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Archive for 運営スタッフ

経営者

湯快リゾート株式会社 代表取締役社長 西谷浩司

旅館の常識を破る取捨選択により、日本の温泉を身近にする ■プロフィール 東京工業大学大学院システム科学専攻を修了後、マッキンゼー入社。ロンドン・ビジネス・スクール(LBS)への留学後、GEキャピタル、GEエクイティーへ。その後、ミスミグループ取締役就任を経て、2010年、本間ゴルフ代表取締役社長に就任。同社再建後、2019年6月湯快リゾート株式会社代表取締役に就任。  学生時代はいろいろなサークルに顔を出したり、さまざまなアルバイトもしました。就職活動では「会社ってどうなっているのかな」という興味から、必ずしも志望しているわけではない会社もたくさん訪問しました。結果的に学生だからこその視点で社会や会社の実態を見ることができたのではないかと思っています。 私は新卒で入社してから今日まで、実は7回転職しています。経緯はさまざまですが、自分のやりたいと思うことに加えて、「お役に立てるならぜひ」という、求められるところでベストを尽くすということも大切にしてきた結果だと思っています。 ■旅館の常識を破り、日本の温泉を身近にする  今、湯快リゾートでは、「日本の温泉を身近にする」というビジョンに向かって仕事をしています。日本の旅館は平日でも1泊3万円くらいはします。それはそれでおもてなしとしてすごく素晴らしいですが、特別な日にしか行けず、行ける人や頻度も限られてきます。 そこで湯快リゾートでは、皆様に温泉をもっと身近に感じてもらいたくて、当たり前だと思われているサービスを廃止しました。たとえば、従業員がお客様のお部屋に行き、布団を敷くこと。湯快リゾートでは始めから敷いてあります。このように、無くても良いのではないかと思うサービスや旅館業界のしきたりを見直し、より付加価値のあるものを追求していくことを、グイグイ推し進めていきたいと思っています。 私が大切にしている言葉があります。「人事を尽くして天命を待つ」です。やるべきことをしっかりやっていれば、後悔することは少なくなります。プレッシャーという言葉を突き詰めていくと、もっとやらなければいけないことがあるんじゃないかとか、出来なかったらどうしようとか、そういう不安な気持ちが根本にあるんです。やるべきことをしっかりやっておけば、プレッシャーとは無縁なはずです。 ■message  今、世の中は大変革期です。変革期はピンチであると同時にチャンスでもあるのです。世の中の趨勢をある程度視野に置きつつ、自分は何を良いと思うか、何をしたときに嬉しいと感じたかなど、心の動きに敏感になってください。そして自分を理解し、興味や関心があることには積極的にチャレンジしてほしいです。行動は人生の満足感や納得感を高めてくれます。 学生新聞2021年4月号 大阪教育大学4年 清水悦子

DX・WEBマーケティング

株式会社ディー・エヌ・エーゲーム事業本部マーケティング統括部UXブース...

テクノロジー×クリエイティブで広告効果を最大化 ■プロフィール 2009年に株式会社ディー・エヌ・エーに新卒入社。2012年からマーケティング領域に従事し、アプリマーケティングの立ち上げ、様々なゲーム/エンタメアプリのデジタルマーケティング担当を経て、2016年よりゲーム領域のデジタルマーケティング責任者に。2020年より現職。 ゲームや動画配信などのエンターテイメント事業と、ヘルスケアやオートモーティブなど社会課題を解決する事業を行い、2つの領域で事業を展開しているDeNA。どのようにターゲットにメッセージを伝えし、浸透させていくのか、ゲーム領域のマーケティングのマネージャーである川口さんにデジタルマーケティングについて伺った。  DeNAのデジタルマーケティングでは集客を目的としたスマートフォンの広告出稿をメインの業務としています。具体的には、アプリの新規ダウンロードを目的に、Face-bookやTwitter、YouTubeなどの大規模メディアの運用広告を活用しています。運用広告では、広告経由のダウンロード数やそこから生み出された売上などの数値をリアルタイムに把握することができるので、効果を見ながらターゲティングや広告クリエイティブを都度調整しながら効果を最大化させていっています。  デジタルマーケティングの仕事の魅力は、PDCA(plan-do-check-act)サイクルが短く、仮説検証を大量に繰り返せることと、大規模メディアの技術力により広告自体の進化が非常に速いことだと思います。また、媒体社や広告代理店など社外の方と話すことが多く、社外の様々な方と議論しながら仕事ができることも魅力の一つです。 ■広告は目的に合わせて使い分け  デジタルマーケティングとテレビCMなどのマスマーケティングはそれぞれ特徴が違うため、DeNAではどちらも重要視しています。例えば、テレビCMは幅広いターゲットに伝えることができるので、1周年企画などの大規模出稿の際に展開することが多く、デジタルマーケティングはターゲティングを細かくできて少額からでも配信可能なので定常的な施策として利用するなど、デジタルとマスをマーケティング戦略に沿って使い分けています。   ただしデジタルマーケティングにおいても、やはりどういった広告クリエイティブを出すか、「いかにユーザーの心を動かすか」といったエモーショナルな部分も大きく効果に影響するので非常に大事にしています。 ■「伝わる」方法をきめ細やかに模索する  広告以外にもLINEアカウントやプッシュ通知などにも多くの工夫を凝らします。伝えたい内容を小さな画像や短い文章でどう適格に表現するか試行錯誤しますし、通知を送るタイミングも議論を重ねます。例えば、スマートフォンの画面に表示される画像領域や文字数を意識して画像やテキストを作り、複数の候補の効果を比較してよりよいものにどんどんブラッシュアップしていきます。 また、通知タイミングに関しては、通知を見てもらえなければ意味がないので、ユーザーの方の生活を想像して「日中は仕事だから、時以降、でもそのタイミングは各社狙うゴールデンタイムで通知が集中してしまい結果見てもらえないのでは?じゃあ、18時59分にしようか」などと試行錯誤を繰り返すイメージです。 ■生き続けるDeNAQuality  私の就職活動時代、DeNAは若い人にも裁量権があり、いろんなバックグラウンドを持つ人が多く、ここに入ったら楽しく働けそう、成長できそうと感じたので入社を決めたのですが、若い人にも裁量がある組織である理由として、DeNAQualityという行動指針が浸透しているからだと思います。DeNAQualityの一つに、役職にかかわらず、しっかりと自分の考えを示す「発言責任」があります。新入社員だったとしても、相手が先輩や上司であることを理由に遠慮して発言しないことをよしとせず、自身の意見を発信することを求められます。 このDeNAQualityが、組織の規模が拡大していっても守られてきたことが、現に若い人の裁量権があることに繋がっていると感じています。 ■message  学生時代は学生時代しかできないことをやってほしいと思います。例えば飲食店でアルバイトするとか、いろいろなところに旅行にいくとか。そういった経験が社会人になったあとにユーザー理解という文脈で生きてくることも多いと思います。  社会人になってからは、どんな仕事でもまずは必死にやってみることをおすすめしたいです。仮に今の自分がやりたいと思っている仕事じゃなかったとしても、そこから得られるスキルは必ずあります。また、必死にやることで自分に向いている仕事や自分のやりたい仕事の解像度があがっていくと思うので、是非そういったマインドで社会人になってもらえると良いな、と思っています。 学生新聞別冊2021年4月号 横浜市立大学3年 小熊結菜

如意太一

KLab 株式会社 代表取締役社長 CEO 森田 英克

エンターテイメントコンテンツで、世界中のユーザーをひとつにつなげる ■プロフィール 法政大学社会学部を卒業後、WEBプランナー、モバイルコンテンツプロデューサーを経て、2002年にKLab(旧ケイ・ラボラトリー)に入社。2007年、コンテンツビジネス事業部長。2008年、コンテンツメディア部長。2010年、執行役員KLabGames部長。2012年、専務取締役。2019年3月より代表取締役社長に就任。 ゲームの運営は皆様の声が原動力、と語る森田社長。“エンターテイメントコンテンツで世界中のユーザーをつなげること”をビジョンに、コロナ禍で海外に行けない状況にあっても、ゲームを通じで多くの人たちにつながってほしいと語る。その熱い思いを伺った。  高校年生までは全く勉強をしていなかったのですが、このままではだめだと思い、最後の1年間は一生懸命勉強しました。受験日まで年を切り、時間が無いことに気づいたので、ただやみくもに勉強するのではなく、まず問題研究から始め、受験する大学が出題している過去問題を徹底的にやりました。その結果、法政大学に合格したのですが、偏差値が高いといって恐れるのではなく、やり方を考え、作戦を立てれば必ず突破できるということを学び、この経験が自信につながりました。 大学入学後はインディーズのバンド活動に力を注いでいて、そのクリエイティブさに夢中になりました。その影響からファッションや音楽関係の企業を中心に就職活動をしていました。歳までバンドを続けていたのですが、仕事よりも音楽活動が中心の生活でした。個性の違う人たちと何かを作っていくには協調性が必要です。仲間と一緒にイベントを企画したりしていましたので、主体性も身についたと思います。その反面、20代前半で人生のキャリアプランについて真剣に考えていなかったという反省もあります。 ■ゲームでつながるサービスのポテンシャル  大学卒業後は小売関係の会社で働いていましたが、自分に合っていないと思い、2年で辞めました。その後、WEBデザインやモバイルサイトを作る仕事をやっている中で、サイト運営に興味を持つようになりました。お客様が課金するサイトでは、私たちがいいサービスを作れば登録者も増え、収入も増えることが目の前でわかり、課金制というビジネスモデルが面白いと思ったのです。モバイル端末でこれから新しい未来が開けるというワクワク感と実際に市場がすごい勢いで伸びていることがわかり、若くてもこの分野で成果を上げることができると思うようになりました。 KLabもシステム開発などをやっていく中で、モバイルを通してお客様がつながり、一緒にゲームを楽しむサービスは、絶対にポテンシャルがあると感じるようになり、日本にソーシャルゲームが入ってきたタイミングでゲーム業界に参入しました。 このビジネスは自分たちでサービスを作ってネット上で提供し、お客様にお金を払ってもらうというビジネスモデルです。仕事をしていくなかで、いろいろな人と協力しながら面白いアイデアを見つけ、磨き上げ、世の中にリリースしていきます。その結果、大きな反響を得られたときは、ランキングやSNS上の書き込みでリアルに結果が見えるようになり、うまくいったときの達成感は格別なものがあります。 一方では、自分たちが作っている作品が本当に面白いのか、自問自答する日々です。その結果、品質を向上させるために今あるものを疑い、ときには勇気を出して作品を作り直すことも多く、そこがこの仕事の難しいところです。  また、私たちの会社は世界に向けてグローバルに展開しています。海外でゲームをリリースする際に、法律や文化などがそれぞれの国によって違うため、一つひとつ調べていかなければならないうえに、運営が始まった後では新しいイベントが始まるごとに対応言語を全て用意しなければならないのがとても大変です。 一緒に働く仲間は素直な人がいいですね。素直な人は成長余力があり、人からの指摘や自分の経験をまっすぐに受け止め、次の成長に活かすことができます。現在はスキルが不足していてもすぐに成長していくため、素直であることが大切だと思います。前例主義にならず、今やるべきことや勝つために何をすべきかを自分で考え、チャレンジや失敗を恐れない人と一緒に働くのは楽しいです。 ■視野は広く、世界を身近なものへ  日本だけでなく海外でKLabGamesという名前がゲームメーカーとして認知され、世界中の人たちに楽しんでもらえるようなゲームが作れればいいなと思います。そして、エンターテイメントコンテンツで世界中のユーザーをひとつにつなげることが私たちのビジョンです。コロナ禍の今、私たちができることは何かを考えたときに、世界中の人が携帯端末を持っている現在、ゲームを介して簡単に世界とつながることができます。物理的に行き来はできませんが、オンライン上で世界中の人たちがゲームで対戦したりコミュニケーションを取ったりという場を提供することが私たちの存在意義だと考えています。そして今よりももっと大きな規模で事業展開できるように頑張っていきたいと思っております。 ■message  周りの意見に左右されず、やりたいことを貫いてください。社会が多様化している現在、できないことはないと思っています。自分がやりたいと思うことを極めていけば、それがビジネスになっていくと思います。多様性とは他人の個性を認め、リスペクトすることです。 最後に世界を意識してほしいです。今や競争相手は海外です。海外で勝ち抜けるビジネスパーソンになることは必須だと思います。視野を広く持ち、世界規模でアプローチしていってほしいですね。 学生新聞2021年4月号 駒澤大学4年 如意太一

神田理苑

井上苑子 「言葉」は最高の自己表現ツール。だからこそ言葉に愛を込めて...

■プロフィール シンガーソングライター。神戸市出身の23歳。小学6年より作詞・作曲と路上ライブを始める。ミュージックビデオの総再生回数は1億回を突破。また、歌手としてだけでなく、映画・ドラマ・CM・YouTubeなどマルチに活動する次世代のシンガーソングライター。 ■学生時代はどう過ごされていましたか  小学校・中学校のときは、大勢でワイワイ言いながら過ごし、学校行事にも積極的に参加するような学生でした。女子校だったこともあり、無意識のうちに集団行動をしていました。一人で行動するような大人っぽい人を羨ましく思っていたときもありました。 小さい頃から歌うこと、人前でパフォーマンスをすることが大好きでした。小学5年生から今の事務所に所属し、「歌手になる」という夢に向けてひたすら走り続けていました。高校生になって東京に出てきたのですが、そのとき上京を決意できたのは少しでも夢に近づける気がしたからです。 ■歌と言葉についてお聞かせください  歌はこの上なく楽しいものです。もちろん、趣味から仕事に変わる中で苦しい思いもしましたが、それ以上に歌には「人生そのものを考えさせる力がある」と感じています。私は歌を通して「誰かに何かを思ってもらいたいし、刺激となればうれしい」と思っているので、自分自身も周りから刺激を受け続け、現状に甘えないように心がけています。そして言葉は私にとって自己表現にもっとも適したツールなのではないかと思っています。自分の考えを相手にきちんと言葉で伝えたいですし、伝えて理解してもらえるととてもうれしいです。だからこそ言葉をたくさん愛し、自分が発する言葉に最後まで責任を持ちたいと思っています。 ■大学生へのメッセージをお願いします  大学生はたくさん悩みや葛藤を抱えていると思いますし、実際皆さんと年齢が近い私も悩みはあります。しかし、苦しいときでも自分が好きなことをしているときは最高に面白いと信じ、それに対する知識量は誰にも負けないと自慢できるくらい突き詰めていってほしいと思います。 ■取材を終えて  井上さんの楽曲は歌詞に力強さがあり、どうしてこれほど心に響くのだろうかと考えていたのですが、お話を伺う中で、「ことばを愛しているから」だと気づかされました。社会がデジタル化される中で、言葉へのこだわりが薄くなってきているように思います。だからこそ楽曲を通して言葉と向き合う姿勢を学びたいと思いました。 学生新聞2021年4月号 日本女子大学2年 神田理苑

DX・WEBマーケティング

株式会社GAtechnologies 執行役員CMO 田吹洋

テクノロジーによりお客様と寄り添い世界的な企業に ■プロフィール 明治大学卒。新卒でイマジニア社に入社。企画やマーケティングに従事する。その後カカクコム社にて事業開発やマネジメントを担い、ITスタートアップ企業でマーケティグ責任者を経験。2018年、当社に入社し、プロダクト企画・マーケティング部門の責任者を務める。 日本のみならず世界を見据えて不動産事業を展開するGAtechnologies。学生時代に音楽イベントを開催した際、どうすればより多く集客できるか考える中で「インターネット」の力を体感したという田吹CMO。デジタル技術がどのように不動産事業と結びついているのか、大切にしていることは何か伺った。  学生時代は音楽イベントを開催して、毎回300~400人の集客をしていました。それだけの人数を集めるのは容易ではなく、いつも必死に考える必要がありました。そのころ、ブログが流行り始めていて、集客に利用できるのではないかと感じ、実際に活用してみたところ、以前よりも人が集まったのです。その経験を通じて、「不特定多数の人に対して情報が一斉に伝わるインターネットの仕組みは目覚ましい力を持っている」と実感し、ITという分野に興味を持ちました。 就職活動を経てIT企業に入社しましたが、当時インターネットでモノが売れるということは理解されませんでした。しかし、日に日にインターネットが普及し、人々の意識が徐々に変化して「リアル」との垣根がなくなっていくのを実感していました。 そしてある時、弊社代表の樋口と出会い「、インターネットだけではなくリアルも鑑みてやっていかないと価値向上はない」と言われたことをきっかけに弊社に興味を持ち、転職して現在の仕事をしています。 ■GAtechnologiesが大切にしていること  GAtechnologiesは「認知・理解」「比較・検討」「申し込み」「契約後」という4つのステップをお客様に寄り添いながら行っています。 一般的に、「認知・理解」のステップを大切にしている企業は多くあると思います。しかし弊社では、販売まで自社で行っていることもあり、「より深い情報」をお客様にウェブ上で提供できるとともに、4つのすべてのステップについてお客様の反応をダイレクトに感じて仕事ができるので、より早く、スピード感をもって対応することができます。そうした、お客様と寄り添いながら仕事ができることは、私たちにとっても、魅力であり面白さでもあります。 ■グローバルな事業展開の魅力と課題  GAtechnologiesのビジョンは「世界のトップ企業を創る。」です。弊社では日本だけではなく、世界を見据えて仕事ができます。例えば、日本の物件を海外の方へ販売するなど、グローバルな事業展開していることも面白いと感じています。 日本国内だけではなく世界的に事業展開をしていくうえで、日本との市場環境が大きく違うことがあります。その一つが、海外と日本の物件管理システムの違いです。日本であれば、契約が終了するとデータベースに登録するなど、一連のシステムが確立されています。しかし海外だと、そうした仕組みのないところがあります。また、物件の情報をアップデートしていく仕組みがない場合があるので、そういった点も考慮しながらどう展開していくかを検討していっています。 ■ウェブもオフラインもお客様の利便のため  ウェブとリアルは、それぞれに良さがあり、状況に応じて使い分けています。 現在、お客様が不動産を購入する際、ほとんどの方がまずインターネットの情報に接しており「、最初に不動産業者に行く」という方は減少しています。私たちは、ウェブもしくはオフラインでお客様と接する「接点」を増やしていくとともに、お客様が「接点」を持たないといけない理由や、ウェブかオフラインどちらがお客様にとって利便性が高いのかを考え、アプローチを変えています。 そうしたことを通じて、不動産を購入していただくことだけではなく、理想の資産運用をしていただくことや、「もっとこういう家に住みたかった」などの不満をなくし、よりお客様の理想を叶えられるようにしていきたいと思っています。 ■message  ご自身が就職活動などを通じて得た情報や今のトレンド、日々生活するうえで感じたことを大切にしていただきたいなと思います。親世代からのアドバイスは、数十年前の情報をもとにしていることが多い。そうした情報よりも、学生のみなさんのほうが感度が高く、新しい情報を持っています。そういった自分自身の情報をもとに、就職活動や進路を決めたほうが、結果として良いキャリア形成ができると思います。自分の信じた道を進んでください。 学生新聞別冊2021年4月号 明治大学2年 山本真人

経営者

株式会社 VOYAGE SYNC GAMES 代表取締役 / 株式会社 VOYAGE GAMES 代表...

チャレンジ精神を持ち、世の中を驚かせたい ■プロフィール 2011年4月、(株)ECナビ〈現・(株)VOYAGEGROUP〉に入社。2014年8月、ゲームパブリッシング事業を手掛ける(株)VOYAGESYNCGAMESを設立、取締役に就任。2016年10月、代表取締役に就任。2017年11月、VOYAGEGAMES社を設立、代表取締役に就任。2018年4月、韓国法人Infraware,Inc.とVOYAGEGROUPの合弁会社、SelvasM(現I&Vgames,Inc.)を設立、取締役に就任。日本・中国・韓国地域のゲーム関連事業を統括。 若いときから情報感度を高く持ち、さまざまなことにチャレンジしてきた岡庭社長。現在の海外のスマホゲームを輸入し、日本向けにローカライズして発信する事業にはどのような背景や仕事に対する思いがあったのか。アジアナンバーワンを目指すという社長に話を伺った。 ■運命的な出会いを感じて入社した会社  大学時代はアルバイトをいくつかやっていましたが、大学4年生のころにVOYAGEGROUPから内定をもらっていたので、内定者インターンとしてアルバイトをしていました。仕事内容は学生が中心となって運営しているクーポン系のサービスを行う新規事業で、飲食店やエステサロンなどにクーポン発行を依頼する営業をひたすらやっていました。競合他社もどんどん増えていた状況で、競争が激しくなって体力勝負のような様相になってきて入社前に事業は撤退。しかし、そのまま4月にVOYAGEGROUPに入社しました。 私は漠然とインターネット業界に行きたいと考えていたのですが、それと同時に昔から社長になるのが夢だったので、早い時期にチャンスがありそうな会社を探していました。入社の決め手となったのは、当時、Twitterが流行り始めていた時期で、いろいろな会社を見ていく中で、VOYAGEGROUPが日本初のTwitter採用を行うという投稿を見つけ、雰囲気や距離感が近い気がして運命的な出会いを感じたことです。 入社後も新規事業をやりたいと思っていたところ、2014年7月ごろだったと思いますが、当時の取締役から「こういう事業をやりたいと思っているけどどう思う?」と聞かれて、「いいんじゃないですか」と答えたら、「じゃあお前やってみろ」と言われ、今の事業を任されることになりました。 ■独自の事業を手掛け、社内の雰囲気を大切に  弊社はスマートフォンのゲームを提供していますが、主に海外で作られているゲームを輸入し、日本向けにローカライズして日本で配信している会社です。ローカライズでは、日本語への翻訳だけではなく、キャラクターを日本人向けにアレンジしたりもしています。中国と韓国に支社があり、実感するのはやはり言語が話せるといいなということですね。通訳を介すと微妙なニュアンスが伝わりづらくなるので。 VOYAGEGROUPは広告・マーケティング分野に強みがあり、事業の柱となっています。そのため、他社と比べてマーケティングがしやすく、事業シナジーを生みやすい環境にあり、それが他社との差別化にもつながっていると思います。ただ、海外の企業とのやりとりが多いため、国によってビジネス慣習が異なっていたり、法律が違うので、予想外のこともたくさん起きます。お互いの目標は同じでも、国の制度の問題が壁になり、なかなか前に進まないことも多くあります。そのとき、相談する相手がなかなかいなく、自分たちで一つずつ解決していかなければならないのが本当に大変でした。 しかし、弊社は非常に風通しの良い会社で、皆が自由に集まって話せる場もあります。コミュニケーションが生まれやすい環境になっていることで、相談しやすかったり、新しいアイデアやサービスが生まれるきっかけにもなっています。 ■チャレンジすることを恐れずに進んでいく  チャレンジすることは楽しいと思います。インターネット業界は前例がなく悩むことも多いのですが、自分たちで考えて成果が出ると本当に嬉しいです。やっていて良かったと思えます。一緒に働く仲間は、素直で誠実、何事にも貪欲な人、成長意欲がある人がいいですね。弊社は能力重視です。しがらみもなく、やりたい人にはチャンスを与え、若いうちからどんどんチャレンジできます。モチベーションの高い人には多くのチャンスが回ってきます。 私もこのゲーム事業を始めるときに、ゲームについてあまり詳しくありませんでした。周りからも無理ではないかという厳しい声も多かったのですが、無理と思われるほうが燃えるタイプなので、見返してやろうという気持ちで取り組んでいった結果、今があるので成長意欲は大事だと思います。 今後の目標は、アジアナンバーワンになることです。ハードルは高いと思っていますが、仕事に対するモチベーションになるからです。またゲームだけでなく、いろいろなことにチャレンジしていきたいです。そして世の中を驚かせたいと思っています。 ■message  大学生はまとまった時間が取れる唯一のときなので、好きなことを徹底的にやるべきです。社会人になるとどうしても時間のコントロールが難しくなり、1週間の休みを取るのも大変になります。好きなことをやった経験が将来どこかで役に立つと思います。 好きなことをするにしても難しく考えないことです。普段楽しいと思うことを冷静に考えてみるといいです。無理に見つけようとするとそれがプレッシャーとなってしまいます。とにかく考えすぎないこと。私も大学生のころはゲームに関わる仕事をするとは思ってもみませんでした。いろいろなことにチャレンジしてその中で面白いと思ったことを深堀りしていくといいと思います。だから、すぐに面白いことが見つからなくてもそんなに心配することはないです。 学生新聞2021年4月号 文教大学2年 早乙女太一

脇山真悠

白石聖 流されるのってそんなに悪くない⁉︎思いがけない人生の出会...

■プロフィール 女優。1998年、神奈川県生まれ。2016年にデビュー。2019年『ゼクシィ』12代目CMガールに抜擢される。2020年にフジテレビ系ドラマ『恐怖新聞』で連続ドラマ初主演。現在、NHKBSプレミアム『やっぱりおしい刑事』に出演中。さらにMBSテレビ『ガールガンレディ』に主演予定。2021年6月4日公開予定!『胸が鳴るのは君のせい』 ■どのような学生時代でしたか  高校2年生のときにスカウトされたのですが、実は表に出るようなタイプではありませんでした。ただ、なぜか声に出して何かを読むことには抵抗がなかったんです。母の読み聞かせが好きだったことや、好きなアニメの声優さんに影響を受けたこともあり、スカウトされる前は声優のお仕事に興味がありました。 ■このお仕事をやろうと思われた理由は  実は、スカウト先の事務所(業務提携)に私の好きな声優さんがいらっしゃったんです。当時、特にやりたいこともなかったので、このお仕事にかけてみてもいいかなと思いました。声優さんの世界は私には難しいかもしれないとも思いましたし……。今思えば、自分の殻を破りたかったのかもしれませんね。 考えすぎてしまう性格なので、役作りに悩むこともありますが、監督から気持ちの良いOKが貰えたり、演技を褒められたり、ファンの方と交流できたりして今のお仕事はとても楽しいです。でも、もしチャンスがあるなら、声のお仕事にもチャレンジしてみたいですね(笑)。 ■大学生へのメッセージをお願いします  コロナの中で、学生の方、特に就活生の皆さんは大変だと思います。実際、私の友達も進路に悩んでいるみたいです。私は皆さんと同世代なので、アドバイスできることは多くないとは思いますが、強いていうならば「流されるのって実は悪くない」ということでしょうか。 私はもともと声優志望でしたが、いい意味で流される形で魅力的な人に支えてもらえ、今のお仕事をさせていただいています。自分の意思がないのは良くありませんが、流れの中できちんと道を選択すれば流されるのも悪くないです。焦らずに、自分を責めずに、楽しみながらこれからの人生を選んでください! ■取材を終えて  とにかく可愛かったです。白石さんとは歳が近いのですが、ご活躍なだけあって豊富な経験をされていて、非常にためになるお話をたくさん聞かせていただきました。皆さんも私と同様に白石さんのお話から何か刺激を得られれば嬉しく思います。 学生新聞2021年4月号 津田塾大学3年 脇山真悠

DX・WEBマーケティング

株式会社山田養蜂場 営業統括部統括部長 井筒雅之 

お客様の健康のためウェブの可能性に挑戦する ■プロフィール 2004年入社。法学部卒業。入社から7年で販売促進部門の部長に抜擢され、その後、事業部長を経て2018年にテレマーケティングを含む通販営業本部の副本部長に就任。翌年、店舗や流通部門も含む現在のポジションへ昇進。アグレッシブな手法で、山田養蜂場の現在の「販促の基軸」を築いてきた立役者である。 「病気の娘の健康回復のために」という創業者の素朴な家族愛から生まれた山田養蜂場。「ひとりの人の健康を守るために」という強い想いで、お客様一人ひとりと向き合いながら商品を届けている。通信販売主体で事業を行っている山田養蜂場のウェブ戦略について、営業統括部統括部長の井筒さんに伺った。  学生の時は「健康に関する仕事で人や社会に貢献したい」と思い、就職活動をしていました。友人や父親の病気を目の当たりにして、老化や病気は避けられないものだと感じ、人にとって欠かせないテーマである「『健康』のために何かできたら」と考えたことがきっかけです。母が私にローヤルゼリーをくれたことがあったのですが、そのメーカーである山田養蜂場について調べていくなかで「娘の病気を治すために、何の文献も資料もないなか研究を始めた」という創業者の話に感銘を受け、採用試験を受けました。企業理念はその会社の羅針盤である、と就職活動の時は重要視しており、山田養蜂場の企業理念はお飾りではなく本物だと感じ、心打たれました。 ■ウェブの可能性にチャレンジ  弊社のお客様は年齢層が高いため、情報が届きやすいよう、これまではテレビ、新聞、折込チラシを中心にメディア展開をしてきました。  しかし、今はウェブの割合が年々増えており、年齢が高い方もスマートフォンを持ち、ウェブを見るようになってきています。ウェブの多くのメリットのなかでも、特に、たくさんの情報を伝えることができる点、即時性がある点が挙げられます。私たちは商品づくりに自信と誇りを持っているので、商品の背景を十分に伝えることができる点はウェブの良さですね。紙広告だと掲載できる情報量が制限され、掲載日を待つ必要がありますが、ウェブでは伝えたいときに伝えたいことをすべて伝えることができます。サイトに訪れる方の属性(年齢や性別などの情報)がわかりますし、紙メディアよりもターゲットが絞りやすい。  弊社は元々通信販売事業をしているので、購入者の属性や購買履歴がわかり、お客様一人ひとりに合った情報をお届けできるという通信販売の強みも生かすことができています。まだまだ開拓中ではありますが、ウェブでの展開は健康食品の販売にマッチしていると考えています。ウェブは商品や素材の研究過程、エビデンス、商品開発に関する私たちの考え方やサービスにかかわるポリシーなどさまざまな手法を使って伝えることができるメディアなので、いろいろなことができるのではないかとワクワクしています。 ■モノを売るのは難しい、だけど面白い  私が最初にマーケティングに携わったのは、地方紙の新聞記事体広告を書いた時でした。その時は、1件のご注文があり、自分が書いた広告で商品を買ってくれた方がいたことにとても喜びを感じました。同時に、1件しか注文が来なかったことで、モノを売ることの難しさを感じました。  ウェブは情報を発信できる範囲が広く、多くの技術があってそれもどんどん変わっていくので、関わっていてとても楽しく、魅力的です。今の時代ウェブとリアルは切り離せないものですが、連動させるべき部分と切り離すべき部分があるとも感じています。  山田養蜂場のウェブマーケティングは業界標準より少し後ろを走っていて、まだ独自性や強みは少ないと考えています。しかし、ウェブは日本中、そして世界中の方に買っていただくチャンスを与えてくれます。どんな方がどんな場所でファンになってくださるかわからず、ウェブマーケティングに正解はありませんが、どんどんチャレンジしていきたいと思います。  本社は自然環境の豊かな田舎にありますが、常に新しいことをしていこうという気概と、通販というテクニカルな仕事をしている環境が、会社の中にはあります。そのギャップが山田養蜂場の魅力の一つです。これからも、皆さん一人一人の健康を支えていく社会的使命感とやりがいを持って、商品やサービスを提供していきたいです。 ■message  学生のうちに、思いっきり話して、読んで、感じて、考えて、好きなところに行って欲しいですね。社会人になっていろいろな仕事の状況、人の言葉、環境に触れていくなかで、日々考え、日々悩みます。考え悩む時に、今まで経験した体験や考え、実感がとても役に立つからです。私は大学時代、法律を勉強していました。その勉強が今、直接役に立っているわけではないですが、勉強した時の思考方法はとても役立っています。思いっきり経験を積んで、感じて、自分の幅を広げて欲しいと思います。 学生新聞2021年4月号別冊 津田塾大学3年松本麗奈

人事

株式会社パルコ 人事戦略部 木佐瑞紀

■プロフィール 2012年に入社。仙台店でプロモーション業務(広報・媒体・催事出店交渉など)を経験後、2020年3月から人事戦略部で採用を担当。コロナで自粛生活を余儀なくされる中で、お風呂でのリラックスタイムでストレスを解消している。 ディベロッパーとして商業施設のプロデュースが主な仕事である。ただし、それだけではなく、新規事業への取り組みや、エンタテインメント事業部があるといった、他社にはない独自の魅力を持つ会社。 ■業界の特徴と魅力についてお聞かせください  PARCOは商業施設のイメージが強く、よく百貨店と誤解されますが、実は不動産業です。主に商業ディベロッパーという仕事をしています。お客様と直接かかわる小売業とは違い、商業施設の開発からマーケティングまで行い、テナント様とミーティングを重ねながらコミュニケーションをとり、情報を共有してアドバイスする役割を担っています。 弊社の特徴の一つに「インキュベーション」があります。これは新進気鋭のクリエイターや路面店しか経験のないテナント様を発掘し、支援しています。加えて、業界ではめずらしいエンタテインメント事業部があり、流行をいち早くつかむために役立っています。 また、新卒5年目までの離職率は1パーセントと低く、弊社の大きな強みとなっています。これは弊社の社風が関係していると思いますが、お客様目線に立った社員の意見が取り上げられやすく、若い社員の思いを形にできる環境が整っています。この風通しの良さが大きな要因かと思います。 ■どのような学生を求めていますか  大学名や文系・理系、資格の有無は重要視していません。それよりも、自分の好きなことや学生時代の経験を自分の言葉でしっかりと相手に伝えられる人を求めています。入社すると各人が各フロアを担当しますが、その中でディスプレイ広告を始め、多種多様なさまざまな仕事を経験します。そのため、多くのジャンルに幅広く興味を持つ方、人とコミュニケーションを取ることが好きな方は当社に向いていると思います。 ■大学生へのメッセージをお願いします  就職活動はもちろん重要ですが、そればかりではもったいないと思います。大学時代は好きなことをとことんやって、楽しむことができる最後の時間です。その貴重な時間を使っていろいろなことに挑戦し、何かを感じ取ってほしいと思います。また、学年があがるにつれて、プレゼンテーションやエントリーシートを書く機会が増えてきます。そうしたときに気を付けたいことは、伝えるだけでなく「伝わる」を意識することです。聞く人、読む人など相手の目線に立つことがとても大切です。 学生新聞2021年4月号 明治大学2年山本真人

DX・WEBマーケティング

三菱地所レジデンス株式会社 ...

目指すべきは顧客体験の向上であり、DXはその手段に過ぎない ■プロフィール マンション販売業務を約10年経験した後、三菱地所グループ内のマンション管理会社とインテリア会社に出向、2019年4月より三菱地所レジデンスに復職し広告企画を担当、2020年4月より全社的なデジタルトランスフォーメーションを推進するDX推進室DX推進グループが設立され現在の職務を担当するに至る。 DX(デジタルトランスフォーメーション)というとデジタル導入が注目されがちであるが、大切なことは単なるデジタル導入ではなく、より良い顧客体験を追求し、既存の業務の在り方を再構築することである。デジタル導入はその手段に過ぎない。DXという前例のない取組に挑み、事業の成長や新たな未来の可能性の探索を担うDX推進室の使命を伺った。 三菱地所にはDX専任部署が2018年からあったのですが、三菱地所グループ内で住宅事業を担う弊社のDX専任部署は2020年4月から立ち上がったばかりの新設部署です。現在は主なプロジェクトとして1スマートホームプロジェクト、2データ活用プロジェクト、3契約者様手続きのオンライン化、4顧客体験の再定義の4つが挙げられます。 1のスマートホームプロジェクトでは、住宅内のIoT機器をアプリや音声で操作できるというお客様の利便性を一時的に提供できるだけではなく、われわれ企業にとって住宅という大事な商品をお客様がどのようにお使いになられているかをデータで取得して商品企画や、ご入居後のより良い生活のご提案に活かす新たな機会を得ることにより、さらに顧客体験を向上させることができるチャンスだとも捉えています。もちろん住宅というプライバシー保護が大切な商品ですので、お客様の生活状況をデータで取得するというわけではなく住宅設備機器の使用状況をデータで把握して、お客様にとって価値ある住宅設備とは何かを把握し商品企画に活かすことや、住宅設備の故障前に異常を検知して修理/交換をご提案するということも将来的にはできるようになる可能性があると思っております。 2は、社内で部署ごとに保管されている顧客データを統合してマーケティングに活かそうという取り組みです。顧客データを一元集約して顧客IDで各データを紐づけることにより、一人ひとりのお客様のカスタマージャーニーが一気通貫して把握することができます。そうなると、一人ひとりのお客様のニーズやお困りごと等が部署横断して把握して対応ができるようになり、マンション分譲の商談だけでなく、鍵のお引き渡し、ご入居後のアフターサービスまでシームレスに顧客体験を向上させることができることを目指しております。 3は今まで紙や郵送といったアナログな手法で行っていた契約やその後の事務手続きをオンライン化しようという取り組みです。これはDXというような変革の取り組みではありませんが、お客様にご入居までの手続きをスムーズに行っていただくための重要なプロジェクトです。 ■DXは既存の仕事を見つめ直すこと 4はこれまで我々がお客様にご提供してきたマンション分譲の在り方を再定義し、あるべき姿を再構築するというビジョン駆動型のアプローチです。マンション分譲という業務フローは、デジタル技術の進化が著しい現代においても従来とは大きく変わらず、広告をご覧になったお客様にモデルルームにお越しいただき、ご契約に至るまで数回ご来場のうえ商談をさせていただくというスタイルが半世紀程度続いています。もちろん、ウェブ広告/ウェブサイト/リモート商談等にデジタル導入は行っておりますが、根本的に顧客体験を再構築するような活用ではありませんでした。よって、これからのさらなるデジタル技術進化を見据えて、われわれが目指す最良の顧客体験を提供するマンション分譲の在り方とは何かを再定義する必要があると思うに至り取り組んでおります。 ■誰も正解を知らない未知の領域への挑戦 DXのような変革プロジェクトは社内に前例のないものです。つまりは誰も正解を知らない未知の領域への挑戦とも言えるわけで、そこに大きな魅力を感じております。 誰も正解を知らないとはいえ、世の中には先進事例がすでに多くありますし、社内にも知見のある人材がおりますので、外部と内部から情報収集すればヒントは見えてきます。そのヒントをさらに、外部と内部の情報収集からカタチにしていき、小さく試して早く成功体験を積み重ねることにより、それを繰り返す先にDX後の姿に至ることができると信じています。 ■message DXのような変革の主役はワカモノ/ヨソモノという例えがあります。これは従来の価値観にとらわれずあるべきビジョンを見出し実現できるマインドとスキルを指しています。日本企業にDXという変革が求められている今、まさにワカモノである学生の皆さんのマインドとスキルを活かすべき世の中だと言えるのではないでしょうか。 学生新聞2021年4月号別冊 国際基督教大学4年鈴木菜桜

DX・WEBマーケティング

DAZNJapanInvestment合同会社 日本社長&マネージングディレクター ...

好きなことに全力で、パッションを持ち続ける! ■プロフィール 海外も含め、15年以上の幅広い分野での事業経営経験を持つ。Perform在籍前は、再生可能エネルギー事業を推進する上場会社で社長兼CEOを務めていた。東京で三菱商事株式会社からキャリアを始め、11年後シリコンバレーへ移り、17年間の米国在住期間中にヒューレット・パッカード等さまざまな企業で勤務。 いつでも、どこでもスポーツ中継が観られる動画配信サービスDAZN(ダゾーン)。その日本社長を務めるのが中村俊氏だ。オーストラリアで学生時代を過ごした後、三菱商事などを経て、DAZN日本社長に就任した中村社長に、同サービスが始まった経緯や日本での展開、そしてずっと持ち続ける想いについて伺った。  父親の仕事の関係で、高校1年生のときに家族でオーストラリアのシドニーに引っ越して、現地の学校に通いました。日本に戻ってきたのは、シドニー大学でエンジニアリング学び、卒業した後です。新卒で総合商社の三菱商事に入社しました。当初は、「商社なのだから、海外を飛び回るような仕事ができるだろう」と想像していたのですが、これが全く違っていて、「これでは自分の思い描くような働き方はできないな」と徐々に感じるようになりました。そんな折に、知り合いからヘッドハンティングを受けたことを契機に、年間勤めた会社を辞め、アメリカのシリコンバレーへと拠点を移しました。  その後、17年間に渡って、アメリカでヒューレット・パッカードをはじめとした企業で勤務したり、仲間と一緒に事業を立ち上げたりと、様々なことをやった後、日本へと帰国して、事業再生などを手掛けるようになりました。ある日、広告代理店でスポーツ事業の統括責任者をやっていた弟からDAZNの紹介を受け、スポーツの仕事はやったことがなかったのですが、「未経験のことに挑戦したい」と、引き受けることにしました。 ■ファンニーズに合わせてマーケティングを変更  事業そのものの準備は2015年9月にスタートしたのですが、当時はまだ会社の名前も決まっていなければ、会社もできていませんでした。最初は「DAZN」の発音すら認知されていませんでした。  DAZNの最大の強みは、動画配信サービスとしてスポーツに特化していること。そして、ファンが自分で好きな番組を選べるところです。地上波やケーブルテレビでもスポーツ配信は行われていますが、テレビ局が放映する番組を選ぶので視聴者は試合を選べない。でも、われわれのようにネットを使った中継サービスの場合は、開催されている無数の試合の中から、スポーツファンの方が自分で観たい試合を選べます。それが大きな特徴です。  しかし、すでにさまざまな動画配信サービスがあるなかで、認知度を上げるのは簡単ではありませんでした。そこで最初は、移動中でも居酒屋でもスマホなどで映像を見ることができるという利点を知ってもらうため、「いつでもどこでも試合が観られる」という点をアピールしていました。ただ、逆にそのアピールが「スマホやタブレットじゃないと観られない」という誤解を与えてしまい、認知度が高まるにつれて、スポーツ中継を大画面で観たいという人から、「早くテレビでも見られるようにしてほしい」という問い合わせが増えていきました。そこで、「自宅の大画面で好きなスポーツ中継がいつでも見られます!」という方向性へとマーケティングを変えていきました。 ■忘れられない「DAZNありがとう!」の声援  いまだに忘れられないのが、約2年前にJリーグアウォーズというそのシーズンに活躍した選手や監督、クラブ、審判などを表彰するイベントのときの出来事です。私たちもフィールドにいて、表彰式に参加していたのですが、その際、観客席からファンの方の1人が「DAZN、ありがとう!」という声援をかけてくれたんですね。そのときは、「ああ、DAZNをやっていて良かったな」と強く感じました。  今後のDAZNの目標は、DAZNを「毎日観てもらえるサービス」に変えることです。現在は試合中継の際にDAZNを利用する人が大半だと思いますが、今後は、スポーツ関連のドキュメンタリーを作ったり、スポーツのニュース番組を作ったりするなどオリジナルのコンテンツを作ることで、より多くの人に、毎日DAZNというサービスに触れてもらえるようにしていきたいですね。 ■message  近年の大学生は、就職する企業を選ぶ際に安定した仕事を選ぶ傾向が強まっていると聞きます。しかし、最初から「安定したい」といった考え方だと「、人生それで面白いのかな?」と私などは思ってしまいます。自分の人生の中で仕事に費やす時間は非常に長い。だからこそ、若いうちからリスクや失敗を恐れずに、自分の好きなことや、やりたいことにパッションを持って立ち向かうことを大切にしてほしいですね。そして私自身も、そうしたパッションを持った方とともに働きたいと考えています。 学生新聞2021年4月号別冊 日本大学3年 辻内海成

経営者

株式会社サマンサグローバル ブランディング&リーサチインスティチュ...

ピンチだなと思ったときが大きなチャンスである ■プロフィール 広島県福山市出身。駒澤大学経営学部卒業。 1991年 海外ブランド輸入代理会社設立 1994年 株式会社サマンサタバサジャパンリミテッド 設立 2019年 代表取締役社長を退任。 2020年 株式会社サマンサグローバルブランディング&リサーチインスティチュート設立 人を喜ばせたいという想いの強い寺田社長。人とのつながりの大切さ、その根本にある「感謝と尊敬」、ピンチをチャンスと捉えることによって生まれる「運と縁」。これらのことを大事にすることで活路が開けるという。その心構えを創業者ならではの視点で語っていただいた。  私の父は広島にある鉄工所の5代目の社長で、非常に格好よく、憧れの人でした。子ども心に会社を継ぎたいと思っていましたが、中学2年の冬に、2つ上の兄が継ぐことを知りました。私はがっかりしましたが、次男なので仕方がないと思い直し、それからは自分で起業しようと思い、一生懸命会社を作るための勉強をしました。 私は次男に生まれて会社を継げないと分かったとき、なんて運が悪いのだろうと思いました。しかし、ピンチだなと思ったときにどうチャンスに変えていくのかが大事です。長男に生まれなかったからこそ今の会社があるのだし、今では父親の会社を継ぐよりも自分の作った会社の方が自分にとって良かったと思っています。ピンチのときこそチャンスであり、チャンスと捉えることで運が開けるのです。 ■会社を作るために何をすればいいのか  大学2年のときですが、起業をするには英語が必要だと感じ、留学を決意しました。しかし、当時は英語を話す機会もなく、人前で英語を話すのは恥ずかしいとさえ感じるような時代でした。そこで中学生に英語を教えることを思い立ちました。塾講師なら生徒に英語を教えながら英語を話すことができますし、文法を基礎から学ぶこともできてとても勉強になりました。 大学3年のときに休学してカナダに留学するのですが、ここでもまたピンチが訪れます。留学の間際に父親が倒れてしまい、自分で留学費用を捻出しなければならなくなったのです。このピンチをチャンスに変えるために、カナダで2つのビジネスを始めました。一つはカナダ人を英会話の先生として日本に派遣するビジネスです。もう一つは、カナダ産の革のジャンパーを日本に輸出し、知り合いの商社が開催する催事で販売するビジネスです。この革ジャンのブランドビジネスは上手くいったのですが、英会話の先生の派遣ビジネスは上手くいきませんでした。人の管理が思うようにいかず、やはり人を扱うビジネスは難しいと実感しました。しかし、この経験から人とのつながりがビジネスを生んでいくのだということを実感しました。 ■仕事をしていく上での大事なこと  その後、大学4年になってもカナダにいることが多く、カナダの毛皮ビジネスも順調でした。このまま会社を立ち上げ、起業しようかと思ったのですが「、こんなに上手くいくわけがない」と思い、考え直しました。 会社経営をするためにも一度会社勤めをしないとサラリーマンの気持ちがわからないと思い、ある商社で2年間働きました。そのときに実感したのは、人は「やりがいがあっても給与が悪いと文句を言う」「プライドがあるほどやりがいがないと文句を言う」「給与が良くてもやりがいがないと文句を言う」ことです。自分が会社を作るときは、やりがいがあり、プライドが持てて、良い給与を出せる、そういう仕事をやりたいなと思いました。 ■ブランドもので起業する  この経験で学んだことを生かして起業するには「ブランド」だと思いました。ブランドといっても、お金がないので車や時計は作れないなと感じていました。また、洋服とは違い、バッグは持っているとどこのブランドかがわかりやすいことにも気づいたのです。そのとき、「バッグが一番作りやすい」と直感的に思いました。 しかし、私はファッション自体わからないし、ファッション系の知り合いは一人もいなく、ピンチだと思いました。当時は雑誌が流行を決める、それをテレビが追いかけるという時代でした。雑誌に取り上げてもらうだけでビジネスとして成り立つくらいの勢いがありました。しかし、雑誌で取り上げてもらうのは至難の業です。それだけ雑誌は敷居が高かったのです。 当時、4人で会社を経営していたのですが、雑誌社に電話をかけることに全員が反対しました。しかし、反対されたことで私はむしろチャンスだと感じました。運良く会ってくれる雑誌社の方がいて、少しずつ関係を築きながらお付き合いをしていくうちに、次に来る流行の情報を教えてくれるようになったのです。仲良くしていただきながら常に心がけていたのは、相手が求めていることを先読みし、行動することでした。人との出会いをいかに活かすかが大切なのです。 ■message ピンチを感じないとチャンスは生まれません。コロナで大変ですが、こういうときだからこそ人と同じことはしない、人がやっていないことをしないと勝つことはできません。今はチャンスの時代なのでピンチを楽しんでチャンスをつかんでほしいと思います。 人間は「~したい」か「~しなきゃ」の2つの感情で動きます。おいしいものを食べたいと思う感情、学校に行かなきゃと思う感情のことです。いやなことでもしないといけないもの、「~しなきゃ」を「~したい」に変えていくことが大切です。そのためには明確な目標と目的をしっかりと持つことです。ここをきちんと決められると半分くらいは目標を達成したようなものではないでしょうか。 学生新聞2021年4月号 日本大学3年 辻内海成

人事

ストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 コンサルティング・タ...

■プロフィール 自動車・モビリティ・運輸・航空宇宙・製造・化学セクターコンサルティングリーダー。国内外で自動車業界を中心に20年以上にわたりコンサルティングの経験を持ち、経営戦略策定、事業構想、マーケット分析、将来動向予測等に従事。2021年より採用担当を兼務。 専門性を駆使し、プロフェッショナルなマインドを持って経営者を支え、クライアントの経営課題を解決する。そして、国籍や性別を越えてダイナミックに連携し、国際的に活躍できる魅力的なファーム。 ■業界の特徴と魅力をお聞かせください  コンサルティングは、第三者的立ち位置や専門性を活かしながら、業界や国をまたいで連携することにより、クライアントの経営課題の解決を生業としています。モノやサービスを世の中に提供するのではなく、弁護士や医師などのプロフェッショナルと同様なマインドを持ち、いわば黒子の立ち位置で経営者を支える仕事です。 その魅力は、SDGsなどの社会アジェンダに真正面からぶつかり、いろいろな人と協力し、解決するダイナミックさです。また、クライアントの経営課題に対し、専門性を駆使し、難易度の高い仕事をやり切ったときのクライアントからの感謝、そして自分がどう世の中に寄与したのかを目の当たりにすることができることが醍醐味です。 ■どのような人材を求めていますか  スキルがあり地頭がいいというだけでなく、業界のために役に立ちたい、より良い社会を作りたいというマインドを持っている学生は魅力的です。そして、クライアントからの高い期待に応え続けるべく、自己を常に成長させなければならないため、成長意欲や物事に取り組む情熱を持つ学生に来て頂きたいです。小さなことでも一歩踏み出し、「こういうふうにやりたい、だから今このような活動をしている」などと、アクションを起こせる学生を希望します。そういう人であれば、就職後も自分自身で成長することができます。 ■御社の魅力について教えてください  弊社は、圧倒的にグローバル化やダイバーシティが浸透しています。業界や国をまたいで仕事をしていく中で、目標を達成するにはいろいろな価値観を持った人材が必要です。そのため、外国人も積極的に採用しており、グローバルとの密な連携とともに、性別、国籍、年齢の違いを感じさせないこと、それが当たり前だと認識していることが私たちの強みです。 ■大学生へのメッセージをお願いします  就職は、人生において大事な意思決定だと思いますが、まずは悔いのないようにやってもらいたいです。コロナ禍という大変な環境ではありますが、それを前向きに捉え、今しかできないことに自ら挑戦してください。我々企業側もそういう姿勢を見ています。 学生新聞2021年4月号  駒澤大学4年 如意太一

DX・WEBマーケティング

大塚製薬株式会社 ニュートラシューティカルズ事業部eコマース部 金澤慎...

自分を見つめ直し、興味関心あることを考えてみよう ■プロフィール 1987年生まれ。新潟県出身。米国ネバダ州立大学ラスベガス校教育学部卒業。2010年4月、大塚製薬株式会社入社。ニュートラシューティカルズ事業部福岡支店、MBA留学(米国ワシントン大学)、事業戦略室を経て、2017年3月から現職。 ポカリスエットやオロナミンCなどの飲料や、カロリーメイトといった栄養食品においてロングセラー商品や科学的根拠に基づいたユニークな商品を生み出し続ける大塚製薬。同社ニュートラシューティカルズ事業部の金澤係長から、自身の想いを形にする仕事の楽しさや学生時代の経験を今の仕事に活かしているお話などを伺った。  学生時代は、アメリカの大学で体育学、主に人の健康を学んでいました。この分野にもともと興味があったので、将来はスーパーに並ぶ商品、自分たちの生活に身近なモノに関わっていきたいと思うようになりました。 就活のタイミングが、ちょうどリーマンショックのど真ん中で大変でした。4年生の12月まで内定がなく、本当にギリギリで大塚製薬に決まったという感じです。面接の時に、留学中にポカリスエットに幾度となく助けてもらったエピソードを熱く話したら、縁あって入社することができました。入社後、再度留学させてもらったのもありがたいことでした。 入社して良かったと思うのは、街でポカリスエットやオロナミンCを飲んでいる人を見かけると、気持ちがすごくハッピーになることです。ちょっと見た目がいかつい感じの人がオロナミンCを飲んでいたら、「あっ、この人絶対いい人だ」と思います(笑) ■商品の価値を伝えお客様をリピーターに  今の仕事で行っている業務は大きく分けて2つあり、1つ目は、自社の通信販売サイト「オオツカ・プラスワン」を管理・運営し、集客をするための広告を打つことや、購入してもらった方にまた購入していただくためのチラシやメールを作っています。 自社通販サイトは小売サイドに近いものなので、目標は自分たちのサイトで買ってもらうこと。継続して利用してもらい、ライフタイムバリュー(LTV)という指標でどれだけ買ってもらったかを見ています。 2つ目は、ポカリスエットやソイジョイといったブランドのデジタルマーケティングのサポートをしています。ここでは販売するというよりも、お客様に対し商品についてもっと知っていただくことを目的にプロモーションしています。キャンペーンなどを実施して、サイト内の滞在時間を長くすることや、飲用機会を幅広くとらえていただくような提案や、商品の認知度を高めることを目的として行っています。 ■デジタルでわかること、わからないこと  業務においては、すべてを数値化できることが面白いと思います。店頭の販促資材やPOPは、それを見たお客さんがいつ、どのタイミングで購入したのかを計測するのは難しいのですが、デジタルはそれがすべて数値としてわかります。  バナーを掲載して、何回表示されて、何人の人がどの商品を購入したのかが一目でわかる。もっと言うと、購入した人の何人がリピートしているのかが数値でわかるので、面白い反面、失敗も数字で明確に返ってくる。ねらっていたことと全然違うことが多々あります。  うまくいくようにするには、これをやればこうなるのではないかと仮説を立てて、プロモーションをやらなくてはいけません。  逆に、数値だけではわからないこともあります。例えば、自社通信販売サイトで、明らかに男性向けの商品を女性が購入しているとします。アンケートをとってみると、息子のために購入したとか、デジタルだけでは見えてこない、リアルで聞いてみないとわからない、裏のストーリーもあります。だからこそお客様の生活をイメージすることや、時には妄想することも大切なんだと気付かされます。 ■リアルとデジタルの融合を目指す  リアルとデジタルの融合は、できているようでできていないことが多いです。全ブランドで試して、より多くの消費者の方へ届くように活かしていきたいです。ブランド軸だけではなく、会社としても、全国の営業拠点と協力しながら、考えたいと思います。 ■message  就活は、自分を見つめ直すいい機会です。自分の強みや弱みを考えること。まだまだ先は長いので、興味があることって何だろうとか時間をかけて考えることが大事。やってみて無駄なことはありません。そのときどきでは無駄じゃないかと思うこともあるかもしれませんが、あとになって考えてみるとそれまでの経験が今の自分に繋がってきます。語学や資格だけではなく、コミュニケーションをいろんな人ととれるようになっておくといいですね。 学生新聞別冊2021年4月号 専修大学4年 石岡慶也

濱穂乃香

株式会社 吉野家ホールディングス 代表取締役社長 河村 泰貴

一生懸命に努力することが 必ず成長につながっていく ■プロフィール 1968年生まれ。大阪府出身。1987年に広島の高校を卒業後、アルバイトを経て1993年吉野家ディー・アンド・シーに入社。2001年、吉野家ディー・アンド・シー企画室グループ企画室に着任。2004年、はなまるへ出向し、経営再建に貢献。2007年、同社代表取締役社長に就任。2012年、吉野家HD社長に就任し、2014年に吉野家の社長を兼務。長期経営ビジョンNEW-BEGINNINGS2025を掲げ、「飲食業の再定義」を進めている。 大学に2度入り2度中退。吉野家でのアルバイトに楽しさを覚えた若者は、正社員となり、吉野家ホールディングスの社長になった。学歴は関係ない、失敗を恐れず、興味があることに一生懸命になれ。価値は「ひと」が生み出す、という河村社長だからこそ語れる大学生へのメッセージとは。  私にとって、大学生になるということは代の自分とその自分を取り巻く環境からのエスケープであって、学業について語れることはあまりありません。ただ、いろんなアルバイトを経験しましたね。引越センターやゴルフ場などで体力勝負になるような仕事が多かったように思います。 さまざまなアルバイトのなかでも、19歳のときにはじめた吉野家のアルバイトにハマりました。そこで尊敬できる大人に出会えたことが私にとって価値のあることでした。また、吉野家は当時時間365日営業でしたが、社員は基本的に1店舗に1人の配置でした。つまり、ほとんどの時間はアルバイトだけで店を回すわけです。そのため、アルバイトでも責任者になれば、自分で考えて効率よく仕事を進めることができて、いろんなことを任せてもらえるようになるのです。任される、ということにやりがいを感じて熱中した結果、大学には行かなくなり、中退してしまいました(笑)。 その後、吉野家ではアルバイト店長が導入されたのですが、そのときに、店長を任せたいと言っていただいて、いろいろ悩んだ末に、そのお話をお引き受けしました。実際に始めてみると、店長の仕事はかなり大変で、2度目に入っていた夜間の大学も忙しくて行けなくなり、結局、中退してしまいました。 吉野家でのアルバイトを続けながら、23 歳くらいになると、ついこの間まで一緒に遊んでいた友達が急にリクルートスーツに身を包み、髪型を整えて、就活生に変わっていくのを目の当たりにして焦り始めました。手に職があるわけでもないですからね。そんなときに正社員にならないかというお話をいただきました。こんな自分を雇ってくれる会社はもう他にはないと思い、入社することにしました。 ■何よりも大事なことは、一生懸命やること  いざ入社式に出てみると、同期になる新入社員はみんな新卒ばかりです。今考えればよいことだったと思えますが、当時は最年長である以上、人の何倍も努力して仕事を早く覚えなくてはいけない、なんでもできて当たり前でないといけない、と焦りました。 それと同時に、アルバイトではなく社員なのだ、と社員として仕事に向き合うスイッチが入るきっかけになりました。私は、「こういうものだから」という言葉がとても嫌いなんです。何事もなぜだろうと考えますし、疑問に思ったことは追求しないと気が済まないタイプです。そのため、すべてのことに一生懸命取り組み、それが習慣になったことがとてもよかったです。 努力しているかどうかって、人の目をごまかせても自分には分かりますよね。だからこそ、自分に嘘をつかないように一生懸命勉強して努力しました。人生で初めてあんなに勉強したんじゃないかな(笑)。私はなんの取柄もないアルバイトでしたが、ありがたいことに、仕事ができるようになると次のチャンスを与えてくれる会社だったので、それが次の成長へとつながりました。 ■「ひと」が価値を生み出す会社になる  私は、「ひと、こそが価値を生み出す源泉」だと考えています。感動的なサービスはロボットにはできません、「ひと」が行うことでその価値を高めることができるのです。一方で、人件費は単にコストとして捉えがちです。しかし、私はコストではなく付加価値だと思っています。この「ひと」を大切にするのは、グループ共通の価値感になっていて、吉野家ホールディングスの魅力だと思っています。 幸せの定義は人それぞれであり、会社は一方的に社員に幸せを提供することはできませんが、当社では、努力する人には成長のための機会が平等に与えられます。だからこそ、学歴は関係がないと思っているので、実力主義を求める方に来てもらいたいですね。逆に、年功序列とかは全くないので安定を望む方には向いていないと思います(笑)。   与えられた機会に、自分がどこまでできるのか、食らいついて生き生きと活躍してほしいですね。さらに、飲食・サービス業は大変だというイメージを、「楽しくやりがいのある」イメージに変えていきたいです。 ■message  大学はブランドとか偏差値とかはまったく関係がなく、学びたいことを学んでほしいですね。興味のあることを深めていってください。そして若い人に希望を持ってほしいです。未来に希望を持って早く大人になりたいと思う社会でありたいと思っています。そうでない社会なのは、我々大人の問題でもあります。ぜひ、社会や未来に希望を持ってください。大人になったらいいことがたくさんありますよ。大失敗することもいいことなんです。今のうちに失敗を恐れず、いろんなことに挑戦して自分で道を切り開いていってほしいです。 学生新聞2021年4月号 東洋大学1年 濱穂乃香

大学理事長・大使館

学校法人神奈川大学理事長・神奈川大学長 兼子良夫

どうやって生きるかを、正しく選択していく力を育てる ■プロフィール 2003年より神奈川大学に勤務。経済学部長、理事を経て、2016年4月より学長に就任。2020年9月より学校法人神奈川大学理事長を兼務。現在、文部科学省大学設置・学校法人審議会特別委員をはじめ、学外の要職を多数務める。 「質実剛健」「積極進取」「中正堅実」の精神に基づき、真の実学を目指す神奈川大学。2021年4月にはみなとみらいキャンパスを開設。国際都市・横浜を知の拠点として、世界に通用する人材育成に力を入れている兼子学長に話を伺った。 ■どんな学生生活を過ごされていましたか  常に自分で考えて行動することを心がけて、学びの日々を過ごしていました。特定非営利活動法人アイセック・ジャパンという団体に所属し、海外の学生が日本で働くことに対する支援と、日本の学生が海外で働くことに対する支援をしていました。スタディツアーで東南アジアの大学を訪問することもあり、学生時代から海外に目を向けていました。 発展途上国の学生と交流する機会が多く、彼らの「自分で国を創っていく」という強い意志に触れることができたのは学びでした「。自分は将来にどんなビジョンがあるのか?「」自分はどう生きていくのか?」と自問自答するきっかけになりました。 ■学問を研究する意味について、教えてください  世界には解決できていない問題があります。私の研究分野である経済学においては、物価高騰、貧困と飢餓、失業問題などです。一人ひとりがより良く生きていける社会にするために、問題解決を目指して世界中の研究者たちが、日々努力しています。 私も「、人々の生活や生存の厳しさを、学問で解決したい」と思い研究の道に進みました。 ■学長としての想いをお聞かせください  私の根底には、「一生懸命頑張る学生をサポートしたい」という想いがあります。学生のみなさんに、学問の叡智をいかに伝えることができるかを常に考えています。 そのために、国際的な大学づくりを目指し、世界標準の高いレベルで研究を行っています。2021年4月に開設するみなとみらいキャンパスはその一環であり、産官学連携の視点においても、双方で啓発し合いながら進める「新しい教育・研究」を実現することができる理想的な環境です。いま本学が積極的に取り組んでいるのは、SDGs17の目標と169のターゲットの達成に向けた研究・教育の推進です。持続可能な社会をつくるために、高等教育機関として研究活動や教育活動を通じ、地球規模の課題に対して、さまざまな側面から解決策を見つけることに大きな責任を持っています。イギリスのタイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)が発表した、SDGsを軸とした世界の大学の社会貢献度を測るTHEUni-versityImpactRanking2020にて、本学は指標となる全SDGでランクインしました。全SDGにランクインした日本の私立大学は校のみです。日本の主要大学の一つとして、一層SDGsへの取り組みを強化してまいります。 ■どんな学生が社会に求められていくと思いますか  資本主義社会の未来は、誰にも分からない、不確実で予測不可能なものです。分かっているのは、いまの概念は通用しなくなる、ということです。社会が激しく変化する時代にあって、その場に合わせて臨機応変に行動できる対応力や、グローバルに活躍できる力が必要不可欠です。「あの企業に入りたい」ではなく、「どうやって生きるか」を常に考え、正しく選択できる能力を磨いてほしいと思っています。 本学卒業生には、世界的企業で活躍している人や、官公庁でも重責を担っている人がたくさんいます。本学で学んだ学生が社会に出て、一生懸命頑張っている姿を見ると胸が熱くなりますね。 ■大学生へのメッセージをお願いします  新型コロナウイルス感染症の流行で厳しい状況が続いていますが、これをむしろチャンスと捉えていくことが大切です。本学でも、オンラインを活用し約180の海外協定校との交流を活かして連携をはかり、教育内容の幅を広げることで、頑張る学生をバックアップしています。 未来に向かって希望を忘れずに前に進み続けてほしいです。苦しい状況を一緒に乗り越えていきましょう! 学生新聞2021年4月号 明治学院大学3年 小嶋櫻子

DX・WEBマーケティング

株式会社Mizkan MD本部デジタルマーケティング部部長 亀山勝幸

信頼される味を時代のニーズに合わせて発信! ■プロフィール 1972年生まれ。神奈川県出身。法政大学経済学部卒業。1995年3月、株式会社Mizkan入社。1998年より商品企画部門において、食酢・ぽん酢・つゆなど主力カテゴリーのブランド戦略・商品開発を担当。2018年3月、デジタルマーケティング部部長に就任。広告宣伝、デジタルコミュニケーション全般を担当している。 創業1804年、江戸時代後期から続くミツカン。代表的ロングセラーブランド「味ぽん」は、入れ替わりの激しい食品業界の中で、発売から56年経った今でも成長し続けている。既存の価値をどのように新しい価値に繋げ、多くの人に届けるのか。デジタルマーケティング部の亀山部長にその秘訣を伺った。  食品メーカーの魅力は、やはり衣食住の一つということで、多くの人に触れるものを扱っているという点ですね。自分が開発に携わった商品やCMがたくさんの食卓に届くなど、多くの人の暮らしに影響を与えられるところが面白いですね。そのような中で、私が所属するデジタルマーケティング部は、広告・宣伝・PR・広報など「コミュニケーション全般」を担当しており、商品やメニューの魅力をより多くの生活者に伝える役割を担っています。 ■時代を超えて商品を届ける  われわれミツカンは創業216年、江戸時代後期から続いている歴史ある会社なんです。江戸の屋台でお寿司が流行りだしたことをきっかけに、それに合うお酢を愛知県で作り出したことから始まっています。代表的なロングセラー商品として「味ぽん」があるのですが、発売から年が経った現在も売り上げを伸ばしています。当初はお鍋用の調味料として発売したのですが、東日本ではお鍋にぽん酢を使う文化がなく、商品を知ってもらうまでには時間がかかりました。テレビCMなどを活用しながら認知を広めているうちにようやくお鍋用の調味料として定着し、次にどんな使い方があるのかを模索し始めました「。あそこに餃子に使っている人がいる」「焼肉に使っている人もいるらしい「」サンマにもいいんじゃないか」といった形で常に新しい価値を追求し続け、今では多くのお客様に様々な使い方でご使用いただき、長く愛され続ける商品へと成長いたしました。商品の味を変えるだけではなく、どういう使い方、楽しみ方があるのかをうまく伝えていくことで、ロングセラー商品でも伸び続ける。それを可能にするのがわれわれの部署だと思っています。 ■生活者ニーズに合わせた情報発信  情報発信する際に、企業目線ではなく生活者目線で興味関心のある情報を届けることが重要だと考えています。日々の意識変化を捉えるために、オンライン上の検索データやSNSの投稿を分析することで、生活者のニーズをタイムリーに把握することもできます。例えば、2020年には「コロナ太り」や「免疫」といった検索ワードなどをもとに、Twitterでミツカン社員おすすめレシピを配信したところ、高いエンゲージメント率を獲得することができ、フォロワーも一気に増えたことがありました。今では「おうちごはん特集」としてホームページ上で一番閲覧されるコンテンツに成長しています。 また、メディアの特徴も把握してそれに合わせた情報発信も必要と考えています。具体的には、バナー広告などのペイドメディアで認知を広げ、自社のメディアであるオウンドメディアで情報を充実させ、SNSといったアーンドメディアで生活者の方とインタラクションする。SNSはターゲット世代に該当する担当者が運営をして、世界観やコンテンツの内容を作りこんでいて、フォロワー数も順調に伸びている状況です。インタラクションとしては、インスタグラムのストーリーやTwitterのカンバセーショナルカードを使って、お客様へ質問を投げかけ、その回答や意見に沿った情報発信を行っています。双方向的なコミュニケーションをすることで、見ている方も積極的に興味を示してくれます。 ■業界によって異なるデジタルとの相性  食品業界では商品を実際に購入したり料理したりする場の多くがオフラインです。家や車といった購入頻度の低いストック型の商品は、デジタル上で調べ尽くしてから買うなど、お客様の関与度が高いのですが、食品はフロー型なのでデジタル上での関与度が低い傾向にあります。もちろんデジタル活用は重要で今後も不可欠ですが、デジタル活用自体を目的にするのではなく、オンライン・オフラインを切り離さずに、カスタマージャーニーに沿ってコミュニケーションを設計することが重要と考えています。 ■message 私自身が仕事を選ぶ際には「好きなことを選ぶ」ということを強く意識しました。嫌いなことを通じて自分を成長させることは難しいと思うんですよね。自分が何を好きか、何がやりたいかという観点から仕事を選ぶと人生楽しく過ごせるのではないかと思います。また好きなことを一生懸命楽しくやっていると、自然といいご縁が向こうからやってきてくれるように感じています。 学生新聞別冊2021年4月号 国際基督教大学4年 鈴木菜桜

伊東美優

株式会社ファンケル 代表取締役社長執行役員 CEO 島田 和幸

お客様との絆を大切に、世界中にもっと喜びと笑顔を ■プロフィール 1955年生まれ。広島県出身。1979年、同志社大学法学部卒業。株式会社ダイエー入社。1993年から、8年間創業者の中内功氏(故人)の秘書を務める。その後、株式会社マルエツを経て2003年、株式会社ファンケル入社。2007年、取締役。2015年、取締役専務執行役員を経て、2017年4月から、代表取締役社長執行役員CEOに就任 創業以来、安心・安全にこだわった独自の商品開発により、無添加化粧品やサプリメントなど、多くのお客様から支持を得ているファンケル。このコロナ禍で大きな打撃を受けながらも新たな発見があったと語る島田社長。ファンケル独自の強みとは何か、今後の目指す姿について話を伺った。  大学生時代は混声合唱団に所属し、 年間ひたすら歌を歌っていました。今でも時間があるときに、学生合唱団の映像を見て楽しんだりしてます。勉強はあまりやってこなかったのですが、唯一語学は 年間頑張って勉強しました。とにかくサークル活動などを楽しんでいたので、大学4年生のときは、就活への不安で苦しかったのを覚えています。自分は何をしたいのか、どんな仕事が向いているのかを慌てて考えていましたね。ただ、当時は高度経済成長期で、流通業が牽引する時代でした。いろいろな業界を見ていく中で、私もこの業界で日本を豊かにしたいと思うようになりました。その結果、卒業後は小売企業の中でトップだった株式会社ダイエーに入社することになったのです。 ■チェーンストア業界での経験  ダイエーに入社して以降8年の間、私は社長秘書を務めることになりました。そこでお世話になったのが、ダイエーの創業者であり当時社長であった中内功氏 ( 故人 ) です。 中内さんは一言でいうと、本 当に怖い人でした。そして、 とんでもなく凄い人。彼は戦後アメリカでチェーンストア が発展していることを知り、 日本でも誰もが食べたいだけ食べられるような豊かな世の中にしたいという思いから、チェーンストアを興した第一人者です。私はあくまで秘書でしたので、中内さんと深い付き合いがあったわけではないのですが、近くで仕事ぶりを見ていて尊敬とはまた違った畏敬のような感情を抱いていました。そして、そのような業界に身を置いて一番感じたことは、やはり産業構造の変化の速さです。デパートメントストア三越を売上で抜いて小売業界トップに躍り出て、日本一の流通グループとなったあのダイエーが、年代後半から一気に業績が落ちていったのです。栄枯盛衰と言いましょうか、時代の流れは我々の想像を遥かに超えて早く、未来は予測不可能だと思い知りました。 ■コロナ禍を経て気づいたこと  このような経験を経て、2003年に新たに入社したのが株式会社ファンケルです。創業者の池森に社長になることを勧められたときは、ある程度自分の中で覚悟がありましたが、やはりプレッシャーは大きかったです。ただ、会社や社員、お客様のためにやるべきこと、そして果たすべき責任があるからこそ、人はやりがいを感じると思うのです。 この新型コロナウイルスによって、当社も大きな打撃を受けました。私が社長に就任してから右肩上がりで伸びていた売上も、昨年大幅に減ってしまいました。ただ、この状況下において全てがマイナスかというとそうではありません。その一つが「こんなときだからこそ頑張ろう」と、より社員との関係が深まったことです。やはり社員が元気でなければいい商品は開発できないし、お客様に喜んでいただくことも不可能だと思います。だからこそ、私たちのモットーは社員みんなで仲良く。ありきたりな言葉ですが、昨年は同じ目標に向かって頑張る仲間たちをより一層大切に感じることができました。そしてもう一つがお客様からのメッセージです。社員一人一人の気持ちが沈んでいるときにお客様から感謝の言葉をいただいたり、中には体の心配をしてくださったりなど、メッセージ一つひとつが私たちの心の支えになりました。おかげでこのコロナ禍でも、踏ん張って今は耐えようと前向きな気持ちになれました。 ■お客様の「不」の解決が原点  当社のような商品を扱う企業はたくさんありますが、他社とは価値観が違います。当社は創業当時、化粧品公害という大きな社会問題を解決するために起業したという経緯があり、「安心・安全」にこだわり続けています。商品開発にも力を入れており、無添加化粧品やサプリメントなど、素材や鮮度の追及を重ねた商品の数々が私たちの強みです。どんなに世の中が変わろうとも、私たちはお客様の「不」を解消するという創業当時からの原点を貫き、新たな課題を解決していきます。お客様に喜んでいただくことを常に考え、挑戦し続けることが重要です。 このコロナ禍は会社としても個人としても、足元を見つめる良い機会でした。そしてこれからもお客様との絆を深めていくことの大切さを実感しました。今後はデジタル化をさらに進めて今よりもっとお客様とつながること、独自性の高い商品をどんどん開発していくことを考えています。そして今後は中国を中心に、さらに海外で売り上げを伸ばしていきたいと思っています。日本から世界にフィールドを広げて、より多くの人々の「不」の解消に貢献していきます。 ■message  昔は60歳過ぎれば定年だったのですが、今では70歳まで働かないとやっていけない時代に変化しつつあります。だからこそ確実に言えることは、一つのキャリアで一生涯生きていくことは不可能だということ。学生の皆さんもどんなときでも学び続けください。 学生新聞2021年4月号 慶應義塾大学1年 伊東美優

芸能人

倖田來未 人生に無駄はなく、やってきたことは間違いではなかった

■プロフィール 1982年、京都府に生まれる。デビュー20周年を迎えるが、デビュー当時のスタイルとパフォーマンス力を現在でも維持し続けている。常に新しいことに挑戦し、多くのファンに愛され支持されている。2020年9月、徹底したコロナ感染予防対策の上、アリーナツアーを開催し、ファンを魅了。  小学校4年生のときから「歌手になりたい」という夢を持ってオーディションを受け始め、高校年生の夏にエイベックスに合格しました。しかし、デビューが確約されていなかった中で一年間レッスンを受け、やっとデビューできたのですが、“倖田來未”という人間をなかなか見てもらえず、会社の期待にも応えられませんでした。自分はデビューを目標に頑張ってきたのですが、デビューしてからがスタートだと気づかされ、そこからはもっと努力しないと周りのアーティストさんと並べない、勝てないのだと痛感しました。 ■自分には何があるだろう?自分の正解を見つける難しさ  デビューしてからは“倖田來未”という人間の正解を探す旅となります。人の背中を押せるような曲を届けたいと思って楽曲作りをしていたのですが、なかなかヒットに恵まれませんでした。そこで、まずは気づいてもらうことが大事だと思い、「人がやっていないことをやろう!」と、当時、周りにはいなかったセクシーなファッションをしたところ、多くの人に知ってもらえるようになりました。しかし、次はファッションで注目される“キューティーハニー”のような存在から歌手の“倖田來未”にならないといけません。歌を聴いてもらいたいのにファッションアイコンが一人歩きするのです。そこで次はメッセージ性のある曲を歌って歌手だということに気づいてもらうことにしました。音楽業界には正解というものがありません。自分自身で正解を見つけるのが大変でした。 私は大人も子どもも楽しめるエンターテイメントを作りたいと思っています。エンターテイメントは夢を与えられる仕事であるだけに自分自身が夢を忘れず、お金では買えない価値を届けたいと思っています。これをやったらお金がかかるな、などと現実的なことばかり考えていると夢はなかなか語れません。いくつになっても子ども心に戻って楽しんでもらえるものをと思っています。 ■message  いろいろ経験することが大切だと思います、恋も仕事も。そうすることで「自分ってこれが好きなんだ」という発見につながります。でもそれは一歩踏み出さないと始まらないです。いつもと同じルーティンでいると何も変わりません。やったことのないことをやってみる。そして自分の勘を大切に、自分を信じて進んでほしいと思います。 学生新聞2021年4月号 大阪教育大学4年 清水悦子

DX・WEBマーケティング

株式会社ロッテ ロッテノベーション本部マーケティング部デジタル担当部...

お客様をファンに。デジタルメディアをさらに活用 ■プロフィール 早稲田大学社会科学部卒業後、株式会社ロッテへ入社。営業として卸店やスーパーマーケットの本部を担当したのち、リテールサポート部門、商品開発部などを経て、2016年より自社オンラインショップの実務責任者を担当。2019年11月より現職にて自社オンラインショップはじめホームページやファンサイトなどのオウンドメディアを統括。 「お口の恋人ロッテ」というキャッチコピーを耳にしたことがない人はいないだろう。「Ghana」「爽」「雪見だいふく」「XYLITOL」など、ヒット商品に枚挙の暇はない。また、ロッテといえばプロ野球千葉ロッテマリーンズを想起する人も多いはず。そんな大企業ロッテにおいて、デジタルマーケティングを担当している宮内さんに話を伺った。  われわれは、主にオウンドメディアやオンラインショップの企画・マネジメントを担当しています。もともとホームページは宣伝部の管轄だったのですが、オウンドメディアを連動して運用する事を目的にロッテlandやロッテオンラインショップとともに、現在はわれわれの担当で運用を行っています。 お菓子業界に特徴的なのは、「商品名と会社名が意外と一致しない」という点です。例えば「コアラのマーチ」などはCMソングで「ロッテコアラのマーチ」と歌っているので一致しやすいのですが、その他の商品に関しては、皆さん、「これはロッテの商品だ」という意識はあまりないのではないでしょうか。このような点を考えると、まずはロッテという会社の製品だという認知を持っていただくというよりは、各ブランド(商品名)に対して愛着を持っていただき、ロイヤリティーを高めるしかありません。その一環として弊社では、単純に商品情報を出すだけでなく、例えばオウンドメディア内にて各商品をモチーフにしたゲームを作ったり、お菓子の空き箱で工作をする企画を行うことで、商品への接点と増やしてもらい、結果としてロイヤリティーを高めてもらえるような施策を行っています。 ■お客様にアプローチする方法の変数が増大  昔の広告は、テレビやラジオ、雑誌や看板が中心でしたが、昨今では動画投稿サイトやホームページ、アプリに加えて、各種文字ベースのメディア等、露出箇所が際限なく広がってきています。そのため、それぞれの広告の効果を追って分析することが非常に難しくなっています。オンラインでやり取りの完結する商品の場合は分析できる点もあるのですが、お菓子というのは基本的にオフラインでご購入いただくものですので、このあたりは本当に難しいですね。 ただ、今後デジタルメディアの活用でできることは少なくありません。例えば、弊社の公式LINEの登録者は1200万人を超えていますし、各ブランドのSNS登録者数も順調に伸びてきています。こうしてSNSアカウントを通じて「どうファンにできるか」という取り組みがとてもしやすくなります。これはお菓子という商品の特性上、とても重要なことなんです。例えば家電などでは、事前にしっかりと下調べをして、あれこれ悩んで最後に「よし、これだ」というものを購入しますが、お菓子の場合は、ふらっとコンビニやスーパーに入って、たまたま目に入ったものを手にとる、いわば衝動的な購買が非常に多いですよね。ですから、その回の衝動的な行動の際に弊社の商品を思い出してもらえるかが大切だと考えています。 ■ヒット商品を育てる難しさ  昨今特に、ロングセラー商品は作りにくくなってきています「。ロングセラー商品はこうやって作ります」と答えられたらかっこいいんですけど、知っている人がいるなら教えてほしいというのがホンネです(笑)。ですが、弊社に限らず、各メーカーの稼ぎ頭は何十年選手の商品ですので、やはりどのメーカーもロングセラー商品を育てたくてほしくてうずうずしていると思います。 お菓子業界に限らず、ヒット商品を作るのが難しい理由のひとつは、面白い広告が必ずしも購買に繋がる訳ではないからです。どんなに面白い企画を打ってSNSでバズっても、どんなに豪華なキャストを用意してCMを打っても、それを見て「あ、これ買いに行こう」とならなきゃ意味がない。そして残酷なことに、莫大なお金をかけたCMでも、見た翌日までそれを覚えている方はほんの一握りです。これは本当に難しいところですね。 ■message  私たちは、デジタルの広告とアナログの広告(リアルの広告)とを分断して考えてはいません。それは、お客様がそれらの広告をデジタルかアナログかでは意識していないからです。そして、そんな中でデジタルの分野で大活躍するのが、何を隠そう皆さんのような世代の方々です。今の若い方々は、「デジタルネイティブ」と呼ばれ、デジタルを何の気なしに使いこなしています。そのような方々が主導して取り組みをしないと、これからはお客様たちへの訴求できないと思うんです。あの台湾の、天才と呼ばれるデジタル担当大臣オードリー・タンさんでさえ、「新しい事に対しては若い人には敵わない」とおっしゃっているくらいですから。柔軟なアイディアや発想、型にはまらない考え方。若さゆえに持ち合わせているものを武器にして、挑戦をしてください。 学生新聞別冊2021年4月号 慶應義塾大学4年 小川淑生