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Archive for 運営スタッフ

学生新聞インターン

イントループ株式会社 代表取締役 林博文

人と会社が共に成長し続ける循環型の社会へ ■プロフィール 同志社大学法学部法律学科卒業、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア株式会社)へ入社。その後スタートアップベンチャー、再度アクセンチュアを経て、2005年2月にINTLOOP株式会社を創業し、現在に至る。社会ニーズを見極める洞察力と事業推進力で「自らが事業創造を行うコンサルティングファーム」としてINTLOOPを成長させ続けている。 企業と人の成長が循環する社会を目標として、IT・DXなどの分野を中心としたプロフェッショナルな人材を用いて、企業の様々な問題を迅速に解決するサービスを提供するイントループ株式会社。2022年7月8日に同社を東京証券取引所グロースの新規上場まで導いた林博文社長に、「イントループがどのようにして成長し続ける環境を作り出したのか」についてお話を伺った。 ■飽き性でも長く続いた「アルバイト」 元々、独立志向が強い性格だったので、大学では弁護士資格などを取得して独立しようと思い、法学部に進学しました。しかし飽き性だったこともあり、入学後にすぐに遊びにハマってしまい、すぐに司法試験は辞めてしまいましたね。部活動も自分のペースでできないことから、あまり続きませんでした。長く続いたといえば、京都の居酒屋での料理人のアルバイト。かなり稼いでいましたが、ほぼ全額飲み代に使いました。(笑) 就職活動では、手っ取り早く稼げて独立しやすい外資系企業を中心に受け、結果的にアクセンチュアに入社しました。ただ当時、ITの分野はWindows96が出てもいない頃でしたし、金融業界の方が興味があったので、会社名は聞いたことはなかったですね。 ■フリーランスの強みと未来を感じた アクセンチュアに勤めていたとき、同期が非常に優秀な人ばかりでした。独立する人も多く、100人中2人が上場を果たしています。同期の中でも、仲が良かった人が一番早く独立した後、次々と周囲が独立していくなか「自分は乗り遅れているな」と感じました。そして、2000年のITバブルが起こった頃にベンチャー企業からお誘いがあり、ビジネスを勉強するために入社しました。 その会社はアメリカとの合弁会社で、従業員10人に対して資本金13億の会社でしたが、時代を先取りしすぎたビジネスだったこともあり、倒産してしまいました。 その後、フリーランスの仕事をしていた時に、アクセンチュアの元上司から「(アクセンチュアに)戻ってこい)と誘いを受けました。自分の知識不足を深く自覚した私は、勉強のし直しもかねてアクセンチュアに戻って4年間働きました。 その時にフリーランスの人たちと話す機会があり、その人達の優秀さや給与を知ることで「将来的には組織に所属せずに腕だけで生きる人が増える」と感じました。そこで、「この人たちをまとめる事業ができたら面白いのではないか」と考えて起業しました。 ■会社も人も成長できる循環へ INTLOOPを立ち上げてから、創業3年目で7億円の売上をあげました。さらには海外での事業にも興味が湧いて、東南アジアの国と貿易をしたり、ラーメン屋をやったりといろんなことをやっていましたね。ただ、どれも継続させるのが難しくて、事業が中途半端な状態になっていました。仕事は取れていたので、年商は7〜8億円で安定していましたが、会社も成長しないし、後輩が来ないことで、社内の雰囲気が悪くなり、社員がどんどん辞めていきました。 ショックで落ち込みましたが、それをきっかけに社内の環境改善に努め、初心にかえってフリーランスの人々をまとめるサービスを作ろうと考えて、事業を立て直し、今に至ります。 今は、会社と人が共に成長できる環境を長く継続させることが、自分にとってのやりがいとなっていますね。一番注意しているのは、成長へのモチベーションを上げる構造を作ることです。上司が部下を育成すれば昇給しますし、部下もそれを見て、上司を目標としてくれるので、自身の成長のきっかけにもなりますね。 部下にはよく「自分より優秀な人を採用してくれ」と伝えています。優秀な後輩を育成して、さらに優秀になればなるほどに、自分も出世して給与も増えるし、会社も成長する。まさに、これこそが「会社も人も成長できる循環」だと思っています。 ■多彩であり成長を楽しめる人へ 入社の基準は「うちの社員が一緒に働きたい人を選ぶ」というものです。同じ人ばかりが面接すると偏った人材が集まりそうですが、コンサルティングや人事などがそれぞれ一緒に働きたい人を選ぶので、社員の個性も多彩です。 すべての職種に共通で大切にしているのは、コミュニケーションスキルが高いことです。どんなに頭が良くても、話せなければ会社の魅力が伝わらないですよね。そのスキルが高ければ、営業でもお客様との信頼に繋がりますし、人事でも中途採用で優秀な人と交渉・説得もできます。 それに加えて、話の中でなんとか答えを返そうとする気持ち、話しながら答えを考えられるスキルを持っていたら完璧ですね。会社も人も成長し続けるためには、「現状維持」という人よりは勢いに乗って自分や会社の成長を楽しめる人のほうが、うちの会社には合っていると思います。 ■遊びやアルバイトの経験を糧に 最近の学生は勉強しすぎ・働きすぎのような気がします。人生の中で一番休暇が長くて自由に楽しめるのは学生時代なので、適度に勉強して、遊びやアルバイトで人との繋がりを作るなど、経験を積んでほしいです。 私はたまたま選んだコンサルの仕事が天職になりましたが、いきなり適職に当たる人はそこまで多くないと思います。だからこそアルバイトなどでいろんな職業を体験したり、見たりするだけでもいいので経験して目標を見つけてほしいです。 学生新聞オンライン 2022年9月15日取材 武蔵野大学3年 西山流生

イベント・企業紹介

映画『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』

太宰治「斜陽」執筆75周年記念作品『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』 1947年に出版され“斜陽族”と流行語にもなり、大ベストセラーとなった太宰治の名著「斜陽」執筆75周年を記念する『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』が完成しました。ヒロインのかず子を宮本茉由、彼女が想いを寄せる売れっ子作家を安藤政信が演じ、戦後の日本を舞台に“恋と革命の物語”が綴られます。山日 YBS グループ創業 150 周年記念作品として、太宰治が新婚時代を過ごした山梨県内でも撮影された『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』は、10月28日(金) よりTOHOシネマズ甲府、シアターセントラルBe館にて先行公開、11月4日(金)よりTOHOシネマズ日本橋ほか全国公開。 学生新聞インターンが鑑賞した感想をご紹介します。みなさんもぜひ劇場へ! 私は以前に書籍を読んだことがあり、どのように映像化されるのか非常にわくわくした気持ちで観覧しました。この物語は、全体として戦後、時代の変化によって次第に没落していく家族の悲劇が描かれていますが、私はこの映画を観終わった時の気持ちはどこか清々しく、人生の選択における勇気をもらった気持ちになりました。テーマとなる鳩のごとく蛇のごとく―、そして太宰治の世界観が演出並びに役者の方々の素晴らしい演技で忠実に再現されていました。特に、主人公のかず子、母、弟の直治、作家の上原二郎、登場人物それぞれの選択に心を動かされました。観る人によって登場人物への共感や想いがかなり変わると思うので、1人でじっくり観るのも良いですが、誰かと観に行って感想を話し合うのもきっと新たな見方が増えて面白いのではと思います。 東洋大学 4年 伊佐茜音 原作を読んでいたのですが、それが映像になっても全く違和感がなく、むしろきれいな映像と音楽も相まって映画に深く入り込むことができました。また主人公のかず子が自らナレーションをすることでより臨場感がありました。今作品は伊豆の別荘と東京を行き来しながら話は展開されるのですが、その電車の背景が戦後の荒廃した世界を象徴的に表していました。没落貴族の家庭をモデルに、それぞれが違った生き様を見せますが、その中でも身近な人の死を乗り越え、「恋と革命のため」に強く生き抜くかず子がとても印象的でした。この登場人物のまっすぐに自分の生き様を貫く姿勢は、私たちに今この現代で何のために生きるのかを問いただしているようでした。そして、見終わったときには、こころがスッキリしないもやもやした感覚に陥り、一つの文学を何日もかけて読み終えたような、そんな気持ちになりました。 日本大学 3年 石田耕司 主人公かず子の人柄は、誰も恨まず誰にも迷惑をかけずに美しく亡くなり、貴族らしいとされた母親から譲り受けたものが多いと感じた。特に肩書きなど目に見えるものだけを信じるのではなく、いつでも人の本質を見つめようとする純真さだ。かず子が詐欺師のように見せかけのいい人よりも、札付きの悪名ではあるが嘘偽りのない作家 上原のような正直者を好んでいたことからも言える。貴族に生まれたことを悔やみ、上原のように俗世間と馴染むことを夢見た弟や、貴族に対する歪んだ考えを持つ上原との比較対象としても描かれていると感じた。また自分が上原を思うが故に、上原の妻子に迷惑がかかるようなことなどあってはならないとする姿勢からは、かず子の強い意志や信念を感じた。こうも、かず子が強く逞しく生きてこれたのは人間の醜く汚い部分も認めているからではないか。人は世間からの評判や肩書きなど目に見えるものに左右され、本質を見失いやすい生き物だと思う。しかしそうした綺麗なものだけではなく醜さも含めて自他のことを認め、まっすぐ見つめられる、そんなかず子のような心の美しさが、いつの時代も必要なのだと思った。 津田塾大学 4年 宮田紋子 斜陽は主演の宮本茉由演じる島崎かず子が戦後没落貴族として母の都貴子と共に東京の豪邸から伊豆の山にある家で暮らすことになり、これまでとは大きく違う生活を強いられる物語です。没落後の人生はとても辛いもので終始感情が揺さぶられ、「人間らしさ」がよく表現されていました。辛い戦場から帰ってきたかず子の弟の直治の生活、不器用で愛の感情すら分からなくなってしまう作家 上原、上原のだらしない生活を知っても尚恋心を寄せるかず子。それぞれの生き方に共通しているのは後悔。そんな曖昧で自分勝手な感情の動きが忠実に映画化されていて、まるで自分も映画の中にいるかのような世界観でした。さらには、その複雑に絡まり合った感情の描写を上手く実写化する近藤明男監督の斬新で素直な解釈もまた観る人の心を斜陽の世界へと連れて行ってくれると思います。一見、現実とは離れたストーリーですが、よく考えるととても深い作品です。是非ご覧ください。 立教大学 4年 須藤覚斗 太宰治「斜陽」執筆75周年記念作品『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』 宮本茉由 / 安藤政信 水野真紀 奥野壮田中健 細川直美 白須慶子 三上寛 柏原収史 / 萬田久子 / 柄本明尾崎右宗 菅田俊 岡部尚 中谷太郎 緒方美穂 三木秀甫 岡元あつこ 栗原沙也加 今泉朋子 白石恭子 薗田正美 光藤えり 山村友乃 野崎小三郎 ジョナゴールド / 春風亭昇太 原作:太宰治 監督:近藤明男 脚本:白坂依志夫 増村保造 近藤明男 製作:野口英一プロデューサー:足立喜之 石戸谷洋治、市川武 今泉朋子 上村正樹 小浜圭太郎 栗原隆一 野崎小五郎 山村隆昭音楽:海沼正利 主題歌:小椋佳「ラピスラズリの涙」(作詞・作曲・歌)撮影支援協力:青森県 山梨県 五所川原市 つがる市 弘前市 甲府市 山梨市 都留市 三鷹市 2022年/日本/日本語/カラー/アメリカンビスタ/5.1ch/109分/配給:彩プロ 映倫G©2022 『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』製作委員会(オフィス近藤 アップサイド 実正寺 スペースT ぱあとなあ ハーモニー ライジングシネマ 山梨日日新聞社 山梨放送)

学生新聞インターン

バリュエンスホールディングス株式会社 代表取締役社長 嵜本晋輔

自分の可能性を信じ、どんな状況でも楽しみを見出す ■プロフィール 1982年、大阪府出身。元Jリーガー(ガンバ大阪)。 2011年12月にブランド品のリユースなど、サステナブルな事業を行う株式会社SOU(現 バリュエンスホールディングス株式会社)を設立。2018年に東証マザーズ市場(現 グロース市場)に上場。元サッカー選手としては初めての上場企業社長に。 プロサッカー選手から転身した経営者として、初の上場を果たしたのが嵜本晋輔社長。プロサッカー選手から起業への道のりや、常に検証をし続けた結果における新たなビジネスモデルの確立の秘訣。さらには今後の展望や大学生に向けたメッセージについて、嵜本社長にお話を伺った。 ■サッカー以上の天職に出逢った 小学校の頃からJリーガーになるのが夢で、ずっとサッカーの練習に力を入れていました。高校1年生の時に他の選手を目的に来ていたスカウトの目に留まり、高校卒業後、ガンバ大阪に入団しJリーガーになることができました。しかし18歳で入団したものの、自分の思い描いていたサッカーのレベルよりも高く、入団3年目で戦力外通告を受けてしまいました。 その後はJFLの佐川急便のチームに拾っていただき、働きながらサッカーをするようになりました。しかし、自分自身を客観的に見た時に「サッカーを続けたい」というのが自分のエゴだとわかり、サッカーへの夢を手放すことができました。サッカー選手を卒業した後は父親の経営していた会社に入り、その後3兄弟でリユース事業の会社を立ち上げることに。初めてビジネスの世界に触れた際、サッカー以上の楽しみを見出すことができました。 与えられた環境や状況で楽しみを見つけるのは、サッカー選手時代と同じだなと感じます。人生の幸福度は、状況の捉え方によって変わる。考え方次第で、どんな状況でも楽しみ方を見出すことができる。そんな事実をこの時に学びました。当時の最大のモチベーションは、父や兄に褒められたいという思いで、誰にも負けない人材になることでした。また、サッカー選手時代に戦力外通告を受けるという悔しい経験をしたことも、今の仕事に活きていると思います。 ■プロからの初めての上場企業社長に 今後世の中はどう変わっていくのか。そして、自社を他社とどう差別化すべきかを考えたときに、「地域の人から愛されるだけではなく、日本全国に広めていけるようにしたい」という思いが芽生えました。 私の会社はブランド品・貴金属・骨董品等の買取および販売を行っています。どうやって他社と差別化していくかを考えた際、それぞれの商品の性質を理解して短期間で在庫をさばいていき、ライバル企業におろしていくCtoBtoBというビジネスモデルを確立しました。ブランド品は生ものだからこそ、商品の相場は需要で決まります。Bで売るべきかCで売るべきかの需要を、常に見極めることがこのビジネスの肝です。 また、今日できたことは明日もできますが、今日できなかったことは改善がなければ次も失敗します。だからこそ、失った売り上げに目を向けたのもポイントだったと思います。それによって、改善の機会を多く得ることができ、業界の中では後発だったにもかかわらず、上場できたのだと思います。現在、同じようなビジネスモデルを運営する会社は増えてきましたが、その間に自分たちは飛び抜けることができたと確信しています。 ■今後の未来を創り上げる人材 他の業界では、どんなことをしているのかに常に目をむけています。以前から、他業界のものを自分の業界にもってくるように意識をしています。 自分の経験、知識にとらわれすぎてしまうと、ビジネスは発展しません。実は、他業界を経験し、リユース業界に初めて入ってきた人のほうがクリエイティブを発揮できることも多いです。長年やっている人は成功体験などが足かせになりがちで、「リユース業界はこういうものだ」と定義づけた瞬間にバイアスに流されてしまいます。 だからこそ、大切なのは影響を受けない自分を作ること。採用の際も「過去の経験にとらわれすぎていないか」を1個の基準にしています。何事も吸収しようとする素直で謙虚な人のほうがこれからの未来をつくれます。過去にすごい結果を残していることも大切ですが、それよりも重要なのは、フラットな視点でどれだけ今後の未来を作っていけるかだと思っています。 ■潜在的ニーズを引き出す 顧客が何を求めているのか。それは、最終的におもてなしやコミュニケーションといった信頼の積み重ねである人間力だと思います。そのため、顧客が得たい成果を理解して、ヒヤリングをする重要性を常日頃感じています。そこで大切になってくるのは、質問力と傾聴力です。顕在化されているニーズと裏側にある潜在的ニーズを引き出すことこそが、ビジネスの本質です。特に私達のいる業界は、リピーターに支えられており、売り上げの半分をリピーターが占めています。だからこそ、鑑定士にしても、ただ査定するのではなく、きちんと相手の隠れたニーズを引き出せる人材として育成できるように、意識しています。 ■プロチームとしての経験 サッカーと企業は、チームが重要という観点では共通しています。いかに優秀なプレイヤーが一人いても、その人だけでは勝つことはできません。いかにチームとして機能するかが重要なので、プレイヤーである社員全員が、会社全体で思考できることが大切です。私のこうした視点は、サッカーから学ぶことができました。なお、会社全体を理解するコツは、「みんなと飲みに行っているかどうか」です。会社の中で情報共有している時と、お酒の場のコミュニケーションの時は、誰もが表情が変わってきます。私自身は、特にキーマンとキーマンを合わせるための食事会を開きますが、社員同士がこうした機会を自然に設けられるようになったら、組織としてもっと成長すると考えています。 ■大学生へのメッセージ それぞれ一人ひとりが、とんでもないポテンシャルを持っているはずです。ただ、自分の可能性に気づいている人は少ないです。その可能性を奪っているのは自分自身です。だから、「自分は何者だ」と決めつけないでほしいです。定義づけしてしまった瞬間に、並の人間にしかなれません。幸せと年収は比例しません。都合のいい大人が作ったものに惑わされずに本当の自分に気づいてほしいなと思います。 学生新聞オンライン 2022年8月29日取材 國學院大學3年 島田大輝

イベント・企業紹介

超パーティー2022 開催

『超パーティー2022』が、2022年10月15日(土)、16日(日)さいたまスーパーアリーナにて開催された。『超パーティー』は、ボカロ、歌ってみた、踊ってみた、演奏してみたなど様々なジャンルで音楽を発信しているクリエーターたちが一堂に会するニコニコ最大のライブイベント。学生新聞インターンがイベントを体験させていただいた。 4年ぶりに開催された超パーティー、今回初めて参加しました。そんな私でも、周りのお客さんと一緒に音楽に乗りながら、とても楽しい時間を過ごすことができました。特に印象に残ったパフォーマンスは粗品さんと虹色侍さんでした。粗品さんは、歌うと思いきや、歌わずにBGMと表情のみのパフォーマンスで、ユーモアのあるタイトルとBGM、選曲が非常に面白かったです。また、虹色侍さんのパフォーマンスは、その場で流れてきたコメントのお題に対し、即興で曲を作って歌い上げていました。虹色侍さんの歌唱力の高さはもちろんのこと、即興でお題に関連した曲を披露していて、驚いたとともにとても感動しました。他の出演者の皆さんも非常に素敵なパフォーマンスをしていて、観ている私たちも全身を使って音楽を楽しむことができ、会場が一体となって充実した時間を過ごすことができました。今回このような素敵な機会をいただいて、本当に有難うございました。 学習院女子大学 2年 小川莉実 4年ぶりに開催された超パーティーは驚きと感動の連続でした。 「歌ってみた」や「踊ってみた」など様々なジャンルのクリエイターたちが次々に登場し、個性豊かなパフォーマンスに圧倒されました。ステージでは懐かしさを感じる曲から、最近SNSで流行している曲まで様々なジャンルの曲が披露されました。 小中学生の時に熱中していた歌や、12年ぶりに共に歌う出演者の方々の存在など、ニコニコ動画とそれに関わる人々の歴史を感じ、「エモさ」を感じました。出演者、観客などリアルだけでなく、画面に映し出されるコメントによってオンラインで視聴している方々の熱量や感情が常に伝わってきて、ニコニコを好きになってよかったと感じることのできるイベントでした。 今年の超パーティーではできなかったですが、次は声を出して参加者全体でもっと盛り上げることができたらと思います。 津田塾大学 4年 大川知 感想を一言で言うと「すべてが作品」であると感じました。今回が初参戦でしたが、超パーティー2022は会場の各ブースが繋がっているのはもちろん、インターネットを通じて世界と繋がることが出来る場所だと思います。 ライブステージには生放送の視聴者から届くコメントがリアルタイムで表示されています。そのため、会場だけにとどまることなく、ステージを見ている全員が一体となって盛り上がることが出来ました。これは“ニコニコ”でしか味わえない世界だと思います。 特に”繋ぎ”の1分1秒も視聴者のコメントのおかげで「笑い」や「感動」に変わったのは非常に印象的でした。すりぃガラスのくだり、虹色侍のずまさんとゆゆうたさんのやり取りは最高でしたね。全員の“ニコニコ“が最高潮に到達した瞬間だったと思います。 また、ライブではボーカロイドの歌声や75歳のダンディな歌声を聞けるだけではなく、即興ソングや「使ってはいけない金でギャンブル負けた時に脳内で流れる曲」など、誰でも楽しめるイベントだなと思いました。 他にも会場では謎解きゲームが設けられており、会場内ブースを歌や踊り、イラスト、食事などを楽しみながら満喫出来ました。この謎解きは結構難しかったです(笑)。 来年も参加し、次は声を上げて熱狂したいなと思いました。 中央学院大学 4年 田根颯人

学生新聞インターン

株式会社IBJ 代表取締役社長 石坂茂

世の中の「結婚したい」というニーズに応えたい ■プロフィール 1971年東京都浅草生まれ。株式会社日本興業銀行(現株式会社みずほ銀行)入行。2001年、株式会社ブライダルネット代表取締役社長に就任。2006年、株式会社IBJ代表取締役社長に就任。日本の深刻な人口減少問題に対して、IBJから成婚カップルを生み出すことで、直接的に人口増加へ寄与し、2027年までに日本の成婚組数の5%(25,000組)創出を目指す。 昨年、1万組を超えるカップルの結婚を導いた株式会社IBJ。お客様のニーズに応えることがやりがいと事業の拡大につながると語るのが、同社の石坂茂社長だ。コロナ禍でも減少することがなかった世の中の「結婚したい」というニーズに応え続ける、成婚数NO1*で業界トップを走るIBJを創るまでの過程とその思いに迫った。 ■ラクロスを通じてチームワークを学んだ東大生時代 小さい頃から体を動かすことが好きで、学生時代は部活の毎日でした。大学入学後、ラクロス部に入部しました。ラクロスを選んだのは、当時ラクロスがまだ日本に入って間もない競技だったので、他の大学に勝てると思ったから。ラクロスはチーム競技。チームで目標を成し遂げることの大切さを学びあったからこそ、今でも仲間とは良い関係を保っています。部活ばかりで限られた人とだけ深く関わる生活だったので、もし、今あの頃に戻ったら、多くの人と交流しながらも、自分にしかできないことに積極的に取り組むと思います。あと、経済の勉強にもう少し力を入れておけば良かったですね。 ■日本興業銀行に入行後、IT化に興味を持ち退職 新卒で就活をした際は多くの先輩に会って話を聞きました。まさに「人」で会社選びをしたと言っても過言ではありません。話を聞いた中でも、特に感銘を受けたのが「日本興業銀行」です。経済成長に大きく貢献し、社会や世の中に影響を与える会社の姿勢に胸を打たれ、入行を決めました。日本興業銀行には刺激を受ける魅力的な人が多く、居心地も良かったのですが、仕事を始めて五年ほど経った頃に日本でITやインターネットが急激に普及してきました。新たな技術を経験したい思いと新しいことに挑戦して自分を奮い立てたいとの思いから銀行を辞めることにしました。もともと実家は浅草の下町で商売をする家系だったので、その血が流れていたからこそ起業することに躊躇がなかったのかもしれません。 ■ニッチな婚活市場を発掘。結婚情報サービスの提供を決意 起業するにあたり、将来的にインターネットと掛け合わせたサービスをやりたいと思っていました。ただ、実際にどんな事業にするべきか悩みましたね。物販だと既存の生産ラインの借入や在庫を持つリスクもある・・・それは嫌でした。なので、負債やリスクが比較的少ない情報課金ビジネスを、小さく始めて大きくしていきたいと思っていました。不動産や人材業などは、すでに大きな会社があり競合が多く負けてしまう可能性があると考え、ニッチな分野でNo1になる方が自分には向いていると思っていた矢先、結婚市場にたどり着きました。その頃、出会い系掲示板は存在していたのですが、「出会い」をサービスとしてきちんと提供している企業はありませんでした。そこで、結婚したい人にターゲットを絞ってインターネット結婚情報サービスを提供する会社を設立しようと決意しました。 ■IT×結婚で、全く新しい婚活サービスを生む 当時行われていた結婚紹介は、紙のプロフィールをコピーして仲人さんが個人のネットワークで紹介を行うことが主流で、とても不便でした。今思えば、情報管理という点において怖いですよね(笑)。 そこで、インターネットを活用し、日本初の「結婚を目的とした人」のマッチングサイトを始めました。婚活にITを導入する事業ということ自体が画期的でしたが、情報交換が簡単になり、情報セキュリティレベルも確実に上がりました。また、お見合いパーティー事業では実際に店舗へ行かないとどんな人が参加しているのか分からないという問題があったので、事前にクレジットカード決済を行い、全員の本人確認をすることで、事前情報と実際のギャップが生まれないシステムを整えました。今となっては当たり前になったクレジットカード登録による本人確認ですが、日本で早くから導入したのは弊社だと思います。それによりお客様には、より安心感をもっていただけるサービスになりました。 ■問題点を洗い出し、データ化で改善 しかし、今度は「出会いはするが、交際に繋がらない」という声を聞くようになり、結婚紹介のプロである仲人さんの力を借りようと考えました。実際にお話を伺うと、仲人さんは結婚までのお世話は得意でしたが、集客は苦手ということが分かりました。 そこで、仲人さんのお仕事をもっと効率化したいと考え、全国の結婚相談所を取りまとめるネットワークやシステムを作ることにしたのです。最初は、インターネットを使った結婚相談所のプラットフォームを作ると言っても全く理解されませんでした。仲人さんは高齢の方が多く、パソコンを使うという発想もなかったと思います。 そのため、サービスが出来上がるまでに何十人もの方に連絡を取って、会いに行き話を聞くことで理解を深めたり、仲人さん向けのパソコンの勉強会などを開催したり。その積み重ねで徐々にサービスが浸透し、加盟店を増やすことができました。お見合いパーティーだけで会社が成長しても、お客様の結婚というニーズが叶わないと意味がないと思いますし、真摯にお客様の声に向き合い、受け止めることこそ事業の発展に繋がっていくと感じました。 仕事のやりがいとしては、やはり結婚カップルが生まれることですね。IBJは売上だけではなく、成婚=結婚がどれだけ実現できるかを重視しています。また、現場にも定期的に行くようにし、スタッフから直接意見や要望をきくこともありますし、IBJの成婚メソッドを私自身が直接指導することもあります。できる限り、一つひとつの声に耳に傾けることを代表になった今でも大切にしています。 ■message 私たちとお客様との関係は契約関係ではありますが、そこには信頼関係が必要で、お客様へ愛情のアウトプットをすることが大切だと考えています。そして、アウトプットのためにはインプットが必要です。だからこそ、周りから愛された経験がある人、誰に対しても興味関心があり、愛情深い人柄を持つ人と働けたらと考えています。そんな人でいるためには、ポジティブで明るく笑顔で過ごして欲しいですね。そうすれば、「なんかこの人面白そう」とか「明るくていいな」と思われる機会が増え、運を引き寄せることができると思います。また、そうして生まれる出会いを大切に、ぜひ新しい交流をしてください。 大学生の皆さんは、日常生活をただ繰り返しているだけだと限られた人としか会っていないと思います。自分がいつも生きている世界や人とは異なる出会いを面倒くさがらずに大事にして、自分が話したことのない人と接点を持ち、新たな思考を知って欲しいです。 *日本マーケティングリサーチ機構 2022年1月調べ_IBJ日本結婚相談所連盟登録会員に関する調査(成婚数:2021年実績、会員数:2021年12月末時点、大手結婚相談所・連盟を対象) 学生新聞オンライン取材2022年7月11日 東洋大学3年 濱穂乃香

学生新聞インターン

医療法人社団因幡会 理事長 林 昭利

歯の寿命を延ばせば人生も伸びる。人生に直結する仕事 ■プロフィール 1973年鳥取県生まれ。2001年、明海大学歯学部卒業後、医療法人社団弘進会宮田歯科入社。2003年、医療法人社団裕正会汐留シティセンター歯科入社、2005年裕正会理事に。2010年医療法人社団因幡会を設立。2007年因幡会グループCEOに。厚生労働省認定研修指導医。アメリカ歯周病学会会員。国際インプラント学会指導医。  東京、埼玉、神奈川と首都圏で8店舗歯科医を開業している因幡会理事長の林昭利先生。歯医者だけでなく開業のコンサルティングやそうめん屋まで幅広い分野で活躍。どのような想いで患者さんやお客様と関っているのか、新しいビジネスへ挑戦し続ける理由、そして仕事にかける思いについて伺った。 ■人の人生に携わる仕事  高校時代はラグビー部に所属し、大学からはアメフトに入部しました。高校と大学時代の部活はとてもハードで、この経験が今の私を構築している部分も多いと思います。この頃の練習を思い返すと、今、どんなつらいことがあっても「たいしたことないな」と思えます(笑)。意外と知られていませんが、アメフトは知力のスポーツです。頭を使えば、強いチームにも勝てる。部活を通じて、考え続けることや、頭を使い続けて道筋を生み出すことを学べました。 大学は歯学部に進んだので、自然な流れで歯医者になりましたが、今にして思えば自分にとって天職だと感じています。歯医者は一枚のレントゲンから瞬時に見極めて患者をコンサルしなければなりません。それには問題を判別する力だけでなく患者さんに対する話術や人間性が必要になり、それで信頼を得る仕事だと思います。一方で、歯医者はその人の人生を左右する仕事で、歯の寿命を延ばせば、人生の寿命を延ばすことに直結します。だからこそ人生100年時代と言われている今、120年くらいは歯の需要をもたせなければなりません。現在の日本では自分の歯の疾患に気づいていない潜在患者が多く、その患者さんたちを顕在化できれば歯の需要を伸ばし、健康寿命も伸ばせると考えています。施術した患者さんから、10年後や20年後に「あの先生で施術してもらえてよかった」といわれるのは本当にうれしいですね。 ■一番大切なのは人  因幡会は国家資格の研修医施設でもあり、大学と連携をして多くの研修医が学びに来ます。因幡会にはマンションや商業施設、オフィスなどがそろっており、研修医からきて開業するまでさまざまな経験をすることで、自分は何が向いているのかを知ることができます。自分だけなら店舗数は2~3店舗で十分なのですが、働いているドクターやスタッフのために店舗数も増やしました。 従業員を教育する上で、一番大切にしているのは「自分と自分の身内にできる治療をする」ということ。例えば歯に何か詰めるにしても、自分の家族におすすめするように患者さんにすすめるということ。自分がされたくないことはしないようにさせてます。採用時には、「どんな歯医者になりたいのか」「なにかほしいものはあるのか」を聞きます。貪欲な人の方が、成長してくれるというイメージがあるので、欲がある人を採用します。ただ、義理人情も大切なので、裏切らず恩を返そうとしてくれる人は家族にように大切にしますね。 当院の魅力はオーソドックスですが「人」です。腕・トーク力が一番大事だし、それがあれば何をしても生きていけると思います。仕事の面では疑問と結果の間に仮説をたてて検証をしていくことも大切にしています。実際にハーバード大学やニューヨーク大学などのプロジェクトに参加もしています。実際、ハーバード大学とのプロジェクトでは、歯ブラシの耐久性や清掃能力を測る研究など行っており、歯ブラシの研究や開発を行いました。 ■経験を活かして新しいものを生み出す  今までのノウハウを生かして、歯科医開業のコンサルティングも行っています。開業コンサルタントは大勢いますが、歯医者ではない人も多い。私たちの場合は、実際に開業した実績やデータがあるので、それがかなり強みになっています。経験のない歯医者がいきなり大手デベロッパーと進めようとしても、さまざまな問題や工事などがあり、問題も起こりやすいです。そのため、私たちがデベロッパーとの間に入り、歯科医にもわかりやすく説明できるため重宝されます。将来的に全国にネットワークを作ることができれば、患者さんも安心して転勤や引っ越しができると思っています。歯医者だけなく、面白いものやお客様が喜んでくれるものには参入し続けていきたいという思いもあります。 そのほか、意外なものとしては、そうめんの専門店を経営しています。そうめんは最古の日本の麺なのに、うどん屋やラーメン屋、そば屋はあっても、そうめん屋はないことに気が付きました。また、お歳暮やお中元の慣習が薄れていくと、そうめんの文化が衰退していく可能性があるからこそ、外食産業にしようと思いました。飲食は目の前でお客様が喜んでくれるのもうれしいですね。 ■地元への思い  私は鳥取県出身なのですが、鳥取旧称である因幡を法人名にしています。世界レベルの技術は鳥取では使うことができなかったのですが、鳥取の地方創生を行いたい、歯のレベルを上げたいという思いから歯の工場を誘致しました。技術も心も良い歯科技工士が集まってくれて、関東圏で受注したものを作ってもらっています。技工学校を買い取ってほしいと言われたこともありました。 ■学生へのメッセージ  今の時代はやることが無限大あり、いろいろと進路を選べることができます。ただそれが今の若者たちの進路に逆に悪影響を与えてしまっていると感じます。どこで決断するのかを決めてほしいですね。また、いろんな大人にあっていろんな世界やいろんな職種を見てください。日本は大学で進路を決めますが、海外では高校から決めています。無駄な勉強が多くなってしまいます。早く決めることができれば、大学で無駄なく学びたいことに向けて動けますよね。早めに自分で考えて、早く就職先を見て、考えることも一つの大切なことではないのかなと思います。未来を作るのは若者たちなので、覚悟を決めて頑張ってほしいです。 学生新聞オンライン2022年8月25日取材 國學院大學3年 島田大輝

和田真帆

HOUSEI株式会社 代表取締役社長 管祥紅

大学卒業後も、人生で大切なのは常に学び続けること プロフィール 中国湖北省出身。 北京大学電子工学部情報通信学科卒業後、来日。 1996年に方正株式会社(現HOUSEI株式会社)を設立、代表取締役社長に就任、現在に至 る。日本のメディア業界のシステム開発を手掛け、直近では、ITノウハウを生かした顔認証システムを筆頭に、メディア業界のみならず、医療、教育などの業界において、DX推進に奔走する。 日本のメディア業界のシステム開発を手掛け、現在、その市場占有が日本トップシェアであるHOUSEI。その勢いはメディア業界にとどまらず、医療や教育のDX推進サポートなど、様々な業界にも及んでいる。時代のトレンドを見事につかんだ新規上場企業として注目される同社の代表取締役社長・管祥紅さんに、学生時代から現在に至るまでのお話を伺いました。 ■若いころから自分の将来と向き合った大学時代 学生時代は、勉学と運動にいそしんでいました。私は北京大学に通っていましたが、中国の大学は日本の大学と似ており、学生が厳しく管理されることはありませんでした。大学生活では時間に余裕ができ、インターンなどの課外活動などにもたくさんいろいろ取り組んできましたね。ただ、中国のインターンは、日本のインターンとは少しイメージが異なるかもしれません。中国では、政府が将来の社会を担う人材育成の一環として、学生が田舎地方の会社に出向き、地元企業や地域の悩みを聞いて問題解決するというプログラムがありました。私もそのプログラムに参加しました。実際、地方の企業に入って様々な社会の出来事を現場視察する目的を持ち対応したことで、様々な面で効果的な学習ができたと感じました。 ■ご縁で日本へ、そしてHOUSEI株式会社設立 あるとき、大学で「日本企業と協同でソフトウェア開発を行う人材を募る」という募集を目にして応募し、開発に参加できました。そのことがご縁で、大学を卒業してから「日本プロセス株式会社」に就職することとなり日本にやってきました。3年ほど同社にて、その後、住友金属工業株式会社へ転職しました。私はIT分野の新規事業に配属され、コンピューターを使って印刷物の作成を行うソフトの開発を担当しました。そのご縁で北京大学の先生がたと交流ができ一緒にビジネスを進めることになり、方正(現HOUSEI)株式会社の立ち上げに至りました。 ■文化の違いを受け入れれば、苦労はなくなる 実は私は仕事での達成感をあまり感じたことがないのです。いい意味で、常に欲の塊です(笑)。永遠に「これで満足!」ということが無く、常に良いものを生み出したいと考え、物事を俯瞰してみています。会社経営においても「更に良くなるのでは?」という向上心を持ち続けた先に、「HOUSEIといえばこれ!」というものができる。そこで、初めて達成感が得られるのではないのかと思っています。同時に、「あれが大変だった」などと語るような、苦労も少なかったと感じていますね。若い時に色々な文化に触れてきたので、ハプニングや意見の相違も抵抗なく受け入れられるようになったと感じています。実際、苦難が起きたときは、毎回メンバーと共に腹を割って語り合い、問題解決にあたってきました。また、来日したときも、若い頃の渡米経験があったので苦労も少なかったと感じています。世の中にはいろいろな人間がいますが、基本はみな同じです。異なる意見や考えが生まれるのは、言ってしまえば環境や文化の違いだと思っています。だから私は地域毎の文化を受け入れ、その文化に興味を持つことを大切にしています。そうすれば、異なる意見の相手であっても、受け入れ許容できることが多いです。 ■多様性を通じて、世の中に新しい価値を生み出したい HOUSEI株式会社と他社との差別化は多様性を尊重することです。尊重することで世の中に新しい価値を生み出すことができます。また、個人の許容量や情報量が増えれば、それが発想の豊かさやuniqueness、物事を深く思考する力につながっていきます。そのため、弊社では、様々な国籍の人を受け入れたり、海外と積極的に交流したりすることで、視野を広げて、お互いを理解し合うことを大切にしています。また、多様性を生み出すことは、その人本来の魅力を引き出すことと同じだと私は捉えています。そのため、弊社は社員のアイディアを活かすことを大切にしています。具体的には、社員が自身の構想を発表する場を頻繁に設け、実際にそのアイディアにお金を投資し、プロジェクトとして進めていくことも多々あります。様々なものが溢れる世の中で、多種多様なことを組み合わせてみんなで力を合わせて伸ばし、新たな価値を生み出すことを意識しています。それには、情報の共有も大切です。どんな情報も社員にすぐ開示し、社員自身が会社や自分にとって正しいと思うことを判断し、行動できるように意識しています。 ■スキルよりも成長意欲のある人を 弊社は、様々な面でチャンスをつかめる環境を用意しています。私たちが職場で求める人は、勉強し続ける向上心のある人、情報に対して吸収力がある頭の柔らかい人、いろんな人と付き合える人、いろんな観点を受け入れられる人です。また、こうした素養を持った人こそ成長できる会社だと思います。学生時代に学んだ知識は、世の中の極々一部でしかありません。そこで学んだ知識だけが、世の中に通用することはありません。よって、常に世の中に対して興味を持ち、積極的に情報収集できる人はどんどんレベルが高くなり、最終的には世の中にとって必要不可欠で認められる人間になると思います。そして、弊社では、そうした素養を持った人材を、どんどん受け入れていきたいと考えております。 ■大学生へのMessage 学生時代はただお金を稼ぐためだけに働くのではなく、自分が将来進みたい分野、あるいは自分がいま興味を持つ専門分野に近い仕事に関わるところで、社会勉強をした方が良いと思います。まだ、やりたいことが決まっていない人は、とにかくいろんなことにチャレンジしましょう。若いころはたくさんミスをしてもいいと思いますし、就職浪人や留年して様々なことを経験してもいいと思います! 自分が本当は何が好きなのか、何が向いているのかを見つけていくことが、これからの人生を生きていく上で大切だと考えています。 学生新聞オンライン2022年9月5日取材 日本大学3年 和田真帆

イベント・企業紹介

ダイアナ ゴールデン・プロポーションアワード全国大会

プロポーションづくりの総合コンサルティング企業、株式会社ダイアナ(代表取締役社長 兼 会長 徳田充孝)は、日本最大級の美の祭典「ダイアナ ゴールデン・プロポーションアワード全国大会 2022」を2022年9月10日に横浜アリーナにおいて3年ぶりにリアル開催いたしました。 「ダイアナ ゴールデン・プロポーションアワード2022」とは、一般社団法人日本プロポーション協会が主催する国内最大級の美の祭典です。日本初の”年代別コンテスト”として1990年に誕生した「第33回年代別ゴールデン・プロポーションコンテスト」※1と「第8回年代別D-Styleコンテスト」※2の2つのコンテストの全国大会が横浜アリーナにて開催されました。各地域で行われた決勝大会全9大会から選出された、20代・30代・40代・50代・60代以上の各年代から合計125名が出場し、各コンテストから1名ずつグランプリが選ばれます。 本アワードは、新型コロナウイルス感染拡大の影響により2020年と2021年は無観客のオンライン開催となっておりましたが、今年は横浜アリーナにて3年ぶりに観客を入れての開催となりました。 このたびグランプリを受賞したお二人にお話を伺いました。 ※1 ダイアナでプロポーションづくりを始めてから1年以内に憧れの体型を手にした女性の美を競うコンテスト※2 ダイアナで手にしたプロポーションの美しさに磨きをかけ続ける女性の美を競うコンテスト ■野藤かおりさん(第33回年代別ゴールデン・プロポーションコンテスト グランプリ受賞) 受賞した今の気持ちは?素直にとても嬉しいです。ダイアナを始めて9ヶ月ですが、こんなに自分が変われるなんて、まるで奇跡のようです。 振り返ってみて思うこと、ダイアナへの思い私は最初の一歩が踏み出せないのですが、一度決めたら最後まで頑張れるタイプでした。そこからは一日も欠かさずにダイアナの道具を使ったり、マッサージを続けたことで楽しくサイズダウンに成功しました。「ダイアナ本当にありがとう!」という気持ちです。 チャレンジしようとしたきっかけは? 気をつけていたことは?私は4人子供がいるのですが、妊娠して授乳して痩せるの繰り返しでした。そのため痩せていた頃の自分に憧れがありました。また過去に自分の体をネタに自虐的な笑いをとっていましたが、一方で悔しい気持ちがあり、見返したい気持ちもありました。ダイアナを選んだ理由は、紹介者の勧めがきっかけでしたが、楽しく挑戦できたのはチーフの支えが大きかったです。辞めずに続けられてよかったです。私は面倒くさがりやなので無理に運動をするのではなく、食事面を意識しました。特に栄養バランスに気をつけていましたね。料理が苦手なのですが、チーフが美味しい食べ方やメニューを教えてくれました。 大学生へのメッセージ今から将来への健康的な体作りを心がけてほしいですね。大学生の息子がいるのですが、大会に向けて調整していた私と一緒に頑張ってくれました。大学生は周囲の環境に影響されやすいので、今の健康を捨てずに、将来の体作りをしてほしいと思います。 武蔵野大学3年 西山流生 ■岸本久子さん(第8回年代別D-Styleコンテスト グランプリ受賞) 受賞した今のお気持ちは?優勝などの発表で名前が挙がらなかったため、諦めていましたが、まさかグランプリに選ばれるなんて。チームのみんなに感謝しています。率直にすごく嬉しいです。 振り返ってみて思うこと、ダイアナへの思いダイアナの道具を基本通りに使用すれば、本当に変わります。楽しいダイエットでした。ダイアナには感謝しています。 チャレンジしようとしたきっかけは? 気をつけていたことは?最初はダイエットが辛かったです。しかし、だんだん痩せていく変化が嬉しくて、サロンに通うのも楽しくなりました。途中でリバウンドしてしまう場面もありましたが、チーフが見捨てず、励ましてくれたおかげでまた頑張ることができました。ダイエットする中で、セルディアという栄養補助食品を利用しました。家族も一緒にセルディアをいただくことで、みんなで楽をしてしっかり栄養を取っていました。 大学生へのメッセージ「今日一日を頑張ろう」と思って、頑張ってきました。やらないとダメとは思わずに、まずは「今日一日を頑張ろう」という気持ちでチャレンジして続けてみるとよいと思います。 中央大学2年 松島鈴音

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『青春シンデレラ』制作発表会見 ~久間田琳加・本田響矢~

女優でモデルの久間田琳加(non-no専属モデル)主演の10月ドラマ「青春シンデレラ」が10月16日(日)から放送スタートに先立ち、制作発表会見が開催されました。会見には主演の久間田琳加さんに加え、現在ドラマ・映画・舞台で活躍する注目の若手俳優で、本作では因縁の憎き初恋相手役を演じる本田響矢さんも登壇しました。「青春シンデレラ」は集英社マーガレットコミックス刊が運営する電子漫画アプリ「マンガMee」で累計7000万PVを記録した夕のぞむ先生原作で、12年前にタイムスリップした女性が17歳の高校生に変化して惨めな初恋に決着をつける青春キラキラドラマながら大人女子の共感を呼ぶラブストーリーです。会見では撮影現場の雰囲気やお二人の恋愛トークなど和気藹々とした雰囲気の中、お話を伺いました。 (日本大学3年 和田真帆) 久間田琳加 主人公の紫苑役で、大人っぽさのあるビューティーコンサルタント(美容部員)の29歳と、初心な高校生の17歳を演じます。実際に資生堂のビューティースクエアで働くビューティーコンサルタントが着用している制服と同じなので、世界観に入り込んだようです。憧れの職業を体験できて嬉しいですね。高校生の地味な紫苑を演じる時は、今までにないくらい「すっぴん」です(笑)最初は心配でしたが、原作のメイクをして前向きになる姿に共感したので、うまく変化を表現したいです。紫苑は、初恋相手に振られたことをバネに成長します。物語の転機になった「告白」。もし私が告白する側なら、目を見てストレートに「好きです」って伝えたいです。それができたら、自分に150点あげちゃいますね。自信をつけることは、人生の道を拓くきっかけになると思います。選んだ道があったからこそ、本当の大切な道に辿り着いた。選んだことが間違いじゃないというメッセージを届けたいです。長谷川くんとの距離感がもどかしい、キュンキュンシーンも見逃せません。紫苑の目線で、一緒にドキドキして楽しんでください! (駒澤大学3年 三上山明里) 本田響矢 今回、長谷川颯真役を演じさせて頂くにあたり、嬉しいと思うとともに、青春ど真ん中なシンデレラストーリーなので、カメラの奥で作品を観て下さる方々がキュンキュンして欲しいなと思い、意識しながら撮影に挑みました。クランクインして衣装の制服を見た時に、デニムシャツと青いカーディガンを羽織るので派手だなと思ったのですが、映像でみてとても映えていたのでこの衣装でよかったと思いました。僕の演じる長谷川くんは一匹狼な役柄ですが、僕自身は友達と盛り上がるタイプなのでキャラクターは似てないと思います。(笑)もし自分が告白するとしたらSNSとかではなく直接面と向かって思いを伝えたいですね。主人公のテーマでもある“オトナ女子”と言われる20代後半の世代の方々は、若かりし頃の学生の時の思い出、その中にある過去での後悔やトラウマを抱えて生きている方がたいっぱいいると思います。青春経験者のオトナ女子の皆さん、そして、青春の真っ只中である学生さんなど幅広い人にみていただき、たくさんの胸キュンを届けたいです。 (国立音楽大学2年 岡部満里阿) ドラマ『青春シンデレラ』ABCテレビ 10月16日(日)スタート 毎週日曜深夜0時25分テレビ神奈川 10月17日(月)スタート 毎週月曜深夜1時30分※ほか地域でも放送予定(TVer・GYAO!にて見逃し配信あり)

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「Mitea ORGANIC」新商品発表会イベント

株式会社マッシュビューティーラボ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:近藤広幸)は、同社が運営する新スキンケアブランド「Mitea ORGANIC(ミティア オーガニック)」の2022年10月4日(火)デビューに先駆け、10月3日(月)に本社で、本ブランドの新商品発表会イベントを開催しました。イベントでは、ゲストとして、現在4児の母親として育児の傍ら、タレントとしても活躍する辻希美(つじ・のぞみ)さん、俳優としてミュージカルや舞台、ドラマに出演し、現在はファッション誌やビューティー誌を中心にモデルとしても活躍中の高橋愛(たかはし・あい)さん、女性ハロー!プロジェクトのアイドルグループ「アンジュルム」のメンバーの上國料萌衣(かみこくりょう・もえ)さんがご登壇。Mitea ORGANICについてのお話を伺いました。 辻希美 オーガニックの化粧品は高くて手を出しにくいですけど、今回発売される「Mitea」の化粧品は価格帯も2000円以下とお手頃ですし、コンビニで買えるので忙しいママでも簡単に手に入れることができるなと感じました。中でも香りがよくて、肌にも馴染んでサラッとしている「ホワイトニングセラムローション」が好きです。今回私はマンダリーヌコンフィという透明タイプのリップを使わせていただいているのですが、色味がとても良くて普段使いもできるようなリップです。見た目もオシャレで可愛いので、「今日も一日頑張ろう」とコンディションを上げてくれます。子育て中は忙しくて、美容にかける時間を取るのも難しいです。そんな忙しいママさんでも「Mitea」の化粧品はオーガニックにこだわっていて、質も高いです。何よりこのクオリティの化粧品をデパートまで行かなくても、コンビニで手に入れられるので、多くのママさんに届くと嬉しいです。立教大学 4年 須藤覚斗 高橋愛 普段の生活で、スキンケアだけでなく、食事、そしてライフスタイルにも気を使っている分、今回の「Mitea」の商品はとても魅力的に感じました。商品制作にあたって、背景の細部にまで、こだわりを感じられたからです。スキンケア商品に使われている成分はもちろん、容器や配送の際の梱包材にまで、環境に配慮したつくりになっていて、買うときも、使うときも地球に寄り添えている感じがしてとても気持ちがいいです。特に印象に残っているものは、クレンジングアイテムです。肌に乗せたときの香りがとてもよく、ふき取るタイプとともに、使用感がとてもクリアで、肌の疲れ、調子を整えて1日をリセットするのにぴったりな商品だと思います。私たちの肌、心、そして地球にも優しい「Mitea」が、今までのスキンケア用品の固定概念を払拭してくれると共に「Mitea」の制作に携わる方々のオーガニックに対する思いの強さも感じられました。このように丁寧に作られた「Mitea」の商品をジェンダーレスで色々な方の人に使っていただきたいです。私も旦那さんと一緒に夫婦2人で愛用していきたいです。立教大学 2年 福田さくら 上國料萌衣 私と同世代の人はまだオーガニックコスメに挑戦できていない人が多いのかなって思います。「Mitea」は、ファミリーマートで手軽に買うことができるところが嬉しいですね。いつでも誰でも手に取れる商品です。実際に使ってみてオススメしたいのは、「ホワイトニングセラムローション」です。肌にぐんぐん浸透しているのが分かります。「クレンジングセラムオイル」も、小鼻のざらつきがツルツルになるところがお気に入りです。私はお仕事柄、メイクをたくさんするのですが、「Mitea」は肌がつっぱることもないので、ぜひ愛用したいです。また今回、新商品リップの「フィグタルト」を付けていますが、潤いはもちろん、細いパッケージなのでカバンに入れやすく、持ち運びにもぴったりです。ミティアダンスは初披露だったので、初ステージのように緊張しました。(笑)辻希美さんと、高橋愛さんという、お二人の先輩方と踊ることができて、楽しかったです。ぜひ、皆さんに覚えてもらいたいです。今まで、オーガニックを意識したことのなかった私も、肌へのやさしさを感じた「Mitea」。ライブで地方公演する際に、普段使いの化粧品を忘れてしまうことがあるので、その時も活用したいです。駒澤大学 3年 三上山明里 「Mitea ORGANIC」について 「Mitea ORGANIC」は、医薬部外品を含むスキンケアアイテム4種にリップ1種(全3色)、1DAYトライアルキットを展開。同社の厳しい独自基準に準拠したナチュラルオーガニック処方で、価格は全て税込2,000円以下となっております。また、全国のファミリーマートに加え、コスメキッチンやビープル、メイクアップキッチンで同時発売いたします。コスメキッチンの商品がコンビニエンスストアで販売されるのは、今回が初めてとなります。 <販売店舗>・ファミリーマート・コスメキッチン(https://www.cosmekitchen-webstore.jp/)・ビープル(https://store.biople.jp/)・メイクアップキッチン(https://makeup-kitchen.com/)

DX・WEBマーケティング

資生堂インタラクティブビューティー株式会社 DX本部オムニエクスペリ...

リアルとデジタルの融合がマーケティングの新しい価値を生む 資生堂インタラクティブビューティー株式会社 DX本部オムニエクスペリエンス推進部 テクノロジーコンテンツグループグループマネージャー 増田卓矢(ますだたくや) ■プロフィール2008年、楽天に新卒入社。Webディレクターとしてサービス開発に従事。サービス運営、モバイル事業など複数の立ち上げを経験。2017年、ユニクロへ転職。オンラインサイトのサービス開発、UI/UX改善や商品検索・レコメンドエンジン開発を担当。2019年、資生堂入社。主にARを用いたバーチャルメイク、画像解析による肌測定などビューティーテックを用いた化粧体験向上に従事している。 資生堂は創業150周年を迎える。これを機にデジタルトランスフォーメーションを加速すべく、アクセンチュアとの合弁会社として立ち上げたのが、資生堂インタラクティブビューティー。今後、資生堂はどのようにデジタル化を推進していくのか。DX本部の増田マネージャーにマーケティング戦略を伺った。 当社は2021年にできた新しい会社です。資生堂とアクセンチュアとの合弁会社で、資生堂のデジタルトランスフォーメーション強化のための戦略的子会社です。私は当社においてDX本部でオムニエクスペリエンスを推進していく立場にあります。 ■オムニ体験によって販売促進する オムニエクスペリエンスは「オムニ体験」と言われているように、リアルとデジタルを融合した新しい形をお客様に体験してもらおうとしています。特に「肌パシャ」というデジタルコンテンツは、スマホやタブレットで自分の肌を撮影して肌の状態を調べることができます。店頭において美容部員がお客様の肌カウンセリングをする際にも使用しています。最初はデジタル上のみでの使用を想定していましたが、ローンチ後はコロナ禍があって店頭での非接触状態が保たれるということで、店頭でも導入されるようになりました。現在はECだけでなく、店頭販売においても「肌パシャ」利用者の購入率が高くなってきており、リアルとデジタルの両方の領域で販売を促進させることができたと考えています。 ■デジタルマーケティングが面白い 売上がCMに左右されるフロー型のマーケティング手法だけでは少し物足りないと考えています。まず、ソーシャルネットワークを活かしたストック型のマーケティング手法を用いながら、いろいろな角度から細かくアプローチをし、常に資生堂を身近に感じられる状態にすることが大切だと思っています。フロー型とストック型とを上手にリンクさせながら購入数を可視化できるように新たな手法を模索しているところです。媒体に関してはさまざまなものを利用していますが、リンクを貼ることができるLINEやTwitter と、美容部員の活躍によるインフルエンサーマーケティングなど、効果の測定が詳細にできるものは特に注目しています。また、化粧品のモデルチェンジは他の商材と比べて比較的期間が長いので、お客様へのアプローチの仕方としては同じ商品でも異なる使い方を提案したり、見せ方を工夫したりしながら伝えていくことが大切です。どのアプローチに関しても正解はありません。だからこそ探求し続けていかなければならず、そこに大きなやりがいを感じています。 ■老舗企業としてのイメージを生かす 資生堂は2022年で150周年を迎えました。150年も会社が続く理由としては、常にイノベーションを起こしているからであり、それを支える豊富な販売データとさまざまな販売チャネルがあるからだと考えています。そしてそれを適切に処理し、解釈できる優秀な人材が揃っています。肌データや購買データ、行動データなどのビッグデータを収集し、ECやリアル店舗へ多角的に提供できるチャネルもあるため、価値創造が非常にしやすく、その影響は多方面に広がっていくのです。特に、ID(会員)がブランドを横断しているため、お客様のイメージがつかみやすくなっています。今後はこうした豊富なデータをもとに、スピード感を重視しながら資生堂のもつ安心や信頼といった企業イメージを大事にしつつ、デジタルとの融合を図っていければと考えています。 *message* 社会にあるいろいろな事象に対して常に疑問をもつことが大切だと思います。たとえば、近年は多くの企業がECを推進し、デジタル上で商品を紹介するようになり、紙媒体でのカタログを廃止する動きがあります。その方向性は今のデジタル化やお客様の動向をとらえると正しい動きのように思います。しかし、私とある企業の間では、そうではありませんでした。私は、子どもたちと紙のカタログを一緒に見ながら商品を選びたかったのです。私にとっては紙カタログを使ったとても楽しい時間だったのですが、その時間が無くなってしまいました。このときこの企業はどんな判断をすればよかったのでしょうか。私のようなケースは少ないだろうし、デジタル推進のために紙カタログ廃止は正しかったのでしょうか? 皆さんだったらどう考えますか?このように、ある事象に対して企業や自分がどのように関わっていて、それに対して自分がどう考えたのかを深く追求することが大切です。世の中の事象を自分事化していくことによって、視座が高くなっていきます。そのような機会を増やすことで見える景色が自ずと違ってくるはずです。 学生新聞2022年10月1日発刊号 津田塾大学4年 宮田紋子

如意太一

株式会社SBI証券 専務取締役 小川 裕之

お客様の喜びや安心のために、まず身近な人を幸せにする 株式会社SBI証券 専務取締役 小川 裕之(おがわ ひろゆき) ■プロフィール1998年、三和銀行(現・三菱UFJ銀行)入行。NTTドコモに出向時、携帯電話を使った新たな決済サービスの立ち上げに携わる。2005年、伊藤忠商事入社。その後、GMOクリックホールディングスを経て、2013年SBI証券入社。経営企画部長、執行役員を経て、2017年に同社取締役就任。2020年に常務取締役に、2021年に現任である専務取締役に就任。 証券業界でトップの利用者数を誇る株式会社SBI証券。1999年の創業以来「顧客中心主義」を徹底し、多くの投資家から支持されている。「お客様の喜びや安心のために、まず身近な人を幸せにする」と語る小川専務取締役。自身のキャリアの変遷や仕事に向き合う姿勢についてお話を伺った。 大学時代は物理学を専攻しました。進級率の低い、厳しい学科だったので、勉学一筋で本当に苦労したことを覚えています。一方で、高校時代は課外活動に力を入れていて、生徒会長と応援団の団長を務めました。応援団では、ひたすら練習に打ち込む日々を送りました。応援団の練習は厳しくて大変でしたが、礼儀作法や胆力が身に付きました。応援団の活動をしていく中で、同期のため、後輩のために何かを残したいという思いが募り、応援歌を作ったことが今のビジネススタイルにもつながる成功体験となっています。それまでにも応援歌はありましたが、しっかりと歌い継がれてはいませんでした。そこでどうすれば後の代まで歌い継がれるのかと一生懸命に考えた結果、「自己満足だと未来に残らない。人を巻き込んで自分事にすれば未来につながる」という考えに至りました。 ■大切なのは人と人のつながり 学生時代の一番の悩みは就職活動でした。自分のやりたいことが分からず、さまざまな業界を見るために、200社ほどの企業の方にお会いしました。最終的には高校時代に応援歌を作ったときのように、人と触れ合い、人を巻き込んで何かを作り上げていきたいと考えて営業職を選びました。中でも多くの企業と取引をする銀行業界で、さまざまな企業や人と出会いたいと考えて、ご縁もあって三和銀行(現、三菱UFJ銀行)に入行しました。3年経ったころに、当時iモードの立ち上げ期にあったNTTドコモに出向し、アライアンスで大きなビジネスの立ち上げに携わりました。三和銀行に戻った際も、新規ビジネスを担当し、携帯電話と金融を絡めて何かできないかと考えていました。数年後、UFJ銀行と東京三菱銀行の合併により、自分の得意分野であった新規事業の立ち上げができなくなってしまいました。このことがきっかけで伊藤忠商事に転職をしたもののネットリテールに関わりたいという思いが募り、GMOクリック証券へ転職。その後、弊社社長の髙村と縁があり、今に至ります。人とのご縁でいろいろな経験ができたと思っています。 ■素直で謙虚な姿勢で向き合う 会社の組織において最も状況を把握しているのは現場を一番分かっている若い人なので、正しい情報を上げてもらうための環境作りを心掛けています。役員室などは設けず、物理的にも距離を近づけ、話しやすい環境で仕事をしています。このような環境なので部下の成長が目に見え、部下の成長や成功が自分のことのように嬉しく、自分のやりがいにもなっています。また、彼らには常日頃から素直で謙虚な人を目指そうと伝えています。グループトップの北尾から出されるSBIグループとしての戦略や方向性のヒントに対してしっかり勉強してみることで、新しい分野の知識を吸収できればビジネスや自分の幅を広げることができます。それをチャンスと捉えて食らいついていくことで、そのビジネスの第一人者になることができます。素直さと謙虚さが仕事上のヒントやチャンスに直結し、会社全体としても成長できるのです。 ■さまざまな方面にアンテナを張る SBIグループは、新しいことに対しての感度が高く、若手の意見を聞き、積極的に取り入れることがカルチャーとなっています。私もさまざまな方面にアンテナを張っていますが、単にアンテナを張るだけでは意味がありません。得られた情報をいかに活用するかが価値の源泉となります。とくにアライアンスにおいては、一般消費者だけでなくビジネスパートナーもお客様であり、お客様に何か付加価値を提供することができないかという観点から、得られた情報をどうアウトプットできるのかを常に考えています。SBIグループでは、さまざまな業界の企業と提携しWin – Winの関係を築く「オープンアライアンス」を推進しています。顧客中心主義を掲げるSBI証券としては、お客様が喜ぶことはすべて提供したいと思っています。これまでネットリテールビジネスに携わってきて、自分の考えたモノやサービスを身近な人が利用することも増えてきました。身近な人を幸せにできないと、より多くのお客様を幸せにすることはできないと考え、まずは身近な人を幸せにできるようなモノやサービスを届けていきたいです。 *message* 勉強しているときはもちろんのこと、趣味や遊びに時間を使うときにも自分の頭で一生懸命に考えることが大切です。学生のうちにさまざまなことを経験し、将来にどう活かすのかを考えれば、それは失敗したことも含めて人生の糧となります。何も考えずに学生生活を過ごすのは時間がもったいないです。自分の意見を持ちつつ、いろいろな人と関わることが大事です。自分を成長させ、将来につなげるために、学生のうちに何ができるのかを一生懸命に考えてください。 学生新聞2022年10月1日発刊号 明治大学4年 酒井躍

伊東美優

合同会社DMM.com 最高執行責任者(COO)兼EXNOA(DMM ...

会社は日々挑戦し、変化しながら強くなっていくもの 合同会社DMM.com 最高執行責任者(COO)兼EXNOA(DMM GAMES)CEO 村中 悠介(むらなか ゆうすけ) ■プロフィール2002年、DMM.comに入社。動画配信事業の営業担当を経て事業責任者を務め、事業拡大に貢献。2011年、取締役就任。デジタルサービス全般を統括。アミューズメント事業、アニメーション事業など多岐にわたる事業を立ち上げる。2018年COOに就任。2019年よりEXNOA(DMM GAMES)CEOを兼任。現在60以上ある事業を統括。 「領域問わずなんでもやる」を企業理念とし、毎年多くの新規事業を立ち上げている合同会社DMM.com。現在の総事業数はなんと60を超え、どんどん多様なチャレンジができる環境となっている。これに対し「より情熱を持って発信できる人材がほしい」と語る村中COO。DMMグループの見据える未来とは何か。会社の魅力とともに、今後の展望についてお話を伺った。 私は北海道苫小牧市にある工業高校出身で、卒業後すぐに上京して建築会社に勤めました。地元には決まったルートを淡々とたどる人が多く、自分はそうではない人生を歩みたいと思い、東京に出ることを決めていました。しかし、卒業後に入った会社はかなり辛かったですね。当時は右も左も分からず、とにかく上司に怒られてばかりでした。結局、その建築会社で4年間働き、次に転職したのがDMMのグループ会社でした。 ■「やりたい」をすぐに形にできる 弊社に入社してからは毎日楽しく仕事をしています。その理由として一つ挙げられるのは情報量の多さです。転職した当時は、今ほどインターネットが発達していなかったので、自分の置かれた環境しか分からず、他社と比較することは難しかったため、そこで必死に働くしかありませんでした。しかし、弊社は昔から自分にとって多くのチャレンジができるやりがいのある環境でした。もちろん今はいろいろな会社の情報を手に入れることができますが、そんな時代であっても弊社は未だに魅力的な会社だと思えます。私はIT企業に勤める楽しさを、「目の前でデジタル技術の進化が感じられる」点にあると考えています。今この瞬間もデジタルの世界では多くの変化があり、それを目の当たりにすることが仕事の面白さでもあります。そんな業界の楽しさに加え、DMMグループの強みは若さと規模感です。多くの社員が20 代、30代です。そしてただ若くてエネルギッシュな人材が集まっているだけでなく、会社の規模の大きさもポイントです。規模が大きいからこそ社員の「やりたい」をどんどん事業化していける利点があります。若さと規模感のどちらも兼ね備えている企業は少なく、チャレンジをすぐに形に変えられるのは弊社ならではだと思います。実際、弊社で行っている事業の半分は社員からの提案で生まれています。だからこそただ若いだけでなく、自分独自の好きを持っていて、それを情熱につなげられる人を社内にもっと増やしていきたいと思っています。求める人材は、一言で表すと「人間性のある人」です。この人間性を言葉にするのが難しいのですが、他者から「この人に付いていきたい」と思わせる人は、人間性があるなと感じます。理想は社員の多くが裁量権を持って働ける環境であり、それには仕事を社員に任せられることが必要です。今後は仕事を任せられる若手をさらに増やしていきたいですね。 ■多事業展開は成長の源泉 当社は現在、60以上の事業を展開しています。事業内容はWEB3・メタバースから農業までと幅広く、とにかく未来を感じさせるビジネスであればなんでも挑戦しています。皆さんからすると、「既存事業に注力していけばここまで事業を広げる必要はないのでは?」と思われるかもしれません。しかし、いわばトップアスリートと同じです。彼らは成功のために多くの挑戦をし、トップを維持するために日々変化を遂げていく必要があります。それは企業も一緒です。一つの事業で得られる成長には限りがあり、より大きな変化を求めるにはどんどん新たな領域にチャレンジしていかなければなりません。そのため、未来に向けた種まきとして、さまざまな領域で事業展開をしています。会社に現状維持という言葉はありません。弊社は他社と比較しても意思決定の速さなどスピード感が特徴で、次々にいろいろなことが生まれるワクワク感があります。また、現在、IT業界の大きな流れとして、プラットフォーマーからパブリッシャーへ、という動きがあります。たとえば、皆さんが普段利用する動画配信サービスなどでは、他社で制作されたコンテンツ以外にオリジナルコンテンツと呼ばれるものがあると思います。つまり、従来は事業者からさまざまなコンテンツを仕入れてユーザー会員に届ける、あくまでも流通基盤としての役割だったのが近年はコンテンツの自社制作も増えているのです。このような流れに対し、当社でもパブリッシャーとしての役割を果たし、どんどん他社との差別化を図っていきたいと思っています。実際、当社は長年アニメ制作なども多く携わっているため、既存事業のノウハウを活用しながら今後はコンテンツ制作にも力を入れていく予定です。 *message* 多くの学生は就職活動の時期が迫るにつれて、どんな会社に入りたいかを考えるようになると思います。しかし、本来はどの会社に入るかは手段でしかありません。皆さんが考えるべきことは、自分は何をしたいのかではないでしょうか。しかし、将来何をしたいかなど明確に答えられる人はほとんどいないと思います。だからこそ実践してほしいのが楽しいことを考え続けること、好きなことをやり続けることです。自分の「楽しい」や「好き」という感情に向き合ってみると、自分のやりたいことが少しずつ見えてくると思います。会社に入ることが目的にならないように、自分自身の感情を突き詰めてみてください。 学生新聞2022年10月1日発刊号 慶應義塾大学3年 伊東美優

学生新聞インターン

ビッグローブ株式会社 代表取締役社長 有泉 健

フロンティア精神でオンリーワンを目指す ビッグローブ株式会社 代表取締役社長 有泉 健(ありいずみ たけし) ■プロフィール山梨県出身。1984年、KDD(現KDDI)入社。世界初のGPS搭載携帯電話の商品化に向け、位置情報を算出するサーバーシステムなどを設計。ソリューション推進本部長、執行役員を歴任。2017年1月、ビッグローブ株式会社代表取締役社長へ就任。 実家の鉄工所の跡継ぎを断り大学へ進学。今でこそ当たり前に利用されているITだが、業界の成長を18歳にして予想。衛星、通信の開発を中心に、独自の嗅覚を頼りに今もなお躍進し続ける。トップではなくオンリーワンを目指すという有泉社長に、BIGLOBEの将来展望を伺った。 学生時代はネットもコンビニもない時代でしたので、下宿で日夜実験レポートを書くことに追われる毎日でした。親には高校卒業後には家業の鉄工所を継ぐように言われていましたが、大学に進学しました。大学では今後コンピューター業界が成長するだろうと予測して工学を専攻し、リニアモーターカーなどで利用されている超伝導について研究していました。この技術があれば新しいコンピューティングの世界を創り出せると考えました。常温に近い状態で超伝導現象をいかに起こすかという研究を大学院生になってからも続けていました。就活を始めた当時、業界ではコンピューター&コミュニケーションが流行っていました。当時の花形は衛星通信。私はミーハー的な感覚で国際電信電話株式会社(KDD。現在のKDDIの前身会社の一つ)を選び、通信の世界に一歩を踏み出しました。 ■技術者からマネジメントの世界に 入社後は茨城衛星通信所のシステム運用の現場で3年半ほど働きました。主に衛星での無線設備の運用に携っていました。その後、東京の本社で衛星通信設備の設計担当になり、衛星本体そのものを世界各国と協力しながら作りました。打ち上げた後に、地上で衛星のモニタリングをしながら姿勢制御する機能なども設計していました。このように、入社後は現場と設計を8年間やった後に、人事部へ移動。人事部は当初2年の予定だったのですが、会社の合併などが重なり、結果的に4年半になってしまいました。当時、IT業界ではインターネットサービスが学術用から商用化し、産業革命が起きていました。このまま現場を離れていては技術者として死んでしまうと思った私は、技術者に戻るために必死で上司を説得し、ようやく戻ることができたのです。そして2000年から17年間法人向けのソリューション事業に従事しました。私自身が成長できたのは、この事業に携わったことが非常に大きかったと思っています。お客様の本心やインサイトを知るには、直にお会いして話すしかありません。お客様に納めたシステムがトラブルを起こして怒られる、改善する。お客様の欲しいものができる、喜ばれる。この繰り返しが自身の経験値、モチベーションとリレーションという財産になります。2017年1月、BIGLOBEの社長に就任し、現在に至ります。上司からはいつも「担当5:上司3:経営者2」の目線がリーダーにとって必要な目線であるとアドバイスを頂き、意識して実践してきました。 ■ブラックオーシャンを手に入れる 新たなソリューションを思いついた際に、上司から「これはどうして売れるの? 強みは? 差別化は?」と必ず聞かれました。レッドオーシャンでは、マーケットの規模感があっても差別化できなければ同質化によっていずれ衰退します。BIGLOBEに来て驚いたことは、コンシューマー事業は法人事業と違って競合他社がひしめいていました。そんな中で勝ち残っていくためには次の2つの考え方が大切です。1つ目はSTP分析によるBIGLOBEの戦略分析を行い、差別化しながら実践することです。2つ目はバックキャスティングによる思考法を身に付けることです。つまり、2〜3年先の未来のあるべき姿から今どうすべきかを考えるのです。先を見据えて自分たちのtobeを決め、そのためのtodoを決めるというバックキャスティングの教えがとても役に立ちました。皆さんのBIGLOBEのイメージは通信事業だと思います。それはインターネット黎明期からフロンティア精神を持ち、数多くの事業を手掛けてきたからだと思います。しかし、通信事業の成長が飽和状態になってきた今、もう一度フロンティア精神を発揮し、バックキャスティング手法で未だ世の中にない、これから必要になるものを世に先駆けてやっていこうとしています。その筆頭となるのが社会環境事業です。現在、具体的に手掛けているのは、健康経営に資する法人向け温泉トラベル事業、AIを活用したビルのエネルギー制御事業、地球に負荷をかけない自然環境を活用する再生エネルギー事業があります。ビルのエネルギー制御は、日本ではまだ例のないAIを活用した消費電力の効率化です。また、再生エネルギーは、設備が大掛かりになりがちな太陽光・風力ではなく、水や土、生ゴミの堆肥から電気を集電するシステムを作り、世界で未だに電気が使えていない13億人の人々に届けたいと思っています。 *message* 学生の皆様には海外に行くことをオススメします。海外に行ってビジネスをクリエイトするWAYを学んでほしいのです。日本の物作りの技術は素晴らしいですが、それらを掛け合わせてビジネスにする能力がものすごく低いです。Uber はまさに良い例で、新しい技術は何一つなく、位置情報とメールのみで世界最大のタクシー会社になろうとしています。若い人こそ海外へ出て発想・思考に触れ、日本発で世界初を増やしてほしいと思っています。 学生新聞2022年10月1日発刊号 関東鍼灸専門学校3年 竹原孔龍

八木彩花

イオン株式会社 執行役 事業推進・ブランディング担当 尾島 司

「人々の笑顔」のために、常にチャレンジし続ける イオン株式会社 執行役 事業推進・ブランディング担当 尾島 司(おじま つかさ) ■プロフィール1986年4月、(株)三和銀行(現三菱UFJ銀行)入行。その後、2005年1月にリーマン・ブラザーズ証券(株)、2012年6月に野村證券(株)執行役員、2017年6月にウェルス・マネジメント(株)取締役、2020年6月に(株)大戸屋ホールディングス取締役を経て、2021年6月にイオン株式会社入社。2022年3月に同社執行役となり、事業推進・ブランディングを担当。 小売業の牽引役として進化を続けるイオン株式会社。常にお客様の笑顔を生み出すことに力を入れている。これは尾島執行役の人生観そのものであった。人々を笑顔にするという明確な目的を持ち、常に挑戦を続ける尾島さんに、その一貫した人生観や今後のイオンの展望などを伺った。 僕の人生において大事なことは、好奇心です。面白そうだと思うことは、何でもチャレンジしてきました。学生時代は格闘技、バイク、ウィンドサーフィン、スキー、オーストラリアでのスキューバダイビングやワーホリなど、新しいことに興味をもってチャレンジし続けていました。常にワクワク、ドキドキの学生時代でした。大学卒業後は銀行に入りました。決め手は人です。反骨精神のある変人が多く、おもしろそうだと思ったのです。19年間働いた後、投資銀行や証券会社などを経て現在に至ります。七転八倒しながらも乗り越えてこられた鍵は、やはり好奇心だと思っています。旧約聖書の教えにあるとおり、私たちが今持っているものは神様から与えてもらったものだから感謝し、活かしていかなければいけないと思っています。与えられたチャンスやご縁を活かしきることが僕の人生観です。そのためにいろいろなことにチャレンジします。リスクなど大してありません。もちろんうまくいかないこともありますが、失敗を恐れずに躊躇なくチャレンジし続けることが大事だと思います。夢中になれることに出会って、真剣に向き合いながら考え抜くことが一番楽しいと感じています。 ■お客様ニーズに合わせて進化する 銀行に勤務していたときに、イオンから銀行設立の相談を受けたのをきっかけに、イオンのアドバイザーとして数多くのM&Aや子会社の再生などに関わってきました。そして現在は、執行役として新しい事業を推進していくこと、ブランド価値を上げていくことに努めています。イオンは従業員約56万人、子会社約300社という巨大グループであり、大変多くのご縁をいただいております。こうした〝イオン生活圏〞のお客様を中心に、お客様目線で常にチャレンジを続けています。モール事業の牽引やイオン銀行の立ち上げ、海外での金融クレジットの推進なども同じ文脈に連なるものです。時代が変化するにつれて、お客様のニーズも変化します。マスマーケティングが通用した1980年代とは違い、現在は価値の多様化が進む〝個の時代〞です。多様化するお客様のニーズに応え、お客様目線でどこまで対応できるかが企業の成長につながります。イオンモールに多くの専門店が入っているのもそのためです。その時々のお客様が求めるものに合わせて変化していく、だからイオンモールは常に変化・進化していき、完成はないんです。イオンは2000年以降、売り上げ規模にして4兆5000億円相当のM&Aをやってきました。ニーズに合わせてさまざまな価値提供ができるよう、コンテンツを常に進化させています。 ■ECにチャレンジする生鮮食品 コロナ禍によってECの存在が大きくなってきています。ECで成功してきたものは、高額で軽いものです。その対極にある重くて安いもの、つまり生鮮食品は最もECに向かないカテゴリーです。温度管理や需要予測も大変難しく、大手でもまだまだこれからという状況です。このような中にあって、イオンは生鮮食品のEC化にチャレンジしています。「おうちでイオン」というネットスーパーで圧倒的なポジショニングを築き、さらにイギリスのOCADO社と提携して、大規模なフルフィルメントセンターの設置や効率的な配送の仕組み作りに大きな投資をしています。こうしたチャレンジもイオンならではであり、他のネットスーパーと大きく差別化できるところではないでしょうか。 ■ブランドイメージの転換 イオンは、これまでの安全・安心というブランドイメージに加え、笑顔を感じてもらえるようにしていきます。私は、これこそがイオンが目指すべき根本のテーマではないかと思っています。イオンは第一の理念として平和産業を掲げています。平和でないと笑顔がないんです。悲しみや涙に対して手を差し伸べたいと思うのは自然なことです。そこに笑顔が戻るのが生きる上で大切なことだと思っています。つまり、技術革新が目的になって環境破壊につながっては意味がないんです。みんなが幸せになるために努力していたはずなのに、その結果が笑顔ではなく苦しみが広がっているという現状になり、SDGsが叫ばれているんです。イオンは環境問題にいち早く取り組み、継続して木を植えています。これも笑顔に貢献するためです。結局、究極の目的は人々を笑顔にすることなのです。その軸を外してはいけないと思っています。 *message* 失敗を恐れずにたくさんチャレンジしてほしいです。自己満足ではなく、チャレンジして世界を広げていった結果、接する人を笑顔にしていける、そんな人生を歩んでいってもらいたいです。人を笑顔にするということを喜びに変えて挑戦し続けることは、実に楽しくてワクワクする人生だと思います。そこで大切なのは、神様から与えられた自分の才能や能力を認識して、それを活かすことです。どんな分野でも何のためにやっているのかを常に考え、人々を笑顔にしていくために、自分の才能を活かしていってほしいと思っています。 学生新聞2022年10月1日発刊号 上智大学4年 八木彩花

大学理事長・大使館

立教大学 総長 西原廉太

真理にこだわり、自分のオリジナルなものを持つ 立教大学 総長 西原廉太(にしはられんた) ■プロフィール1987年京都大学卒業。1994年聖公会神学院修了。1995年立教大学大学院文学研究科組織神学専攻博士課程(前期課程)修了。博士(神学)。1998年に立教大学文学部専任講師となり、助教授、教授、副総長などを経て、2021年4月より立教大学総長。 社会で活躍していくためには「真理とは何か」にこだわり続けることだという。たくさんの情報の中から本物を見抜く目を養わなければならない。そのためには実際に自分の目で確かめることが大切だと話してくださった。そしてファーストクラスの人間であれと説く立教大学の精神を西原総長に伺った。 ■どんな学生生活を過ごしてこられましたか 大学生の頃はとにかくたくさんの人と出会うことを意識していました。大学1年生のときに、先輩に誘われて子どもと遊ぶサークルに入りました。それは何かといえば、在日コリアンの子どもたちと公園で遊ぶというものでした。また、青果市場でアルバイトもしていたので、早朝にアルバイトをした後、大学で授業を受けてからサークル活動をするという毎日を送っていました。当時、社会から不当な差別を受けていた地域に住む子どもたちと出会うことで衝撃を受け、自分の生き方を考え直すようになりました。さらに、サークル以外でも沖縄に行って愛楽園という元ハンセン病療養所で暮らす方々からお話を伺ったり、北海道ではアイヌの人々と交流したりなど、たくさんの人との出会いがありました。そのようなさまざまな環境や文化の中で生きている人たちと触れ合うことで、自分は何者なのかを考えるようになりました。 ■総長の仕事とはどのようなものなのですか 総長には教育・研究・学務の3つの仕事があります。教育は実際に授業をしたり、ゼミでは学生といっしょにさまざまな課題と向き合って解決方法を議論したりします。研究は論文を書いたり、研究に関する本を読んだりしています。大切なのは、良い教育者は良い研究者であるということです。教育者としての教員は、研究を続けて常に新しい情報を学生に届けなければならず、授業もよりわかりやすく伝える工夫をしていかなければなりません。また、エデュケーションという言葉がありますが、この言葉の語源はラテン語のエクスデュカーレに由来しています。外に引き出すという意味で、教員は生徒の可能性や能力を引き出さなければなりません。そのためには教育と研究のバランスが大切です。そして最後の学務ですが、これは大学の運営、つまりはプロデュースをすることです。そのためには実際に大学のビジョンを提示し、全ての学生や教員が安心して過ごせるように管理・運営をしています。 ■社会で求められる学生像をお聞かせください 大切なのは批判されることを恐れず、「真理とは何か」にこだわり続けることです。そして、自己の存在を知って他者の存在に気付き、そこから人間を学んで世界を読み解くことだと思います。つまり、常識や定説を疑い、オリジナルなものに触れるということです。デジタル・ネイティブである現代の若者は、疑問を抱くとネットで調べて分かった気になってしまいます。しかし、「本当にそうなのか?」と実際に見たり、経験したりして自分のオリジナルなものを持つことが必要です。英語の勉強もそのためにするものです。疑問の答えが日本にない場合、海外に行って本物を見て、直接自分で確かめるしかありません。しかし、そのためにはその国の言語がわからないと理解できません。英語はスコアを取ることが目標ではなく、日本語だけでは理解できない情報を得るために必要な言語なのです。そしてありふれた情報の中から本物を見つけ出すことができる人が社会で求められる人なのです。 ■大学生へのメッセージをお願いします 最後にこの言葉をご紹介します。「Do your best, and it must be fi rst class.」。これは戦後日本にアメリカンフットボールを紹介した、立教大学の教授でもあったポール・ラッシュ博士の言葉です。直訳すると「最善を尽くせ。そして、一流であれ」となります。その意味するところは、勝つことのみが目的ではなく、与えられたミッションに対して最善を尽くす、そのプロセスこそが大事なのだと。その取り組む姿勢、そのふるまいをもって一流たれと。 学生新聞2022年10月1日発刊号 立教大学4年 須藤覚斗

学生新聞インターン

作家 赤川次郎

好きなことを仕事にできる幸せ。70年以上変わらない想い 作家 赤川次郎(あかがわじろう) ■プロフィール1948年、福岡県生まれ。1976年『幽霊列車』でオール讀物推理小説新人賞を受賞。「三毛猫ホームズ」シリーズなどミステリーの他、サスペンス、ホラー、恋愛小説まで幅広く活躍。1980年『悪妻に捧げるレクイエム』で角川小説賞、2016年『東京零年』で吉川英治文学賞を受賞。『セーラー服と機関銃』『ふたり』『いもうと』『天国と地獄』など著書多数。 ■小説家になろうと思ったきっかけは何ですか 実は一度も「作家になろう」と思ったことはないのです。というのも、手塚治虫さんの漫画に影響を受け、小さい頃から物語を作るのが好きでした。3歳のころから中学校に上がるくらいまで漫画を描き続けていたのですが、絵の力が追い付かず、我ながら下手だなと思って描いていました。デッサン力のなさを嘆いていた中学3年生の頃、『シャーロック・ホームズの冒険』という本に出合ったのです。それまでは意味も分からずに難しい本ばかり読んでいたのですが、人を楽しませる小説があることを知って、こういうエンターテインメントものなら自分でも書けるのではないかと思い、小説を書き始めました。それ以来、60年間ずっと書き続けています。最初はともかく好きで書いていただけで、どこかに投稿するという意図は全くなかったのですが、高校卒業後の就職先で出会った同僚から詩集を出そうと誘われ、自分たちで作ったものを会社の社員に配ったのです。そうしたら「面白いね」と言ってもらえて、自分の書いたものを面白がってくれる人がいるのだと思い、それがきっかけで脚本や小説の募集に応募するようになったのです。 ■小説に対する思いを聞かせてください もともと物語を作るのも話を書くのも趣味なわけですから、趣味を仕事にできるのは本当に幸せなことです。締切があるので何でも好きなようにはできませんが、締切がないと書かないですからね(笑)。小説を書く上で大切にしていることは、読者に媚びないことです。エンターテインメントですから、読者に喜んでもらうのは大事なことですが、媚びるのとは違います。媚びてまで書くようになれば、書くことを楽しいと思えなくなってしまいます。そうなればおしまいです。やはり自分の好きなことを好きなように書き、それで読者がついて来てくれればありがたいなという思いでおります。 ■大学生へのメッセージをお願いします 本を読んだり美術展に足を運んだりして、人生の先輩たちが素晴らしいといったものの変わらない良さを見つけてほしいと思います。良いものにいつも触れているというのは大事なことです。自分がとてもかなわないと思うものに出会っておくことで人は努力をするようになるものです。 学生新聞2022年10月1日発刊号 東京農業大学3年 畑千絢

和田真帆

GMOインターネットグループ株式会社 取締役 グループ副社長執行役員・...

乗り越えられない試練はない。その先に新しい世界がある GMOインターネットグループ株式会社取締役 グループ副社長執行役員・COO グループ代表補佐 グループ人財開発統括西山 裕之(にしやま ひろゆき) ■プロフィール神戸大学中退後、(株)リョーマを創業し起業家として活動。1999年にグループジョインし、まぐクリック(株)〈現、GMOアドパートナーズ(株)〉を364日(当時の史上最短上場記録)でNASDAQジャパン〈現、JASDAQ〉への上場を果たす。2015年にGMOインターネット(株)〈現、GMOインターネットグループ(株)〉取締役副社長に就任。COOとしてグループ代表補佐および人財開発部門統括を務める。 インターネットインフラを中心に事業展開をしているGMOインターネットグループ株式会社。1995年に創業し、2051年までに売上10兆円、利益1兆円、会社数207社、パートナー(社員)20万人の目標を掲げる。創業期に宣言したこの55ヵ年計画に向かって邁進する西山COOに、自身のキャリアと共に会社の成長戦略を伺った。 大学に入ってしばらく生活をしていたら、就職のためというのか、いわゆるいい会社に入るために大学に来ているような違和感を覚えました。そう思い始めると大学では刺激がなくなり、学校外に活動の場を求めるようになり、合宿免許の斡旋ビジネスを仲間とやり始めました。このような形で最初は大学に籍を置きながらビジネスを始めたのですが、結局、大学を中退し、事業の道を選びました。その理由は自分自身、学業と事業の二股は中途半端だと感じていたことと、父親に「大学に籍を置きながらいつでも逃げられるような環境でやっていてその業界で戦っているプロに勝てるのか?」と言われたことからです。「大学卒業」というタイトルは自分にとって本当に必要なのかを考え、この決断をしました。 ■運命を変えた熊谷代表との出会い 大学を辞めた後は、時代を切り開くような存在になりたいという願いを込めて「株式会社リョーマ」を立ち上げました。しかし、会社は軌道に乗らず、最終的には売却したのですが、このときの仲間は今でもかけがえのない盟友です。その後、30代になり再び会社を立ち上げ、出版や音楽などのメディアコンテンツを提供する会社を経営している中で、現グループ代表の熊谷と出会い、一緒にやらないかと誘われたのです。熊谷からは「インターネットは革命だよ!革命に参加しなくてどうするの?」と言われました。そのときは自分の会社もあったので正直迷いました。しかし、インターネットが普及したらすごいことになるというワクワク感があり、面白いことができるのではないかと思いました。それ以来、「すべての人にインターネット」。この理念でずっとやってきています。 ■できる人が集まる仕組みをつくる GMOインターネットグループの魅力を一言で表せばベンチャー企業の集合体であることです。「自分たちが全てをやるのではなく、やれる人が集まれる仕組みをつくる」ことがグループの役割だというのが基本にあります。なぜそのようなスタイルを取ろうと思うかというと、インターネットサービスは無限大であり、いろいろな方向に広がっていきます。一人で考えられることは限りがあります。それよりも専門家たちが集まる仕組みをつくり、会社を利用してもらう方が成長戦略を描くにははるかに大切だと考えているからです。私たちはこれを「梁山泊経営」といっています。 ■No.1&STEAM人財採用 〜新卒年収710万円プログラム〜 「No.1&STEAM人財採用〜新卒年収710万円プログラム〜」を立ち上げたきっかけはコロナ禍です。2011年の震災を契機に、毎年、避難訓練やリモート環境で仕事をする訓練を行ってきました。そのため他に先駆けていち早く全面リモートワークに切り替えられたのですが、実際にやってみるといろいろな問題が出てきました。たとえば捺印です。ハンコを押すために感染の危険を冒して出社しなければなりませんでしたが、私たちには「電子印鑑GMOサイン」というサービスがあります。印鑑廃止の方針から2日後には印鑑を完全廃止しました。これだけでも出社のための時間は削減できますし、捺印作業自体も数秒で終わります。このように、コロナ禍を機に始まったリモートワークで課題の洗い出しと共に業務の棚卸しを行いました。そして一人ひとりが生産性を高めることで生まれた利益はパートナー(従業員)に還元し、給与をナンバーワンの水準にしていくことを決定しました。私たちは100年単位で継続する企業グループを目指しています。そのための人財投資に還元することにしたのです。その一環として、STEAM人財と呼ばれる次の世代を支える人財に集まってもらうために立ち上げたのが「No.1&STEAM人財採用〜新卒年収710万円プログラム〜」です。これまでにないイノベーションに対し、まずやってみよう! と自ら動く行動力を持つ皆さんに、ぜひ挑戦していただきたいと思います。 *message* 今の時代、昔よりも仕事が増えて「生きていくのに困らない時代」になっています。そこで大切なのは「怖がらず自分に自信を持って勝負できるかどうか」だと思います。新しいことに挑戦してみた結果うまくいかなかったとしても、必ず別の方向に道は開けるものです。GMOイズムのスピリットベンチャー宣言にあるのですが、あなたに解決できない問題はそもそもあなたに起こりません。自分が課題だと思うことは誰かが期待しているから課題になるのです。何があっても今の私にできるギリギリの範囲なのだと思って、乗り越えた先の新しい世界を見てみたいと思いませんか? 学生新聞2022年10月1日発刊号 日本大学3年 和田真帆

学生新聞インターン

衆議院議員 前経済産業大臣 萩生田光一

日本は資源が乏しく「人材力」が重要。人を育てるための給付金制度を確立 衆議院議員 前経済産業大臣 萩生田光一(はぎうだこういち) ■プロフィール2021年10月に経済産業大臣に任命され、産業競争力担当大臣、ロシア経済協力担当大臣、原子力経済被害担当、原子力損害賠償・廃炉等円滑化機構担当大臣を務めた。同年、自由民主党東京都支部連合会会長に就任。2003年の初当選から数えて現在6回目の当選で、これまで文部科学大臣、自由民主党幹事長代行、内閣官房副長官、内閣人事局長などを歴任。2022年8月、自由民主党政務調査会長に就任。 ■転換点となった高校時代の困り事 私が政治に興味を持ち始めたのは高校生の頃でした。ある日、先生が社会の授業中に「家のトイレが汲み取り式の人いますか?」と生徒に問いかけました。汲み取り式トイレとは、便器とつながるタンクに汚物を一時的に貯め、汲み取り業者が定期的に汚物を回収するトイレのことを言います。八王子にある我が家のトイレは汲み取り式であったので、先生の問いかけに何の躊躇もなく手を挙げたのですが、驚くことに手を挙げたのは私一人だったのです。当時の私は、都心の家庭はほとんどが水洗トイレだと思い、恥ずかしく感じるようになりました。後日、我が家も下水を引いて水洗トイレにしてほしいと親に頼みました。しかし、無理だと言われ、自ら役所に問い合わせをしたものの、やはり役所の人からも下水が引かれるのは10年後だと言われ、ひどく落ち込んだものです。そのとき、このような身近な問題や困り事を解決できるのは政治だと思ったのです。この出来事が私を政界へと導くきっかけになりました。 ■日本に必要な人材力を補う 日本は資源が乏しく「人」で勝負するしかありません。つまり、日本には人材力が必要なのです。だからこそ学生が学びに没頭できるように給付金制度の確立に尽力してきました。しかし、日本には人材の欠けている分野があります。たとえば、かつては日本のお家芸であった感染症の分野です。日本はコロナ禍において世界をリードするような感染症に対する研究成果を発表できませんでした。それは公衆衛生が整ったことで伝染病がなくなり、感染症の研究が減ったことが原因です。つまり、出番の少ない研究に力を注ぐ人材がいなくなってしまったのです。しかし、いついかなる時にその分野の人材が必要になるかわからず、欠けている分野に人が集まるように、奨学金を出すようにしています。これは国の施策ですが、学生にとっては人材が欠けている分野であればお金をかけずに学ぶことができ、その分野で輝ける可能性も高くなります。 ■大学生へのメッセージをお願いします 大学は勉強をするところですが、人とのつながりを作るところでもあります。コロナウイルスの影響でオンライン授業になってしまい、人と関わる機会が少なくなってきています。対面授業が始まった際は、是非人と会ってつながりを大切にしてください。 学生新聞2022年10月1日発刊号 津田塾大学3年 佐藤心咲

伊東美優

長澤まさみ 理想のゴールはまだまだ先、だからこそ走り続ける

女優 長澤まさみ(ながさわ まさみ)2000年第5回「東宝シンデレラ」オーディションにてグランプリを受賞し、同年女優としてデビュー。以来、話題作に多数出演。近年では『コンフィデンスマンJP』シリーズ、映画『マスカレード・ナイト』『SING/シング:ネクストステージ』『シン・ウルトラマン』など。最新作映画『百花』が公開中。10月より、主演ドラマ「エルピス―希望、あるいは災い―」がスタート(カンテレ・フジテレビ系/月曜22時〜放送)。 12歳で受けたオーディションのグランプリ受賞をきっかけに芸能界デビューを果たし、数多くの作品で圧倒的な存在感を放っている長澤まさみさん。今年は4年半ぶりとなる連続テレビドラマの主演も決定した。そんな華々しいキャリアを持つ長澤さんに、日々心がけているマインドや仕事への想いなど、真摯にお話いただいた。 幼少期からよくドラマは見ていて、物語を楽しむということが好きでした。小学6年生の頃に事務所のオーディションに合格したのですが、当時はまさか自分が女優になれるとは思ってもいませんでした。 デビューして約1ヵ月後にすぐ映画の撮影が始まったのですが、とにかく周りの役者さんたちに付いていくのに必死でした。これは女優業に限らずどのお仕事にも共通して言えることですが、自分が求める理想のゴールにずっと辿り着かないことが仕事のやりがいだと私は考えています。それこそデビューしたての頃は、一つの作品を演じ切ることがゴールだと思って仕事をしていました。しかし作品が影響力を及ぼすのは撮影終了後です。作品を撮り終えることがゴールではなく、ゴールはその都度変わっていくものだと思うようになりました。ずっと先にあるゴールに向かって日々走り続けるからこそ、それがモチベーションとなって頑張れるのだと思います。 自分に素直に、〝等身大〞でいること 多くの人と関わる中で、常に等身大の自分で居続けることは難しいと思います。人と関われば自分の中にいろいろな感情が生まれるのは当然のことだからです。そして人は物事に真剣に取り組めば取り組むほど、たくさんの感情が能動的に湧き出るものだと思います。その中で私は自分の性格を理解することが凄く大切だと考えています。どんな状況のときに自分がどんな感情になるかを理解していれば、自分の感情をコントロールできるようになります。これは決して自分の感情を隠して人と接することではなく、自分の想いに素直になるための方法です。私も10代、20代の頃は感情的になりすぎてしまったりして上手くいかないこともたくさんありました。でも皆さん、もっと自分に素直になってもいいのです。その後に、そのときの自分を客観視して振り返れば、新たな発見や成長にもつながるし、自分のことをより深く理解するきっかけにもなります。 日々の生活が自分を形作る 忙しい中でも丁寧な暮らしを心がけています。身の回りの整理整頓や朝の掃除など、毎日行うことをルーティン化することで、自然と脳がスッキリするんです。やはり日々の生活は自分を形作るものなので、どれだけ時間がなくてもきちんとしようと意識しています。また、人と比べることはしません。 他人と比較して「自分なんて……」と感じてしまう経験、多くの人にあると思います。でもそれって自分のやる気を下げてしまうだけで、自分にとって何もプラスになることがないんですよね。どんなことも人それぞれペースがあるので、自分のペースで努力できていれば他人との比較は必要ないんです。  忙しいときこそ自分をじっくりと見つめ直すことが本当に大事だと考えています。自分のご機嫌を自分で取れるようになったら、人生もっと楽しく有意義になると思います。 ドラマ『エルピス―希望、あるいは災い―』について お芝居ってその場限りの生ものなので、保存が効かないんです。その瞬間に撮れたカットは、細部まで完璧に再現することはできません。演者一人ひとりがどれだけ役作りをしても、共演者との化学反応によってまったく違うシーンになることもしばしばあります。だからこそ私はその化学反応を楽しみながら、そこにある感情と真剣に向き合うようにしています。また今回演じた役は、自分が求める「正義」に真っ直ぐ突き進んでいく女性の役なのですが、私自身とても共感の多い役でした。自分自身と演じた役の状況は違えども年齢的に同世代で、仕事に対して次のステップアップをしたいという想いは共通していると感じました。そしてこの作品は本当に個性豊かなさまざまなキャラクターが登場するので、どの世代の方にも共感していただけると思います。ぜひ毎週、楽しみにご覧いただきたいです。 外の世界を見る大切さ 今の学生はコロナ禍での学生生活で、多くの人が我慢の時期を過ごしていたかと思います。そして物事が制限される中で、考え方や行動も内向きになっている人が多いのではないでしょうか? そこで私がお伝えしたいのは、視野を広げて外の世界を見てみること。私が皆さんと同世代のときに衝撃だったのが海外との文化の違いです。当時は撮影で主にアジア圏の国を訪れる機会が多かったのですが、そのたびにたくさんの驚きがありました。そしていろいろな国の人と触れ合うことで、自分のモラルや考え方のみが正解ではないんだということを、根本から学ぶことができました。人との出逢いは本当にかけがいのないものです。ぜひ広い世界に自ら飛び込んでみてください。 学生新聞2022年10月号/小学生新聞2022年9月号 慶應義塾大学 3年 伊東美優 『エルピス―希望、あるいは災い―』(カンテレ・フジテレビ系・10月期・月10ドラマ)主演・長澤まさみ× 眞栄田郷敦× 鈴木亮平脚本・渡辺あや× 監督・大根仁による社会派エンターテインメント!スキャンダルによって落ち目となったアナウンサーとバラエティー番組の若手ディレクターらが、死刑が確定した連続殺人事件の真相を追う!https://www.ktv.jp/elpis 写真撮影:カメラマン 広田成太 <英文記事> Actor Masami Nagasawa  The ideal goal is still far away; that’s why I keep running  ■Profile:  She was awarded the Grand Prix at the 5th ‘Toho Cinderella(東宝シンデレラ)’ audition in 2000 and debuted as an actress in the same year. Since then, she has appeared in...