインナップである。ゴルフ大会では稀にみる賞金総額0円、ただし総額100万円相当の賞品が用意されていると言う。具体的には、5月24~26日の太平洋Cチャレンジトーナメント本戦出場権、大手企業のワッペン着用権利など。ツアー出場権やスポンサー推薦をもらう機会の少ない若手プロゴルファーにとって、これらの副賞は今後のプロ活動を後押しする大きなチャンスである。また、冠スポンサーを務めるアース製薬はこれまでに、アース・モンダミンカップの開催などゴルフ業界とは縁が深い。今回の記者会見では、そんなゴルフ業界へ積極的に参入されるTOP CONNECT株式会社、アース製薬株式会社の2社それぞれの代表へ、ゴルフ業界の現状や今後の展望についてお伺いした。 ■アース製薬株式会社 代表取締役社長CEO 川端克宜氏より 若手男子プロゴルファーを対象とした大会、「第1回TOP CONNECTカップ」に冠として協賛させて頂く運びとなりました。内田さんとは、以前からアース・モンダミンカップやTOP CONNECTレディースなどでご縁があり、今回のお話を頂きました。バイタリティー溢れる内田さんの、型に囚われない姿勢、新しい風を吹かせる情熱は、ゴルフ業界の活性化に繋がると思います。弊社は、事業として日用品を幅広く扱っていますが、ゴルフ好きの社員も多く、社会貢献活動として、ゴルフ業界を盛り上げていきたいという思いがありました。12年前からアース・モンダミンカップを開催し、ゴルフ業界に参入していく中で、活躍の場を無くしているプロゴルファー達に少しでもチャンスをつくれたらと感じました。今回の協賛により、若手男子プロゴルファーのチャンスが広がり、ゴルフ業界の発展を手助け出来れば幸いです。 ■TOP CONNECT株式会社 代表取締役 内田雅章より 男子プロゴルファーは、女子と比べて賞金総額や人数に対しての大会数が少なく、昔と比べて活躍の場が少ないのが現状です。厳しい状況に置かれている若手男子プロゴルファーに、少しでもチャンスをつかめる機会を増やしたい、そのような思いから今回の大会を企画しました。若手の男子プロゴルファー限定という大会を行うことにより、今後の男子ゴルフ界にもっと勢いをつけたいです。この大会の特徴の一つとして、男子プロゴルファーへの勉強会企画があります。もちろん実力でチャンスをつかみ取るのはとても大切なことです。しかし、実力以外の人間的な魅力を磨くことによって、スポンサーを獲得する機会を増やし、応援されるゴルファーを育成したいと考えています。自分たちのような中小企業では、賞金の面では大手企業には到底かないません。だからこそ企画・行動力で、参加者である男子プロゴルファーとスポンサーのみなさまが魅力的だと感じるような大会を実現させたいです。この活動によって、ゴルファーの増加のみならずファン層の拡大も期待しています。今後も今までにない企画をたくさん考えて、ゴルフ業界を盛り上げていきたいと思います。 第1回 TOP CONNECTカップ 開催日/2023年5月9日(火)開催場所/イーグルポイントゴルフクラブ(茨城県稲敷郡阿見町福田1668-5)主催/TOP CONNECT株式会社スポンサー/アース製薬株式会社 大会の5つのポイント①『アース・モンダミンカップ』主催のアース製薬が、男子プロゴルフ大会、初の冠スポンサー②副賞は、チャレンジトーナメント本戦出場権、著名企業ワッペン装着権利③プロ3人対アマチュアゴルファー1人という日本初のプロアマ形式での編成④アマチュアゴルファーとして、豪華経営者が参加⑤TOP CONNECT 内田代表による「社長の心の掴み方」勉強会の開催 2023年3月31日取材者 慶應義塾大学4年 伊東美優 / 中央大学2年 亀井義和喜 / 立教大学3年 緒方成菜

学生新聞インターン

株式会社ディー・エヌ・エー  代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟

無駄な時間を使ってたくさん迷うことが可能性を広げる 株式会社ディー・エヌ・エー 代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟(おかむら しんご) ■プロフィール 東京大学大学院修了。1995年、郵政省(現総務省)入省。2015年、総務省情報流通行政局 郵政行政部企画課企画官に就任。2016年4月、株式会社ディー・エヌ・エーに入社、横浜スタジアム代表取締役社長等を務める。2016年10月、横浜DeNAベイスターズ代表取締役社長に就任。2019年4月、横浜スタジアム取締役会長(現任)、2021年4月、株式会社ディー・エヌ・エー代表取締役社長兼CEO(現任)。 大学時代は文学青年でした。中学生の頃から文学をやろうと決めていたのですが、実際に文学部に入り、文学青年を気取って友人と競い合うように本を読んだり、音楽や映画を嗜んでは知的な刺激を楽しんでいました。 大学院に入ると同時に天安門事件が起きました。それがきっかけとなって中国の移民が作る王朝について研究しました。いま考えると学者というのはすごい人たちの集まりだなと思います。自分が正しいと思う道をただひたすらに信じて掘り下げていくのです。当時の私も学者の道を歩もうと考えていました。しかし、同時に学者の世界に埋もれていく怖さも感じるようになりました。そのため卒業後は方向転換をし、郵便局でのバイト経験から郵政事業に興味を持っていたこともあり、郵政省に入ることにしました。 ■郵政省に入省し、公共の磁場を創る 郵政省ではITを利用した沖縄振興を行い、その後の総務省では企画部長として福祉や教育、街の開発や議会での答弁まで行いました。各地域の情報化に伴い、遠隔医療の基盤を作り、第一次安倍内閣では首相補佐官室参事官補佐も務めました。全てに共通しているのは「公共の磁場をつくる」ことです。特にインターネットが情報を取りに行く手段から、人と人とがつながる手段になるという過渡期には、青少年インターネット法の発足に携わりました。ネットの登場は未成年と成人をつなぐきっかけとなり、犯罪に結びつく可能性があることからネット規制の声が大きくなったのです。しかし、これでは国内の文化や産業網を断つことになります。それならばむしろリテラシーをつけていき、正当なやり方で子どもを守ることの方が大切なのではないかと考えたのです。公共の磁場をコーディネートする中で私が果たした役割は、小さくなかったと考えております。 ■DeNAで公共の磁場を作る その後、総務省を経てDeNAに転職します。DeNAは現会長の南場さんに誘われての入社でした。入社して感じたことは、民間でも公共の磁場をつくることができるのだなということでした。入社後はまず横浜スタジアムの社長になり、横浜スタジアムという「場」づくりやスポーツというエンタメを中心とした街づくりを行いました。街づくりに活かせるのは横浜スタジアムが横浜にあるという構造的な強みです。横浜のような政令指定都市で、地域の盛り上げ役であるスタジアムという拠点を活かせるところはそうはありません。 また、DeNAはさまざまな分野で事業展開をしていますが、その中の一つにゲームがあります。ゲームは文化でありテクノロジーの発達とともに複雑化してきます。しかし人は意外に単純なものを好んだりするので扱いが難しいものです。またゲームはインターネットの中で一番ビジネスが大きい世界であり、それをどうユーザーに使ってもらえるかは試行錯誤の連続です。PDCAを回していかにユーザーの反応に寄り添ってサービスを広げて行くかが鍵になります。特にモバイルゲームは隙間時間に行うことや、コミュニケーションの手段となるといった特性を考慮して制作しています。 ■DeNAらしさは人が作るもの DeNAはエンタメから社会課題領域までを行っていますが、特に「DeNAらしさ」を作っているのは人だと考えます。優秀なだけでなく、多様な考えを持ち、画一化されず誠実な人が多いのです。個性豊かな社員と共に日本の素晴らしさを追求し、神奈川や横浜というリアルな地域を大切に世界を見据えていきたいと思います。そして社員には一人ひとりが輝く星になって欲しいなと思います。どんなときも一等星や二等星だけでは成り立ちません。それぞれが素晴らしい個性を放ちながら自分らしい成長を遂げてもらいたいと思っております。また、DeNAで成長し、DeNAを通じて「世の中に想像を超える喜びであるDelightを届けたい」という健全な野心を持っていることも重要です。技術と情熱をもって挑戦と変化を楽しみ、世界そして未来につながるDelightを届ける。これこそがDeNAのミッションなのです。「DeNA」のロゴであるDの字もDが笑顔で横になっているように描かれています。 ■message 現代の困難な状況の中で何かを変えられるのは皆さんだと思います。世の中の仕組みに捉われすぎずに自分を見つめることが大切です。自分の可能性を探るために、無駄な時間を使ってたくさん迷ってください。学生時代に迷ったことは、きっと将来の糧になるはずです。そして能動的に体験してください。私自身、能動的な体験を通じて自分の価値を高めることができました。皆さん一人ひとりが学んで欲しいなと思います。 学生新聞2023年4月1日発刊号 津田塾大学4年 宮田紋子

大塚美咲

株式会社コメダホールディングス 代表取締役社長 甘利祐一

他者を思い、社会を想う。コメダが提供するのは、くつろぎの空間 株式会社コメダホールディングス 代表取締役社長 甘利 祐一(あまり ゆういち) ■プロフィール 1985年明治大学経営学部卒業後、株式会社三和銀行(現株式会社三菱UFJ銀行)入行。2006年セガサミーホールディングス株式会社入社、その後、サミー株式会社代表取締役専務、タイヨーエレック株式会社代表取締役社長などを歴任し、2019年株式会社コメダ入社。2022年より株式会社コメダホールディングス代表取締役社長ならびに株式会社コメダ代表取締役社長を務める。 提供価値は「くつろぐ、いちばんいいところ」。創業55年の今もくつろぎの空間を提供し続けるコメダを率いる甘利社長の熱い青春時代、意外な出会いから生まれた人生の選択とは。気さくで他者を思いやる心を大切にする甘利社長にお話を伺った。 応援団での活動に明け暮れる大学生活。東京6大学野球や箱根駅伝、相撲など、さまざまな競技の応援をしていました。私はそれを4年間全うしましたが、本当に厳しい組織でしたね(笑)。野球部が負けると、応援団の応援が足りなかったと上級生のお言葉。下級生は神宮球場の周りをうさぎ跳びしたりもしました。しかし、そうすると野球部の同級生が「俺たちのせいで応援団が大変な目にあっている……」と責任を感じ、段々と結束力が生まれてくる訳です。ただ、学校生活は部活動優先で、まさに応援に青春を費やしたと言えると思います。 4年生になり、自分では家業を継ぐつもりだったのですが親にその気はなく、就職活動をすることに。たまたま銀行員志望の同期がいたため、一緒に集団面接を受けることにしました。当時私は全く銀行に就職する気がなかったため、とてもリラックスして面接を受けました。それが良かったのか三和銀行に内定し、就職活動が終わったのです。 ■偶然の出会いが人生の岐路に 三和銀行には21年間務め、その後セガサミーという会社に転職しました。きっかけは、たまたま取引先の人との会食の場でセガサミーの会長にお会いしたことです。そこで「あなたは銀行よりこっちの業界の水が合うと思いますよ」と43歳にして言われたのです。ちょうど合併によりUFJが三菱UFJ銀行に変わるタイミングでもあり、セガサミーに移ることを決めました。約10年営業をやり、最後は秘書室長など貴重な経験をたくさん積ませていただきました。その後、三和銀行の先輩であり、セガサミーの先輩でもあった当社の現会長にお会いしたのです。当時はセガを経てコメダの社長だったのですが、ある日食事に誘われ、そこでコメダビジネスの魅力を教えてくれたのです。そのときに誘ってくれたことがきっかけでコメダに移ることとなりました。私は、誘われるとすぐに行ってしまう性格なんですよね(笑)。学生時代からの他者を応援したい、世のため人のために働きたいという想いが今までつながっているのかもしれません。こうして、予期せぬ出会いや偶然によって私の人生は大きく動かされてきたのです。 ■最高のくつろぎをお客様に コメダはくつろぎの時間や場所を提供するビジネスです。よくスターバックスさんやドトールさんと比較されますが、業態が違うと思います。フルサービスの喫茶店であるコメダは、コメダ流おもてなしでお客様をお迎えし、どれだけくつろいで頂くかを大切にしているのです。さんかく屋根の外観や木の温もりが伝わる店内空間、ソファーや間仕切りは計算しつくされています。これらはコメダが創業以来50年以上かけて培ってきた大切な財産です。コロナ禍で増えたテイクアウトニーズやデリバリーについてはこの先も注力していきます。 ■本気で取り組むサステナビリティ経営 プライム市場に上場している我が社にとって、サステナビリティ経営は必須です。しかし、コメダ本部だけが取り組んでもだめです。約950あるフランチャイズ店も含め、オールコメダで取り組まなければならない。それが一番大切だと考えています。そしてお客様にも我々の取り組みを知っていただくため、ホームページや店頭ポスター等でお伝えしています。まずは店舗の省エネ、そして本社や工場や直営店への再生可能エネルギー導入に力を入れています。昨年リニューアルした名古屋の本店では、再生可能エネルギーを使いながら太陽光パネルも設置しました。CO2を排出せず作られた電気をオール電化で使い、かなり徹底して環境に配慮しています。店内は木を多用し、旧本店で長年使われていた木材を再利用するなど「捨てない店舗」です。お客様ご自身もコメダに足を運んでいただくことでSDGsに貢献していただける仕組みになっています。また、私は自分で考えて行動する人が大好きです。人から指示されて行動するのはとても楽なことです。最終的な判断は社長や上司の仕事のときもありますが、さまざまな提案をして「自分はどうしたいのか」を伝えてほしいです。毎週のように試食会をするのですが、若い人が好むスイーツや流行のモノとのコラボなどは、我々世代にはわからないことだらけです。若い世代の意見は非常に重要なのです。 ■message 学生時代にしかできないことをとことんやり切ってください。よく内定式で、「残りの大学生活でやるべきことは」と聞かれますが、仕事の事前学習は何もしなくていいんです。かけがえのない、二度と帰ってこない時間を大切にしてください。また、予期せぬ出会いを大切にしてほしいですね。私はこの出会いによって人生が大きく変わりました。そういった一つひとつの出会いを大切にし、学生時代を過ごしてほしいと思います。 学生新聞2023年4月1日発刊号 東海大学4年 大塚美咲

DX・WEBマーケティング

大和ハウス工業株式会社 技術統括本部建設DX推進部次長 宮内尊彰

「データ基盤の構築」と「デジタル人財教育」で、建設業界の変革を目指す 大和ハウス工業株式会社 技術統括本部建設DX推進部次長 宮内尊彰(みやうちたかあき) ■プロフィール 1998年、大和ハウス工業株式会社に入社。構造設計部(建築系)を経て、2017年に発足した「BIM推進室」へ異動し、BIM構築をスタートさせる。デジタルコンストラクションの取り組みを開始し、2020年に発足した「建設デジタル推進部」次長に就任。2022年からは「建設DX推進部」に改称した組織で、デジタルコンストラクションからDXを目指している。 コロナ禍でテレワークが広まる中、以前と変わらず建設資材を肩に担いで運ぶ建設現場の方々。人の手が欠かせない建設業界で、デジタル化は可能なのか。そんな疑問を払拭するような変革プロジェクトを進めるのが、住宅メーカー大手の大和ハウス工業である。時代が変化する中で絶えず技術を追い求めてきた宮内次長に、建設DXの歩みと今後求められる人財について伺った。 入社当時は、店舗や施設などの構造設計を担当していました。図面を描きながら技術を追い求める中で気づいたのが、デジタルの重要性です。デジタルツールの活用により、図面の作成時間は格段に速くなりました。全社的なデジタル化を目指す動きもあり、建設デジタルの基本となるBIMに携わり、2022年から建設DX推進部にてデジタル戦略に取り組んでいます。 特に、建設技術とデジタル技術の融合を「建設DX(デジタルトランスフォーメーション)」といいますが、それが求められている背景として、主に3つの課題があります。1つ目は、建設業界の働き方改革です。建設業就業者の残業時間は横ばいで推移し、人手不足や高齢化も進んでいます。2つ目は、増加・大型化する災害や異常気象への対応です。地球温暖化による災害や異常気象が多発しています。我々の使命は、安全で早急な仮設住宅を被災者の方々に提供することです。3つ目は、コロナ禍による建設ニーズの変化です。家庭内でテレワークを行う方々にとって、建設現場の音は気になります。建設現場でも、遠隔作業の必要性が高まりました。 ■世の中の役に立つため二軸で進める建設DX 当社の建設DXは、「BIM」と「デジタルコンストラクションプロジェクト」を2本の柱として進めています。BIMとは、建物(Building)を情報(Information)で形成する(Modeling)建設データ基盤です。二次元の絵だった図面に従来はなかった情報を入力することで、自由な方向からの図面設計や、外壁の部材・部品ごとのモデリングなどが可能となります。具体的な活用事例としては、災害発生に伴う自動配置計画プログラムの開発があります。BIMを活用し、被災者の方々に迅速かつ安全な応急仮設住宅を提供するため、「予測型建設」と呼ばれる自動設計を行います。例えば、2019年の東日本台風で被災した長野の応急仮設住宅では、DX化による自動配置案により、平均7日を要する配置承認を2日で取得しました。 デジタルコンストラクションプロジェクトとは、BIM情報の活用や遠隔管理による危険予測を行う、施工現場のデジタル推進プロジェクトです。施工現場とバックオフィスをつないだスマートコントロールセンター(SCC)にて、定点カメラ映像による工程、品質、安全の自動判別を行います。具体的な活用事例としては、建設現場における安全性の自動判別があります。360度の定点カメラ映像により、作業員がヘルメット未着用であったり、強風で足場のネットが危険であるといった情報が確認されると、SCCで安全性が自動的に判別されます。また、こうしたデータの蓄積により予測がブラッシュアップされ、建設現場の安全性向上につながります。 「儲かるからではなく、世の中の役に立つからやる」。創業者である石橋信夫の言葉を原点に、世の中の人々に安心・安全を届けるため、DXを駆使した変革を進めていきます。 ■データ活用の高度化とデジタル人財教育 今後、建設DX推進部として目指すのは「誰もが活用できるデータ基盤の構築」です。これまでは設計と施工現場に注力し、データの可視化を徹底してきました。今後は、これをさらに高度化し、データを一つひとつ見なくても危険予測が可能であり、さらには現場の担当者だけでなく、顧客を含め、経験や知見の有無に関係なく、誰もが使える基盤を築きたいと考えています。また、建材や資材のデジタル化にも力を入れ、サプライチェーンの基盤作りも進めたいと考えています。また、「現場の職方・業者へのデジタル教育」も我々の役割だと思っています。今後の建築技術者は、データ活用によって現実空間と仮想空間の構築・計画技術を持つ「デジタル多能技術者」になることが求められます。現場の職方や業者、若手と高齢者では必要なスキルが異なるため、デジタル人材の教育を目指しています。 ■message 建設DXには、皆さんのマインドチェンジも必要です。ここで大切にしてほしいことは4つあります。まずは「温故知新」。従来の知見や技術を活用することは重要です。次に、「新しい知見を吸収すること」。技術にデジタルが導入されるなど、新しい知見の吸収も必要です。そして、「建築の未来を創造すること」。未来を創造することで新たな空間が生まれます。最後に、「時代の変化点を感じること」。新時代の変化点を感じ取ることは良いことです。 学生新聞2023年4月1日発刊号 専修大学3年 竹村結

学生新聞インターン

ミサワホーム株式会社 代表作執行役員 作尾 徹也

時代の最先端分野に携わり、社会にとって不可欠な企業に ミサワホーム株式会社 代表作執行役員 作尾 徹也(さくお てつや ) ■プロフィール 東京電機大学工学部卒業後、1981年ミサワホーム株式会社入社。戸建住宅の営業や営業企画、商品開発等に従事し、商品開発部では世界初の発売となったゼロ・エネルギー住宅の開発を手掛けた。2006年執行役員、2012年常務執行役員、2014年取締役常務執行役員、2018年取締役専務執行役員。2022年より代表取締役社長執行役員を務める。 月面有人基地への応用を視野に入れた南極での実証実験など、独自の路線で発展を続けるミサワホーム株式会社。住宅業界を牽引する一社として、日々成長し続け、売上・利益とも増加の一途をたどる。作尾社長が思い描く、ミサワホームのビジョンについてお話を伺った。 建築は、機能性や利便性を追求するだけではなく、デザインや遊び心も包括する。そんな建築に深く関わりたいと思い、工学部に進学し建築を学んだ。大学生活は、課題のための材料や高価な建築の本を買うためのアルバイトに追われ、とても忙しいものでした。しかし、同時に建築の面白さや奥深さに惹き込まれていったのもこの時期でした。 ■常識外れが成長の壁を超える 建築に関わるさまざまな会社を調べていく中で出会ったのがミサワホームです。最終面接で、同席された創業社長の熱い思いやビジョンに感銘を受けて入社を決意。入社してみて何でも意見が言える風通しのよさを感じました。入社して7年間は戸建住宅の営業に従事し、その後、企画や商品開発に20年近く携わりました。そこで感じたのは、ものづくりは売れるものを作るだけでは不十分であるということ。もっと人々がワクワクするものを提供したい。そうしたことができる企業でありたい。ミサワホームでは半世紀にわたって南極・昭和基地の建物の建設サポートをしています。さらに、月面の有人拠点への応用を視野に、南極で移動する基地(住まい)の実証実験も行っています。常識外れなプロジェクトと思うかもしれませんが、実際に南極の昭和基地に施されている高度な断熱技術は、ミサワホームの住居に応用されています。また、この数年で住宅に求められる要素が大きく変わりました。たとえば、在宅勤務やオンライン学習が急速に普及したことで、リモートワークの環境が住宅に求められています。家で過ごす時間の増加に伴い、収納量もこれまで以上に必要になりました。そうしたニーズに応える提案の一つにミサワホームの「蔵のある家」があります。家族団欒の開放的なリビングやちょうど良い距離感のワークスペース、一般的な量の3倍もの収納を設けることも可能です。動かすことのできる間仕切りを使用して1つの部屋を2つに仕切るなど、スペースを効率的に使う提案もしています。この「蔵のある家」に関しても、お客さまの新たなニーズへの対応など今後も改良を重ねていきたいと思っています。 ■ミサワホームのポテンシャル ミサワホームは戸建住宅や賃貸住宅などを建設する新築請負事業のほかに、リフォームなどを行うストック事業や街づくり事業、海外事業、介護事業に取り組んでいます。特に近年は、ストックや街づくり、海外の事業が伸びており、会社の売上・利益は年々増加しています。長年取り組んできた事業の多角化が形になってきたと感じています。そんな我々が目指すのは、皆さんに「ミサワホームっていいよね」と思っていただける、より社会に必要とされる会社になること。ミサワホームならではの価値をもっと作り、磨いていきたい。そのために、社員一人ひとりが自己研鑽することが求められます。社会に必要とされる人財が増えれば、会社も大きく変わる。こうした人財の可能性は当社のポテンシャルであり、当社では社員がより研鑽できる環境を整備していきます。また、ミサワホームが持つポテンシャルの一つに、エネルギーの自給自足が挙げられます。住宅などの建物一つひとつに太陽光発電設備を取り付けて、それぞれが独立して毎日消費するエネルギーを賄っていくのは難しいものです。その解決策となるのが地域全体でエネルギーを融通しあう考え方です。たとえば、地域で暮らす住宅と稼働している工場ではエネルギーを使う時間帯が違うため、それぞれが発電した電力を効率よくシェアすることができます。地域で見た場合にも、エネルギーの自給自足の実現には課題が多々ありますが、実現に向けて実証実験を行っていきます。さまざまな企業に参画いただき、連携しながら取り組むことで必ず実現できるはずです。このようなミサワホームの“伸びしろ”を広げていき、より素敵な会社にすることが私の使命だと考えています。 ■message 皆さんはすでに勉強をされて知識もあります。あとは、より深掘りして考えることが大切です。そのためには、余裕を持つことを心掛けてください。人生に余白があってこそ、新しいモノや考えを生み出すための余地が生まれます。目的を持たない時間を過ごしてみるのも良いでしょう。また、学生だからできることをたくさん経験してください。たとえば、アルバイトはさまざまな職種に関われる貴重な機会になります。大学での授業はもちろん、それ以外に、実際に見て触れて感じた経験によって、新たな価値観が生まれます。勉強で得た知識での成長も重要ですが、さまざまな経験や価値観の形成による成長には、さらに大きな価値があります。余裕を持ち、偏見を捨てる心構えを持つことで、社会に出たときに楽しく仕事に向き合い、成長できるようになります。 学生新聞2023年4月1日発刊号 明治大学4年 酒井躍

学生新聞インターン

森ビル株式会社 取締役社長執行役員 森浩生

ヒトの営みの全てを支える「森ビル」で東京を“再開発” 森ビル株式会社 取締役社長執行役員 森浩生(もりひろお) ■プロフィール 東京大学経済学部卒業後、日本興業銀行(現みずほ銀行)を経て森ビル株式会社へ入社。2013 年より取締役副社長執行役員、株式会社森ビルホスピタリティコーポレーション代表取締役社長へ就任。2011年より一般社団法人東京ビルヂング協会理事、2016 年より日本国際貿易促進協会副会長、2021 年より公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン副理事長、一般社団法人日本ホテル協会会長を務める。 麻布台ヒルズという「グリーン」と「ウェルネス」をコンセプトとした全く新しい「街」を創出し、世界中から人や企業を呼び込もうと取り組んでいる森ビル。取締役副社長執行役員である森浩生氏に、森ビルの現在の取り組みやこれまでの自身のキャリアについてお話を伺った。 中学から大学までテニスに全力を注ぐ学生でした。中学時代は全国大会で優勝、高校時代は国体出場、大学ではキャプテンを務めました。就活の際には大手企業から選手としてきてくれないかと打診されるくらいテニスに夢中でした( 笑)。学生時代に「何かをやり遂げるために打ち込んだ経験」と「テニス仲間と良い関係がつくれたこと」は、非常に良かったと思っています。 就職先は、企業の血液として日本経済に貢献できる銀行に決めました。当時の銀行はゼネラリストの育成を目指していたため、半年かけてさまざまな部門を経験した後、在籍していた9年間では窓口業務、証券会社への出向、株式の運用を行うディーラー業務、マクロに業界を調査する産業調査部など、多様な経験を積むことができました。その後、結婚を機に銀行を退職し、森ビルに入社しました。 ■森ビルはヒトの全ての営みを支える存在 森ビルは働く場所、住む場所、買い物する場所、公園など、あらゆる都市インフラを作っており、銀行とは別の形で社会貢献ができると考えていました。転職後のギャップを挙げるとすれば、ゼネラリストとスペシャリストの違いだと思っています。銀行は多くの部門に移ったり海外勤務があったりするので、比較的視野が広いゼネラリストが多い印象です。対して当時の森ビルは、各専門領域の知識に強みのあるスペシャリストが多いと感じました。森ビルは衣食住、ヒトの全ての営みを支える存在だと思っているので、今は広く社会の動向を知れる人材を増やそうとしています。私自身は設計・営業・管理・運営などを幅広く見る立場にいたことがあり、わからないことは積極的に聞き、他人頼みではなく自分で考えて判断していくことを意識し仕事をしてきました。 森ビルの強みは非上場企業ということもあり、「やるべきことをやる」という点にあると思っています。森ビルが都市の再開発をする際のテーマの一つが“職住近接”です。東京と海外の諸都市を比較すると、昼間の人口はそこまで差がないのに対し、東京都心部は夜間人口が大幅に減ることがわかっています。職住近接の都市づくりを進めることで、通勤ラッシュの減少や、移動に関わる使用エネルギーの減少につながります。また、今の東京・日本とアメリカやシンガポールなどの国際都市を比べると、ラグジュアリーサービスを受けることができるグローバルレベルのマンションが少ないという現状があります。グローバルレベルのマンションが増えることで、世界のトップ人材が日本に集まり、日本経済の発展につながると思っています。 今建設中の「麻布台ヒルズ」にあるアマンレジデンスを含むMORI LIVINGの住宅は、従来の日本の住宅マーケットにはなかったラグジュアリーレジデンスとして誕生します。コロナ禍の影響で外国人の方々が日本に来れない状況だったので営業面で苦戦するかと思っていましたが、非常に好調です。強固なセキュリティや安全性、さまざまな付帯施設やサービスなどがグローバルプレーヤーのニーズと合致しているのだと思います。 また、森ビルでは、六本木などの昔から多くの人々が住んでいる既成市街地で地元住民の方々と一緒に街づくりしています。そのため、六本木ヒルズは建設完了までに約17年、「麻布台ヒルズ」では着工までに約30年を費やしています。よりよい街づくりをするためには、時間や労力がかかっても、多くの人々と共に進めることが大事です。これも「やるべきことをやる」会社であることを物語っていると思います。 ■〝自分で仮説を立てられる人〟と働きたい 一緒に働きたい人の特徴は主に2点あります。1点目は、森ビルには都市づくりにおけるパーパスやミッション、ビジョンが明確にあります。これに共感して働ける人です。共感することで、自分の業務の先にある社会的な意義を知ることができ、困難に直面してもがむしゃらに働くことができます。2点目は、社会が急速に変化している中で、自分の頭で考え、自分なりの仮説を立てることができる人です。これができれば、「仮説のどこが合っていて、どこが間違っていたのか」がわかるようになります。しかし、これができていないと、商品とマーケットがずれたときなどに、「そもそもの前提が誤っていたのか」「マイナーアジャストメントで足りるのか」が判断できません。 このように、「自分の仕事に社会的意義を見出せる人」や「仮説を立てることができる人」と一緒に働きたいですね。 ■message 私たち世代の日本の教育では、答えがある問題に取り組み、「いかに正しい答えを出せるか」「いかに早く答えられるか」で評価が決まるシステムでした。これではイノベーティブな仕事ができないと思っています。そのため、皆さんには答えがない課題に対して、自ら考えて、自分なりの答えを創り出してほしいと思います。これは他人に教えてもらってできるようになるものではありません。日々の生活の中で強く意識しながら、自ら進んで取り組んでみてください。 学生新聞2023年4月1日発刊号 中央学院大学 4年 田根颯人

伊東美優

内閣府特命担当大臣 衆議院議員 小倉將信

世の中に存在する摩擦をなくし、真の意味での社会貢献を! 内閣府特命担当大臣 衆議院議員 小倉 將信(おぐらまさのぶ) ■プロフィール2004年東京大学法学部卒業後、日本銀行に入行。2009年オックスフォード大学大学院金融経済学修士修了。2012年8月、町田市・多摩市(東京都第23選挙区)選出の衆議院議員として初当選。2017年8月、総務大臣政務官就任。2021年10月、第52代自民党青年局長就任。同月、第49回衆議院総選挙4期目当選。2022年8月、内閣府特命担当大臣就任( こども政策、少子化対策、男女共同参画、女性活躍、共生社会、孤独・孤立対策担当)。 ■政治家になられたきっかけは何ですか 私は学生時代から、自分が社会の役に立ち、何か世の中に還元できるような仕事をしたいと考えていました。大学卒業後は日本銀行に入社し、忙しく働く日々が続きましたが、一方では社会の役に立っているのか、世の中に還元できているのかと、疑問を感じるようにもなっていました。ちょうどそんなときに、各地で自民党の候補者選びが行われており、駄目もとで公募に申し込みました。まさか自分が公募に通るとは思いもしませんでしたが、チャンスを頂いた以上、日銀を辞めて政治家になる決意を固めました。まさに背水の陣でした。当時、右も左もわからない候補者の私を、懸命に応援してくださった支援者の皆様には感謝しかありません。 ■世の中の「不」を解消することが使命 政治活動は皆さんがイメージする以上にエモーショナルな活動です。政治家が自らの手で変えたい未来に対して、強い感情や思い入れがなければ、多くの人に応援してもらえません。一方で、国会議員としての実務は、そこまでエモーショナルであってはいけないと思っています。だからこそ、国民の皆さんにとって最も有効な手段は何かを考える際は、エビデンスに基づいて判断することを心がけています。また、国会議員の仕事は、机上の空論だけでは到底うまくいきません。新たな政策を提言する際、既存の政策分野に関する深い理解は必要不可欠ですが、正論だけで政治は前に進むものではないのです。日本の将来については、もっと明るい希望が持てる社会を創りたいです。そのためには、社会にある「不」を早期に解消する必要があります。たとえば、女性がキャリアと育児を両立できないという実態。これは男性の長時間労働をなくし、女性の無償労働時間を減らしていくなど、働き方改革として解決していく必要があります。このような「不」を一つひとつ解消していくことで、すべての人にとって多様な選択肢のある社会作りに貢献していきたいと考えています。 ■大学生へのメッセージをお願いします 現在、私は就活ルールの改正にも携わっています。中でもインターン制度は、今後、学生の自己実現を叶える手段として、もっと有効活用できるものにしていきたいと考えています。私から皆さんへのメッセージは、失敗を恐れずチャレンジすること。失敗は何度だってしていい、とにかく進んで挑戦していってください。 私は、多くの若者がチャレンジしやすい環境、失敗しても再チャレンジできる環境を作っていきたいと思います。 学生新聞2023年4月1日発刊号 慶應義塾大学3年 伊東美優

和田真帆

日本大学 学長 酒井 健夫

学生の夢や希望を実現、これから求められるのは「総合知」 日本大学 学長 酒井 健夫(さかいたけお) ■プロフィール昭和41年本学農獣医学部(現生物資源科学部)獣医学科卒。東京大学医科学研究所、厚生省、台糖ファイザー薬理研究所を経て、56年農獣医学部専任講師。58年助教授、平成5年教授。11年学部次長、評議員。17年学部長となり、理事、大学院生物資源科学研究科長、同獣医学研究科長。19年副総長(総長代理・代行者)となり、平成20年第12代総長に就任。令和4年第15代学長に就任。農林水産省獣医事審議会会長、内閣府食品安全委員会座長等を歴任。 ■どのような学生時代を過ごしてこられましたか 私の学生時代は高度成長期の真っただ中でした。これからの日本をどう発展させていくのかという議論の中で勉学に努めていました。当時の大学は学生と教員が一体となって社会を変えていこうという雰囲気があり、学生と先生の距離が非常に近く、知らないことは教員から直接聞いて覚えるといった毎日でした。また、学生の自主性を重んじる大学でしたので、私は常に好奇心を持って物事に接し、社会の仕組みを見つめ、自分自身の感性を磨くことができました。 ■学長の役割と取り組みについてお聞かせください 大学は学生の夢や希望を実現させるための学び舎であると思っており、そのサポートをするのが私の役割です。私たちは学生にさまざまなことを体験してもらうために、質の良い教育を提供するという「教学優先」を意識しています。そのための取り組みとして2つ上げられます。1つ目はオーダーメイド型サポートの実現です。学生がこれまで過ごしてきた環境や背景はそれぞれ異なりますので、一人ひとりの資質、目的、夢を十分に把握し、満足のいく大学生活を送れるように取り組んでいきます。2つ目は日本大学ルネサンス計画です。教育改善や改革にチャレンジしていくためには、学生や学部を「個」、大学を「全」として捉え、この「個」と「全」とのつながりを明確にしてサポートしています。 ■大学生へのメッセージをお願いします これからの学生は既存の枠にとらわれずに、多様な知識を吸収して物事を俯瞰的に捉える能力が求められます。そのために大学の役割も変化していく必要がありますし、皆さんも「総合知」を身に付ける必要があります。現代は、気候変動や環境汚染、地域紛争といった国際情勢の問題や多様な考え方などを理解する必要があります。「総合知」によって、いろいろな難局を乗り越えることができ、社会で活躍するチャンスが得られると考えます。また、学生時代は自分が描く目的や実現したい志を立て、それを実行するための実力を身に付ける時期だと思います。知的好奇心を求めて接すると社会の仕組みや動向が自然と分かってきますし、感性も磨かれていきます。まず、目標や志を立てていただきたいですね。 学生新聞2023年4月1日発刊号 日本大学3年 和田真帆

学生新聞インターン

株式会社すかいらーくレストランツ 代表取締役社長 中島尚志

家族同様の社員と共に成長する会社を目指す 株式会社すかいらーくレストランツ 代表取締役社長 中島 尚志(なかしま ひさし) ■プロフィール1995年株式会社バーミヤン入社。店舗マネージャー、教育・エリアマネージャー、人事担当などを経て、2016年株式会社すかいらーくレストランツ取締役バーミヤンフィールドオペレーション統括グループディレクターに就任。2018年より同社執行役員バーミヤン営業本部長、2022年5月より同社執行役員営業政策・QSC改善グループディレクターを務め、2022年9月より現職。 バーミヤンの営業本部長を経てすかいらーくレストランツの社長に就任した中島尚志氏。そんな中島社長の学生時代のお話や、バーミヤンからすかいらーくレストランツ代表となった現在の仕事への取り組み方、家族同様という従業員への思いや社員の育て方についてお話を伺った。 大学生時代の4年間は、アルバイトに明け暮れていました。高校時代の友達と一緒に朝から晩まで引越しのアルバイトをしていました。正直、学業よりもアルバイトや友達と遊ぶことに力を注いでいたような学生時代でした(笑)。しかし、学生生活を謳歌できたからこそ社会人になってからはスイッチを切り替え、辛いときや大変なことがあっても乗り越えられたのだと思います。卒業後に入社したのは、すかいらーくと合併する前の株式会社バーミヤンです。私は佐賀市出身なのですが、当時九州にバーミヤンはありませんでした。実は、入社するまでバーミヤンというレストランに一度も行ったことがなかったのです。それなのになぜバーミヤンを選んだのかというと、当時のバーミヤンは、「飲食経験がなくても2年で店長になれる」というフレーズで学生を募集していたからです。「働くからには少しでも早く責任ある仕事がしたい」と思っていた私にとって非常に魅力的に感じ、バーミヤンに入社しました。 ■社員には一つ上の仕事を任せる 仕事というのは、自分の力の注ぎ方次第で結果がいかようにも変化するものです。それは一店舗のマネージャーでも今の私の立場でも変わりません。自分がいい店にしようと行動し続ければ、店も自分もどんどん成長します。この頑張りがダイレクトに味わえるのがこの仕事の醍醐味です。店の成長は私自身の成長ですし、私の成長は店そのものの成長でもあります。また、私はみんなと一緒に成長できるこの仕事が大好きですし、何よりも従業員の皆さんが大好きなのです。みんなの成長が私にとって一番の喜びでもあります。そのためにはすでにこなせるポジションを任せるのではなく、成長のために一つ上のポジションに就いてもらいます。責任を感じながら仕事をするときが人は一番成長するものです。だからこそ従業員の皆さんが失敗を繰り返しながら成長していける環境でありたいと思っています。外食産業は教育産業とも言われており、人を教育することに関しては人一倍強みがあります。すかいらーくとしても全ブランドで合同研修を行います。また、私自身もお店になるべく足を運びます。社長は本部にいてはダメです。積極的に現地に赴き、しっかりと従業員の皆さんとコミュニケーションを図ろうと心がけています。 ■時代の変化を敏感にキャッチする すかいらーくは、お客様のニーズに合わせた新たなレストランを次々に生み出してきました。その中で大きな原動力となったのが「新たな価値を作ろう」というチャレンジ精神です。コロナ禍でどのお店も厳しい状況の中、普通なら閉店せざるを得ない店舗状況でも、全国にある3000店舗をガストからバーミヤン、バーミヤンからガストへと業態を変え、さらに新たな業態を生み出すことでチャレンジをし続けてきました。このように時代の変化に合わせて再構築することが得意なのがすかいらーくの特徴です。また、各地域の従業員の雇用を守り、また雇用を創り出すことができるのも多くのブランドを持つすかいらーくの強みです。どうすればクルーの人たちに働きやすい環境を提供できるか、を常に考えています。労務管理には特に力を入れていて、「長時間働いたから偉い」というのではなく、私自身が積極的に「早く帰ろう」と日頃から呼びかけています。 ■家族のような存在の従業員 一緒に働く社員は、前向きで学ぶ姿勢を常に持ち続けている人がいいですね。経験の差は重要視しません。私もたくさんの学生の面接をしてきましたが、学生の皆さんは自分がやってきたことについてよく話をしてくれます。しかし、学生時代よりもはるかに多くの時間を過ごすのが社会人人生です。面接では「自分がやってきたこと」よりも、皆さんがこれからどうなっていくのか、どのような姿勢で仕事に臨んでいくのかについて、注意しながら見るようにしています。やはり、自分を高めていこうと頑張っている人と一緒に働くのはこちらも楽しいですし、とても刺激になります。先ほども少し触れましたが、成長していく環境が私たちにはありますので、そのような学生にぜひ弊社にきてもらいたいです。会社が社員を育てますし、お客様も社員を育てるような素敵な関係です。私は、従業員はみんな家族だと思っていますし、常に皆さんへの感謝の気持ちを抱き続けています。 *message* 「学生時代にしかできないことをやりなさい」。その一言に尽きます。今をとにかく楽しく生きてほしいです。海外旅行、国内旅行、サークル活動、友達と遊ぶなど、手段は何でもいいのです。学生時代という限られた時間を思いっきり楽しんでほしいです。社会人になると自分の時間はどうしても減ってしまいます。だからこそ今という時間を楽しんでください。また、就職が決まったからと、その就職先でアルバイトやインターンを始める人がいるかと思います。しかし、その必要はありません。入社してから一緒にいろいろやっていけばいいのです。それまでは存分に学生の時間を楽しんでほしいです。 学生新聞2023年4月1日発刊号 法政大学2年 佐伯桜優