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大学理事長・大使館

セルビア共和国 イヴァナ・ゴルボヴィッチ・ドゥボカ在京セルビア大使館...

プロフィール イヴァナ・ゴルボヴィッチ・ドゥボカ 在京セルビア大使館臨時代理大使 1970年9月1日生まれ。 ベオグラード出身。ベオグラード大学法学部卒業。 英語、フランス語、ロシア語を操る。 経歴 1998年 ユーゴスラビア連邦外務省三等書記官 2004年~2007年 在クロアチア・セルビア大使館一等書記官 2008年~2010年 セルビア外務省分析課参事官 2010年~2014年 在キプロス・セルビア大使館参事官 2014年~2018年 セルビア外務省儀典局特権免除課長公使参事官 2018年9月 在京セルビア大使館公使参事官 2020年7月 在京セルビア大使館臨時代理大使(現職) バルカン半島の中心に位置する国、セルビア共和国。今回は、品川にある大使館にお邪魔して、イヴァナ・ゴルボヴィッチ・ドゥボカ在京セルビア大使館臨時代理大使にお話しをお伺いいたしました。 ■セルビアについて 一般情報 セルビア共和国は民主主義国家です。長い歴史と偉業によって近代国家が築かれました。セルビアには、ヴォイヴォディナとコソヴォ・メトヒヤという2つの自治州があります。人口は約900万人、首都はベオグラード。ベオグラードは行政、経済、文化の中心地で、人口は約160万人です。 地理・面積・気候 セルビアはバルカン半島の中心に位置しており、ヨーロッパとアジアを結ぶ交通の要衝地となっています。面積は約8万8361平方キロメートルで、北海道より少し広いくらいです。標準時は中央ヨーロッパ時間(CET)です(日本との時差はマイナス8時間。サマータイム時はマイナス7時間)。気候は穏やかな大陸性気候で、日本と同様に四季があります。 民族 激動の歴史を辿ってきたセルビアの民族構成は多様性に富んでいます。住民の大部分はセルビア人ですが、他にも37の民族が存在します。すべての民族に自由と平等の権利が保証されています。 スポーツ セルビア出身の有名スポーツ選手は、なんといっても、男子プロテニス選手のノバク・ジョコビッチ選手です。他にも、サッカー、バレー、バスケット、水球など、世界で活躍する選手を次々と輩出しております。リオ五輪では8個のメダルを獲得しました。 参考:セルビア共和国大使館HP ■臨時代理大使のこれまで 臨時代理大使は、ベオグラード大学法学部に入学しました。当時、特にヨーロッパは情勢が不安定で、先行きの見えない時代でした。そして在学中の1989年、ベルリンの壁が崩壊しました。この出来事が世界に与えた衝撃は大きく、自身の「平和主義」「コミュニケーションを大切にしたい」という価値観の形成にも大きな影響を与えました。卒業後、始めは裁判官として働いていました。しかし、「社会を変えたい」「社会に貢献したい」「国をよくしたい」という強い気持ちを実現するには外交が一番の近道だと考え、外務省に入省。現在、外交官としてのキャリアは25年目で、これまで政治、経済、文化などの分野をご担当されてきました。来日したのは2年前で、日本が初のアジア赴任地。日本の印象は「とても美しい国。特に自然の美しさは世界に類を見ないほど」とのことでした。 ■国民性 ーセルビア人と日本人の違いについて教えてください セルビア人は日本人と比べるととても陽気です。それに大らかですね。熱心で、目標に向かって行動する場合、全力で取り組む傾向があります。共通するのは、家族や伝統をとても大切にしていることですね。 ―セルビアと日本の関係について教えてください セルビアと日本は固い友情で結ばれています。セルビア人は日本が好きで、親日家がとても多くいます。今から139年前にセルビアのミラン・オブレノヴィッチ国王と明治天皇が親書を交わし、両国の友好関係が始まりました。長きにわたる友情をとても誇らしく思います。 ■職務 ー大使館でのお仕事について教えてください。 大使館業務はとても幅広く、多忙を極めます。セルビアと日本の関係強化のために、日本の外務省を中心に各省庁との連携を深めています。ほかには在日セルビア人の保護、セルビアの文化や観光の宣伝活動なども重要な公務です。セルビアの外務省との情報交換も大切な仕事ですが、時差は8時間(夏季は7時間)もあるので、やり取りをうまく調整する必要があります。ユーゴスラヴィアの時代から過去の大使が育んできた日本との友情を維持するべく、全身全霊で公務を全うしたいと思っています。 ■パンとラキア ー「フランス人ならチーズとワイン」、「ドイツ人ならソーセージとビール」といったように、セルビアにも、「これを食べてこれを飲めば仲良くなれる」といったものはありますか? セルビアは美しい自然、温かくおもてなしの精神を持つ人々、そして東洋と西洋の特徴を併せ持つおいしい料理を味わうことができる国です。また、古代ローマ時代から生産が続く高品質のワインも楽しめます。中でも果物の蒸留酒「ラキヤ」は特産のプラム、アプリコット、ぶどう、洋ナシなどを原料としており、セルビアの国民酒と言えます。アルコール度数は、製法にもよりますが、40度~60度と非常に高いです。「ラキヤ」は健康に良い影響を与え、気分を高揚させてくれます。 主食はパンで、日常的に食べられます。一方で友情の証でもあります。大切な行事では円形のパンを用意し、友人らと引きちぎるという古い習慣が今でも残っています。また、来客の際は歓迎の表れとして玄関先でパンと塩を提供する習慣もあります。 ■読者に向けてメッセージをいただけますか いつかセルビアを訪れていただき、私たちの国土、人々の魅力を肌で感じてほしいです。セルビアの地形は変化に富み、自然美を堪能できます。セルビア人はとても友好的で温かな人たちが多いです。セルビアに到着したら、まずは首都のベオグラードをお楽しみください。古い歴史を持ち、至る所に公園があります。中でもドナウ川とサヴァ川の合流地点にあるカレメグダン要塞公園はおすすめです。 セルビア中部のシュマディヤ地方、西部のタラ山脈国立公園と保養地のズラボティボル地方も外せません。この地域には「ドゥルヴェングラード」と呼ばれる有名な観光スポットがあり、毎年多くの人たちが押し寄せます。ここはセルビア人映画監督のエミール・クストリッツァ氏が手掛けた観光地としても知られており、大自然に囲まれながらゆったりとした時間を過ごしたり、セルビアの伝統文化を学んだりして、丸一日楽しむことができます。 ほかにも、13~14世紀の中世セルビア時代に建てられた教会や修道院が今でも残っており、ユネスコの世界遺産に登録されています。皆さんのご訪問を心よりお待ちしております。 学生新聞WEB2020年11月16日取材  慶應義塾大学4年 小川淑生 津田塾大学2年 宮田紋子/慶應義塾大学4年 小川淑生/東洋大学1年 濱穂乃香/津田塾大学3年 川浪亜紀/慶應義塾大学1年 伊東美優

宮田紋子

GENIC(ジェニック) 夢を「与えられる側」から「与える側」へ。

■プロフィール avexのDNAを継承する新ダンス&ボーカルグループ育成プロジェクト=a-genic PROJECT(エイジェニック・プロジェクト)から選ばれた男女7人。2019年結成。2020年5月に1st Album『GENEX』でメジャーデビュー!西澤呈 / 小池竜暉 / 宇井優良梨 / 増子敦貴 / 雨宮翔 / 西本茉生 / 金谷鞠杏 日本の音楽シーンをリードしてきたavexから、そのDNAを継承する男女7人組のダンス&ボーカルグループとして誕生したGENIC。異なる経験、武器、バックラウンドを持つ7つの個性が重なり合うことで、どんな化学反応が生まれるのか。そんな彼らの軌跡と最新曲「春うらら」、そして今後の展望について伺った。 ■みなさんがこの業界に入ったきっかけを教えて下さい。 西本茉生(リーダー)歌は物心ついた時から好きで、音楽番組はテレビにかじり付くように観ていました。ダンスを始めたのは、中学生の時に先輩に誘われたのがきっかけ。高校へ上がった時には、友達がダンスオーディションに応募してくれて(笑)。気づいたら今に至っています。 小池竜暉昔から生粋の音楽好きではありましたが、小学校までの夢は料理人でした。その後、歌に強い興味を持ったのは、親の影響でライブに行くようになってからです。次第に、「今度は自分が歌を通じて、人を感動させる側になりたい」と歌手を目指すようになりました。 西澤呈物心ついた時から勉強は苦手だけど、マイケル・ジャクソンが好きな子どもでした。彼がステージに登場しただけで、多くの人が惹きつけられていく。その姿を見て、「ステージの力ってすごいんだな」と憧れを持ち、この業界を目指しました。 増子敦貴僕は小さい頃からサッカーが好きで、高校はサッカー推薦で進学したほどでした。とはいえ、プロになりたいという気持ちもなく、「卒業後は “普通”に働ければいいかな」とすら思っていました。でもある日、いわゆる運試しでオーディションに応募してみたんです。そうしたら、受かってしまって(笑)。それがきっかけで、音楽やダンスを好きになっていきました。 金谷鞠杏私はもともとCAになりたかったんです。でも小学校6年生の時、好きなモデルさんと一緒に雑誌に載れるという企画を見つけて。一種の縁を感じて応募してみたところ、グランプリを受賞することが出来たんです。これをきっかけに、今度は「ランウェイに出たい!」とモデルを目指すようになりました。しかし、東京へ遊びに来ている時にavexさんからスカウトを受けたことで、夢がダンス&ボーカルへと変わっていきました。 宇井優良梨ダンスは小学校1年生の頃から習っていて、6年生になったときに、オーディションでavexさんに「ダンス&ボーカルをやらないか」と声をかけてもらいました。歌も幼少期から好きではあったんですが、仕事にしたいとまで思うようになったのは、a-genic PROJECTがきっかけでした。 雨宮翔ダンスは3歳頃からやっていました。そして、5歳の時には、「将来的にダンサーになりたい」とまで思うようになっていました。きっかけは先輩であるAAAさんのライブを観て憧れを抱いたことです。 ■やりがいになっていることはなんですか? 金谷鞠杏この業界へ入ったのも、誰かに元気や勇気、そして夢を与えられてきたから。今度は自分たちがそれをファンの方へ還元し、心の支えになっていく。これにはとても大きなやりがいを感じています。 西本茉生やはりファンの方の存在です。ライブでのお客さんの反応や僕らの反応、両方のエネルギーによる相乗効果で創り上げていくものです。そのため、同じセットリストであったとしても、ライブごとに色も変わります。僕らにとってもお客さんはとても大きな存在なんです。 西澤呈SNSは場所を越えてコミュニケーションがとれるので、ファンの方から頂く様々なメッセージは、どれも嬉しいし、励みになります。 宇井優良梨特に感動したのは、以前いただいた「GENICになってくれてありがとう」という言葉。この言葉を思い出すたびに「GENICとして活動出来ていることが当たり前ではない」と感謝するようにしています。 ■活動していて辛かったことはありますか? 小池竜暉実は僕らはみんな、過去に別のグループを組み、解散をするという苦い経験を味わってきています。当時はつらいと感じましたが、乗り越えた先にこのメンバーと出会えたからこそ、今になると「苦労も苦労じゃなかった」と思えます。みんな、これまで培ったものを糧に「このステージに立ちたい」か大きな目標の達成に向けて、どんな逆境でも乗り越えてやるという強い気持ちを持っています。 ■メンバー同士についてはどう思われていますか? 増子敦貴運命共同体ですね。ファンの方々との約束を達成しようという強い思いがあるグループです。 西本茉生最初は、お互いに探り探りなところもありました。でも今となっては、メンバー同士で深い話も腹を割ってする仲です。やっぱり7つも頭があると、意見のぶつけ合いになることは多々あるんですよね。それでも、良いものは良いと素直に認め合い譲り合うことで、最終的には折衷案を見つけ出すことが出来ます。ここ一年半で急速に仲が深まったのも、こうした率直な話し合いのおかげです。あとは鞠杏と翔がたまに喧嘩していますが、それは戯れあいの一種ですね(笑)。 宇井優良梨男女混合というメンバー構成なので、パフォーマンス上、女子が男子の力強さに合わせていくという難しい点もあります。でも、混合ならではの表現で奥行きを出せる点は、強みですよね。 ■新曲の「春うらら」の注目どころを教えて下さい! 小池竜暉この曲は4月から放映中のアニメ『フルーツバスケット』The Finalのエンディングテーマソングです。決まった時は嬉しかったですね。作品のテーマである友情や助け合い、その中で生まれる恋愛模様に加えて、自分たちの想いも入れて歌詞を書きました。春らしさを表現した1曲になります。 西澤呈アニメとリンクして聴いてほしい一方、知らない人でも現在新生活を味わっている方や夢に向かって挑んでいる方にも、強く突き刺さる1曲だと思います。あとは恋愛のモヤモヤを抱えている人が聴くと、心がスッキリするかもしれません。 西本茉生僕の推しのフレーズはサビや歌い出しの「歩いてきた道、間違いじゃないよ」の一節ですね。 ■今後、挑戦してみたいことはありますか? 西本茉生7月から始まるファーストツアーが目前に迫っています。初ツアーに向けて、今の高まっている気持ちをさらにパワーアップさせ、準備満タンにしていきたいです。 金谷鞠杏プライベートでは、休日に全員で集まって遊んでみたい! 例えばディズニーランドで思い出作りがしたいですね! ■大学生へのメッセージ 西本茉生大学生になると今までに比べて自由度が増すため、自制心が試されてくるのかなと思います。遊ぶ時はとことん楽しんで、しっかり勉強する時はする。こうしたメリハリを大切に、楽しい4年間を過ごして頂きたいです。そして、これはグループ名にも込めているのですが、みなさんの日常生活における喜怒哀楽に僕らGENICが少しでも彩りを与え、寄り添っていけたらいいなと思います。なので、良かったらGENICの曲を聞いてみてくださいね! 学生新聞オンライン2021年3月3日取材 津田塾大学 2年 宮田紋子 DIGITAL RELEAS 「春うらら」 TVアニメ「フルーツバスケット」The Finalのエンディングテーマ。春の訪れにぴったりなミディアムバラードで、「友情」や「これからのスタート」などを歌った前向きな気持ちにさせてくれる内容で、「フルーツバスケット」のキャラクターたちの前進しようとする姿を後押ししているかのような温かさを感じさせる楽曲となっている。またメンバーの小池竜暉と西澤呈が共作で作詞に参加し、心の揺さぶられる”春”に強く背中を押せる様に、という思いが込められている。

学生新聞インターン

国際博覧会担当大臣・内閣府特命担当大臣 井上信治

政治家は天職。良い国を作り、多くの人を幸せに 国際博覧会担当大臣・内閣府特命担当大臣 井上信治(いのうえしんじ) ■プロフィール 1969年10月7日生まれ。学習院初等科、開成中学校・高等学校、東京大学法学部卒業。英国ケンブリッジ大学修士課程修了。国土交通省・外務省勤務後、衆議院議員当選。環境副大臣、内閣府副大臣、衆議院内閣委員長、自民党団体総局長、副幹事長、青年局長等を歴任。科学技術、イノベーション、宇宙、健康・医療、消費者及び食品安全、クールジャパン戦略、知的財産等を担当。自由民主党衆議院議員(当選6回)、東京25区(青梅市・昭島市・福生市・羽村市・あきる野市・瑞穂町・日の出町・奥多摩町・檜原村)選出。趣味はお祭り、マラソン、温泉巡り。好きな言葉は「初心忘れるべからず」。 ■政治家を目指すきっかけは良い仲間に出会えたことがきっかけです。中学3年生のころ、友人と一緒になってこれからの日本や世界のこと、自分たちの夢について語り合っていました。皆と話し込んでいるうちに、「一度しかない人生、世の中のためになることをしたい、困っている人を助けたい、多くの方を幸せにしたい!」と思うようになりました。そのとき、良い国を作ればより多くの人が幸せになれると気づき、志高く政治家になろうと思ったのです。大学卒業後は国土交通省に入省しましたが、34歳のときに立候補し、政治家になることができました。中学生時代からの夢がかない、政治家は天職だと思っています。初心を忘れず、一生懸命、良い国を作ろうと頑張っております。 ■大臣として仕事のやりがいは国会議員を17年間続けてきて、一番印象に残っているのは3年間就任した環境副大臣です。当時、私は福島の原発事故、除染問題の担当をしておりました。私はまず地元住民の方との関係を構築することが最優先だと考え、何度も現地へ足を運びました。当初は政治に不信感を持つ方もいましたが、話を聞いているうちに、「あなたが絶えず私たちのところに来て話を聞いてくれるので感謝している」と言って、心を開いてくれるようになりました。この瞬間、人とのつながりこそが「政治の原点」だと再認識しました。2020年9月から国務大臣に就任し、現在は科学技術、宇宙政策、健康医療政策や2025年開催の大阪・関西万博を所管しております。新型コロナウイルス感染症で大変な状況が続きますが、科学技術行政は、いわば未来を切り開く素晴らしい仕事で、夢とロマンのある仕事を任せていただけたと思っております。大臣としての仕事は影響力があり、責任も重く、緊張感もありますが、今の仕事に大変やりがいを感じております。 ■大学生へメッセージをお願いします一生に一度しかない自由で貴重な時間だからこそ、思いっきりいろいろなことをするのが良いと思います。自分のビジョンが明確な人は少なく、悩んでいる人も多いと思いますが、たくさんのことをやるなかで、これが面白い、楽しいと感じるものを、失敗を恐れずにやってほしいです。そして2025年、大阪・関西万博はこれからの未来を見せる万博なので、若い人にぜひ来てほしいと思っています。 学生新聞2021年4月1日号より(日本大学3年 辻内海成)

中高生新聞

中条あやみ 今の自分が限界じゃない、だからこれからも挑戦し続ける

■プロフィール 1997年2月4日生まれ。大阪府出身。 2011年に「ミスセブンティーン2011」グランプリを受賞し、 雑誌「Seventeen」の専属モデルとして活躍後、さまざまな映画、 ドラマに出演。 2018年には、映画「チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで 全米制覇しちゃったホントの話〜」で第41回日本アカデミー賞新人賞を受賞。 現在ドラマ「君と世界が終わる日に」(2021年1月17日より放送)に出演中。 1月よりテレビ「ぐるぐるナインティナイン」「グルメチキンレース ゴチになります!」のレ ギュラー出演も決まる傍ら、雑誌「CanCam」の専属モデルなど、幅広く活躍中。 14歳で芸能界デビューした後、モデル・女優として活躍し、今年は地上波GP帯初となるゾンビアクションドラマに出演する中条あやみさん。なぜこの業界に足を踏み入れたのか、仕事の魅力は何なのか、この作品にはどのような思いで挑んだのか、自らの女優としての思いを伺った。 ■限界も100点満点もない世界、だから常に追求する  最初は、14歳の時に家族で行ったグアム旅行でモデルとしてスカウトされたことがきっかけでした。2011年にファッション雑誌「Seventeen」のオーディションに応募して、専属モデルとしてこの業界に入りました。女優業は、当時Seventeenのモデルの中に武井咲さんや広瀬すずさん、広瀬アリスさんがいて、既に女優として活躍されている方が周りにたくさんいたことに刺激を受け、足を踏み入れました。 今続けることができているのはある飲料のCMがあったからです。このオーディションを受けてダメだったら、今後のお仕事も考え直そうと思っていました。でも採用していただき、初めて自分を必要としてくれていることを実感でき、そこから仕事の幅が広がりました。 CMに出演していたとき、女優というお仕事はすごく体力と忍耐力が必要なんだと感じました。季節とは関係なく撮影があったり、飛んだり走ったりと、やってみて初めて苦労がわかりました。今でも新しい作品や現場に入るときはすごく緊張しますし、失敗することも何回もあります。しかし、絶対に限界も100点満点もないお仕事だと思っています。どうしたらより上手になるか、より楽しくできるか、常に追求することができます。そこがこの仕事の魅力であり、やりがいだと思います。女優というお仕事は特殊で、自分とは違う人になることで、何回も現実の自分とは別の人生を味わうことが出来るのも、大きな魅力だと思います。 ■今回のドラマ出演は貴重な体験でした  今回のドラマは地上波GP帯初のゾンビアクションドラマです。正直、最初に聞いたときは今までのドラマにはない強烈な内容であり、これはキャストが一体となって頑張らないと、と気が引き締まりました。 演じる上で特に難しかったのは、サバイバルな環境の中で、周りには大量のゾンビがいる極限状態を演じなくてはいけなくて、普段の生活からはかけ離れており、メンタル的にも役に入り込むことがとても難しかったです。 この作品に入る前にゾンビ映画も多く見て、自分でもあれこれと想像もしてみたのですが、実際はどのぐらいお風呂に入ってないのかとか、最後のご飯は何にするんだろうとか、いろいろと考えさせられることが多く貴重な経験でした。でももし私がその世界におかれてしまったら、ドラマのように長く生き延びずに早々にゾンビにやられてしまうと思います。 このドラマの見所は、もちろんゾンビアクションドラマですので、ゾンビが襲って来るというスリルもあるのですが、登場人物一人一人が今後この世界でどのようになってしまうのかなど、ミステリー要素にもぜひ注目していただきたいです。極限状態におかれた人間がどのような行動をするのか、本当に恐ろしいのはゾンビではなく人間ではないのかなど、他のゾンビ映画とは一味違ったすごく刺激的な作品になっています。 また、竹内涼真さん演じる間宮響(まみや ひびき)と私が演じる小笠原来美(おがさわら くるみ)が今までの平穏で幸せな生活から一転、極限状態の中で会えそうで会えないという、もどかしいラブストーリーも見所です。 ■悔いのないように、日々挑戦して欲しいです  今はコロナによってできることが制限されている状況ですが、自分に合っていないと感じることがあったり、自分に適していない環境であるならば、それらを探すために海外でもなんでも挑戦するべきだと思います。世界はとても広くて、自分の限界を決めつけずにチャレンジしてください。私も今までモデルのお仕事で海外の方とご一緒させていただくことはあったのですが、女優のお仕事ではありませんでした。でも、海外に好きな監督もいるのでぜひご一緒にお仕事ができるよう、英語にも今まで以上にチャレンジしていこうと思っています。 それとこのドラマのような状況もまさにそうなのですが、いつ自分がどうなるかなどわかりません。だからこそ一日一日を後悔しないように生きて欲しいと思います。学生という時間は今しかありません。二度と帰ってくる時間ではないからこそ、悔いのないよう精一杯楽しんでください。 学生新聞別冊2021年4月1日号 早稲田大学3年 原田紘志 日本テレビ×Hulu共同製作ドラマ『君と世界が終わる日に』 プロポーズ直前、トンネル事故に遭い閉じ込められてしまった青年・間宮 響(竹内涼真)。命からがらトンネルを脱出すると、世界は一変。荒れ果てた街並み、おびただしい数の遺体、街をさまよう“ 生ける屍”たち…。最愛の恋人、来美(中条あやみ)と再会し、絶望的状況を生き抜くことができるのか⁉ Season2はHuluオリジナルで毎週日曜日に新エピソードが配信。 写真撮影:プロカメラマン 広田成太 <英文記事> Ayami Nakajo  I am not limited now, so I will keep challenging  ■Profile: Born 4 February 1997, in Osaka. She has appeared in various films and dramas after winning the Miss Seventeen 2011 Grand Prix 2011 and becoming an...

DX・WEBマーケティング

パナソニック株式会社 コンシューマーマーケティングジャパン本部 デジ...

DX化で進化するお客様との接点 パナソニック株式会社 コンシューマーマーケティングジャパン本部 デジタル戦略担当 木田実(きだみのる) ■プロフィール 1992年新卒で松下電器産業株式会社(現 パナソニック株式会社)入社。北海道地区営業、ネットワーク事業の企画開発部門を経て、2008年より国内家電商品のWEBマスターとして、デジタル顧客接点の改革に取り組む。現在はB2C商品の国内向けデジタルマーケティング企画など組織内横断的な仕組みづくりを担当。消費生活アドバイザー。 日本を代表する企業、パナソニックにおいて、デジタル技術やデータを活用し、商品やサービスにとどまらず、自社の事業構造の変革までを視野に入れ、市場における優位性を追求する部署で活躍する木田さんに、各種メディアを通じた価値の創造について伺った。 私が担当しているのは主にBtoC向けの家電商品のウェブサイトです。「宣伝」は創業以来、当社で重要な位置付けとされています。パナソニックの創業者、松下幸之助はこういう言葉を残しました。「伝わらなければ存在しないのと同じ」。ある商品で世の中が便利になるならば、それを広く早くお伝えすることは社会に対する義務だということです。私たちの仕事の基本です。当社の商品サイトは規模が大きく、各サイトの企画担当者に制作会社の方を加えると数百人が関わっています。この数百人に同じ価値観でサイト作りをしてもらうために新しいシステムを導入し、テンプレート方式を取り入れました。どのサイトを訪問しても基本的に同じ操作感、体験価値が得られます。例えばサポート情報のボタンは全ての商品サイトで同じ位置に置き、トラブルでお困りのお客様がパッと目につくように配慮しています。またこうした「型」の統一が、データの適切な発見、生成へとつながります。お客様のサイト上の行動分析は、現在はページ単位で行いますが、次第にページ内の要素単位に分解するなど、細分化し活用しています。 ■デジタルとパーソナライズ化の重要性現在のお客様の各メディアの接触状況ですが、テレビの比重が下がる一方、スマートフォンの利用時間の伸びが著しく、メディア接触時間は増加しています。しかし投下できる宣伝コストには限界があるため、企画ごとの重要度を判断し、投資を適切に配分、設計していく必要があります。デジタルコミュニケーションが中核ですが、全部デジタルにするのではなく、リアル接点とセットで設計することも大切です。今は、以前のような大量のマス広告からシフトし、いかにお客様一人一人に「私だけの情報だ」と思っていただけるかが重要になりました。こうしたパーソナライズ化を含め、コミュニケーションはデジタルトランスフォーメーションを一番必要としている分野と言えるでしょう。 ■組織の質を高め、お客様に最大の価値を提供大量のデータと最新のシステムだけでは良い企画は生まれません。重要なことは「仮説」です。今日の気温が20度として、それが暖かいか寒いかを語るとき前日や平年など他の日と比較しますよね。気温の数字自体には暖かいとか寒いということを示す意味はないからです。同様に、データの数字に意味を持たせるためには何かとの比較が必要です。過去の事実や限られたデータから推定される比較対象が「仮説」です。「仮説」は思い付きでなく論理的に導き出す必要があります。担当者がデータをもとにした仮説構築のスキルを上げられるよう、デジタルマーケティングやデータ分析などの研修を行い、組織のDNAにしていくような取り組みを行っています。既にあるものは活かし発展させながら、新しいものも取り入れていくのは大変です。ゼロから構築する方が楽な部分もあるかもしれません。「パナソニックのウェブサイトが突然なくなってくれたら、理想的に作り直すのに」と思うことがありますね(笑)。今あるものを継続しながら新しいものに切り替えていく。その上で常にお客様に価値ある情報をお伝えし続けています。 ■創業者による経営の極意「雨が降れば傘をさす」当たり前のことを当たり前にやるのが経営の基本ということを、当社の創業者は「雨が降れば傘をさす」と表現しました。デジタルの世界では技術の進化に沿って否応なしにやるべきことが増えます︒それに向き合って対応し続ける。常に最新化されるデータからお客様を知ろうとし続ける。まさにその営みは『雨が降れば傘をさす』の繰り返しです。デジタル技術の進化に対応し、環境に合わせて変化し続けることが私たちにとってのデジタルトランスフォーメーションかもしれません。 message「本物を見る、実物に触れる」ということを大切にして欲しいですね︒身につけるものや文房具、時計など︑少し無理をしてでも良いものにすると自分の目も養われるし、振る舞いも変化します。また、ネットだけに頼らず、イベントや展示会、あるいは話題の現場に行って自分の五感で確かめることも大切ですね。そういう経験の蓄積が社会に出たときに自分の「柱」ともいえる判断基準になります。(津田塾大学2年 宮田紋子)

川浪亜紀

小池徹平 大変なときだからこそ「挑戦を忘れず」人を楽しませたい。

■プロフィール 俳優、歌手。2002年俳優デビュー。ミュージカル『1789-バスティーユの恋人たち』『KinKy Boots』で第42回菊田一夫演劇賞を受賞。近年はドラマ『大恋愛~僕を忘れる君と~』『ギルティ~この恋は罪ですか?~』『書けないッ!?~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない⽣活~』『青天を衝け』、映画『半径1メートルの君』に出演。 「第14回ジュノンボーイ」で芸能界に入り、役者・歌手として活躍する中、2020年にはYouTubeで「小池さん家のてっちゃんねる」も開設し、活躍の幅を広げる小池徹平さん。また一方ではコロナ禍で主演舞台が中止になり苦しんだ1年でもあった。今回の舞台、『魔界転生』やコロナ禍での仕事への想いなどを伺った。 ■人生経験がそのまま出る刺激的なお仕事  高校1年生のときに、新聞に載っていた映画のオーディションがきっかけで芸能界に興味を持ちました。当時、ほんの軽い気持ちでオーディションを受けに行ったのですが、本気で映画に出たい人がたくさんいて、同世代でこんなに夢を持っている人がいるのだということに衝撃を受けました。それでも運よく大阪代表に選ばれたのですが、東京での最終審査に落ちてしまいました。そのときに、これまでの人生で感じたことのない悔しさを感じました。この経験がきっかけとなって、自分はこの仕事に興味があるのかもしれないと思い、芸能界に入ろうと決意しました。  この業界に入って感じることは、仕事をしていることが楽しいから続けられているなと思います。個性ある俳優さんがたくさんいらっしゃる中で、自分はいろいろな役をこなせる役者になりたい。その方が出会える作品も多いはずだと思っています。経験を積む中で、新しい一面を見せていったり、それをどう発信していくかを考えるのは難しいことだと思っています。周りから良かった、楽しかったと言ってもらうために、努力の積み重ねが必要で、大変なこともあります。年を重ねるごとに役も変わっていきます。人生経験を積んで、勉強をしていくことで自分の引き出しも徐々に増えていきます。そしてその引き出しは何個あってもいいと思っていますので、新しいことに対してもアンテナを立ててどんどん取り入れていきたいと思っています。それは大変でもありますが、本当に楽しいことでもあります。そして取り入れたものが仕事に反映され、うまくいったときはさらに嬉しいなと思います。  2020年はコロナに大きく揺さぶられた1年でしたが、趣味が仕事につながるきっかけを得た1年でもあったと思っています。皆さんもコロナ禍で不満や不安がたくさんあると思いますが、何とか楽しさを見つけてやっていこうともがいているはずです。それは僕たちも同じです。自分でなんとか切り開いていかなくてはいけないという気持ちがありました。そして今回、「小池さん家のてっちゃんねる」をYouTubeで配信するという機会をいただくことができたのです。もともと自分で動画を回すことが好きだったし、趣味でやっているダイビングなどの動画もアップし、皆さんと共有しながら楽しんでいけたらいいなと思います。このような、自分の好きなものや生活を自分で配信できるようになったのは本当に良かったです。何でも挑戦することが大事です。もっと自分の人間性を知ってもらえたらいいなとも思っています。役者以外のこともやっている、この人面白いなと思われる仕事もやっていきたいです。  少しずつですがコロナ禍でも演劇界は動き始めています。皆さんもドラマを見たりするかと思うのですが、やはり「役者」という仕事はなくならないなと改めて思いました。役者は元気を与えることができる仕事だと思います。これからも頑張っていきたいです。 ■生で演じる空気を感じてほしい  去年の12月ごろに、たまたまいろいろな仕事が重なっていたのですが、それぞれの現場でそれぞれの色があります。たとえば、舞台は一度始まったら止められない、一発勝負の緊張感がすごいあって、そこを乗り越えたときの達成感はたまらないものがあります。また一方でドラマは、映像として残るということや、何度も同じ演技をするということもあって、本当に集中力がいります。どちらも楽しいですね。  『魔界転生』も写真撮影や取材を受けている中で、気持ちが入っていって気分も高まっています。今回、前回公演の映像を観させてもらったのですが、舞台は時代劇なのにプロジェクションマッピングといったような現代技術がすごく駆使されていて、SFチックなエンターテインメント性の強い舞台になっているんです。ここ数年、僕自身はミュージカルの仕事が多くて、歌のない舞台は本当に久しぶりです。それだけに今回のお話は本当に嬉しかったです。  コロナ禍で今まで通りにいかないところはありますが、皆さんにもぜひ生のお芝居の良さを知ってもらいたいなと思っています。映像も素敵ですが、こんな時だからこそお芝居を肉眼で見て、空気感を感じてほしいと思います。ぜひ舞台に足を運んでみてください。その上で演劇がもっと身近なものになって、皆さんに遊びに来てもらえる劇場づくりができたらいいなと思っています。 ■心に残る一生の思い出を共有してほしい  周りの人との思い出をどんどん増やしてほしいです。そしてどんどん本音でぶつかっていってほしいなと思います。コミュニケーションがとれる機会があるというのは大事なことです。暗い気持ちになったときはお互いに励まし合ったり、馬鹿なことして楽しんだり。どんな過ごし方をしていても思い出として残るんですよね。勉強とかはぼんやりとしか覚えていないのですが、どんな遊びをしたかとかは心で覚えています。今は直接会える機会は少ないけれど、オンラインで顔を合わせることもできるようになったし、そういうことがモチベーションにもつながるし、本当に楽しい。どんな形でも仲間とぶつかり合って、嬉しいとか楽しいと思うことをどんどん共有してほしいなと思います。その一つに演劇が加わってくれればと思っています! 学生新聞 2021年4月1日号より 津田塾大学3年 川浪亜紀 『魔界転生』 18年初演で大ヒットしたエンターテインメント時代劇の再演。天草四郎をはじめ、名だたる剣豪たちが妖術で蘇り、徳川幕府と対決する。原作/山田風太郎(角川文庫刊) 脚本/マキノノゾミ 演出/堤 幸彦 出演/上川隆也 小池徹平 藤原紀香 ほか 4/7~4/11愛知・刈谷市総合文化センター4/16~4/28福岡・博多座5/4~5/28東京・明治座6/2~6/10大阪・新歌舞伎座 写真撮影:プロカメラマン 広田成太 <英文記事> Teppei Koike  I want to make people enjoy “without forgetting the challenge,” especially in difficult situations.  ■Profile: Actor, singer. Debuted as an actor in 2002. He won the 42nd Kazuo Kikuta Theatre Award for...

経営者

株式会社 VOYAGE SYNC GAMES 代表取締役 / 株式会社 VOYAGE GAMES 代表...

チャレンジ精神を持ち、世の中を驚かせたい ■プロフィール 2011年4月、(株)ECナビ〈現・(株)VOYAGEGROUP〉に入社。2014年8月、ゲームパブリッシング事業を手掛ける(株)VOYAGESYNCGAMESを設立、取締役に就任。2016年10月、代表取締役に就任。2017年11月、VOYAGEGAMES社を設立、代表取締役に就任。2018年4月、韓国法人Infraware,Inc.とVOYAGEGROUPの合弁会社、SelvasM(現I&Vgames,Inc.)を設立、取締役に就任。日本・中国・韓国地域のゲーム関連事業を統括。 若いときから情報感度を高く持ち、さまざまなことにチャレンジしてきた岡庭社長。現在の海外のスマホゲームを輸入し、日本向けにローカライズして発信する事業にはどのような背景や仕事に対する思いがあったのか。アジアナンバーワンを目指すという社長に話を伺った。 ■運命的な出会いを感じて入社した会社  大学時代はアルバイトをいくつかやっていましたが、大学4年生のころにVOYAGEGROUPから内定をもらっていたので、内定者インターンとしてアルバイトをしていました。仕事内容は学生が中心となって運営しているクーポン系のサービスを行う新規事業で、飲食店やエステサロンなどにクーポン発行を依頼する営業をひたすらやっていました。競合他社もどんどん増えていた状況で、競争が激しくなって体力勝負のような様相になってきて入社前に事業は撤退。しかし、そのまま4月にVOYAGEGROUPに入社しました。 私は漠然とインターネット業界に行きたいと考えていたのですが、それと同時に昔から社長になるのが夢だったので、早い時期にチャンスがありそうな会社を探していました。入社の決め手となったのは、当時、Twitterが流行り始めていた時期で、いろいろな会社を見ていく中で、VOYAGEGROUPが日本初のTwitter採用を行うという投稿を見つけ、雰囲気や距離感が近い気がして運命的な出会いを感じたことです。 入社後も新規事業をやりたいと思っていたところ、2014年7月ごろだったと思いますが、当時の取締役から「こういう事業をやりたいと思っているけどどう思う?」と聞かれて、「いいんじゃないですか」と答えたら、「じゃあお前やってみろ」と言われ、今の事業を任されることになりました。 ■独自の事業を手掛け、社内の雰囲気を大切に  弊社はスマートフォンのゲームを提供していますが、主に海外で作られているゲームを輸入し、日本向けにローカライズして日本で配信している会社です。ローカライズでは、日本語への翻訳だけではなく、キャラクターを日本人向けにアレンジしたりもしています。中国と韓国に支社があり、実感するのはやはり言語が話せるといいなということですね。通訳を介すと微妙なニュアンスが伝わりづらくなるので。 VOYAGEGROUPは広告・マーケティング分野に強みがあり、事業の柱となっています。そのため、他社と比べてマーケティングがしやすく、事業シナジーを生みやすい環境にあり、それが他社との差別化にもつながっていると思います。ただ、海外の企業とのやりとりが多いため、国によってビジネス慣習が異なっていたり、法律が違うので、予想外のこともたくさん起きます。お互いの目標は同じでも、国の制度の問題が壁になり、なかなか前に進まないことも多くあります。そのとき、相談する相手がなかなかいなく、自分たちで一つずつ解決していかなければならないのが本当に大変でした。 しかし、弊社は非常に風通しの良い会社で、皆が自由に集まって話せる場もあります。コミュニケーションが生まれやすい環境になっていることで、相談しやすかったり、新しいアイデアやサービスが生まれるきっかけにもなっています。 ■チャレンジすることを恐れずに進んでいく  チャレンジすることは楽しいと思います。インターネット業界は前例がなく悩むことも多いのですが、自分たちで考えて成果が出ると本当に嬉しいです。やっていて良かったと思えます。一緒に働く仲間は、素直で誠実、何事にも貪欲な人、成長意欲がある人がいいですね。弊社は能力重視です。しがらみもなく、やりたい人にはチャンスを与え、若いうちからどんどんチャレンジできます。モチベーションの高い人には多くのチャンスが回ってきます。 私もこのゲーム事業を始めるときに、ゲームについてあまり詳しくありませんでした。周りからも無理ではないかという厳しい声も多かったのですが、無理と思われるほうが燃えるタイプなので、見返してやろうという気持ちで取り組んでいった結果、今があるので成長意欲は大事だと思います。 今後の目標は、アジアナンバーワンになることです。ハードルは高いと思っていますが、仕事に対するモチベーションになるからです。またゲームだけでなく、いろいろなことにチャレンジしていきたいです。そして世の中を驚かせたいと思っています。 ■message  大学生はまとまった時間が取れる唯一のときなので、好きなことを徹底的にやるべきです。社会人になるとどうしても時間のコントロールが難しくなり、1週間の休みを取るのも大変になります。好きなことをやった経験が将来どこかで役に立つと思います。 好きなことをするにしても難しく考えないことです。普段楽しいと思うことを冷静に考えてみるといいです。無理に見つけようとするとそれがプレッシャーとなってしまいます。とにかく考えすぎないこと。私も大学生のころはゲームに関わる仕事をするとは思ってもみませんでした。いろいろなことにチャレンジしてその中で面白いと思ったことを深堀りしていくといいと思います。だから、すぐに面白いことが見つからなくてもそんなに心配することはないです。 学生新聞2021年4月号 文教大学2年 早乙女太一

脇山真悠

白石聖 流されるのってそんなに悪くない⁉︎思いがけない人生の出会...

■プロフィール 女優。1998年、神奈川県生まれ。2016年にデビュー。2019年『ゼクシィ』12代目CMガールに抜擢される。2020年にフジテレビ系ドラマ『恐怖新聞』で連続ドラマ初主演。現在、NHKBSプレミアム『やっぱりおしい刑事』に出演中。さらにMBSテレビ『ガールガンレディ』に主演予定。2021年6月4日公開予定!『胸が鳴るのは君のせい』 ■どのような学生時代でしたか  高校2年生のときにスカウトされたのですが、実は表に出るようなタイプではありませんでした。ただ、なぜか声に出して何かを読むことには抵抗がなかったんです。母の読み聞かせが好きだったことや、好きなアニメの声優さんに影響を受けたこともあり、スカウトされる前は声優のお仕事に興味がありました。 ■このお仕事をやろうと思われた理由は  実は、スカウト先の事務所(業務提携)に私の好きな声優さんがいらっしゃったんです。当時、特にやりたいこともなかったので、このお仕事にかけてみてもいいかなと思いました。声優さんの世界は私には難しいかもしれないとも思いましたし……。今思えば、自分の殻を破りたかったのかもしれませんね。 考えすぎてしまう性格なので、役作りに悩むこともありますが、監督から気持ちの良いOKが貰えたり、演技を褒められたり、ファンの方と交流できたりして今のお仕事はとても楽しいです。でも、もしチャンスがあるなら、声のお仕事にもチャレンジしてみたいですね(笑)。 ■大学生へのメッセージをお願いします  コロナの中で、学生の方、特に就活生の皆さんは大変だと思います。実際、私の友達も進路に悩んでいるみたいです。私は皆さんと同世代なので、アドバイスできることは多くないとは思いますが、強いていうならば「流されるのって実は悪くない」ということでしょうか。 私はもともと声優志望でしたが、いい意味で流される形で魅力的な人に支えてもらえ、今のお仕事をさせていただいています。自分の意思がないのは良くありませんが、流れの中できちんと道を選択すれば流されるのも悪くないです。焦らずに、自分を責めずに、楽しみながらこれからの人生を選んでください! ■取材を終えて  とにかく可愛かったです。白石さんとは歳が近いのですが、ご活躍なだけあって豊富な経験をされていて、非常にためになるお話をたくさん聞かせていただきました。皆さんも私と同様に白石さんのお話から何か刺激を得られれば嬉しく思います。 学生新聞2021年4月号 津田塾大学3年 脇山真悠

DX・WEBマーケティング

株式会社山田養蜂場 営業統括部統括部長 井筒雅之 

お客様の健康のためウェブの可能性に挑戦する ■プロフィール 2004年入社。法学部卒業。入社から7年で販売促進部門の部長に抜擢され、その後、事業部長を経て2018年にテレマーケティングを含む通販営業本部の副本部長に就任。翌年、店舗や流通部門も含む現在のポジションへ昇進。アグレッシブな手法で、山田養蜂場の現在の「販促の基軸」を築いてきた立役者である。 「病気の娘の健康回復のために」という創業者の素朴な家族愛から生まれた山田養蜂場。「ひとりの人の健康を守るために」という強い想いで、お客様一人ひとりと向き合いながら商品を届けている。通信販売主体で事業を行っている山田養蜂場のウェブ戦略について、営業統括部統括部長の井筒さんに伺った。  学生の時は「健康に関する仕事で人や社会に貢献したい」と思い、就職活動をしていました。友人や父親の病気を目の当たりにして、老化や病気は避けられないものだと感じ、人にとって欠かせないテーマである「『健康』のために何かできたら」と考えたことがきっかけです。母が私にローヤルゼリーをくれたことがあったのですが、そのメーカーである山田養蜂場について調べていくなかで「娘の病気を治すために、何の文献も資料もないなか研究を始めた」という創業者の話に感銘を受け、採用試験を受けました。企業理念はその会社の羅針盤である、と就職活動の時は重要視しており、山田養蜂場の企業理念はお飾りではなく本物だと感じ、心打たれました。 ■ウェブの可能性にチャレンジ  弊社のお客様は年齢層が高いため、情報が届きやすいよう、これまではテレビ、新聞、折込チラシを中心にメディア展開をしてきました。  しかし、今はウェブの割合が年々増えており、年齢が高い方もスマートフォンを持ち、ウェブを見るようになってきています。ウェブの多くのメリットのなかでも、特に、たくさんの情報を伝えることができる点、即時性がある点が挙げられます。私たちは商品づくりに自信と誇りを持っているので、商品の背景を十分に伝えることができる点はウェブの良さですね。紙広告だと掲載できる情報量が制限され、掲載日を待つ必要がありますが、ウェブでは伝えたいときに伝えたいことをすべて伝えることができます。サイトに訪れる方の属性(年齢や性別などの情報)がわかりますし、紙メディアよりもターゲットが絞りやすい。  弊社は元々通信販売事業をしているので、購入者の属性や購買履歴がわかり、お客様一人ひとりに合った情報をお届けできるという通信販売の強みも生かすことができています。まだまだ開拓中ではありますが、ウェブでの展開は健康食品の販売にマッチしていると考えています。ウェブは商品や素材の研究過程、エビデンス、商品開発に関する私たちの考え方やサービスにかかわるポリシーなどさまざまな手法を使って伝えることができるメディアなので、いろいろなことができるのではないかとワクワクしています。 ■モノを売るのは難しい、だけど面白い  私が最初にマーケティングに携わったのは、地方紙の新聞記事体広告を書いた時でした。その時は、1件のご注文があり、自分が書いた広告で商品を買ってくれた方がいたことにとても喜びを感じました。同時に、1件しか注文が来なかったことで、モノを売ることの難しさを感じました。  ウェブは情報を発信できる範囲が広く、多くの技術があってそれもどんどん変わっていくので、関わっていてとても楽しく、魅力的です。今の時代ウェブとリアルは切り離せないものですが、連動させるべき部分と切り離すべき部分があるとも感じています。  山田養蜂場のウェブマーケティングは業界標準より少し後ろを走っていて、まだ独自性や強みは少ないと考えています。しかし、ウェブは日本中、そして世界中の方に買っていただくチャンスを与えてくれます。どんな方がどんな場所でファンになってくださるかわからず、ウェブマーケティングに正解はありませんが、どんどんチャレンジしていきたいと思います。  本社は自然環境の豊かな田舎にありますが、常に新しいことをしていこうという気概と、通販というテクニカルな仕事をしている環境が、会社の中にはあります。そのギャップが山田養蜂場の魅力の一つです。これからも、皆さん一人一人の健康を支えていく社会的使命感とやりがいを持って、商品やサービスを提供していきたいです。 ■message  学生のうちに、思いっきり話して、読んで、感じて、考えて、好きなところに行って欲しいですね。社会人になっていろいろな仕事の状況、人の言葉、環境に触れていくなかで、日々考え、日々悩みます。考え悩む時に、今まで経験した体験や考え、実感がとても役に立つからです。私は大学時代、法律を勉強していました。その勉強が今、直接役に立っているわけではないですが、勉強した時の思考方法はとても役立っています。思いっきり経験を積んで、感じて、自分の幅を広げて欲しいと思います。 学生新聞2021年4月号別冊 津田塾大学3年松本麗奈

人事

株式会社パルコ 人事戦略部 木佐瑞紀

■プロフィール 2012年に入社。仙台店でプロモーション業務(広報・媒体・催事出店交渉など)を経験後、2020年3月から人事戦略部で採用を担当。コロナで自粛生活を余儀なくされる中で、お風呂でのリラックスタイムでストレスを解消している。 ディベロッパーとして商業施設のプロデュースが主な仕事である。ただし、それだけではなく、新規事業への取り組みや、エンタテインメント事業部があるといった、他社にはない独自の魅力を持つ会社。 ■業界の特徴と魅力についてお聞かせください  PARCOは商業施設のイメージが強く、よく百貨店と誤解されますが、実は不動産業です。主に商業ディベロッパーという仕事をしています。お客様と直接かかわる小売業とは違い、商業施設の開発からマーケティングまで行い、テナント様とミーティングを重ねながらコミュニケーションをとり、情報を共有してアドバイスする役割を担っています。 弊社の特徴の一つに「インキュベーション」があります。これは新進気鋭のクリエイターや路面店しか経験のないテナント様を発掘し、支援しています。加えて、業界ではめずらしいエンタテインメント事業部があり、流行をいち早くつかむために役立っています。 また、新卒5年目までの離職率は1パーセントと低く、弊社の大きな強みとなっています。これは弊社の社風が関係していると思いますが、お客様目線に立った社員の意見が取り上げられやすく、若い社員の思いを形にできる環境が整っています。この風通しの良さが大きな要因かと思います。 ■どのような学生を求めていますか  大学名や文系・理系、資格の有無は重要視していません。それよりも、自分の好きなことや学生時代の経験を自分の言葉でしっかりと相手に伝えられる人を求めています。入社すると各人が各フロアを担当しますが、その中でディスプレイ広告を始め、多種多様なさまざまな仕事を経験します。そのため、多くのジャンルに幅広く興味を持つ方、人とコミュニケーションを取ることが好きな方は当社に向いていると思います。 ■大学生へのメッセージをお願いします  就職活動はもちろん重要ですが、そればかりではもったいないと思います。大学時代は好きなことをとことんやって、楽しむことができる最後の時間です。その貴重な時間を使っていろいろなことに挑戦し、何かを感じ取ってほしいと思います。また、学年があがるにつれて、プレゼンテーションやエントリーシートを書く機会が増えてきます。そうしたときに気を付けたいことは、伝えるだけでなく「伝わる」を意識することです。聞く人、読む人など相手の目線に立つことがとても大切です。 学生新聞2021年4月号 明治大学2年山本真人

DX・WEBマーケティング

三菱地所レジデンス株式会社 ...

目指すべきは顧客体験の向上であり、DXはその手段に過ぎない ■プロフィール マンション販売業務を約10年経験した後、三菱地所グループ内のマンション管理会社とインテリア会社に出向、2019年4月より三菱地所レジデンスに復職し広告企画を担当、2020年4月より全社的なデジタルトランスフォーメーションを推進するDX推進室DX推進グループが設立され現在の職務を担当するに至る。 DX(デジタルトランスフォーメーション)というとデジタル導入が注目されがちであるが、大切なことは単なるデジタル導入ではなく、より良い顧客体験を追求し、既存の業務の在り方を再構築することである。デジタル導入はその手段に過ぎない。DXという前例のない取組に挑み、事業の成長や新たな未来の可能性の探索を担うDX推進室の使命を伺った。 三菱地所にはDX専任部署が2018年からあったのですが、三菱地所グループ内で住宅事業を担う弊社のDX専任部署は2020年4月から立ち上がったばかりの新設部署です。現在は主なプロジェクトとして1スマートホームプロジェクト、2データ活用プロジェクト、3契約者様手続きのオンライン化、4顧客体験の再定義の4つが挙げられます。 1のスマートホームプロジェクトでは、住宅内のIoT機器をアプリや音声で操作できるというお客様の利便性を一時的に提供できるだけではなく、われわれ企業にとって住宅という大事な商品をお客様がどのようにお使いになられているかをデータで取得して商品企画や、ご入居後のより良い生活のご提案に活かす新たな機会を得ることにより、さらに顧客体験を向上させることができるチャンスだとも捉えています。もちろん住宅というプライバシー保護が大切な商品ですので、お客様の生活状況をデータで取得するというわけではなく住宅設備機器の使用状況をデータで把握して、お客様にとって価値ある住宅設備とは何かを把握し商品企画に活かすことや、住宅設備の故障前に異常を検知して修理/交換をご提案するということも将来的にはできるようになる可能性があると思っております。 2は、社内で部署ごとに保管されている顧客データを統合してマーケティングに活かそうという取り組みです。顧客データを一元集約して顧客IDで各データを紐づけることにより、一人ひとりのお客様のカスタマージャーニーが一気通貫して把握することができます。そうなると、一人ひとりのお客様のニーズやお困りごと等が部署横断して把握して対応ができるようになり、マンション分譲の商談だけでなく、鍵のお引き渡し、ご入居後のアフターサービスまでシームレスに顧客体験を向上させることができることを目指しております。 3は今まで紙や郵送といったアナログな手法で行っていた契約やその後の事務手続きをオンライン化しようという取り組みです。これはDXというような変革の取り組みではありませんが、お客様にご入居までの手続きをスムーズに行っていただくための重要なプロジェクトです。 ■DXは既存の仕事を見つめ直すこと 4はこれまで我々がお客様にご提供してきたマンション分譲の在り方を再定義し、あるべき姿を再構築するというビジョン駆動型のアプローチです。マンション分譲という業務フローは、デジタル技術の進化が著しい現代においても従来とは大きく変わらず、広告をご覧になったお客様にモデルルームにお越しいただき、ご契約に至るまで数回ご来場のうえ商談をさせていただくというスタイルが半世紀程度続いています。もちろん、ウェブ広告/ウェブサイト/リモート商談等にデジタル導入は行っておりますが、根本的に顧客体験を再構築するような活用ではありませんでした。よって、これからのさらなるデジタル技術進化を見据えて、われわれが目指す最良の顧客体験を提供するマンション分譲の在り方とは何かを再定義する必要があると思うに至り取り組んでおります。 ■誰も正解を知らない未知の領域への挑戦 DXのような変革プロジェクトは社内に前例のないものです。つまりは誰も正解を知らない未知の領域への挑戦とも言えるわけで、そこに大きな魅力を感じております。 誰も正解を知らないとはいえ、世の中には先進事例がすでに多くありますし、社内にも知見のある人材がおりますので、外部と内部から情報収集すればヒントは見えてきます。そのヒントをさらに、外部と内部の情報収集からカタチにしていき、小さく試して早く成功体験を積み重ねることにより、それを繰り返す先にDX後の姿に至ることができると信じています。 ■message DXのような変革の主役はワカモノ/ヨソモノという例えがあります。これは従来の価値観にとらわれずあるべきビジョンを見出し実現できるマインドとスキルを指しています。日本企業にDXという変革が求められている今、まさにワカモノである学生の皆さんのマインドとスキルを活かすべき世の中だと言えるのではないでしょうか。 学生新聞2021年4月号別冊 国際基督教大学4年鈴木菜桜

DX・WEBマーケティング

DAZNJapanInvestment合同会社 日本社長&マネージングディレクター ...

好きなことに全力で、パッションを持ち続ける! ■プロフィール 海外も含め、15年以上の幅広い分野での事業経営経験を持つ。Perform在籍前は、再生可能エネルギー事業を推進する上場会社で社長兼CEOを務めていた。東京で三菱商事株式会社からキャリアを始め、11年後シリコンバレーへ移り、17年間の米国在住期間中にヒューレット・パッカード等さまざまな企業で勤務。 いつでも、どこでもスポーツ中継が観られる動画配信サービスDAZN(ダゾーン)。その日本社長を務めるのが中村俊氏だ。オーストラリアで学生時代を過ごした後、三菱商事などを経て、DAZN日本社長に就任した中村社長に、同サービスが始まった経緯や日本での展開、そしてずっと持ち続ける想いについて伺った。  父親の仕事の関係で、高校1年生のときに家族でオーストラリアのシドニーに引っ越して、現地の学校に通いました。日本に戻ってきたのは、シドニー大学でエンジニアリング学び、卒業した後です。新卒で総合商社の三菱商事に入社しました。当初は、「商社なのだから、海外を飛び回るような仕事ができるだろう」と想像していたのですが、これが全く違っていて、「これでは自分の思い描くような働き方はできないな」と徐々に感じるようになりました。そんな折に、知り合いからヘッドハンティングを受けたことを契機に、年間勤めた会社を辞め、アメリカのシリコンバレーへと拠点を移しました。  その後、17年間に渡って、アメリカでヒューレット・パッカードをはじめとした企業で勤務したり、仲間と一緒に事業を立ち上げたりと、様々なことをやった後、日本へと帰国して、事業再生などを手掛けるようになりました。ある日、広告代理店でスポーツ事業の統括責任者をやっていた弟からDAZNの紹介を受け、スポーツの仕事はやったことがなかったのですが、「未経験のことに挑戦したい」と、引き受けることにしました。 ■ファンニーズに合わせてマーケティングを変更  事業そのものの準備は2015年9月にスタートしたのですが、当時はまだ会社の名前も決まっていなければ、会社もできていませんでした。最初は「DAZN」の発音すら認知されていませんでした。  DAZNの最大の強みは、動画配信サービスとしてスポーツに特化していること。そして、ファンが自分で好きな番組を選べるところです。地上波やケーブルテレビでもスポーツ配信は行われていますが、テレビ局が放映する番組を選ぶので視聴者は試合を選べない。でも、われわれのようにネットを使った中継サービスの場合は、開催されている無数の試合の中から、スポーツファンの方が自分で観たい試合を選べます。それが大きな特徴です。  しかし、すでにさまざまな動画配信サービスがあるなかで、認知度を上げるのは簡単ではありませんでした。そこで最初は、移動中でも居酒屋でもスマホなどで映像を見ることができるという利点を知ってもらうため、「いつでもどこでも試合が観られる」という点をアピールしていました。ただ、逆にそのアピールが「スマホやタブレットじゃないと観られない」という誤解を与えてしまい、認知度が高まるにつれて、スポーツ中継を大画面で観たいという人から、「早くテレビでも見られるようにしてほしい」という問い合わせが増えていきました。そこで、「自宅の大画面で好きなスポーツ中継がいつでも見られます!」という方向性へとマーケティングを変えていきました。 ■忘れられない「DAZNありがとう!」の声援  いまだに忘れられないのが、約2年前にJリーグアウォーズというそのシーズンに活躍した選手や監督、クラブ、審判などを表彰するイベントのときの出来事です。私たちもフィールドにいて、表彰式に参加していたのですが、その際、観客席からファンの方の1人が「DAZN、ありがとう!」という声援をかけてくれたんですね。そのときは、「ああ、DAZNをやっていて良かったな」と強く感じました。  今後のDAZNの目標は、DAZNを「毎日観てもらえるサービス」に変えることです。現在は試合中継の際にDAZNを利用する人が大半だと思いますが、今後は、スポーツ関連のドキュメンタリーを作ったり、スポーツのニュース番組を作ったりするなどオリジナルのコンテンツを作ることで、より多くの人に、毎日DAZNというサービスに触れてもらえるようにしていきたいですね。 ■message  近年の大学生は、就職する企業を選ぶ際に安定した仕事を選ぶ傾向が強まっていると聞きます。しかし、最初から「安定したい」といった考え方だと「、人生それで面白いのかな?」と私などは思ってしまいます。自分の人生の中で仕事に費やす時間は非常に長い。だからこそ、若いうちからリスクや失敗を恐れずに、自分の好きなことや、やりたいことにパッションを持って立ち向かうことを大切にしてほしいですね。そして私自身も、そうしたパッションを持った方とともに働きたいと考えています。 学生新聞2021年4月号別冊 日本大学3年 辻内海成

経営者

株式会社サマンサグローバル ブランディング&リーサチインスティチュ...

ピンチだなと思ったときが大きなチャンスである ■プロフィール 広島県福山市出身。駒澤大学経営学部卒業。 1991年 海外ブランド輸入代理会社設立 1994年 株式会社サマンサタバサジャパンリミテッド 設立 2019年 代表取締役社長を退任。 2020年 株式会社サマンサグローバルブランディング&リサーチインスティチュート設立 人を喜ばせたいという想いの強い寺田社長。人とのつながりの大切さ、その根本にある「感謝と尊敬」、ピンチをチャンスと捉えることによって生まれる「運と縁」。これらのことを大事にすることで活路が開けるという。その心構えを創業者ならではの視点で語っていただいた。  私の父は広島にある鉄工所の5代目の社長で、非常に格好よく、憧れの人でした。子ども心に会社を継ぎたいと思っていましたが、中学2年の冬に、2つ上の兄が継ぐことを知りました。私はがっかりしましたが、次男なので仕方がないと思い直し、それからは自分で起業しようと思い、一生懸命会社を作るための勉強をしました。 私は次男に生まれて会社を継げないと分かったとき、なんて運が悪いのだろうと思いました。しかし、ピンチだなと思ったときにどうチャンスに変えていくのかが大事です。長男に生まれなかったからこそ今の会社があるのだし、今では父親の会社を継ぐよりも自分の作った会社の方が自分にとって良かったと思っています。ピンチのときこそチャンスであり、チャンスと捉えることで運が開けるのです。 ■会社を作るために何をすればいいのか  大学2年のときですが、起業をするには英語が必要だと感じ、留学を決意しました。しかし、当時は英語を話す機会もなく、人前で英語を話すのは恥ずかしいとさえ感じるような時代でした。そこで中学生に英語を教えることを思い立ちました。塾講師なら生徒に英語を教えながら英語を話すことができますし、文法を基礎から学ぶこともできてとても勉強になりました。 大学3年のときに休学してカナダに留学するのですが、ここでもまたピンチが訪れます。留学の間際に父親が倒れてしまい、自分で留学費用を捻出しなければならなくなったのです。このピンチをチャンスに変えるために、カナダで2つのビジネスを始めました。一つはカナダ人を英会話の先生として日本に派遣するビジネスです。もう一つは、カナダ産の革のジャンパーを日本に輸出し、知り合いの商社が開催する催事で販売するビジネスです。この革ジャンのブランドビジネスは上手くいったのですが、英会話の先生の派遣ビジネスは上手くいきませんでした。人の管理が思うようにいかず、やはり人を扱うビジネスは難しいと実感しました。しかし、この経験から人とのつながりがビジネスを生んでいくのだということを実感しました。 ■仕事をしていく上での大事なこと  その後、大学4年になってもカナダにいることが多く、カナダの毛皮ビジネスも順調でした。このまま会社を立ち上げ、起業しようかと思ったのですが「、こんなに上手くいくわけがない」と思い、考え直しました。 会社経営をするためにも一度会社勤めをしないとサラリーマンの気持ちがわからないと思い、ある商社で2年間働きました。そのときに実感したのは、人は「やりがいがあっても給与が悪いと文句を言う」「プライドがあるほどやりがいがないと文句を言う」「給与が良くてもやりがいがないと文句を言う」ことです。自分が会社を作るときは、やりがいがあり、プライドが持てて、良い給与を出せる、そういう仕事をやりたいなと思いました。 ■ブランドもので起業する  この経験で学んだことを生かして起業するには「ブランド」だと思いました。ブランドといっても、お金がないので車や時計は作れないなと感じていました。また、洋服とは違い、バッグは持っているとどこのブランドかがわかりやすいことにも気づいたのです。そのとき、「バッグが一番作りやすい」と直感的に思いました。 しかし、私はファッション自体わからないし、ファッション系の知り合いは一人もいなく、ピンチだと思いました。当時は雑誌が流行を決める、それをテレビが追いかけるという時代でした。雑誌に取り上げてもらうだけでビジネスとして成り立つくらいの勢いがありました。しかし、雑誌で取り上げてもらうのは至難の業です。それだけ雑誌は敷居が高かったのです。 当時、4人で会社を経営していたのですが、雑誌社に電話をかけることに全員が反対しました。しかし、反対されたことで私はむしろチャンスだと感じました。運良く会ってくれる雑誌社の方がいて、少しずつ関係を築きながらお付き合いをしていくうちに、次に来る流行の情報を教えてくれるようになったのです。仲良くしていただきながら常に心がけていたのは、相手が求めていることを先読みし、行動することでした。人との出会いをいかに活かすかが大切なのです。 ■message ピンチを感じないとチャンスは生まれません。コロナで大変ですが、こういうときだからこそ人と同じことはしない、人がやっていないことをしないと勝つことはできません。今はチャンスの時代なのでピンチを楽しんでチャンスをつかんでほしいと思います。 人間は「~したい」か「~しなきゃ」の2つの感情で動きます。おいしいものを食べたいと思う感情、学校に行かなきゃと思う感情のことです。いやなことでもしないといけないもの、「~しなきゃ」を「~したい」に変えていくことが大切です。そのためには明確な目標と目的をしっかりと持つことです。ここをきちんと決められると半分くらいは目標を達成したようなものではないでしょうか。 学生新聞2021年4月号 日本大学3年 辻内海成

人事

ストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 コンサルティング・タ...

■プロフィール 自動車・モビリティ・運輸・航空宇宙・製造・化学セクターコンサルティングリーダー。国内外で自動車業界を中心に20年以上にわたりコンサルティングの経験を持ち、経営戦略策定、事業構想、マーケット分析、将来動向予測等に従事。2021年より採用担当を兼務。 専門性を駆使し、プロフェッショナルなマインドを持って経営者を支え、クライアントの経営課題を解決する。そして、国籍や性別を越えてダイナミックに連携し、国際的に活躍できる魅力的なファーム。 ■業界の特徴と魅力をお聞かせください  コンサルティングは、第三者的立ち位置や専門性を活かしながら、業界や国をまたいで連携することにより、クライアントの経営課題の解決を生業としています。モノやサービスを世の中に提供するのではなく、弁護士や医師などのプロフェッショナルと同様なマインドを持ち、いわば黒子の立ち位置で経営者を支える仕事です。 その魅力は、SDGsなどの社会アジェンダに真正面からぶつかり、いろいろな人と協力し、解決するダイナミックさです。また、クライアントの経営課題に対し、専門性を駆使し、難易度の高い仕事をやり切ったときのクライアントからの感謝、そして自分がどう世の中に寄与したのかを目の当たりにすることができることが醍醐味です。 ■どのような人材を求めていますか  スキルがあり地頭がいいというだけでなく、業界のために役に立ちたい、より良い社会を作りたいというマインドを持っている学生は魅力的です。そして、クライアントからの高い期待に応え続けるべく、自己を常に成長させなければならないため、成長意欲や物事に取り組む情熱を持つ学生に来て頂きたいです。小さなことでも一歩踏み出し、「こういうふうにやりたい、だから今このような活動をしている」などと、アクションを起こせる学生を希望します。そういう人であれば、就職後も自分自身で成長することができます。 ■御社の魅力について教えてください  弊社は、圧倒的にグローバル化やダイバーシティが浸透しています。業界や国をまたいで仕事をしていく中で、目標を達成するにはいろいろな価値観を持った人材が必要です。そのため、外国人も積極的に採用しており、グローバルとの密な連携とともに、性別、国籍、年齢の違いを感じさせないこと、それが当たり前だと認識していることが私たちの強みです。 ■大学生へのメッセージをお願いします  就職は、人生において大事な意思決定だと思いますが、まずは悔いのないようにやってもらいたいです。コロナ禍という大変な環境ではありますが、それを前向きに捉え、今しかできないことに自ら挑戦してください。我々企業側もそういう姿勢を見ています。 学生新聞2021年4月号  駒澤大学4年 如意太一

DX・WEBマーケティング

大塚製薬株式会社 ニュートラシューティカルズ事業部eコマース部 金澤慎...

自分を見つめ直し、興味関心あることを考えてみよう ■プロフィール 1987年生まれ。新潟県出身。米国ネバダ州立大学ラスベガス校教育学部卒業。2010年4月、大塚製薬株式会社入社。ニュートラシューティカルズ事業部福岡支店、MBA留学(米国ワシントン大学)、事業戦略室を経て、2017年3月から現職。 ポカリスエットやオロナミンCなどの飲料や、カロリーメイトといった栄養食品においてロングセラー商品や科学的根拠に基づいたユニークな商品を生み出し続ける大塚製薬。同社ニュートラシューティカルズ事業部の金澤係長から、自身の想いを形にする仕事の楽しさや学生時代の経験を今の仕事に活かしているお話などを伺った。  学生時代は、アメリカの大学で体育学、主に人の健康を学んでいました。この分野にもともと興味があったので、将来はスーパーに並ぶ商品、自分たちの生活に身近なモノに関わっていきたいと思うようになりました。 就活のタイミングが、ちょうどリーマンショックのど真ん中で大変でした。4年生の12月まで内定がなく、本当にギリギリで大塚製薬に決まったという感じです。面接の時に、留学中にポカリスエットに幾度となく助けてもらったエピソードを熱く話したら、縁あって入社することができました。入社後、再度留学させてもらったのもありがたいことでした。 入社して良かったと思うのは、街でポカリスエットやオロナミンCを飲んでいる人を見かけると、気持ちがすごくハッピーになることです。ちょっと見た目がいかつい感じの人がオロナミンCを飲んでいたら、「あっ、この人絶対いい人だ」と思います(笑) ■商品の価値を伝えお客様をリピーターに  今の仕事で行っている業務は大きく分けて2つあり、1つ目は、自社の通信販売サイト「オオツカ・プラスワン」を管理・運営し、集客をするための広告を打つことや、購入してもらった方にまた購入していただくためのチラシやメールを作っています。 自社通販サイトは小売サイドに近いものなので、目標は自分たちのサイトで買ってもらうこと。継続して利用してもらい、ライフタイムバリュー(LTV)という指標でどれだけ買ってもらったかを見ています。 2つ目は、ポカリスエットやソイジョイといったブランドのデジタルマーケティングのサポートをしています。ここでは販売するというよりも、お客様に対し商品についてもっと知っていただくことを目的にプロモーションしています。キャンペーンなどを実施して、サイト内の滞在時間を長くすることや、飲用機会を幅広くとらえていただくような提案や、商品の認知度を高めることを目的として行っています。 ■デジタルでわかること、わからないこと  業務においては、すべてを数値化できることが面白いと思います。店頭の販促資材やPOPは、それを見たお客さんがいつ、どのタイミングで購入したのかを計測するのは難しいのですが、デジタルはそれがすべて数値としてわかります。  バナーを掲載して、何回表示されて、何人の人がどの商品を購入したのかが一目でわかる。もっと言うと、購入した人の何人がリピートしているのかが数値でわかるので、面白い反面、失敗も数字で明確に返ってくる。ねらっていたことと全然違うことが多々あります。  うまくいくようにするには、これをやればこうなるのではないかと仮説を立てて、プロモーションをやらなくてはいけません。  逆に、数値だけではわからないこともあります。例えば、自社通信販売サイトで、明らかに男性向けの商品を女性が購入しているとします。アンケートをとってみると、息子のために購入したとか、デジタルだけでは見えてこない、リアルで聞いてみないとわからない、裏のストーリーもあります。だからこそお客様の生活をイメージすることや、時には妄想することも大切なんだと気付かされます。 ■リアルとデジタルの融合を目指す  リアルとデジタルの融合は、できているようでできていないことが多いです。全ブランドで試して、より多くの消費者の方へ届くように活かしていきたいです。ブランド軸だけではなく、会社としても、全国の営業拠点と協力しながら、考えたいと思います。 ■message  就活は、自分を見つめ直すいい機会です。自分の強みや弱みを考えること。まだまだ先は長いので、興味があることって何だろうとか時間をかけて考えることが大事。やってみて無駄なことはありません。そのときどきでは無駄じゃないかと思うこともあるかもしれませんが、あとになって考えてみるとそれまでの経験が今の自分に繋がってきます。語学や資格だけではなく、コミュニケーションをいろんな人ととれるようになっておくといいですね。 学生新聞別冊2021年4月号 専修大学4年 石岡慶也

濱穂乃香

株式会社 吉野家ホールディングス 代表取締役社長 河村 泰貴

一生懸命に努力することが 必ず成長につながっていく ■プロフィール 1968年生まれ。大阪府出身。1987年に広島の高校を卒業後、アルバイトを経て1993年吉野家ディー・アンド・シーに入社。2001年、吉野家ディー・アンド・シー企画室グループ企画室に着任。2004年、はなまるへ出向し、経営再建に貢献。2007年、同社代表取締役社長に就任。2012年、吉野家HD社長に就任し、2014年に吉野家の社長を兼務。長期経営ビジョンNEW-BEGINNINGS2025を掲げ、「飲食業の再定義」を進めている。 大学に2度入り2度中退。吉野家でのアルバイトに楽しさを覚えた若者は、正社員となり、吉野家ホールディングスの社長になった。学歴は関係ない、失敗を恐れず、興味があることに一生懸命になれ。価値は「ひと」が生み出す、という河村社長だからこそ語れる大学生へのメッセージとは。  私にとって、大学生になるということは代の自分とその自分を取り巻く環境からのエスケープであって、学業について語れることはあまりありません。ただ、いろんなアルバイトを経験しましたね。引越センターやゴルフ場などで体力勝負になるような仕事が多かったように思います。 さまざまなアルバイトのなかでも、19歳のときにはじめた吉野家のアルバイトにハマりました。そこで尊敬できる大人に出会えたことが私にとって価値のあることでした。また、吉野家は当時時間365日営業でしたが、社員は基本的に1店舗に1人の配置でした。つまり、ほとんどの時間はアルバイトだけで店を回すわけです。そのため、アルバイトでも責任者になれば、自分で考えて効率よく仕事を進めることができて、いろんなことを任せてもらえるようになるのです。任される、ということにやりがいを感じて熱中した結果、大学には行かなくなり、中退してしまいました(笑)。 その後、吉野家ではアルバイト店長が導入されたのですが、そのときに、店長を任せたいと言っていただいて、いろいろ悩んだ末に、そのお話をお引き受けしました。実際に始めてみると、店長の仕事はかなり大変で、2度目に入っていた夜間の大学も忙しくて行けなくなり、結局、中退してしまいました。 吉野家でのアルバイトを続けながら、23 歳くらいになると、ついこの間まで一緒に遊んでいた友達が急にリクルートスーツに身を包み、髪型を整えて、就活生に変わっていくのを目の当たりにして焦り始めました。手に職があるわけでもないですからね。そんなときに正社員にならないかというお話をいただきました。こんな自分を雇ってくれる会社はもう他にはないと思い、入社することにしました。 ■何よりも大事なことは、一生懸命やること  いざ入社式に出てみると、同期になる新入社員はみんな新卒ばかりです。今考えればよいことだったと思えますが、当時は最年長である以上、人の何倍も努力して仕事を早く覚えなくてはいけない、なんでもできて当たり前でないといけない、と焦りました。 それと同時に、アルバイトではなく社員なのだ、と社員として仕事に向き合うスイッチが入るきっかけになりました。私は、「こういうものだから」という言葉がとても嫌いなんです。何事もなぜだろうと考えますし、疑問に思ったことは追求しないと気が済まないタイプです。そのため、すべてのことに一生懸命取り組み、それが習慣になったことがとてもよかったです。 努力しているかどうかって、人の目をごまかせても自分には分かりますよね。だからこそ、自分に嘘をつかないように一生懸命勉強して努力しました。人生で初めてあんなに勉強したんじゃないかな(笑)。私はなんの取柄もないアルバイトでしたが、ありがたいことに、仕事ができるようになると次のチャンスを与えてくれる会社だったので、それが次の成長へとつながりました。 ■「ひと」が価値を生み出す会社になる  私は、「ひと、こそが価値を生み出す源泉」だと考えています。感動的なサービスはロボットにはできません、「ひと」が行うことでその価値を高めることができるのです。一方で、人件費は単にコストとして捉えがちです。しかし、私はコストではなく付加価値だと思っています。この「ひと」を大切にするのは、グループ共通の価値感になっていて、吉野家ホールディングスの魅力だと思っています。 幸せの定義は人それぞれであり、会社は一方的に社員に幸せを提供することはできませんが、当社では、努力する人には成長のための機会が平等に与えられます。だからこそ、学歴は関係がないと思っているので、実力主義を求める方に来てもらいたいですね。逆に、年功序列とかは全くないので安定を望む方には向いていないと思います(笑)。   与えられた機会に、自分がどこまでできるのか、食らいついて生き生きと活躍してほしいですね。さらに、飲食・サービス業は大変だというイメージを、「楽しくやりがいのある」イメージに変えていきたいです。 ■message  大学はブランドとか偏差値とかはまったく関係がなく、学びたいことを学んでほしいですね。興味のあることを深めていってください。そして若い人に希望を持ってほしいです。未来に希望を持って早く大人になりたいと思う社会でありたいと思っています。そうでない社会なのは、我々大人の問題でもあります。ぜひ、社会や未来に希望を持ってください。大人になったらいいことがたくさんありますよ。大失敗することもいいことなんです。今のうちに失敗を恐れず、いろんなことに挑戦して自分で道を切り開いていってほしいです。 学生新聞2021年4月号 東洋大学1年 濱穂乃香

大学理事長・大使館

学校法人神奈川大学理事長・神奈川大学長 兼子良夫

どうやって生きるかを、正しく選択していく力を育てる ■プロフィール 2003年より神奈川大学に勤務。経済学部長、理事を経て、2016年4月より学長に就任。2020年9月より学校法人神奈川大学理事長を兼務。現在、文部科学省大学設置・学校法人審議会特別委員をはじめ、学外の要職を多数務める。 「質実剛健」「積極進取」「中正堅実」の精神に基づき、真の実学を目指す神奈川大学。2021年4月にはみなとみらいキャンパスを開設。国際都市・横浜を知の拠点として、世界に通用する人材育成に力を入れている兼子学長に話を伺った。 ■どんな学生生活を過ごされていましたか  常に自分で考えて行動することを心がけて、学びの日々を過ごしていました。特定非営利活動法人アイセック・ジャパンという団体に所属し、海外の学生が日本で働くことに対する支援と、日本の学生が海外で働くことに対する支援をしていました。スタディツアーで東南アジアの大学を訪問することもあり、学生時代から海外に目を向けていました。 発展途上国の学生と交流する機会が多く、彼らの「自分で国を創っていく」という強い意志に触れることができたのは学びでした「。自分は将来にどんなビジョンがあるのか?「」自分はどう生きていくのか?」と自問自答するきっかけになりました。 ■学問を研究する意味について、教えてください  世界には解決できていない問題があります。私の研究分野である経済学においては、物価高騰、貧困と飢餓、失業問題などです。一人ひとりがより良く生きていける社会にするために、問題解決を目指して世界中の研究者たちが、日々努力しています。 私も「、人々の生活や生存の厳しさを、学問で解決したい」と思い研究の道に進みました。 ■学長としての想いをお聞かせください  私の根底には、「一生懸命頑張る学生をサポートしたい」という想いがあります。学生のみなさんに、学問の叡智をいかに伝えることができるかを常に考えています。 そのために、国際的な大学づくりを目指し、世界標準の高いレベルで研究を行っています。2021年4月に開設するみなとみらいキャンパスはその一環であり、産官学連携の視点においても、双方で啓発し合いながら進める「新しい教育・研究」を実現することができる理想的な環境です。いま本学が積極的に取り組んでいるのは、SDGs17の目標と169のターゲットの達成に向けた研究・教育の推進です。持続可能な社会をつくるために、高等教育機関として研究活動や教育活動を通じ、地球規模の課題に対して、さまざまな側面から解決策を見つけることに大きな責任を持っています。イギリスのタイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)が発表した、SDGsを軸とした世界の大学の社会貢献度を測るTHEUni-versityImpactRanking2020にて、本学は指標となる全SDGでランクインしました。全SDGにランクインした日本の私立大学は校のみです。日本の主要大学の一つとして、一層SDGsへの取り組みを強化してまいります。 ■どんな学生が社会に求められていくと思いますか  資本主義社会の未来は、誰にも分からない、不確実で予測不可能なものです。分かっているのは、いまの概念は通用しなくなる、ということです。社会が激しく変化する時代にあって、その場に合わせて臨機応変に行動できる対応力や、グローバルに活躍できる力が必要不可欠です。「あの企業に入りたい」ではなく、「どうやって生きるか」を常に考え、正しく選択できる能力を磨いてほしいと思っています。 本学卒業生には、世界的企業で活躍している人や、官公庁でも重責を担っている人がたくさんいます。本学で学んだ学生が社会に出て、一生懸命頑張っている姿を見ると胸が熱くなりますね。 ■大学生へのメッセージをお願いします  新型コロナウイルス感染症の流行で厳しい状況が続いていますが、これをむしろチャンスと捉えていくことが大切です。本学でも、オンラインを活用し約180の海外協定校との交流を活かして連携をはかり、教育内容の幅を広げることで、頑張る学生をバックアップしています。 未来に向かって希望を忘れずに前に進み続けてほしいです。苦しい状況を一緒に乗り越えていきましょう! 学生新聞2021年4月号 明治学院大学3年 小嶋櫻子

DX・WEBマーケティング

株式会社Mizkan MD本部デジタルマーケティング部部長 亀山勝幸

信頼される味を時代のニーズに合わせて発信! ■プロフィール 1972年生まれ。神奈川県出身。法政大学経済学部卒業。1995年3月、株式会社Mizkan入社。1998年より商品企画部門において、食酢・ぽん酢・つゆなど主力カテゴリーのブランド戦略・商品開発を担当。2018年3月、デジタルマーケティング部部長に就任。広告宣伝、デジタルコミュニケーション全般を担当している。 創業1804年、江戸時代後期から続くミツカン。代表的ロングセラーブランド「味ぽん」は、入れ替わりの激しい食品業界の中で、発売から56年経った今でも成長し続けている。既存の価値をどのように新しい価値に繋げ、多くの人に届けるのか。デジタルマーケティング部の亀山部長にその秘訣を伺った。  食品メーカーの魅力は、やはり衣食住の一つということで、多くの人に触れるものを扱っているという点ですね。自分が開発に携わった商品やCMがたくさんの食卓に届くなど、多くの人の暮らしに影響を与えられるところが面白いですね。そのような中で、私が所属するデジタルマーケティング部は、広告・宣伝・PR・広報など「コミュニケーション全般」を担当しており、商品やメニューの魅力をより多くの生活者に伝える役割を担っています。 ■時代を超えて商品を届ける  われわれミツカンは創業216年、江戸時代後期から続いている歴史ある会社なんです。江戸の屋台でお寿司が流行りだしたことをきっかけに、それに合うお酢を愛知県で作り出したことから始まっています。代表的なロングセラー商品として「味ぽん」があるのですが、発売から年が経った現在も売り上げを伸ばしています。当初はお鍋用の調味料として発売したのですが、東日本ではお鍋にぽん酢を使う文化がなく、商品を知ってもらうまでには時間がかかりました。テレビCMなどを活用しながら認知を広めているうちにようやくお鍋用の調味料として定着し、次にどんな使い方があるのかを模索し始めました「。あそこに餃子に使っている人がいる」「焼肉に使っている人もいるらしい「」サンマにもいいんじゃないか」といった形で常に新しい価値を追求し続け、今では多くのお客様に様々な使い方でご使用いただき、長く愛され続ける商品へと成長いたしました。商品の味を変えるだけではなく、どういう使い方、楽しみ方があるのかをうまく伝えていくことで、ロングセラー商品でも伸び続ける。それを可能にするのがわれわれの部署だと思っています。 ■生活者ニーズに合わせた情報発信  情報発信する際に、企業目線ではなく生活者目線で興味関心のある情報を届けることが重要だと考えています。日々の意識変化を捉えるために、オンライン上の検索データやSNSの投稿を分析することで、生活者のニーズをタイムリーに把握することもできます。例えば、2020年には「コロナ太り」や「免疫」といった検索ワードなどをもとに、Twitterでミツカン社員おすすめレシピを配信したところ、高いエンゲージメント率を獲得することができ、フォロワーも一気に増えたことがありました。今では「おうちごはん特集」としてホームページ上で一番閲覧されるコンテンツに成長しています。 また、メディアの特徴も把握してそれに合わせた情報発信も必要と考えています。具体的には、バナー広告などのペイドメディアで認知を広げ、自社のメディアであるオウンドメディアで情報を充実させ、SNSといったアーンドメディアで生活者の方とインタラクションする。SNSはターゲット世代に該当する担当者が運営をして、世界観やコンテンツの内容を作りこんでいて、フォロワー数も順調に伸びている状況です。インタラクションとしては、インスタグラムのストーリーやTwitterのカンバセーショナルカードを使って、お客様へ質問を投げかけ、その回答や意見に沿った情報発信を行っています。双方向的なコミュニケーションをすることで、見ている方も積極的に興味を示してくれます。 ■業界によって異なるデジタルとの相性  食品業界では商品を実際に購入したり料理したりする場の多くがオフラインです。家や車といった購入頻度の低いストック型の商品は、デジタル上で調べ尽くしてから買うなど、お客様の関与度が高いのですが、食品はフロー型なのでデジタル上での関与度が低い傾向にあります。もちろんデジタル活用は重要で今後も不可欠ですが、デジタル活用自体を目的にするのではなく、オンライン・オフラインを切り離さずに、カスタマージャーニーに沿ってコミュニケーションを設計することが重要と考えています。 ■message 私自身が仕事を選ぶ際には「好きなことを選ぶ」ということを強く意識しました。嫌いなことを通じて自分を成長させることは難しいと思うんですよね。自分が何を好きか、何がやりたいかという観点から仕事を選ぶと人生楽しく過ごせるのではないかと思います。また好きなことを一生懸命楽しくやっていると、自然といいご縁が向こうからやってきてくれるように感じています。 学生新聞別冊2021年4月号 国際基督教大学4年 鈴木菜桜