• 運営スタッフ
  • HOME
  • 運営スタッフ

Archive for 運営スタッフ

学生新聞インターン

特定非営利活動法人 ITコーディネータ協会 会長 野村真実

DXで需要が高まるITコーディネータ。現場視点でIT経営支援 特定非営利活動法人 ITコーディネータ協会 会長 野村真実(のむらまさみ) ■プロフィール年齢61歳(2023年10月現在)鹿児島県出身。鹿児島大学理学部卒業。日本ユニシス㈱にて17年、金融機関向けSE、PM業務に従事後、社内ベンチャー第1号案件で3年間新サービスを企画・実行。独立後15年、中小企業の現場で経営と情報化を支援。2022年6月より現職。 近年のDXブームに伴い、注目度が高まっているITコーディネータ。DXを推進したい中小企業や自治体では、現場視点でその役割を担う人材確保は切実な課題となっている。そのような役割を持つ専門家として、20年前からITコーディネータプロセスに先見の明を見出していた野村会長に、協会の取り組みや今後の展望についてお話いただいた。 学生時代は、大学前にできたリンガーハット鹿児島1号店でのバイトや塾講師、バンド活動など、様々な経験をしましたね。特に刺激的だった経験は、大学内で設立されたIT会社のメンバーとして携わった鹿児島県庁の仕事です。私はオペレーターとして、県庁のサーバールームでプログラムを実行する役割を担いました。まだ個人向けのパソコンが世に出始めた時代に、学生として最先端技術に触れる経験はとても面白かったですね。その後、日本ユニシス株式会社に就職して、金融機関向けシステムの主管部に入り、SEやプロジェクトマネジメントを担いました。仕事を通じて、「金融機関は地域の中小企業に対してIT化支援もすべきではないか、その際はITコーディネータプロセスを活用すべきだろう」という仮説を抱き、社内ベンチャーを立上げ、その後独立しました。中小企業支援現場での経験を活かし、ITコーディネータ向けツールの開発や人材育成の仕事を担い、2022年6月より当協会会長に就任しました。 ■“IT経営におけるプロフェッショナル”の育成組織 ITコーディネータとは経済産業省が推進する資格で、2001年の制度創設以降、資格取得者は右肩上がりで増加し、現在では7千人を超えています。ITコーディネータの仕事は主にIT戦略作成とRFP(Request For Proposal)を使った調達です。まず、経営者へのヒアリングや業務フローの可視化を行い、どのようなIT化が必要か整理をします。そして、システム会社の見積もりと提案をもらい、経営者と共に比較検討して最適なIT導入を支援します。つまり、ITコーディネータとは「現場視点で中立的に動き、情報を整理して、あるべき姿を一緒に考えるIT経営のプロフェッショナル」なのです。2001年に特定非営利活動法人として設立された当協会では、「ITコーディネータによる中小企業支援」を大きな柱とした様々な取り組みを行っています。まず、ITコーディネータの育成及び資格の認定です。世に役立つITコーディネータを育成するために、どのような試験や研修がよいか喧々諤々な議論を行い、研修や試験などのコンテンツ作成をしています。次に、ビジネスマッチングです。現場経験を積みたいITコーディネータと経営支援をしてほしい事業者を繋ぐための公募やIT経営カンファレンスを開催しています。そして、継続学習のサポートです。時代の変化に応じて、IT知識をアップデートする研修や交流会を開催しています。 現在の採用については、中途採用のみで、人材が足りない分野ごとにメンバーを集めています。ゆくゆくは新卒採用も行う予定ですが、未だ協会自体に新卒の育成ステップがありません。どこを目指し、どのように育成していくのか、ステップを描くことは非常に大事です。今は、過渡期の段階ですね。 ■DXの波、鍵は“成長のループ” 全ての資格はあくまで入口ですが、こうした継続学習やビジネスマッチングの仕組み自体が必要不可欠になりつつあります。特に近年は、金融機関の資格者がぐっと増え、一段と増加傾向にあります。背景には金融庁の「リレーションシップバンキング」指向が強まり、金融機関における地域企業に対する継続的な支援の必要性が高まったためです。地方銀行では、全行員がITパスポートを取り、そのうち中小企業支援を行う方はITコーディネータも取得する流れが起きています。例えば、茨城の地方銀行様は、ITコーディネータ400名を目指す計画を立てています。また、自治体のIT支援も増えています。河野デジタル大臣が行政DXを掲げているように、自治体のIT化は急務と言えるでしょう。協会としては、自治体向けのDX人材を育てる研修を始め、未経験者でも自治体支援ができるようなスキームを作成しています。こうした金融機関や自治体DXの流れに伴い、ITコーディネータは今後ますます価値が高まるでしょう。組織の展望としては「成長のループ」を構築していきたいと考えています。「自治体はこうで、中小企業はこうすればよい」というように、ぐるぐると同じループを回し続けることでスパイラルアップしていく仕組みです。参考にしたい例が、アマゾンのジェフ・ベゾスが創業前に描いた「ダブルループ」です。この絵を見た時に、組織が成長するためには良いループを持つことが重要だと気づかされました。ITコーディネータ全員にこの価値観を広め、中小企業を支援する際は「成長のループ」をイメージしながら指導にあたってほしいと考えています。ITコーディネータといえど、全てのIT技術を知る必要はありません。ノーコードやセキュリティーなど各自の得意分野を育て、興味を追求し、共に成長し続ける組織を築いていきたいですね。 ■大学生へのメッセージ 一番大事なことは興味を持つことです。大人たちは多くの知識が必要と言いますが、それは理想論であって、本当に組織で求められる人材とは、仕事に興味を持ち、さらに深掘りして研究できる人だと思います。また、学生時代のうちに「工夫の意識」を身に着けてほしいですね。ボランティアやアルバイト、部活など何でも構いません。従来のやり方に固執せず、何か工夫できることはないか考えてみてください。「興味と工夫」は、組織で活躍するカギになると思います。 学生新聞オンライン2023年9月27日取材 専修大学4年 竹村結

前田蓮峰

映画「TOKYO, I LOVE YOU」2023年11月10日公開

「東京–TOKYO-」を舞台に3つのSTORYで構成された2023年11月10日公開の映画「TOKYO, I LOVE YOU」の出演者のみなさま、中島央監督にインタビューをさせていただいた。 ■リヒト役 山下幸輝 主人公のリヒトは思ったことや感情を素直に伝えられる人間です。僕自身は物事を伝える時に壁を作って気を遣ってしまうタイプなので、演じるにあたり普段の自分と真逆だからこそ新鮮で楽しかったです。いつか主役を演じてみたい!という役者の目標の一つが叶って、嬉しさがこみあげてきた半面で不安もありましたが、いろんな人の作品を見たりしてたくさん研究しました。この映画は男7人の熱い友情の物語がベースです。「誰かのために頑張る」という話なので、様々な感情を表現した作品になっていると思います。普段は感情を隠してしまいがちですが、演じることで自分の感情を発散できたり、いろんな方と会話し演技で向かいあうことで、人との繋がりを深く感じることができます。これからさらに演じる機会が増えると嬉しいですね。この作品を見ることでみなさんの日々の活力になってくれたら嬉しいです。 ■ノア役 坂井翔 出演が決まった時は自分なんかでいいのかなという気持ちと同時に嬉しさがありました。ノア自身は自分の世界を持っていて、周りの人たちがワイワイしている時でも一歩引いてみんなを見ているようなキャラクターです。自分自身も1人でいる時間が好きなので、浮きすぎないようみんなの中に溶け込めるように役作りに励みました。この映画は6人が1人のためにどこまで頑張り切れるのか?といった友情がメインの作品になっています。年を重ねて環境が変わっていくにつれて、仲が良くても会えなくなることもあるし、親友のためにどこまで頑張れるのかが見どころですね。僕はやりたいことがあったわけではなく、たまたまきっかけがあって芸能界に入りました。俳優を始めてみたら楽しくて、今に至っています。学生のみなさんもやりたいことが見つからなくても焦ることはないし、恥じることもないです。何か見つけられたのなら、胸張って続けて楽しめれば自分の武器になると思います。 ■ユージン役 下前祐貴 中島監督に直々に会って話し合いをして、ユージン役をオファーしていただきました。この役を演じてみたいと思っていたので、とても嬉しかったです。ユージンはグループの中でリーダー的な存在です。7人の中で最年長ということもあり、自分自身リーダー気質な部分があるので、みんなを引っ張っていこうという気持ちで臨みました。ユージン、レイ、ダンの3人の場面でユージンが2人を引っ張っていくシーンは3人で納得するまで何度も撮り直したので注目して欲しいです。この作品は恋愛、家族愛、友情愛の「3つの愛」がテーマです。好きなもの・目標・大切なものは実は一番近くにあると思います。そんな自分の大切なものを見つめ直すきっかけになる映画です。俳優業を始めて6年目ですが、最初は有名になりたいという単純な動機でした。しかしそんな浅い意識では周りに置いていかれてしまう。困難なことを達成した時にその仕事の本当の意義について知ることができると思います。きっかけは些細なことでかまいません。皆さんも素直に自分がしたいと思ったことに挑戦してみてください。 ■シモン役 松村龍之介 今回初めて末期の患者役を演じる機会をいただいたのですが、自分が経験したことない役だからこそいつも以上に研究し丁寧に演じようと、撮影に臨みました。シモンは主人公リヒトの親友であり、重い病気を患っていても仲間を思いやる非常に優しい慈愛の心を持つ人物です。この映画の魅力は親友が一つの目標を胸に突き進んでいく姿です。万人が共感しやすく、何か夢中になれるものについて思い出させてくれる作品になっています。俳優とは色々な人生を体験できる職業だと思っています。今回シモンという新たな人生を体験させていただき本当に嬉しく思います。今後、共演した方はじめ現場でご一緒した方、作品を通じて自分を知ってくれた方に笑顔になってもらえるように頑張りたいと思います。学生という期間は人生の中でものすごく短いけど一生物の思い出を培える時間です。やりたいことを原動力にしてチャレンジして楽しい学生生活を送ってほしいですね。その経験が将来の財産になるはずです。 ■ハル役 羽谷勝太 オーディションの際、監督に「完全にハルだね」と言っていただき、今回の出演が決まりました。主要キャストとしての出演は初めてだったので、非常に嬉しかったです。ハルは家庭環境でつらい経験をしています。だからこそいつもみんなを笑わせるようなムードメーカー的な存在です。友人が重病を患い、暗い雰囲気の中なんとか仲間たちを励ますハル。細部の絶妙なリアクションまで拘りました。本作は恋愛、家族愛、友情愛、この「3つの愛」がテーマです。大切なものは一番近くにあると思い出させてくれるこの作品を通して、見てくれた人を笑顔にすることができたら嬉しいです。学生のみなさんには今自分がしていることを最大限に楽しんで欲しいです。楽しんでいるからこそ見えてくるものがあり、道が切り開けると僕は思います。楽しくなければ時には一歩引いてもいい。一歩下がる勇気と楽しめる勇気があれば、社会に出たときに生きてくると思います。 ■レイ役 島津見  レイはお調子者ではあるのですが、優しい目でみんなを見守り、周りの人を輝かせるための努力ができる人です。僕は普段はしゃぐような人間じゃないからこそギャップがあったのですが、稽古を重ねていく中でメンバーの中のレイの立ち位置が学んでいきました。正直王道のストーリーですが、なんとなく忘れてしまいそうな実はみんなが持っている熱い感情を思い出させてくれる作品になっています。映画の中でレイが歌うシーンがあるのですが、歌が好きだということもあり、レイ役のお話をいただきました。好きなことは捨てたものではないなと感じましたね。歌で仕事をいただけたので、趣味の延長線上でも音楽を続けていきたいです。またいつかヤクザ役など自分のロジックとは全く違う人間性を演じて、追体験をしてみたいです。大学卒業後、就職するという一般的な流れにとらわれてしまいがちですが、学生の時間は自分で自分の幸せの尺度を見つける時間だと思います。自分が何をしている時が一番幸せなのかを見つけて、人生を歩んでほしいです。 ■ダン役 西村成忠 今回の作品は友人との絆がテーマです。友情が大事と誰でも思っていますが、なぜかけてはいけないのかを言葉にしようとすると難しいです。再発見なのか再確認なのか発見なのか人それぞれですが、心の中でどれだけ友情がしめているのかがわかる作品となっています。ダンはグループの中ではっちゃけているわけではないですが、仲間思いで、相手とコミュニケーションをしっかりとり、関係性を大事にできるキャラクターです。今まで感情を大きく表現する役の経験が少なかったので、みんなにアイデアをもらったりしながら引き出しを探していく作業はとても楽しく、役作りを通して知らない自分を発見することができました。役者は新しいことにチャレンジできることが魅力です。知らない人になることができます。自分の体を通して表現したことで、見てくれた人の心が動いてくれると嬉しいです。どんなチャレンジでも冒険でも取り返しがつかないということはありません。チャレンジは素敵なことなので、みんなには一歩を踏み出してほしいです。 ■ミカ役 田中美里 脚本を見せていただいた際、他の作品にはない不思議な世界観が素晴らしいと思い、出演したいと思ったところ、出演が決まりとても嬉しかったです。最近では珍しいリハーサルがしっかりとあったので、いつも以上にみんなの意見を共有し合うことができました。どの作品でもそうですが、私はいつも自分と作中のキャラは全くの別物と考えています。今回私が演じたミカは重要なこともすべて速いテンポで話します。監督に「さらさらと早く言って欲しい」とオーダーをいただいたのですが、かなり重要な台詞も速いテンポで話すので、難しかったですね。また見てくれる人に印象づけることを意識しました。この映画は多種多様な個性を持つ演者たちが集まった作品となっているので、今までの映画にはない魅力がたくさん詰まっています。若者7人が各々葛藤を抱え、それ乗り越えていく物語です。学生のみなさんは特にいろんな葛藤があると思います。7人の誰かと自分を重ね合わせてみると解決のきっかけが見つかるかもしれません。 ■監督 中島央 今回、この映画を作ったきっかけは全世界の人が純粋に面白い!と思えるエンターテイメントに溢れた映画を作りたいと思ったからです。日本のお客様はもちろんですが、海外のお客様に向けても、日本の映画がもっと評価されるような、徹底的に娯楽性を追求したエンタメ作品を作りたいという強い意志を持って、制作に至りました。ですので、私の中に生まれたキーワードは、“王道“、“直接的“、“万人が共感できる“の3つでした。よって、比喩的な歪曲表現を避け、全世界の人に等しく刺さる人間の根源的な感情を映画内で表すことを意識しました。それが、今作品のテーマである恋愛、親子愛、友情の「3つの愛」です。これらは、国を問わず、誰しもが感じる本能的な欲求・感情だと私は考えています。この3つのテーマを現実ではあり得ないけど、ギリギリ信じられるような「ハイパーリアル」な描写で追求した映画になっているので是非、劇場で見て頂きたいです。私はいつも、大人になったら何かにならなければいけないと思っていました。しかし、実際は何になる必要などなく、今作品のテーマである、<一番大切なものは実は一番近くにある>、一番大事なものは今のあなたがすでに持っているものなのです。ぜひ、皆さんには自分の個性を今一度見つめ直してこれから、大きく伸ばしていって欲しいです。 映画「TOKYO,I LOVE YOU」11月10日(金)ロードショー 舞台挨拶(東京)※チケットはローソンチケットにて発売https://l-tike.com/cinema/mevent/?mid=703984 【第一回】●場所:新宿ピカデリー●日時:11 月 11 日(土) 18:40 の回 上映後舞台挨拶●登壇者:山下幸輝(リモート出演)、島津見、下前祐貴、西村成忠、坂井翔、中島央監督※登壇者は予告なく変更となる可能性がございます 【第二回】●場所: 池袋 HUMAX シネマズ●日時:11 月 19 日(日) 16:00 の回 上映後舞台挨拶●登壇者:山下幸輝、小山璃奈、草野航大※登壇者は予告なく変更となる可能性がございます 【第三回】●場所:新宿ピカデリー●日時:11 月 19 日(日) 17:50 の回 上映後舞台挨拶●登壇者:山下幸輝、小山璃奈、草野航大※登壇者は予告なく変更となる可能性がございます 舞台挨拶(群馬)※チケットは11/4(土)0:00~劇場HPにて発売 https://www.smt-cinema.com/site/isesaki/index.html ●場所:MOVIX伊勢崎●日時:11 月 12 日(日) 13:00の回 上映後舞台挨拶●登壇者:加藤ナナ※登壇者は予告なく変更となる可能性がございます ・映画「TOKYO,I LOVE YOU」公式ホームページ https://tokyo-iloveyou.com/ ・映画「TOKYO,I LOVE YOU」公式X(旧Twitter)  https://mobile.twitter.com/TOKYO_ILOVEYOU ・映画「TOKYO,I...

コラム

テリー伊藤 コラムVol.12  タータンチェックで公園に行こう

NHKラジオの園芸番組で面白い話をしていた。ゲストの女性園芸家が30年前に英国式庭園の勉強にイギリス留学をした時の話だった。日本ではその当時DCブランドの黒い服が大流行していて、彼女も得意気に全身真っ黒なファションで毎日庭園に行っていたらしい。ある日、顔見知りになった高齢の女性から声を掛けられた。「庭園に咲く草花と同じような明るい色の洋服を着てみたらどうですか?きっと花達はお友達と思って話かけてきますよ。」と言われ、改めて周りを見渡すと英国人はピンク色、水色、オレンジ色、淡いラベンダー色の服を着ていたそうだ。以来、明るい色の洋服に着替え、花と身近になったことを楽しく話していた。 確かに自然界に「黒い花」は余り見かけない。四季を通しても、梅、桜、コスモス、紫陽花、チューリップ、ひまわり、南の島に咲くハイビスカス等私の好きな花は皆色鮮やか。黒色の花が思いつかない。なので、花達は黒服に馴染みが無いかも。花好きのイギリス人らしいエピソードだが納得してしまう。 全身黒ずくめのファッションは今も大流行している。都会を歩いても、地方都市を訪れても、公園を散歩してもビックリするほど沢山の黒ファッションの方を見る。確かに黒でトータルすると失敗も少ないし着回しも出来る。着こなしをさほど気にしなくて済むし他人からオシャレに思われる。そんな理由からいつの時代も黒色が流行の中心にいるのも分かる。特に若い頃は黒で決めて見たくなるものだ。私も30代はお金も無いのに無理してヨージ・ヤマモトやコム・デ・ギャルソンの黒い洋服を着ていた。 とは言っても、最近見かける親が子供に黒を着せるのはどうなの。キャンパスに絵を描く絵具やクレヨンには、沢山の色を使ったり、馴染んだり、混ぜたりして「色の変化の面白さ」や「色彩と出会う大切さ」がある。色を知る事がどんなに楽しい事か。これって洋服にも言えるのでは。 私からのお勧めは、取り敢えず楽しい色を着倒すこと。同色系で合わせる必要も考える必要は無い。クリスマスシーズンもやって来る。色多彩なタータンチェック柄は絶対にお勧めです!タータンには沢山の種類があり、アウターに良し、パンツやスカートもOK、手持ちの黒服との相性も抜群。私、既に冬に向けて赤タータンチェックのパンツ購入済み。これで朝の散歩路、花達との会話は弾みます!気分が乗ったら一緒にラブソングを歌う事も予想されます。皆さんもどうですか、チャックのマフラーで公園に出掛けてみませんか。素敵な出会いが待っていますよ。 テリー伊藤(演出家) 1949年、東京築地出身。早稲田実業中等部、高等部を経て日本大学経済学部を卒業。2023年3月、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。テレビ番組制作会社IVSテレビに入社し、「天才たけしの元気が出るテレビ」「ねるとん紅鯨団」などのバラエティ番組を手がける。その後独立し、テレビ東京「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。著書「お笑い北朝鮮」がベストセラーとなり、その後、テリー伊藤としてメディアに多数出演。演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。YouTubeチャンネル「テリー伊藤のお笑いバックドロップ」LALALA USAでコラム連載中https://lalalausa.com/archives/category/column/terry

学生新聞インターン

株式会社アイデミー 代表取締役 執行役員 社長 石川総彦

先端技術を浸透させ、社会の進捗を加速 株式会社アイデミー  代表取締役 執行役員 社⻑  石川聡彦(いしかわ あきひこ) ■プロフィール東京大学工学部卒。同大学院中退。在学中の専門は環境工学で、水処理分野での機械学習の応用研究に従事した経験を活かし、 DX/GX人材へのリスキリングサービス「Aidemy」やシステムの内製化支援サービス「Modeloy」を開発・提供している。著書に『人工知能プログラミングのための数学がわかる本』(KADOKAWA/2018年)、『投資対効果を最大化するAI導入7つのルール』( KADOKAWA/ 2020年)など。 「先端技術を、経済実装する。」というミッションを掲げる株式会社アイデミー。2023年6月に東京証券取引所グロース市場に新規上場も果たした。そんな同社を学生時代に起業し、上場企業まで成長させた石川社長のストーリーを伺った。 ■教師になるか起業するか 教師になりたくて、東京大学文科三類に入学しました。一方で中高時代の小さなビジネスを回す真似事から得た成功体験や、学生起業家の先輩方のプロダクトに触れるうちに「起業したい」という想いを抱きはじめました。その想いに気づいてからは、東大を拠点に活動するビジネスコンテスト運営団体「KING」に入り、ビジネスの基礎を学びながら、代表としての活動も始めました。そんな中、学生時代に作ったプロダクトで世界を変えている起業家がいることを改めて目の当たりにし、「教師よりも、もっとたくさんの人に影響を与えられる仕事をしたい」と考え、「起業の方に舵を切ろう」と決意したのが大学1、2年の頃でした。起業家の多くが理系出身ということと、起業するならテクノロジーベースの会社と考えていたことから、理転し工学部への進学を決めました。KING卒業後、私自身さまざまなビジネスコンテストに出場し、とあるビジネスコンテストで優勝することができました。今のアイデミーの事業とは異なるアイディアでしたが、評価をいただいたことや、身近な先輩が起業で成功したのを間近に見ていたことから、「自分でもできるはず」と思い、大学3年の6月に今の会社であるアイデミーを起業、さらに、会社経営に集中するために休学も決めました。 ■マーケット選びが成功の鍵 様々なビジネスを行ったものの、なかなか軌道に乗らず復学をしました。就活へ気持ちが傾きながらも「ここで諦めたら勿体ない」と切り替え、再度起業へ挑戦しようと決めたんです。そこで、環境を変えるために、一度会社をリセットしてはじめようと、2017年に、VC(ベンチャーキャピタル)からの出資を受けました。それまで自分でビジネスを考え、自分のやりたいことをやっていたのですが、VCの方と話をするなか、AIをおすすめされたのもあり、AIのマーケットに狙いを定めるようになりました。 復学した当時、大学の研究室で水処理をAIを使って最適化するという研究をしていたこともあり、0からAIを学習することの難しさは身を以て学んでいました。今後AIを事業に活用することの可能性も感じ、オンラインでAIなどの先端領域の知識を学べる教育プラットフォームサービス「Aidemy」を開発しました。社会ニーズにマッチしたサービスだったこともあり、爆発的に利用者が伸びていきました。さらに、他のVCからも出資を受けてビジネスを拡大。結局、大学院に行く時間がとれなくなってしまったため、大学院は中退し、経営に専念しました。 ■人材育成はスタート 現在、多くの企業で、デジタル人材やAI人材が不足しています。その課題解決の手段として提供しているのが、法人向けサービス「Aidemy Business」です。基礎的な知識から実践的な応用技術まで180以上の幅広いコンテンツを取り揃え、それら全てを自社で制作しています。Netflixのようなビジネスモデル、と言うと分かりやすいかもしれません。 ただ、人材育成はあくまでスタートです。私たちの目指す本質的なゴールは、育成された人材がその知識を元に新しい技術を作り、デジタルをもって課題解決をするところにあります。そのため、育成後の人材とアイデミーのコンサルタントが二人三脚でシステムを作る事業展開も行っています。このような伴走支援まで行う会社は日本で唯あまり例がなく、他社との大きな差別化だと思いますね。 ■今後の展望 最新の技術が社会に広まるのに10年かかったところを5年に短縮できたら、その5年分の世界を進歩させているのと同じことだと思うんです。だからこそ、先端技術を経済実装することで、新しい技術の浸透を加速させたいと思っています。今は、環境に配慮したテクノロジー、GX(グリーントランスフォーメーション)に注目しており、攻めのマーケティングを通じて人々の価値観の変化を促し、技術進化を推進していきたいと考えています。 また、上場企業としても更なる成長を目指し、偉大なる先輩起業家たちに追いつき、追い越していくことを目標としています。上場はあくまで、400メートル走が終わって、これから42.195キロのフルマラソンが始まるような感覚です。上場はある種マイルストーンで、ここから先100倍以上長い道のりをぶっちぎって駆け抜けていきたいと思いますね。 ■大学生へのメッセージ 大企業からスタートアップへの転職はもちろん、その逆の雇用も近年では当たり前になってきました。特に大企業に興味がある人は、1年ほど休学して留学感覚でスタートアップに勤めてみてください。様々な環境に身を置くことで、そこで積んだ経験から視野が広がり選択肢が増えていくことに気づくと思います。スポーツ選手が他のスポーツをしていたらプロとして活躍していなかったかもしれないように、数ある選択肢の中から自分に合った環境を見つけほしいと思います。そのためにも、ぜひ学生時代に様々な挑戦や多くの経験を重ねてください。 学生新聞2023年8月1日 慶應義塾大学2年 山本彩央里

学生新聞インターン

株式会社ノバレーゼ 代表取締役社長 荻野 洋基

「人」を大切にすることで作りあげられる最高の結婚式 株式会社ノバレーゼ 代表取締役社長 荻野 洋基(おぎの ひろき) ■プロフィール青山学院大学経営学部卒業後、2004年に(株)ノバレーゼに新卒2期生として入社。名古屋、宇都宮でのウエディングプランナー経験後、3年目でマネージャーに昇格。2008年よりゼネラルマネージャーとして浜松、名古屋、鎌倉、横浜の各店舗を担当。2016年3月、代表取締役社長に就任。現在に至る。 「Rock your life」という企業理念を掲げ、日本と海外合わせて65店舗にブライダル事業を展開している株式会社ノバレーゼ。代表取締役社長の荻野洋基氏は売り上げ実績よりもノバレーゼらしさを大切にしたいと話す。感動的な結婚式を提供するためにノバレーゼがあるべき姿について伺った。 ■大学で初めて味わった野球とは違う世界 小学生から高校生まで野球三昧の生活を送り、それ以外の世界を見たことがなかった私にとって、大学生活の全てが新鮮だったのを覚えています。大学在学中はアルバイトや趣味に没頭し、刺激的な毎日を過ごしていました。様々な人々と出会い、その仲間たちと共にコミュニケーションを取る。そんな大学生活は充実していて非常に楽しかったのですが、私自身心の中でどこか満足感を得られていない感覚がしていました。野球をやっていた頃に感じられていた達成感や成長しているという実感は得られなかったのです。 ■ノバレーゼの大人たちに惹かれて 大学で満足感を得られなかったことが私を奮い立たせ、もう一度何かに夢中になって目標を達成したいという感情が芽生えさせるようになりました。しかし、様々な会社の説明会に参加してみてみたものの、どうしても自分が将来働いている姿が想像できなかったのです。何よりリクルーターの方や目上の人とお話ししても、この人みたいになりたいと思うことができませんでした。しかし、たまたま友人に誘われて行ったノバレーゼの説明会で、私がそれまで大人に対して抱いていたイメージや概念が一変しました。そこにいたのは、通学中いつも見かける疲れた大人たちではなく、輝いている社長と社員さん達。自分の未来が目の前にいる先輩方の姿だと想像したら胸が高鳴りました。それがノバレーゼに惹かれた大きな理由ですね。 ■前社長から受け継ぐ精神 社長に就任する前は、結婚式場の責任者を長い間やっていましたが、そこでは常に自分がその施設の社長だと思い込むくらいの責任を持ちながら仕事をしていました。また前代表取締役社長の浅田さんに直接電話をして考えを伺うことも多かったです。特に、何か大きな決断をする前にはよく相談しましたね。そのため浅田さんには私の仕事に対する熱意や会社への愛をよく理解して頂いていました。しかしこれは社長と現場の距離が近かったからできたことだったのです。そのため私が社長に就任してからこれまで「スタッフとの近さ」を大事にする精神を引き継ぎながら、彼らが輝ける環境づくりに尽力しています。  ■ノバレーゼの「人」とは 「類は友を呼ぶ」という言葉のように、この会社には同じDNAを持った人たちがいる感覚があります。今まで何かに熱中した経験があったり人を喜ばせる場が好きであったりと、周りに支えられて生きてきて、何か恩返ししたいという想いが強い人たちが集まっているのでしょう。私たちが必要としているのは協調性や自走できる力、考える力を持っている人、そして少しのことで感動できる心を持っている人ですね。またその人に結婚式を担当してもらいたいかをお客様目線で考えて採用するかを決めています。「人」によって会社は良い方向にも悪い方向にも変わってしまいます。ノバレーゼのスタッフが提供した結婚式が最高だったと、ノバレーゼの「人」を褒めていただけるような会社を目指しています。 ■ノバレーゼにしかできないこと 仕事は大変で辛いというイメージを持ちがちですが、実際は幸せでワクワクするものです。ノバレーゼはこの「ワクワク」を大事にしています。例えば「Rockの日」という心が揺さぶられる休暇を年2回設けたり、年間MVPとして最も活躍したスタッフを称えたりして、スタッフがどうやったら楽しく仕事ができるか、何をしたらワクワクするのかを常に考えています。結婚式というのは笑顔で溢れる時間なので、お客様に感動や幸せを届けるためには自分たちが幸せであることが第一なのです。そして、現場のスタッフに常に伝えていることは「お客様の目線に立つ」ということです。私たちはお客様を長い時間拘束して接客するのではなく、会場のご案内から見積もりの説明まで全て2時間以内と決めています。長時間の接客が定着している業界内では非常に珍しいと思いますが、会場の都合で接客時間を決めるのではなく、お客様のご要望を最優先するよう、スタッフに伝えています。また、私たちの結婚式場の多くは1日2組、午前と午後の完全貸切制です。同じ会場で他のお客様と被ることがないので、自宅のように結婚式場を使っていただくことができます。さらにノバレーゼではドレスや引き出物、写真撮影など付帯サービスの大半を内製化しているため最新のサービスを提供することも可能です。弊社でしかできない質の良いサービスを結婚式当日に実際の目で見ていただき、新郎新婦様だけでなく参列者の方にも提供することで、ノバレーゼを多くの人から信頼される会社へと導いています。 ■大学生へのメッセージ これからの日本を引っ張っていく皆さんはダイヤの原石です。批判を恐れず何事にも前向きに頑張って欲しいと思います。何かやりたいことや夢があればそれに向かって全力で取り組んでください。もしまだ何も決まっていない子がいれば、就職活動について一つアドバイスをします。会社を決めるときには給料や福利厚生を重視するのではなく、目の前にいる先輩が自分の未来だと思うとワクワクするかが基準だと思ってください。こんな人になりたいと思える会社で仕事をすると自分の成長につながります。今は世の中が2、3年後どうなるか変わるか予測できない時代ですが、そんな時代だからこそ1番の安定は給料ではなく皆さんの成長です。挑戦、成長し続けることを忘れず、まだまだ沢山の可能性があるこの日本を明るくしていってください。 学生新聞2023年7月31日 国際基督教大学1年 若生真衣

学生新聞インターン

女優・モデル・インフルエンサー 高梨優佳

「自分」だからこそできること、日々表現し続けていく 女優・モデル・インフルエンサー 高梨 優佳(たかなし ゆか) ■プロフィール2001年7月21日生まれ、福岡県出身。Z世代の女性を中心に支持を集める22歳。総フォロワー150万人超を誇り、TikTokでは多くの演技コンテンツが話題に!! 現在はテレビや雑誌へ活動の幅を広げ、JELLY専属モデルとしても活躍中。10/27公開の映画『ラスト17デー』では初主演を務める。 高校の新聞部を舞台に思春期の葛藤や成長を強く体験する17歳を描く青春映画『ラスト17デー』。今回は女優だけでなく、モデルやインフルエンサーとしても活躍される主演の高輪優佳さんに本映画の魅力や女優としてのやりがいについてお伺いした。 ■引っ込み思案を変えてくれたのは学芸会のオーディション 今でこそ映画に出演したりモデルとして活動していますが、実は小さい頃はとにかく人見知りで、「人前には絶対に出たくない!」と思うほど引っ込み思案でしたね(笑)。そんな中で「人前に出て活躍したい!」と思うようになったのは、小学校5年生のときでした。学芸会の役を決めるオーディションがあったのですが、そこでどうしてもやってみたかった役があったんですよね。その劇はコメディ調のもので、やりたかった役は一番劇中で笑いをさそう役だったんです。以来、突然、「人前で目立ってみたい! 知ってもらいたい!」と感じるようになって、演技や女優に興味が湧くようになりましたね。 ■演技の楽しさを再認識したSNS活動と事務所のレッスン 高校に上がるタイミングで演劇を学んでみたい思いが強くなり、通常の授業でも演技を学べる高校に進学しました。ただその学校は演技の基礎中の基礎しか学ぶことができなくて、お芝居の魅力などは学べなかったのであまり楽しいとは言えませんでした。そんな学生生活の中で力を入れたのが、TikTokやInstagramでの活動です。高校時代にTikTokやInstagramなどのSNSの普及が始まったのですが、まだ周囲の人は誰もやっていなかったので「やってみたら面白そう!」と思い、やってみました。そこから毎日動画などを投稿していたのですが、当時はTikTokが大きな流行ではなかったので、周囲からは「なにしてるんだろう?」という目線は感じていました。ただ、どこかで「お芝居をしたい」という思いがあったので、毎日SNSで自分を発信できたんだと思います。高校を卒業してからモデルの活動を中心にしていた際に、今の事務所での演技のレッスンがスタートしました。そのレッスンに通ううちに「やっぱり演技って楽しい!」と感じるようになって、演技により力が入るようになりましたね。 ■同期に負けないために、キャラを自分に溶け込ませる 今でも演劇の活動を続けられているのは、周囲の仲間たちのおかげだと感じています。自分はとても負けず嫌いなので、同期の人たちがどんどん活躍していくといい刺激になりますし、自分も頑張らなければと思いますね。その人達に負けないためにも演技では、台本には書かれてないキャラクターのストーリーや背景を想像して自分に落とし込んだり、共演者のいいところを観察して取り入れたりしています。自分が演技をする際にそのキャラへ完全になりきれた時はとても達成感があります。 ■自分とそっくりだからこそ主人公になれた 今回の映画『ラスト17デー』のオーディションは、非常に緊張しました。元々共演者の石川翔鈴さんとは知り合いで、かつ、審査も同じ組だったので、より緊張しました。合格を知った時は本当に嬉しかったです。撮影については、共演者たちと年代が近かったので仲良く和気藹々とできたのですが、ワンカットのジーン撮影は大変でした……。ミスしたらやり直しという大変さもありましたが、一方で、ワンカットが長い分、キャラとしての感情を強く演じられたと思います。この作品で演じた主人公の細谷くるみという役を演じる中で、キャラクターのストーリーや背景を想像するのはもちろん、なるべく自分に寄せようと工夫しました。くるみという人物は一人で物事を考えたり、誰かと比較してしまったりする部分があり、自分と非常にそっくりでした。あまりにも似てるので感情移入しすぎて、カットがかかっても、くるみのままだったこともありました。劇中ではくるみが何もできなかった後悔から葛藤したり、その葛藤を乗り越えたりするシーンが描かれているのですが、このシーンは多くの人に共感をしてもらえると思います。自分も含めてどの年代の人にもこういった経験があるはずなので、学生だけでなく、多くの人がエネルギーをもらえる作品になっていると思います。そのシーンではくるみが泣きじゃくる場面もあるので、ぜひ私の演技にも注目してほしいですね(笑)。 ■憧れてくれるファンのために、努力は惜しまない 今後も演技の活動に力を入れていき、ゴールデンタイムのドラマにレギュラー出演するのを一つの目標にしています。モデルや女優として活動する中で、ありがたいことに自分に憧れてくれる方もいらっしゃいます。その方たちの目標でいられるようにこれからも努力していきたいですね。他にも小さい頃から洋服や本のデザインをするのがとても好きだったので、具体的には決まっていませんが、デザインのお仕事もしていけたらなと考えています。 ■自分は自分。だから他人と比べずに自信を持つ。 学生の頃は周囲に同じような人たちがいるので、自分と他者を比べてしまうことがたくさんあると思います。ただあくまでも自分は自分なので、自分がしてきた努力を否定しないで肯定してほしいと思います。もしその中で失敗してもいつか必ずなにかに活かされる日が来るので、自分に自信を持ってがんばってほしいと思います。 映画『ラスト17デー』 高梨優佳、初主演。17歳の最後に、踏切を渡る老女を助け、一躍有名になった幼馴染の橘直樹をきっかけに17歳のうちに輝きたいと空回りする青春学園映画。10月27日(金)からシモキタ – エキマエ – シネマ『K2』より順次公開予定。出演:高梨優佳 木村魁希 石川翔鈴 吉田翔 齊藤英里監督:片山拓 片山拓監督コメント 17歳という年齢は理由なくイライラしたり、むしゃくしゃしたりと感情を思いっきり表現できる貴重な時期だと思います。しかし時が過ぎてしまうとその経験を忘れてしまうので、改めてその感情豊かな時期を体験してほしいと思いこの作品を作りました。今回、主演を務めてくれた高梨さんは真面目で、役に対する読解力がとても高い方です。キャラクターを深く解読してくれて、監督の僕ですら気づかなかったくるみの新たな魅力を引き出してくれましたね。そういったひたむきに役に向き合うところが非常に素敵だと思います。 学生新聞オンライン2023年9月10日取材 武蔵野大学4年 西山流生

コラム

テリー伊藤 コラムVol.11  100円ショップの化粧品が凄すぎる!

100円ショップがドンドン進化している。武蔵小山商店街にある、ご存知「ダイソー」に久しぶりに行ってきた。行く度に商品構成には驚きなのだが、ますますパワーアップしていた。まずは女性の化粧品の豊富さ。マスカラ、ファンデーション、マニキュア、つけまつげ、口紅全て100円!! 昔は夏になると大手化粧品メーカーの資生堂やカネボウなどが水着モデルを全面に打ち出し大キャンペーンを掲げ、高価な商品を販売していたものだ。その中から夏目雅子、藤原紀香、アグネスラム、山口智子、服部真子あの国会議員蓮舫さんなどを発掘、大スターになっていった。それだけではなく、化粧品のCMからは多くのヒット曲も生まれた。カネボウは布施明「君はばらより美しい」、YMO「君に胸キュン」、ザ・ビーナス「キッスは目にして」、資生堂は世良公則「燃えろいい女」など、チョット挙げただけで私たち世代はすぐに思い浮かべる事ができる。そうなんです、化粧品メーカーが時代や若者文化を完全にリードしていた。 時は流れ・・・・若者たちが無理して高額な化粧品を買わなくなってしまった。もちろん資生堂やカネボウ化粧品が売れていないわけではないが、以前のような勢いは感じられない。そこで登場するのが100円ショップなのだ! 想像してみて欲しい。初めてのデート、初めてのキッス、男の子の胸は前日からときめいているはずだ!キッスってどんな味がするの?ナンシー・シナトラ「レモンのキッス」の大ヒット曲にもあるようにレモン味なのか?妄想は尽きない。しかしなのだ!現実は100円ショップの味なのだ。彼女と物凄く接近した時にみる「つけまつげ」もダイソーなのだ。複雑な気持ちになりかけたが・・・思案・・・私、間違っていました!例え100円化粧品であっても、彼女を愛していれば関係ない!大切なのは愛でしょ!そうでした。大反省でした。皆さんも100円ショップ行ってみてください!色んな発見がありそう。 テリー伊藤(演出家) 1949年、東京築地出身。早稲田実業中等部、高等部を経て日本大学経済学部を卒業。2023年3月、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。テレビ番組制作会社IVSテレビに入社し、「天才たけしの元気が出るテレビ」「ねるとん紅鯨団」などのバラエティ番組を手がける。その後独立し、テレビ東京「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。著書「お笑い北朝鮮」がベストセラーとなり、その後、テリー伊藤としてメディアに多数出演。演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。YouTubeチャンネル「テリー伊藤のお笑いバックドロップ」LALALA USAでコラム連載中https://lalalausa.com/archives/category/column/terry

和田真帆

井村屋グループ株式会社 代表取締役社長(COO) 大西安樹

他社とは異なる常にオリジナリティーある商品を 井村屋グループ株式会社 代表取締役社長(COO) 大西安樹(おおにしやすき) ■プロフィール1959年1月4日生まれ。82年関西学院大学法学部卒、同年井村屋グループ入社、08年執行役員経営企画統括部長、10年上席執行役員経営戦略部長、11年取締役IMURAYA USA,INC.出向CEO・COO、14~15年常務取締役、16年代表取締役社長、19年から取締役、「井村屋スタートアップランニング㈱」代表取締役社長を兼任。23年4月1日から井村屋グループ㈱の代表取締役社長兼最高執行責任者(COO)。 創業125年以上の歴史をもつ井村屋グループ。肉まんやあんまん、水ようかんなど、誰もが知る日本人のソウルフードを提供し、長年愛され続ける秘訣や、長い歴史の中で大切にしている想いについて、代表取締役社長(COO)の大西安樹さんからお話を伺った。 大学時代は必要な単位を取って、レストラン、ホテルのベルボーイ、引越しなど様々なアルバイトをしていました。そんなことをしている間に、就活の時期があっという間にきましたね。私の時代は現在と異なって手書きのエントリーシートを書いていた時代です。当時の私は「メーカー=会社を代表する商品がありそれが社会に貢献している」というイメージが大きかったのでその観点から会社探しをしていました。 ■昔から愛され続ける井村屋の商品 井村屋は2021年で創業125年を迎えました。いろんな人に愛され続け、現在は中国・アメリカ・マレーシアなどのご縁ある国で海外展開もしています。海外での商品展開で意識していることは、味です。日本の商品をそのまま持ってきて提供することもあれば、現地に合わせて提供するなど国ごとによって商品のスタイルは変わってきますね。味に関する捉え方は本当に面白く、特に「甘い」という味覚は国によって結構変わってきます。これはアメリカで聞いた面白いエピソードなのですが、日本人がケーキを作ってアメリカ人にあげたら「砂糖を忘れてないか?」と言われたというくらいです(笑)。会社のポリシーは、他社のマネ・人のマネをせずにオリジナリティーある商品を作ることです。たとえば、弊社は肉まん・あんまんを扱っているのですが、中華まんである胡麻あんまんではなく、和風のあんまんを開発したのは当社が初めてです。あとは長期保存可能な市販用の水ようかんを最初に作ったのも当社ですね。そうやって常に新しいものに挑戦しようという想いで商品開発を行なっています。また、弊社はカステラ・水ようかんなどは常温、豆腐は冷蔵、アイスや肉まん・あんまんは冷凍と、温度帯も意識して商品の製造を行なっています。商品に対する温度帯独自のノウハウや歴史は製造時に今も大切にしています。 ■一人ひとりの長所を仕事に 皆さん何かしら長所があると思うんですね。是非その長所を生かした仕事をしていただきたいと思っています。その中で、特に私が学生さんに対して「この人と一緒に働きたい」とも思う人は、何かに打ち込んできた人です。何かに一生懸命になってきた人は自分のベースがあり、打ち込んできたことに対して自分の意見を持っていると思うからです。あと、他人を思いやれる人ですね。会社はチームワークが大切になるので。「何かに打ち込んできた人」「他人を思いやれる人」こういう人と働きたいです。 ■学生のうちにできることを楽しむ 社会人になると自由な時間が少なくなるので、学生の時代にしかできないことをどんどんやっていってほしいです。たとえ失敗してもいいと思うんです。挑戦したことに価値があり、今後に活きてくるはずなので。学生の時にしかできないことにどんどんチャレンジしていって下さい。 学生新聞2023年7月28日 日本大学4年 和田真帆

学生新聞インターン

株式会社リソー教育  代表取締役社長 天坊真彦

子どもたちの未来を考えるからこそできる教育 株式会社リソー教育  代表取締役社長 天坊真彦(てんぼうまさひこ) ■プロフィール 1990年東京大学文学部を卒業。塾での講師経験を経た後、1995年株式会社日本教育公社(現株式会社リソー教育)に入社。2014年取締役に就任、2015年に社長、2019年に副会長を経て、2022年より代表取締役社長へ再度就任、現在に至る。「すべては子どもたちの未来のために」を企業理念とし、完全一対一の本物の個別指導を難関校進学に至るまで提供するとともに、「勉強プラスワン」という考え方でスポーツ・芸術・文化支援活動を始めとする社会貢献活動にも積極的に取り組んでいる。 完全一対一の進学個別指導塾「TOMAS」をはじめ、教育を中心とした幅広い事業を展開するリソー教育グループ。子供の教育に携わる同社は、どのような思いで生徒と向き合い、事業を展開しているのか。株式会社リソー教育の代表取締役社長である天坊真彦氏にお話を伺った。 大学時代は友人たちと演劇に熱中しており、演劇の稽古の合間にアルバイト(塾講師)へ行くというような日々を過ごしていました。大学卒業後も演劇を続けようと思い、当時行っていた塾講師のアルバイトを続けていたのですが、30歳で、ちょうど子どもも産まれるタイミングで「このままではいけない」と思い、環境を変えることを決心しました。「自分に向いていることは何か」、過去の自分を振り返ったところ、やはり先生として「生徒にわかりやすく教えることが好き」ということを再認識しました。そんな時、当社の求人広告を見つけ、個別指導ということに魅力を感じて入社を決めました。何も知らず、生徒に直接指導ができるものだと思って入社したのですが、業務は保護者対応や講師のフォローなど、教室運営が中心でした。それでも、生徒たちが成長していく様子を目の前で見ることができるので、やりがい満載でした。ただ、在籍年数が長くなり経験を重ねるにつれて責任も増してきて、指導対象が生徒ではなく社員や講師になっていったことで、これは本当に自分がやりたかったことなのかと悩んだこともありました。そんなときは、生徒の笑顔を思い出し、生徒のためになると信じることで乗り越えていくことができました。これらの思いや経験が自分の成長に繋がったと思っています。 ■子どもたちの未来を第一に リソー教育グループでは、「すべては子どもたちの未来のために」という企業理念を掲げ、教育を中心とした事業を幅広く展開しています。「TOMAS」では進学個別指導塾のオンリーワンポジションとして中核を担い、生徒一人ひとりに合わせた進学個別指導で高い合格実績を出しています。「名門会」では、プロ社会人講師が生徒を指導することで、通常の指導では目の行き届かないところまで教育しています。また、「伸芽会」では小学校受験を控える、就学前の子どもの受験をサポートする体制を整えることで、リソー教育グループとして就学前から大学受験まで一貫した支援を行っています。ほかにも「スクールTOMAS」では、学校内に個別指導塾を導⼊し、⽣徒⼀⼈ひとりに合わせた一対一の個別指導を提供しており、「プラスワン教育」では、子どもたちが社会を生きる上でより必要とされる行動力・判断力・挑戦心・協調性などを身につけられるよう、様々な体験授業などを展開しています。 ■「一対一」が教育の本質 教育の基本かつ理想は「一対一」だと考えています。「一対多数」の形式は、教える側の都合でしかありません。それだと生徒それぞれに合わせて指導することはもちろんできず、生徒の理解にもばらつきが出てしまうため、本当の意味での教育になりません。だからこそ、当社では、生徒一人ひとりに向き合って教えることを大切にしています。コロナ禍においても「TOMAS」の良さである「一対一」の指導をすべく、できる限りの感染対策をしっかりとすることで、早い段階から対面授業を再開しました。そんな教育現場も近年ではAIやICTなどが取り入れられており、大きく変化していると言われています。しかしながら、教育の本質は変化するものではありません。「誰かが誰かに教えることで、できるようになっていくもの」であり、「一対一」かつ対面で指導することが教育の本質だと考えています。この「誰かが教え、誰かが学ぶ」という今後も変わらないシステムの中で、子どもが学習して成長していく環境を提供し続けていくことが大切です。当社ではそんな場所を守るべく、これからも取り組んでいきます。また、成長を見守る講師に関しては、生徒のことを第一に考え、相手の立場になれるような人を採用しています。生徒の将来を左右する可能性がある仕事なので、大きなやりがいを感じることができる一方で、大きな責任も伴います。生徒の将来のためにも、学ぶことを楽しいと感じてもらうため、生徒に合わせた講師が必要になります。生徒は十人十色で、それぞれ相性や価値観は違います。だからこそ、生徒に合わせた教育を行うべく、多種多様な講師が在籍しており、生徒の成長をサポートしています。 ■子どもを第一に考えるからこそできる事業 現在、新規事業として不動産会社であるヒューリック株式会社とコナミスポーツ株式会社と連携し、「こどもでぱーと」の開設準備を進めています。「こどもでぱーと」は子どもに関するすべてがこの1か所で完結できる場所です。本事業は、「子どもの一生を支えたい」という思いを持つ企業同士が集まってスタートしました。ほかにも、共働きのご家庭の「習い事に通わせる時間はないものの、様々な経験をさせてあげたい」というニーズにより、コナミスポーツ株式会社と「伸芽会」でタッグを組み、文武両道型の学童保育もスタートしました。このように教育に重きを置きながらも、子どもたちの個性やご家庭のニーズなどを踏まえて事業展開できるのが、リソー教育グループの強みの1つです。 ■大学生へのメッセージ 学生時代はやりたいことができる時間がたくさんあります。今になってそれを痛切に感じます。可能性は無限大だからこそ、何事にも恐れず躊躇せず、勇気を持ってチャレンジしてほしいです。失敗してもいい。失敗からこそ学ぶことができます。一気に何かを変えるのではなく、一歩ずつで構いません。学生時代の貴重な時間を大事に突き進んでいってください。 学生新聞オンライン2023年8月3日取材 國學院大學3年 島田大輝

学生新聞インターン

ヤマハ株式会社 代表執行役社長 中田卓也

世界中の人々のこころ豊かなくらしを実現する ヤマハ株式会社 代表執行役社長 中田卓也 (なかたたくや) ■プロフィール1958(昭和33)年、岐阜県生まれ。慶応大学法学部卒業後、1981年に日本楽器製造株式会社(現 ヤマハ株式会社)入社。PA・DMI事業部長、取締役執行役員、アメリカ現地法人社長などを経て、2013年に代表取締役社長に就任。2017年から取締役代表執行役社長。 楽器といえば、ヤマハと言われるほど世界中の音楽プレイヤーから愛されているヤマハ株式会社。そんなヤマハを入社当初から支えてこられた代表執行役社長の中田卓也氏に、ヤマハの魅力やお客様に対する想いなどを伺った。 学生時代は、音楽に夢中でしたね。高校ではバンド。大学生になってからは、シンセサイザーを使って音楽を自分で作っていました。バンドを続けても良かったのですが、冨田勲さんの演奏に大きな衝撃を受けまして。自分も音楽を作ってみたいと思ったことが、シンセサイザーを始めたきっかけでした。  幼少期から物作りが好きだったのでメーカーに就職しようと思い、就活を進めていました。自分の好きなことを仕事にしたいというよりは、自分が興味のあることに関係した仕事の方が人生が面白くなるのではないかと思い、数ある企業の中からヤマハを選んだことを今でも覚えています。音楽が好きでヤマハに入社しましたが、20代の私はコンピューターやクレジットカードなどの新規事業に携わりました。新しいことにチャレンジすると、その分野の第一人者になることができます。大変なこともありましたが、新規事業に携われてよかったと感じています。 アメリカで販売会社の社長をする機会もありました。日本でもアメリカでも仕事は本質的に同じなのですが、現地の人々の文化やバックグラウンドが自分たちと異なるので、少し苦戦したことを覚えています。また、現地に行って初めてわかることもあれば、理解したくても出来ないこともたくさんありました。だからこそ、大変に感じることも多かったのですが、今、社長として会社を経営する上で、アメリカでの経験は、業務に活きていると感じています。 ■ヤマハの技術で、時代を繋ぐ 当社は、技術力に富んだ会社だと思います。一般的な楽器メーカーは、一つの種類の楽器を専門的に作る専業メーカーが多いです。ですが、ヤマハは専業ではなく、色々な楽器を幅広く製造しています。創業当時のヤマハはオルガンを中心に作っていましたが、ピアノや管楽器、ギターとどんどん範囲を広げていきました。 また、当社は創業当時からサステナビリティを大切にする会社でもあり、現在は“サステナブルキーボード”というヤマハの技術や想いが沢山詰まった新しい楽器の試作などにも取り組んでいます。楽器にはさまざまな木材が使われています。木材という資源は、有限のものです。持続可能な形で木材を使うために私たちにできることを考える中で試作されたのがこのサステナブルキーボードです。これは、さまざまな楽器づくりで発生した未利用材を使用して試作しました。技術力を活かし、木材を無駄にせずに製品を生み出す。このようなことはとても価値のあるものだと考えています。 ■世界中の子どもたちに音楽・楽器の楽しさを 世界中のより多くの子どもたちに、楽器・音楽の楽しさを経験してもらうために、“スクールプロジェクト”という取り組みを行っています。この取り組みでは、新興国の学校・教育機関と提携し、キーボードやリコーダーなどの楽器を体験できる環境を整えています。私自身、インドネシアの学校に視察に行った際に、楽しんでいる子どもたちの様子や嬉しそうな表情の保護者の皆さんを見て、このプロジェクトの意義を強く感じました。2023年3月末時点で、既に7カ国で200万人超える子どもたちがこの機会に触れました。この取り組みで今すぐに収益が上がるわけではありませんが、10年後・20年後に繋がる取り組みですし、子どもたちの笑顔を見ることができるのがとても嬉しく励みになっていますね。 ■ありがたい仕事をするために必要な“志” ヤマハの事業は、仕事をすればするほど、人々の笑顔を増やすことができるというとてもありがたいものだと感じています。世界中の人々がこころ豊かなくらしをおくれるよう、今後も“音”や“音楽”を原点に培ってきた技術と感性をもとに、事業を展開していきたいです。私たちの事業は、人々の幸せに通じます。私はこれは本当に有難いことだと思っています。 また、このように価値のある仕事をする中で、ヤマハグループで働く仲間が大切にしている5つのキーワード(ヤマハウェイ)があります。それは、「志、誠実、自発、挑戦、執着」です。この5つの中でも、特に働く上で大切なのが、“志”というキーワードです。仕事をする中で、困難や壁に衝突することもあるでしょう。そういった時に、「働きたい、こうしたい」という強い想いを抱くほどに、その想いが原動力となって乗り越えることができると思うのです。だからこそ、こういった想いをヤマハグループで働く仲間は大切にしていますし、今後もそんな仲間たちと働いていきたいと思いますね。 ■学生へのメッセージ 自分自身の好奇心を大切にして、色々なものに興味を持って欲しいですね。そして、興味を持ったら即行動。必ずしも成功するとは限らないでしょう。ですが、「為せば成る、為さねば成らぬ何事も」という言葉があるように、行動しない限り成功することはないのです。また、挑戦してみることで自分に合うものに出会えるきっかけになるかもしれません。そして、前向きでいることも同じくらい大切です。苦しい時こそ、口角を上げてたくさんのことに挑戦していってほしいですね。 補足: ■試作中のサステナブルキーボードは期間限定でヤマハ銀座店に展示中企画展示『「楽器の木」展』 第2弾をヤマハ銀座店にて開催 「サステナブルキーボード」2種を展示https://www.yamaha.com/ja/news_release/2023/23053101/ ■スクールプロジェクトについてはこちらhttps://www.yamaha.com/ja/about/initiatives/school_project/ 学生新聞オンライン2023年8月24日取材 国際基督教大学1年 渡邊和花

学生新聞インターン

株式会社テレビ東京 「シナぷしゅ」統括プロデューサー 飯田佳奈子

赤ちゃんに寄り添い続け、社会のデザインを変えていく 株式会社テレビ東京 「シナぷしゅ」統括プロデューサー 飯田佳奈子(いいだかなこ) ■プロフィール 飯田佳奈子1988年生まれ、群馬県出身。東京大学文学部フランス文学科を卒業後、2011年テレビ東京に入社。2018年に第一子を出産し、2019年に職場復帰してすぐに「シナぷしゅ」の企画書を提出。以降、「シナぷしゅ」の制作面の総合演出だけでなく、ビジネス展開も含めたコンテンツ統括プロデューサーを務める。2022年第二子を出産。二児の母。 赤ちゃんが泣き止むと話題の民放初の赤ちゃん番組「シナぷしゅ」(毎週月曜~金曜 あさ7時30分~8時00分 テレビ東京系列6局ネット)。“幼児向け番組と言えばEテレ”の独壇場?だった現代に、「シナぷしゅ」はなぜ生まれたのか。生みの親である統括プロデューサーの飯田さんが、子育ての中で見直したテレビの在り方とは。番組に込めた想いや、仕事と育児の両立について考えを伺った。 学生時代は、アルバイトをとにかく沢山経験しました。家庭教師、ファミレスのウェイトレス、新幹線乗車前のお菓子販売員など、色々取り組む中で自分の特性を知ることができました。例えば、新幹線乗車前は急いでいる方が多いので「提供の速さ」が求められます。ファミレスは毎日来ている方もいるので「居心地の良さ」が求められます。お客様によって異なるアプローチを通し、自分に合った働き方やコミュニケーションの取り方を知ることができました。 就職活動は、ESや面接で会社から選ばれる仕組みに疑問をもっていました。自分が働く場所は自分で選びたいのに、なぜ人に決められるのだろうと。「ここなら働いてやってもいいぞ!」と、今思えばかなり上から目線で活動していましたね(笑)。大学院進学も視野に入れて3社だけ受けて、内定をいただいたテレビ東京に入社しました。 ■赤ちゃん向け動画コンテンツに新たな選択肢を 「シナぷしゅ」を思いついたのは一人目の子どもの産休・育休中です。子育てを始めて、自分自身赤ちゃんに対してなぜか「テレビを遠ざける傾向」があることに気がつきました。私だけでなく周りの母親もテレビは子どもの発達に悪いというイメージをなんとなく抱いている。地域の子育て支援センターでは母親たちが眉をひそめながら、「昨日、子どもに1時間もテレビ見せちゃった・・・」と後ろめたそうに話していました。 そこで初めて、自分の仕事に疑問を抱いたのです。子育て世代においてテレビは”害悪”なのだろうかと。しかし、共働き世帯が多く祖父母の支えも少ない現代の子育てに、動画コンテンツは欠かせません。母親はとても孤独で、一日の中で動画頼みの時間が多くあります。加えて、妙に感じたのは「Eテレ一強」の状態です。大人向けのコンテンツはたくさんの選択肢があるのに、乳幼児向けは民放各局のタイムテーブルになく、Eテレしか選択肢がない状態が長く続いていました。”赤ちゃん”と一括りに言っても色んな個性があるのだから、選択肢が一つしかないのはとても不自由です。 また一方で、YouTubeではEテレやアンパンマンを模倣した手作りの動画が何十万回も再生されていました。親心としては、どうせ見せるなら、模倣の動画でなく良質なコンテンツを見せたいはず。赤ちゃん向けの番組をつくり、選択肢を増やして、公式に配信もしよう。この想いから、育休復帰後すぐに「シナぷしゅ」の企画を提出、番組制作を始めました。 Eテレが変わらない伝統的スタイルであれば、「シナぷしゅ」は“変わり続けるアップデートスタイル”です。「シナぷしゅ」は去年と今年でも全く違います。1回の放送でに約1~2分のショートコンテンツが10コーナーあるため、トライ&エラーの精神で新しいコンテンツにどんどんチャレンジしています。 ■赤ちゃんが自由で生きやすい社会へ 番組制作にあたり大事にしていることは、「赤ちゃんへの感覚的アプローチ」です。コンテンツが難しくならぬよう、低月齢の子が五感で咀嚼できる表現を心掛けています。例えば、3か月の子は寝転がって見るので、縦の動画を横から見ます。新コーナーを作る時は横からの見え方も気にします。また、キャラクターの「ぷしゅぷしゅ」には、“自由に生きてほしい“という願いが込められています。一般的に、赤ちゃん向けのキャラクターは原色が多く目が大きめです。そこで我々は、赤ちゃんの頭の中の真っさらな状態に近い“自由な存在”を表現しました。白黒の「ぷしゅぷしゅ」を好きな色に塗っていいよと、色や模様は見る側の赤ちゃんに委ねています。自由自在に姿形を変えられるとは、いわば“枠にはまらない“こと。ここから先の時代を生きていく子どもたちに自由にクリエイティブに生きてほしいですね。大きな野望としては、「シナぷしゅ」で社会のデザインをじわじわと変えていきたいと考えています。先日は一歩踏み込み、映画を公開しました。今時の赤ちゃんは映画も見るのか、と普段子どもと接点がない方の頭に”赤ちゃん“というワードがチラッと浮かぶ。これだけでも社会がじわじわと変わっていく一歩になります。赤ちゃんがより生きやすく、今後の日本に希望が持てる社会づくりに「シナぷしゅ」が役に立てばいいなと思います。 ■自分の人生は自分でデザイン 今は毎日記憶がないくらい必死で働いています。(笑) 男女平等を目指していても、女性がキャリアを描くことはとても難しいです。たとえ、旦那さんが協力的でもなかなか5対5にはなり得ません。 ただ、私はもはや仕事と育児において「両立」という言葉自体が苦しいと思っています。両立という単語は、両方ちゃんと立てている状態を意味しますが、その日によってどちらかがバタンと倒れることもあります。私も、2人目の子どもを出産した時、自分が手掛けたシナぷしゅ映画の制作中でした。子どもを育てたい気持ちはもちろんありましたが、自分が手掛けた仕事から離脱したくない気持ちが勝りました。最終的に、必要不可欠な産休をいただいて、育休0日で仕事に復帰。とにかく大変でしたが、自分がやりたいことは追求できました。これが正解かどうかはわかりませんが、自分らしい働き方を模索することはできたと自負しています。仕事は楽しく、子どもがいることも幸せです。これからも、自分の人生の歩み方は自分でデザインしていきたいですね。 学生新聞オンライン2023年8月23日取材 専修大学 4年 竹村結 赤ちゃんとかつて赤ちゃんだったみんなへ。「シナぷしゅ」がおくる、 0 歳から楽しめるはじめての体験。「シナぷしゅ THE MOVIE ぷしゅほっぺにゅうワールド」DVD 2023年9月27日(水)発売! 商品名:シナぷしゅ THE MOVIE ぷしゅほっぺにゅうワールド価格:税込み2,750円(税別2,500円)収録時間:本編約50分+特典映像特典映像:さつえいのうらがわ、「エンドロールぷしゅ」フルアニメーション、予告編集商品サイト:https://columbia.jp/synapusyu/発売元:『シナぷしゅ THE MOVIE ぷしゅほっぺにゅうワールド』製作委員会販売元:日本コロムビア株式会社 ©SPMOVIE2023

大学理事長・大使館

iU 学長 中村伊知哉

大学を創りあげるのは生徒自身! 世界一面白い大学を生徒と一緒に創りあげる iU 学長 中村伊知哉(なかむら いちや) ■プロフィール京都大学特任教授、東京大学研究員、慶應義塾大学特別招聘教授、デジタル政策財団理事長、CiP協議会理事長、国際公共経済学会会長、日本eスポーツ連合特別顧問、大阪・関西万博2025 事業化支援PTプロジェクトリーダー、理化学研究所コーディネーターなどを兼務。1984年、ロックバンド「少年ナイフ」のディレクターを経て郵政省入省。MITメディアラボ客員教授、スタンフォード日本センター研究所長、慶應義塾大学教授を経て、2020年4月よりiU学長。内閣官房、内閣府、総務省、文部科学省、経済産業省などの参与・委員を歴任。著書に『新版 超ヒマ社会をつくるーアフターコロナはネコの時代―』(ヨシモトブックス)、『コンテンツと国家戦略』(角川EPUB選書)など多数。1961年生まれ。京都大学経済学部卒、大阪大学博士課程単位取得退学。博士(政策・メディア)。 「全員起業、全員インターン」をビジョンに掲げる情報経営イノベーション専門職大学(以下iU)。世界で初めて「イノベーション」を大学名に入れ、今後の未来を担う若者たちの輩出を目指している。変化が激しい現代に新しい大学を立ち上げた背景やその想いについて、学長である中村伊知哉氏にお話を伺った。 学生時代は勉強よりもバンド活動に熱中していました。周りがどんどんプロになっていく一方、「バンドで食べていけるのか」と自分の将来が不安になり、就職活動をすることを決心したんです。就職活動では、「自分と同じように、何かに熱中している人たちのサポートをしたい」という想いを軸にしていました。そして、国の様々な制度を取り扱っていた郵政省(現、総務省)に入省しました。郵政省では、法律を作ったり予算のプロジェクトを手掛けたりするほか、2001年には総務庁、郵政省、自治省を統合した新たな役所である、総務省の立ち上げなどに従事しました。15年間郵政省で働き、一区切りがついたタイミングで、アメリカに渡りました。アメリカでは、大学と協働して行う「子供とメディアの研究所を創るプロジェクト」や、「ポップカルチャーのプロジェクト」などに取り組みました。海外では、このように企業と大学生が一緒にプロジェクトを進めることがよくあります。しかし、当時の日本ではこのような取り組みはほとんどありませんでした。そこで、「日本でも企業と大学が新しいものを創りあげることのできる大学を作りたい」という想いが芽生え、iUの創設に至りました。 ■教育の手段として掲げているのが「起業」 iUは、ビジネスシーンで活躍できる人を育てる学校で、全員が起業することを掲げているため、就職率0%が学校の目標です。しかし、「全員起業」といいつつも、あくまで起業は1つの教育の手段であると私は考えています。起業は「自分で学び、必要な知識を習得する力」を身につけることができる方法のひとつです。そんな自発的に動く力を学生には育んでもらえるように学校創りに取り組んでいます。そのため、本学では多数の客員教授や連携企業、インターンシップを導入し、いろいろなバックグラウンドを持つ大人と触れ合う機会を設けて学生たちの刺激になるように働きかけています。また、30人いる専任の教員は大学出身者が少ないこともあり、柔軟な発想に富んでいることも特徴です。教員一同で生徒が楽しめるようなユニークなカリキュラムを作成し、生徒が学びを楽しめる場所にできるように試行錯誤しています。このような環境を提供することで、自分のやりたいことを考えて行動できるような、社会で活躍する人材を育てられるのだと思います。今後は、学生のやりたいことの実現のため、我々の学校創りについて関心のある学校や教授を増やし、繋がっていくことで大きなコミュニティを形成していきたいです。実は、iUでは「起業」のほかにも意識していることがあります。それが「壊して創ること」です。これからは従来のルールなどが通用しない変化の時代になっていくのではと思っています。そんな時代を生き残れるのは、変化することを楽しめる人たちではないでしょうか。実際、学生たちに「コロナはピンチか、チャンスか」と問うと、みんなが即答で口を揃えて「チャンス」と答えます。社会が逆境なときこそ、従来の考え方を壊し、新たな考え方で、新しい概念やルールなどを生み出すことが社会の希望になると思うんです。コロナをチャンスと捉えられるような逆境で上を向くことのできる学生たちが、今後の社会に様々な影響を与え、社会の希望になってくれるだろうと今から楽しみですね。 ■世界一面白い大学を創りあげる 私の目標は「iUが世界一面白い大学」と呼ばれることです。面白い大学にすることで、多くの学生の夢を後押しすることが出来ると思うからです。そのように呼んでいただけるように、現在は様々な取り組みやカリキュラムを作成しています。しかし、大学の評価は、卒業生が社会に出て活躍をして、初めて得られるものです。そのため、本学が評価されるにはまだ時間がかかると思います。ただ、大切なのは周りの評価ではなく、学生たちの評価です。学生たちに「学ぶことは楽しい」「iUに入ってよかった」と思ってもらえるように、初めて大学でテレビ局を作ったり、世界中の学生と繋がれるような国際的なメディアを作ったりと、画期的かつ学生のしたいことを実現できるような大学にしていきたいです。そうしていくことで、自然と大学としての評価はついてくると思います。ビジネスではできないけれど、大学ならできることは社会にはたくさんあります。だからこそ、学生たちにはたくさんチャレンジして欲しいです。そして、今後はいろんな人たちとお互いの考えや妄想をぶつけ合って欲しいです。本学は、そこで生まれたアイディアを実現できる場を提供し、ビジネスの垣根を超えた「社会と大学の架け橋」にしていきたいです。 ■大学生へのメッセージ 「大学生のときにしかできないことは何か」を真剣に考えてほしいです。そして、社会人になってからではできないことに今のうちに挑戦してください。大学生のときに考え、行動に起こすなど、様々な経験をした人は学ぶことの重要性をいち早く知ることが出来るとともに、経験という宝を得ることができます。そういう人は社会で大いに活躍できるはずです。今後の社会で活躍できる力を身につけるためにも、「学ぶ意識」を常に持ち続けてください。 学生新聞オンライン2023年8月9日取材 國學院大學3年 島田大輝

学生新聞インターン

株式会社Mizkan 代表取締役社長 吉永智征

変わりゆく社会に、日々進化して適応し続ける 株式会社Mizkan 代表取締役社長 吉永智征(よしなが ともゆき) ■プロフィール1969年12月、千葉県出身。早稲田大学社会科学部卒。1993年3月、株式会社Mizkanの前身である株式会社中埜酢店に入社。営業、マーケティング、総務部門などを経験後、株式会社Mizkan Partners総務部長、株式会社MizkanHoldings専務執行役員 日本・アジア事業COOなどを歴任。2017年10月より現職である株式会社Mizkan 代表取締役社長 兼 CEO。 味ぽんや鍋つゆなどの商品をはじめ、長年多くの家庭に愛されて、食卓を支えてきたミツカン。創業以来、魅力的な商品を生み出し続けている秘訣はどのようなところに隠されているのか。商品に込められた工夫や思いについて、吉永社長に伺った。  学生時代は、勉強というよりも社会勉強に明け暮れていましたね。競馬が好きだったので、フリーライターとしてスポーツ新聞の記事を書く仕事などをしていました。学生時代から今に至るまで、「日々を楽しく生きよう」という思いは変わっていないです。当時から、上に上がりたいという気持ちは全くありませんでした。卒業後は、会社という大きな場所の中で商品作りや物作りに好きなだけ取り組みたいという思いで、身近な商品で安定した需要と市場を持つ食品業界に飛び込みました。 ■前向きな気持ちでつかんだ成功 入社当初から新規事業を次々と担当しました。誰も取り組んだことのない事業で結果を出すのはとても難しく、大変なこともたくさんありました。取引先に相手にされなかったり、商品化が上手くいかなかったりする中、納豆事業のマーケティング担当として、赤字だった事業の黒字化に成功しました。勝負事が好きだったので、挑戦やミッションは、ゲーム感覚で楽しかったですね(笑)。忙しかったですが、お客様の潜在的なニーズに気づけることや、考えたことが結果に繋がる瞬間を実感することが出来てとてもやりがいがありました。その時の成功が、今の役職にも繋がっています。 前例がないことに対して結果を出せた秘訣は、物怖じしないことだと思います。経験豊富な人に対して真っ向勝負を仕掛けても勝てません。逆に未熟さも含めてオープンにして、周りの人に面白いな、と思ってもらうことで心の距離をつめることを心がけていました。今でも大切にしていることは、常に前向きであることです。組織は明るい方が、成果に繋がると考えているので、前向きな気持ちは忘れないようにしています。常に将来を見据えて行動することも大切にしています。物事に取り組むときに、何のためにしているのかという目標意識を常に持ち、ゴールを設定することで、やるべきことを可視化して取り組むことが出来ます。 ■200年続くミツカンの底力 ミツカンの強みは、発酵に関する技術とこだわり抜かれた味作りです。販売当初、水炊き用に発売された味ぽんは、春夏の需要が伸びず苦労しました。そこで、一年を通してお客さまに愛用してもらえるように、春夏用のメニュー提案を続け、通年化に成功しました。使うメニューの変化に合わせて味も変えていきました。ただ、一気に味を変えるのではなく、徐々に変化させ、お客さんが違和感を持たないように何回かにわけて、少しずつ時間をかけて改良し続けました。その長きにわたる努力の上に、今の商品は成り立っています。変わりゆく時代の中で、よりよいものを作れるように、今も技術を磨き続けています。発酵事業は原料を仕入れて売上になるまでの期間が長く、設備投資もかかるので参入障壁が高いことが特徴です。ミツカンは利益が出ていない事業であっても、自社の強みが活かせる領域であれば、すぐにやめることはしません。苦しい時期があっても、長期的な判断で残すようにしています。それを残す判断も、企業としての体力がないとできないことだと思うので、そこはミツカンの強みだと思っています。今後の社会状況の中で日々経営を変えていくことが、企業としての継続性を高めます。一見効率が悪いように見える事業であってもあえて残すことが、苦しい時の助け船になることもあるのです。また、北米や欧米など、海外にも事業を展開しています。グローバル化に踏み切ったきっかけは、200年以上続いているミツカンを今後50年、そして100年存続させるためには日本だけではなく、世界でビジネスを展開することが必要だと考えたことです。市場を広げることで、為替市場の動向に関わらず利益を生み出すことが出来る強みがあります。 ■「食は文化」という考え方 私たちの商品は、食の「原体験」をとても大切にしています。「家庭でも水炊きが食べられる社会にしたい」という思いから生まれた味ぽんは、今年で55年の歴史を持ちます。55年愛され続けると言うことは、3世代をつなぐ商品になっていると言うことです。子どもの頃の思い出というのは、大人になっても覚えているものですよね。商品を通して、世代間でのコミュニケーションが生まれ、今後も愛され続けることで、子どもの頃の楽しい思い出を次の世代に引き継いで欲しいです。今後は、健康を意識したマーケットに目を向けていきたいと考えています。現在、健康に関する食品は比較的高い価格で販売されています。ミツカンブランドとしては、買いやすい価格で、無理せず健康になれる商品の提供を行っていきたいと考えています。健康寿命を延ばすだけではなく、食を通した楽しさを感じるものにこだわっていきます。食は、コミュニケーションを生みだすきっかけになります。これからも、この価値観を軸にした商品を開発していきます。 ■大学生へのメッセージ 新しいことに積極的に挑戦してください。大学生は、たくさん社会と関わる時間と、経験できる機会があります。大人になっても、前向きさと素直さを忘れないこと、そして失敗を恐れないことを大切にすれば、きっと成功します。経験を通して自分のネットワークを増やしたり、やりたいことを探したりして、世界を広げて欲しいです。 学生新聞オンライン2023年7月6日取材 立教大学3年 緒方成菜

大野詩織

株式会社セクションエイト 専務取締役 太田光則

クリエイティブによって“出会い”の質と量を向上させる 株式会社セクションエイト 専務取締役 太田光則(おおたみつのり) ■プロフィール1975年3月生まれ、千葉県千葉市出身。大学卒業後、1997年:専門商社に入社。2002年:株式会社レインズインターナショナル(牛角・温野菜等運営)に入社。同社で店長やマネージャー・部長と経験を積み「かまどか」の業態長を経て、2011年3月:株式会社セクションエイトに入社。2014年6月に同社取締役就任、2016年6月に同社専務締役就任。 「相席屋」をはじめとした出会いの場を提供している株式会社セクションエイト。“出会い”を元に多くのユニークな取り組みを行っているのも業態にこだわらず挑戦的であるからこそ。同社の太田光則専務のキャリアとともに会社の強みや経営戦略などについて伺った。 大学の時はアルバイトで飲食店と公園の管理、販売業など3つくらい掛け持ちしていて、アルバイト中心の学校生活でした。仕送りなしの奨学金のみでやりくりしていたので稼がなきゃという気持ちもありましたね。アルバイトではリーダーを任せてもらい、シフトを組んだり、食材の発注をしたりといろいろな仕事をしましたが、この経験が今に生きている部分もあると思います。大学4年生の時に就活を終えて、内定者研修も受けていたのですが、留年をすることに。卒業がずれたことを契機にもう1度就職活動をして、地元千葉の測量機やコピー機を売る代理店の営業職として就職し、5年ほど勤めました。今までのアルバイトではチームの活動が多かったのですが、営業は個人競技がメイン。あまり達成感を感じられなかったため、転職を決意しました。そのとき、学生時代の経験を思い出し、「飲食店が面白かったな」という理由から、牛角や温野菜やかまどかの会社である株式会社レインズインターナショナルに一般社員として入社しました。店長やマネージャーや部長などを経て、本部長の地位にまでたどり着くことができました。その後、会社がファンドにバイアウトされて方向性が変わったタイミングで、株式会社セクションエイトへ紹介という形で入社しました。当時は「居酒屋はなこ」のブランド力が強すぎて業績は良いけれど、運営力が追いついていないという状態だったので、マネージャーの教育や会社のガバナンスを作るなど、段階を踏んで立て直しに力を入れました。その後、色々な業態を作り上げてきて現在に至ります。ここまで来れたのも仕事が好きだからなのではないかと思います。出世はサラリーマンのダイナミズムだと思いますが、私は「趣味が仕事」という想いで働いていました。仕事の質も大事ですが、量をこなさないと生産性や効率などの質が上がらないと思っています。 ■出会いをピラミッドとして捉える 弊社のメイン業態は3つで、自由なスタイルで楽しめる「The Public stand」、従業員がマッチングをしてくれて、合わなければ席替えができるというシステムがある「相席屋」、アプリ等も連携し、真剣交際を行いたい方向けの一対一の会員制相席屋である「THE SINGLE」などがあります。「THE SINGLE」の強みは、最近はマッチングアプリでの出会いがあるかと思いますが、いろんな人と出会えるからこそ誰がいいのか分からなくなったり、連絡を取ってから会うまでにすごく時間がかかり、疲れてしまうことが多いです。私たちのサービスでは、お店に来ると自動的に出会えて、1回でだいたい4、5人と相席ができるところが強みだと思います。しかも「THE SINGLE」のアプリでは、相席をした後にお互いに点数をつけて評価をする点が、普通のマッチングアプリとは違う点です。点数が低い方には入店をお断りしております。 ■敷居を低くして出会いの数を増やす 他社の店舗との違いは、銀だこさんやゴーゴーカレーさん・焼肉ライクさんなどとコラボをするなどして、お客様がイベント感覚で来られるようにと敷居を低くすることを心がけています。また、客層が幅広いところも特徴かもしれません。マッチングアプリや結婚相談所との違いは、出会いの多さです。私たちは「出会いの数を多くすれば必ずいい出会いがあるのではないか」という考え方で、出会いのクオリティはもちろんの事、出会いの量にもこだわっているところが圧倒的に他社さんとの違いかと思います。 弊社はヒット業態を当てているイメージがあるかもしれませんが、過去38個のブランドをスクラップ&ビルドしてきました。最近ではカラオケで100点を取れたら店舗で使える10万円分の商品券をプレゼントするKARAOKE HUNDREDや、水煙草のシーシャを扱うTHE SHISHA HOUSEなどが新規業態としてあります。常に何かに疑問を持って「これがいいのでは?」と新しい提案ができる、挑戦的でクリエイティブな人と一緒に働きたいですね。今後の目標は、人々の出会いの数を増やすこと。業態にはこだわっていないので、出会いを元に面白いことをどんどんやっていって、セクションエイトを大きくしていきたいです。 ■Message 学生時代はモータースポーツのF1の予選と似ているように感じます。F1は予選の順位で決勝のスタート順が変わるため、予選のタイムが遅い人は決勝で優勝するのは難しいと思います。その反面、予選でポールポジションを取れば決勝で優勝する確率が上がりますよね。同様に、今の学生時代は社会人になる前の準備期間、すなわちF1では予選であり、社会人になる時が決勝だと思ってみてください。そして勝負はもう始まっていると捉えて、一つ一つ真面目に取り組むことが大切だと思います。中途半端だと何も生まれないので、「これは絶対将来に繋がる」と確信を持って、何事も一生懸命にやってみるといいと思います。 学生新聞オンライン2023年8月1日取材 上智大学短期大学部2年 大野詩織

学生新聞インターン

学校法人ミスパリ学園 理事長 下村朱美

グローバルに活躍するビューティのプロフェッショナルを育てる 学校法人ミスパリ学園 理事長 下村朱美(しもむらあけみ) ■プロフィール 1957年鹿児島県出身。池坊短期大学卒。82年「やせる専門店 シェイプアップハウス(現:ミス・パリ)」86年「男のエステダンディハウス」をオープン。90年ミスパリインターナショナルスクールを開校。2008年学校法人ミスパリ学園を設立し、専門学校を開校。23年4月、日本で初の美と健康を学び人々のQOLの向上を目指す大学「ビューティ&ウェルネス専門職大学」を開学。大阪難波に資金600万円から始めたサロンは、全国に95店舗、美容室15店舗。上海店、台湾店と海外進出も果たす。業界では「教育のミス・パリ」と呼ばれるほどエステティシャンの養成に力をいれているミスパリ学園の下村朱美理事長。若干25歳の女性が、エステティックサロンを起業し、2023年4月には、日本初のビューティ&ウェルネス専門職大学を開学。美容と健康のプロフェッショナルを育成し続ける下村理事長に、これまでの経緯や現在の想いを伺った。 ■茶道や華道など、日本文化を学んだ大学時代  大学は京都にある池坊短期大学の家政科を卒業しました。短大は63単位取れば卒業できるのですが、77単位取得して卒業しました。学校では一般教養の他に格式高い日本文化を学び、茶道や華道は京都の一流の先生から学ぶ事ができました。当時は短大を卒業したら地元に帰ってお見合いをして結婚するというのが一般的でした。しかし、私は一人っ子でしたので、両親のためにも自立したいと考え、短大卒業後、文化学院、中央研修科と2年を経て、華道の看板をいただいた後、半年間カルフォルニア大学へ留学しました。いよいよ日本に帰国する時、飛行機の中で「これで私の学生生活は終わった。これからは、必死に働いて親やお国に恩返しをしよう」と覚悟を決めました。 ■理論に基づいたサロンを作りたいと、独立起業を決意 仕事をしようと思っても10月に帰国した私にどんな仕事があるのかも分からず、知り合いに、ある化粧品会社を紹介されました。その会社のビジネスモデルは、美容室にあるシャンプー台を使い美容師に美顔を教えて、お客様に提供できるサービスメニューを増やし、化粧品の販売などでお客様一人当たりの単価を上げるというものでした。私は美容材料屋さんの車に同乗し、美容室を回り、講習会への案内や、講習会が始まると、美容室を周り、営業終了後の研修を受け持っていました。23歳の頃でしたが美容室の先生から「お客様に対して美容カウンセリングをしてほしい」といわれ、美容室で美容相談会を開催し、お客様の美容に関する悩みを解決・相談する仕事も始めるようになりました。すると美容室の化粧品売り上げが向上し、お客様からの感謝の声も多くなりました。そんな時期、エステティックサロンだともっと専門的な指導ができているのかと思い、私自身がサロンの客として通う事にしました。しかし、サロンでは体や肌の構造も学んでいない人達が汗をかきながら技術をしている状況でした。 そのとき、私が痛感したのは、お客様はご自身の悩みに対して、適切な知識を求めているのだということ。お客様に向けて、その商品や技術がどのようにお客様の体や肌に作用するのかを知らせるためには、技術者たちがもっと体や肌や商品のことをきちんと勉強して、その知識をお客様に伝えることが大事だと感じました。当時のエステティック業界では、その知識が足りないと感じ、「ならば自分が理論に基づいた技術を提供できるサロンを作ろう!」と思いました。そこで、貯金600万円でサロンを開業したのです。 ■技術や知識だけでなく、礼儀や作法も忘れない 以前から、弊社は美容業界で「教育のミス・パリ」と言われてきました。実際に、弊社の新入社員は入社後850時間もの研修を受けます。これは元々エステティックサロンを立ち上げる時から決めていた「教育を受け資格を持ったエステティシャンを育成したい」という想いがあったからこそ。化粧品代理店時代、お客様は基礎医学や商品、美容法に関してきちんと知識を持ったエステティシャンを求めていると強く感じたからです。また、より質の高いサービスを提供するためには、お客様の期待を上回る知識や技術を常にアップデートする必要があります。そのためにも社内のエステティシャンの育成に力を入れ、現在はサロンスタッフの90%が認定エステティシャンの資格を持っています。しかし、技術や知識だけではなく、礼儀や作法なども大切にしています。最近、メンズ美容エステ3ブランド114店舗の口コミ分析レポートと言うものが、ネットに出ていたと友人から知らされました。口コミ評価平均でダンディハウスが★4.53と業界TOPの高評価。他ブランドと比較すると高価格設定であるが、サービスの質が価格の期待値を 超えているためお客様の満足度が高い。とありました。客層が素晴らしいと言うのが、ダンディハウスとミス・パリの特長でもありますが、私達は私達のサービスを好いてくださるお客様達を大切にしながら、20年も30年も通ってくださるお客様を作っています。 ■エステティックの最前線を学べるミスパリ学園 「教育を受け資格を持った人たちが働くサロンを作りたい」という思いは、サロン開業を決断した当時からありました。そこで、1990年には大阪の23坪ほどの狭い土地に、地下1階地上5階のビルを建て、エステティックスクールを開校しました。現在ではミス・パリエステティック専門学校が大阪と名古屋に、ミス・パリ・ビューティ専門学校が池袋と大宮にあり、毎年500人以上の卒業生を美容業界に輩出しています。卒業後の就職率は100%。ミス・パリ・グループにも25%程が入社して来ます。専門学校では即戦力人材の養成をしていますが、大学は演習や実習、研究を行いながら基礎医学、美学、一般教養、経営学等を学び、サロンマネジャーや商品・技術の開発者、教育者や指導者、コンサルタント等を養成していきます。 ■大学生へのメッセージ 「将来自分は何がしたいのか」をよく考えなければならないと思います。近年アメリカでは大学を出ただけの新卒学生を入社させない企業が増えてきています。そうした企業では、応募者の学歴や学習した内容などではなく、「何ができるのか」を面接時に聞くそうです。つまり、何もできない経験のない新卒社員は戦力にならないということ。以前の日本は終身雇用が主だったため、スキルがない新卒の学生が入社しても、長いスパンで人材育成を考え企業内で教育して来ました。大学受験にしても今の自分の学力で受かる大学を受験し、学部の選択も深く考えず、入れる偏差値の学部に入学する傾向にあったのではないでしょうか。しかし、現代の日本では、入社後4〜5年で転職することが普通になり、入社後の人材育成は企業にとって負担になりつつあります。つまり、日本も近年のアメリカのように、「今できること」に注目した採用へと変化しているのだと思います。そんな日本社会で大切なのは、自分が今後どのような生活をしたいのか、どのような仕事がしたいのかをよく考え、それに合わせて自分でスキルや経験を身につけることです。ぜひ学生のみなさんにも、いまから「何がしたいのか」をしっかり考えてもらえればと思います。 学生新聞オンライン2022年12月27日取材 立教大学4年 須藤覚斗

学生新聞インターン

株式会社まんだらけ 代表取締役社長 田中幹教

「好き」を持つ人たちに商品や楽しさを提供し続けていく 株式会社まんだらけ 代表取締役社長 田中幹教(たなかよしゆき) ■プロフィール 生年月日:1979年2月10日生まれ。出身地 :北海道 様似町(さまに ちょう)2001年3月まんだらけ入社、Web制作部長(取締役兼務)として社内PCのメンテナンス、店舗ネット環境のインフラ整備、POSシステムやネット通販システムの開発など、まんだらけの根幹に関わる業務を推進している。2020年12月副社長就任を経て、2023年3月に現職に就任。 漫画やアニメ・特撮のグッズから懐かしの看板まで幅広く誰かの「好き」を提供する株式会社まんだらけ。近年、アニメや漫画などのカルチャーが世界的に人気を集める中、代表取締役社長である田中幹教様に まんだらけ独自のサービスや考え方についてお話をお伺いした。 ■インターネットに魅せられた学生生活 大学生のときに幾つかアルバイトをしており、その一つが古本屋でした。当時はインターネットが普及し始めたばかりで、ホームページを1つ作るのにも苦労した時代でした。その古本屋でカタログをページに乗っけて電話で注文を受けるといった「通信販売」の仕事を経験しました。他にも大学内のアルバイトでPC設備の管理やSE業務も行っていましたね。この2つのアルバイトが、人生に大きく影響したかなと感じていますね。また、個人でパソコンを自作したり、ホームページを作成した事もあり、パソコン周りは強かったですね。大学で単位が危なかったときもありましたが、教授のPCをメンテナンスしたりしてうまく単位を取っていました。 ■就職氷河期にたどり着いた先が「まんだらけ」だった 当時は就職氷河期と呼ばれた時代で、新卒学生には厳しい時代でした……。自分も何回も採用面接に落ちましたね。最終的に大学生活で培ったパソコンのスキルを生かして何社かに逆オファーを出す形で就活して、そこで出会ったのがまんだらけでした。当時のまんだらけは創業約10年の会社で、会社としての体制が整っていない状態でした。面接を受けてから二ヶ月経ったとき、急に「採用だから明後日から来てくれ」と言われ、「なんてファンキーな会社なんだ!」と感じました(笑) ■ホームページづくりから経営まで幅広くサポート 入社後はweb制作部に配属されてホームページの制作からスタートしました。ホームページを作ると言っても一人では作ることができません。コンテンツを作る人、商品に詳しい人など色んな人と関わって制作していました。その後、社内でインターネットの導入が必要になり、たまたま自分が詳しかったことから、社内のパソコンメンテナンスや他の社員のPCでの作業を手伝ったり、店舗のネット環境のインフラ整備もやったりするようになりました。そこで信頼されて、店舗の運営や会社の経営の部分の相談を受けるようになっていきましたね。色んなところで仕事をさせていただけたこと、そこで信頼をしてもらえたことが、今の立場に繋がったのではないでしょうか。 ■国内や海外のお客様のためにアップデートをし続ける まんだらけでは早くからオンライン販売を行っていましたが、現在は大きく改良しています。たとえば、前は、在庫数の把握や受注数の把握がされていない状態でしたが、在庫管理の基幹システムを改良し、常に在庫数が表示されて、在庫切れで販売できない状態を解消しました。他にはECサイトの英語や中国語といった多言語展開をすすめました。現在のまんだらけの売上のうち、約50%は海外での売上となっています。以前は海外販売を考えていませんでしたが、様々な国の人から「ぜひ売ってほしい」と声がかかり海外での販売もスタートしました。そのため色んな国の人が商品を手に入れられるように多言語対応には力を入れています。また商品を届けるための「輸送」の部分にも注力しています。配送業者とのデータ連携はもちろんのこと、商品が多くなっても従業員の負担にならないように自動化できる部分は自動化して効率を上げています。海外の輸送では世界情勢に左右されるので毎月システムはアップデートを続けています。 ■買えなくても魅力がある大オークション まんだらけ独自の事業として「大オークション」というネットオークションを展開しています。YouTubeもない時代にストリーミング配信をしながらスタートしました。大オークションでは生配信をしながら商品を紹介し、興味のある方に落札してもらう形式になります。ネット上だと手を上げる必要がないので、匿名性を保ちつつ落札できるのが売りです。それに加えて毎月発行しているオークションの「カタログ誌」が強みです。「カタログ誌」は商品が記載されている冊子なのですが、毎月テーマや商品によって特集を組んでいます。もしオークションで商品を買えなかったとしても、「こういう商品があったんだ!」という歴史資料としてカタログに価値が生まれるので、楽しさが生まれます。 ■新しいものだけでなく、古くて懐かしいものまで まんだらけでは、新しいものだけではなく、古くて懐かしいものも商品として取り扱っていますね。具体的にはブリキのおもちゃや昔のカルピスの看板といったものです。そのような商品はご年配の方々が生前整理として売りに来る場合があります。それを価値が分かる人へ繋げていく事も、まんだらけとしてのひとつの事業と考えています。 ■相場の中で一番高く買い取って信頼を得る まんだらけではコレクションを売る方に満足してもらうため「相場の中で一番高く買い取る」ことを心がけています。売る方の中にはコレクションの価値がわかる人に届いてほしいという思いがある人がいます。そこで相場の中で一番高く買い取ることで「価値」がわかる会社だという信頼を得られます。そういった買い取り実績を積み重ねることが、まんだらけに売ってもらえる理由だと考えています。 ■なにか夢中になれるものを持っている人と一緒に 新卒や中途採用関係なく「なにか好きになれるもの」を持っている人と一緒に働きたいですね。なにか好きなものを持っていれば、「好き」という強みにもなりますし、いろんなモノも好きになることができると思います。色んな「好き」が集まって新しい事業も生まれてくるのでそこは求めていきたいですね。 ■これからもまんだらけ独自の商品やサービスを展開し続ける これからも漫画やアニメの商品だけでなく、お客様や従業員の声からどんどん好きなものを提供していけるように商品やサービスを拡大していきたいですね。実際にお客様からの声や従業員の声で自作シールやドールの展開も始まったので、誰かの「好き」を満たせるようにしていきます。それと以前ほどではありませんが、オタクはマイノリティな存在として嫌われている風潮がまだあります。その人達が交流して楽しめる場やサービスを提供していければと思います。 ■どんなことでも、小さいことでも経験は将来につながる 経験というものは後々に生きてくると身を持って感じているので、大学の勉強はもちろん、色んな社会経験をできるのであれば経験してほしいです。小さいことでも将来の仕事に影響するかもしれないので、何事にも挑戦してほしいですね。あとはきっちりと計画を立てると破綻することが多いので、「今」を大切に過ごして将来に繋げていってほしいと思います。 学生新聞オンライン取材2023年5月8日取材 武蔵野大学4年 西山流生

学生新聞インターン

玉木 宏 作品を通して多くの人に希望や夢、あるいは何かを投げかけたい

俳優 玉木 宏(たまきひろし) ■プロフィール1980年1月14日生まれ、愛知県出身。1998年俳優デビュー。近年の主な出演作は映画『極主夫道 ザ・シネマ』(22)、『キングダム2遥かなる大地へ』(22)、『この子は邪悪』(22)、『キングダム 運命の炎』(23)など。2024年には『ゴールデンカムイ』の公開が控えている。 ◆芸能界に入ったきっかけを教えてください 昔からドラマが好きで夢のある世界だと思っていました。そのような芸能界で自分が発信する側になりたいと思い、18歳で俳優デビューしました。ドラマや映画の撮影は時間がない中で進められることも多く、役作りを含めて大変だなと感じることもありますが、「作品を通して多くの人に希望や夢、あるいは悲しいことも含めて何かを投げかけたい」と思いながら、自分を叱咤激励しています。仕事をする中で大切にしているのは、「見てくれている人を忘れない」ことです。撮影に入ると、作品を届ける先にある皆さんのことを忘れがちになります。しかし、それではダメで「どう見せたいか」を常に意識するようにしています。みんなで一丸となって作品を作り上げることにより、すごいパワーを届けられるのではないかと思っています。 ◆映画『沈黙の艦隊』について教えてください 『沈黙の艦隊』では、深町洋を演じました。深町という人物は、原作では「屈強な男」のイメージですが、あえてそのイメージに寄せることはせず、台本から読み取れる内面のリアリティーを重視しました。また、撮影現場では緊張感を醸し出すことに注力し、潜水艦の中というシチュエーションなので、狭いがために同じ動きにならないように心掛けました。この映画は、今日的な問題が凝縮された作品です。「相手が見えない」「外に出られない」という場面を想像していただいて、潜水艦のドキドキ感を楽しんでくれたらと思います。 ◆学生へのメッセージを 今の若い人は自分のビジョンを持っている人が多いと思います。「もっと面白いことができる」と考えていれば、日本を面白く変えていけるのではないでしょうか。どのような日本にしていきたいかを想像してみてください。 『沈黙の艦隊』2023年9月29日(金) 全国東宝系にて公開中出演:大沢たかお、玉木宏、上戸彩、江口洋介 ほかⒸかわぐちかいじ/講談社Ⓒ2023 Amazon Content Services LLC OR ITS AFFILIATES. All Rights Reserved. ■取材を終えて 到着の瞬間に場の空気が一瞬で変わり、その凛とした立ち姿とオーラに圧倒されました。我々の質問一つひとつに目を見て回答してくださったことがとても印象的でした。取材を通して玉木さんの作品に対する熱い思いと、真っすぐで真摯なお人柄を感じました。 学生新聞2023年10月1日発刊号 中央大学3年 松島鈴音 撮影協力:カメラマン 広田成太

学生新聞インターン

安藤サクラ 想像を超えた自分になるために、どう表現するかを探し続ける

女優 安藤 サクラ(あんどうさくら) ■プロフィール1986年2月18日生まれ。主な出演作品は『百円の恋』(2014)、『万引き家族』(2018)、『ある男』(2022)、『怪物』(2023)、日本テレビドラマ「ブラッシュアップライフ」(2023)。9月29日に『BAD LANDS バッド・ランズ』が公開された。 ◆出演が決まったときどういうお気持ちでしたか 原田監督の作品は今回が初出演なのですが、実はかなり緊張していたんです。監督は厳しい人だと聞いていたので(笑)。ただ、この『BAD LANDS バッド・ランズ』は新たなステップになると確信し、引き受けることを決めました。まず最初に監督とお会いして、私の演じたいネリと監督のイメージに齟齬がないか、しっかりとお話をさせていただきました。ネリの周りのキャラクターの個性が強いので、印象の薄い主人公として演じられたらいいなと思っていたのです。それと同時に、見終わった人の心に残るように演じたいと思いました。この映画では悪いことをしているけれど、善悪を問うのではなく、彼らの生きざまを見てほしいと思います。 ◆学生時代についてお聞かせください 良い生徒ではなかったと思いますが、人にどう思われようと、そのときにしかできないことをやっていました。大学に入ってからは、お芝居を学びながら舞台や映画に出るようになりました。オーディションや撮影、ワークショップに向けて勉強する日々でしたね。しかし、どういうふうに勉強していいかも分からずモヤモヤしていました。 ◆学生へのメッセージを 私は勉強法や表現法を今も確立したわけではなく、どうやってステップアップしていくかをずっと探し続けています。目標は固めず、自分の想像を超えた自分になりたいと思っています。みなさんも学校から求められる目標と心の中と必ずしも一致していなくていいと思いますよ。 BAD LANDS バッド・ランズ 出演:安藤サクラ、山田涼介監督:原田眞人公開:9月29日(金)全国ロードショー配給:東映/ソニー・ピクチャーズエンタテインメントヘアメイク:星野加奈子(新緑団)/スタイリスト:吉田恵Ⓒ2023「BAD LANDS」製作委員会 ■取材を終えて お会いした瞬間から安藤さんの空気感に惹きこまれ、一つひとつ紡ぎ出される言葉がずしりと心に響きました。役へのビジョンを持ちながらも、表現方法を探し続ける姿勢が大きな可能性につながっているのだと感じました。感激しっぱなしの時間になりました。    学生新聞2023年10月1日発刊号 日本大学4年 石田耕司 撮影協力:カメラマン 広田成太

三上山明里

岡田将生 枠から出ると弾かれる社会だからこそ自分らしく生きることが大切

俳優 岡田将生(おかだまさき) ■プロフィール1989年8月15日生まれ。2006年俳優デビュー。近年の主な出演作として映画『ドライブ・マイ・カー』(2021)、『さんかく窓の外側は夜』(2021)、『1秒先の彼』(2023)、ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(2021)、『ザ・トラベルナース』(2022)などがある。 ◆仕事上、大事にしていることを教えてください 求められていることに対して誠実に答えようと心掛けています。その上で僕にとっての自分らしさは個性を活かすことです。個性が強いと生きづらい社会なのかもしれないですが、表現者として個性の大切さを知ってほしくて個性的な役を選んで演じています。 ◆『ゆとりですがなにか インターナショナル』映画化への思いを教えてください 7年越しに最高のスタッフ・キャストと集まれるので、僕にとって映画化はご褒美のような感覚です。30代になり、責任や仕事への重みも感じています。ただ、この映画は気負わずに軽やかに頑張りたいという気持ちで臨みました。映画化に際しては台本や映像を見直しました。続編ということで、坂間正和の家庭環境は変わりますが、なるべく大きな変化を出さないようにしました。人間ってそんなに変わらないですからね。ドラマを見てくださった方々は、正和、山路、まりぶの3人に会いに映画館へ足を運んでくださると思うので、映画ではドラマ当時の正和を思い出しながら演じていました。この3人の切っても切れない関係性は、僕の理想です。手が届く範囲で家族、友人どうしの助け合いがあって、正和に共感できるところが必ずあると思うので、そこに注目してください。 ◆学生へのメッセージをお願いします 自分の未来がどうなるのか不安で仕方なく、悩んでいる方がいると思います。しかし、人にはいろいろな可能性があり、その可能性を信じて新たな経験をすることで自分の未来が広がるのだと思います。4年間を大事にそして楽しく! 『ゆとりですがなにかインターナショナル』 出演:岡田将生 松坂桃李 柳楽優弥 安藤サクラ 仲野太賀 吉田鋼太郎脚本:宮藤官九郎監督:水田伸生Ⓒ2023「ゆとりですがなにか」製作委員会 10月13日(金)公開 ■取材を終えて どんな役柄も素のように演じられる岡田さんに魅了されっぱなしでした。観る人の心に残る演技は、誠実に自分らしさを活かそうとする心掛けから生まれていることを知り、岡田さん自身のお人柄にも惹かれました。映画館で正和さんに共感しつつ3人を応援してこようと思います。 学生新聞2023年10月1日発刊号 駒澤大学4年 三上山明里 撮影協力:カメラマン 広田成太

吉川みなみ

葵わかな お芝居という架空の世界を演じることで、誰かの背中を押したい

女優 葵わかな(あおいわかな) ■プロフィールデビュー以来、映像作品で活躍し、近年は舞台やナレーションと活躍の幅を広げている。2017年には連続テレビ小説『わろてんか』にてヒロインを務め、2019年にはミュージカル『ロミオ&ジュリエット』で初舞台に挑戦。最近の出演作にTVドラマ「三千円の使いかた」「Dr.チョコレート」など。 ◆学生時代のエピソードを教えてください スカウトがきっかけで、10歳の頃から芸能のお仕事をしているので、仕事と学業の両立はずっと行っていました。大変な時期もありましたが、幼い頃から仕事を重ねていく中で、架空の世界を演じる楽しさや表に立つ責任をより強く抱くようになりました。私自身、学生時代に小説やアニメのキャラクターに悩みを救われたことがあったので、今は、私もこの仕事を通して誰かのお役に立ち、背中を押したいと思っています。 ◆ミュージカル『アナスタシア』の魅力について この作品は、記憶を無くした主人公アーニャが過去を取り戻し、愛する家族と自分の帰る場所を見つける旅路を描く、愛と冒険の物語です。作品全体の魅力は、ファンタジーの世界を大胆かつロマンチックに表現しているところです。また、私が演じる主人公のアーニャのキャラクターにも注目してほしいです。アーニャは、記憶がない不安な中でも自分で人生を切り開いていく強い女の子。演じるうえで、その強さの裏にどんな不安や思いを抱えているのか、脚本には書かれていないところまで考えて向き合うことを意識しました。サクセスストーリーであるこの作品の中で、皆さんが応援したくなるような、現実味のある立体的なアーニャを演じたいです。 ◆学生へのメッセージを 私自身、18歳になってからの仕事への向き合い方で人生が変わりました。学生の皆さんも変化が訪れやすい頃だと思います。『アナスタシア』でアーニャの姿を通して、皆さんの背中を押せれば嬉しいです。ぜひ舞台を観に来てください! ミュージカル「アナスタシア」 ■東京 9月12日~10月7日 東急シアターオーブ ■大阪 10月19日~31日 梅田芸術劇場メインホール 出演者:葵わかな、木下晴香、海宝直人、相葉裕樹、内海啓貴 ■取材を終えて 質問一つひとつに真摯に向き合ってくださいました。お話の中で、「作品の時代背景を勉強したり、脚本に書かれていない部分まで役のキャラクターのことを想像するなど、役作りの過程も楽しんでいます」という言葉が印象的でした。貴重な機会に感謝でいっぱいです。 学生新聞2023年10月1日発刊号 上智大学2年 吉川みなみ